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2010年7月2日金曜日

続、こんにゃくゼリーの報道について

こんにゃくゼリーの窒息、重症率85% 消費者庁分析(朝日新聞)

 リンクに貼ったニュース内容を簡単に説明すると、消費者庁がこんにゃくゼリーは危ないよという統計結果を発表したという内容なのですが、内実を見てみるとわかりますがこの発表した統計というのが実にひどい内容で、もはやここまで来たらマンナンライフへの国家的弾圧じゃないかとすら思います。

 具体的な内容を説明すると、まず人目を惹くように「こんにゃくゼリーの窒息、重症率は85%」と発表しておりますが、この85%という数字の根拠をよくよく見ると、

「窒息事故4137件のうち原因食品がはっきりしている2414件を分析。その結果、同ゼリーによる事故は7件と件数は少ないものの、うち2件が「重症」、4件が命の危険が切迫している「重篤」だった。」

 見てもらえばわかる通り、この85%という数字はこんにゃくゼリーを起因として起きた窒息事故の中で重症となった場合の割合であって、こんにゃくゼリーが原因で起こった窒息事故の割合ではありません。では実際にこのデータからこんにゃくゼリーを起因として起こる食品による窒息事故の確率を計算すると、

 7÷2414=0.0029

 という、実に0.3%程度というごく微小な確率です。
 しかも呆れる事にこの朝日新聞の記事では同じく餅が起因とする窒息事故で重症となった割合と比較し、

「406件あった餅は重症・重篤・死亡の重症以上の事故が54%、アメ(256件)は1%だった。」

 これも意図的に騙すようにうまく記述をはぐらかせていますが、きちんとそれぞれの窒息事故件数と重症となった件数を改めて書くと

・こんにゃくゼリー:6/7件(85%)
・餅:219/406(54%)
・アメ:2/256(1%)


 このように重症件数で見ればこんにゃくゼリーは高いですが、そもそも窒息する確率自体が少ないのに何を以って、「政府の食品安全委員会が「アメと同程度の事故頻度」としたリスク評価とは異なる実態が浮かび上がった。」とまで書くのか私には理解できません。

 このニュースについて議論されている掲示板で上手い比較があり、このデータを野球のエラーにたとえてこのように書かれておりました。

「2414回守備機会があって。
こんにゃく君は 7エラー中6回は失点につながるエラー
もち君は 460エラー中230回は失点につながるエラー」

暇人\(^o^)/速報様より引用)

 非常にわかりやすい比較で助かるのですが、こんにゃくゼリーはまさにこの通りの危険性で、これで餅やアメより危険だと消費者庁から言われるなんてマンナンライフは風評被害だと訴えても私はいいと思います。第一、元となったデータ自体がどこからどこまでが重症として扱うのかその範囲を書いておらず、窒息件数についても病院に運び込まれた件数でしかデータを取っていないので代表性についてもまだ疑わしいところがあります。百歩譲ってこのデータで仮に私が分析するとしたら、病院に運び込まれる時点で相当なんだから重症か軽症かなんかで分けたりする事なんてしません。

 最後に、ちょっと名指しで批判させてもらいますがこのような記事を書いた河村克兵氏という記者についてはその神経を疑います。仮にメーカーがこのような誤解を起こしかねない発表をしたらそれこそ賠償請求物で、こんな頭の悪い記事書いて金もらえるなんて仕事を舐めているんじゃないかと声を大にして言いたいです。普段は政府批判ばかりの癖して、こういう時には国のお先棒を担ぐなんて下衆もいい所でしょう。

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