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2009年1月31日土曜日

最近の見上げた若者について

 確か二、三年前の話だったと思いますが地中海にある紀元前の遺跡から出土した石版に、「最近の若い者はなっとらん」と書かれたものが出てきたそうで、いつの時代も年配の世代は若年世代に対して万国共通で批判的であるという風なニュースがありました。かくいう現代の日本も多かれ少なかれそういうところがあり、この前にあった成人の日ではあまりニュースになりませんでしたが、成人式で新成人が暴れるというニュースはここ毎年の日常茶飯事と化し、その他のメディアでも若者という言葉は「元気がない」、「消費意欲がない」などと否定的な言葉と組み合わせられて数多く使われています。

 そんな現代の日本で私は二十代ということで一応若者に属してはいますが、そんな私から見てどうもこのところの若者、というより自分より年齢が下の世代について、若いのにしっかりしたのが多いなぁと関心する機会が増えています。
 まずエントリーナンバー1番はマー君こと楽天の田中将大選手で、この子なんか甲子園の頃はメディアから徹底的に現早稲田大学野球部の斉藤佑樹選手に対するヒール扱いされっぱなしで、見ているこっちがかわいそうになるくらいの扱われようでした。しかしそれにもめげず、果てにはドラフトで希望していた日ハムではなく楽天に決まった際もプロとしてやってけるのならと言ってすんなり入団し、入団後は野村監督に「マー君」って呼ばれて毎回ネタにされても文句もいわず、挙句に去年のオリンピックでは初戦の敗退を受けてダルビッシュに言われて(脅されて?)素直に丸坊主頭にするなど、見ていて素直で人の言うこと聞くしテレビカメラの前でも非常に謙虚で落ち着いた対応は大したものだと感心させられます。

 そんなマー君以上に落ち着いているのとくれば、こちらはエントリーナンバー2のプロゴルファーの石川遼選手です。この石川選手もテレビの前でも全然落ち着きを保ち、またプレー前のコメントでは常に低く謙虚に構えて年齢が上の選手を立てるように話すだけでなく、今年大活躍しても一切それを鼻にかけない態度など文句の付け所がありません。特に私が一番感心したのは今年の賞金総額が一億円を越えたことについてのコメントで、
「別に僕のポケットに一億円が入っているわけじゃありませんから、実感がありません」
 と、実に清々しく答えています。

 これに対して、今の大人連中はどんなもんでしょうか。
 そりゃまぁいっぱい人がいるんだから中には変な人もいて当然ですが、謙虚で落ち着いているという点で今の二人に比肩する人って言うのはそう多くないんじゃないかと思いますし、むしろ私は嫌いじゃないけど政治評論家の三宅久之氏をはじめとして絶叫激怒型のコメンテーターが増えていて、ちょっとはこの二人を「最近の若者は」などといわずに見習ったらどうだろうかという人もいます。

 確かに自分の周りを見ていると教養もないしふにゃふにゃした若者もたくさんいますが、中には年配の方以上にしっかりした人間もおるので、一概に若者と侮るべきではないのではないかと思います。特にこれはテレビを始めとしたメディアの方に強く言いたいのですが、街頭調査などで「いかにも」って感じの変でフラフラしてそうな若者を写すのだけはやめてもらいたいです。やっぱりワイドショーを見ていると女子高生とかでも派手なアクセサリーをつけた人ばっかり映ってくるし、逆に「毎月本を十冊以上読んでいます」って感じの若者はほとんど登場してこない……まぁ少ないのはわかっているけど、もう少し真面目そうな若者も映してもらいたいと個人的に思います。
 これなんか社会学的な解釈になりますが、やっぱり変な若者ばっかり映していると、世の中の標準はこれなんだと変に勘違いする若者も出てきてしまいかねないので、全く映すなとは言いませんがもう少し真面目そうで謙虚な若者もいるんだ、っていうくらいの報道を心がけてもらいたいです。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 確かに、マー君の精神力の高さは以上ですね。いつも強気のピッチングには経験者として驚きます。 確かに、最近の若者として上げられるのはいつも遊んでいるような人ばかりですよね。そのほうがテレビ的なネタにはなるんだろうけど。

 最近友人のホリがブログを始めたみたいです。良かったら、ブログ読んであげてください。http://soranagame.blogspot.com/

 

花園祐 さんのコメント...

 若者だろうが年寄りだろうが、もうすこし人格のある人を報道するべきだと思うのですよね。まぁマー君みたいにしっかりしたのもいれば亀田家みたいな変なのもいることはいるのですが。