2010年9月24日金曜日

尖閣諸島沖衝突中国漁船船長解放、及び中国の対抗措置について

 今日友人からフジタの社員が拘束されたニュースについて早速メールがあったので、恐らく期待されているかと思うのでこの件と合わせて今日立て続けに起こった尖閣諸島沖で衝突事故を起こした中国漁船の船長解放などと合わせて私の見方を紹介しようと思います。まず結論から言うと、やはり今回中国はなりふりかまわない行動を取ってきたなと私も感じました。

 本日早朝、中国河北省の石家庄市で日本の建設会社フジタの社員四名が中国の軍事施設の無断撮影(もしくは立ち入り)を行ったとして拘束され、取調べを受けているとの情報が突然入ってきました。またこのニュースとほぼ同時に日本の各商社から一斉に中国がレアアース資源の輸出に制限をかけて困っているという連絡が経済産業省に寄せられているということがメディアを通して報道されました。
 どちらのニュースも先日の中国漁船衝突事故で船長を拘束した日本への対抗措置ではないかと報道され、わりと距離を離して報道するNHKですらもはっきりと先の事件の影響ではないかと言及しました。

 まず前者の日本社員拘束の事件については、私はさほど特別な感傷を持ちませんでした。というのも中国で軍の基地に立ち入ったとかカメラのレンズを向けたとかで外国人が捕まるのは割とよくあることで、私も留学した当初にもわざわざ中国公安の人間が大学にやってきて、新規留学生を講堂に集めると決して軍の基地などに迂闊に立ち入らない事などを長々と説明していました。
 そのため今回の事件についてもそういった中のよくある事件の一つで、確かに時期が時期なだけに中国の人質報復ではないかと見ることも出来ますが売り言葉に買い言葉とも言いますし、ここは日本人は中国人みたいに熱くならずに冷静さを保つ事が大事ではあるがそうも行かないだろうという具合に見ていました。

 なお今回出てきたフジタという会社は旧日本軍が中国本土に遺棄した化学兵器の処理施設設置事業を行っており、今回石家庄市に社員らが訪れていたのも軍関係の拠点が数多い事から今後の受注を見込んでの視察目的だったらしく、内閣府や中国当局には特に申し出ずに行っていたようなので現時点でははっきりいえませんが偶発的に捕まってしまった可能性があります。
 ただそれにしても日本側に現在の捜査状況やフジタ側に何の通告も行わないというのはやはり異例で、偶発半分報復半分のような事件ではないかと私は見ています。

 それに対して先程のレアアースの輸出停止は間違いなく中国政府の確信犯的行動と私は断言できます。基本的に中国の石油や鉄、石炭といった資源会社はどこも国営みたいなもので中国政府の意向が強く反映されます。それゆえに中国の日本向けレアアース輸出が通関で一斉に止まるという事は中国政府の意向なしにはまず行えないことで、これほどまでに極端な行動は仮に中国が報復のつもりではないといった所で信じる日本人はまずいないでしょう。

 こんな予告なしの貿易取引停止は常識はずれもいいところで、訴えようによってはWTOから勧告や制裁を受けてもおかしくないほどの行動です。こう言ってはなんですが、領土問題が絡んでいるからといってたかだか漁船衝突事故一件のためにこれほどまで極端な行動を取ったというのは実に勿体無いというか、問題を無駄に大きくさせている気がしてなりません。

 こういった中国の行動が効を奏したというか、今晩事故を起こした船長を拘留している那覇地検は船長の解放を発表しました。この那覇地検、といっても実際は政府の意向による解放については私は支持をします。
 私が今回の解放を支持する理由としては単純に割に合わないからで、領土問題についてはオバマ大統領より「尖閣諸島は安保保障の範囲内」との発言を得た上でこれ以上お互い粘っても平行線であることから一区切りを得ており、レアアースを多く消費する日本の現況を見ると意地張って船長一人拘留するよりかは実利を得るべきだという判断からです。
 なお自民党の谷垣総裁や安倍氏などは今回の船長解放について政府を強く批判しているようですが、私はそういう自民党もかつて金正男氏と見られる男性を長く拘留せずに国外退去としていますし、領土問題にも悪影響が出ると連中は言ってますが近年の日中国境線問題で一番悪影響を作ったの福田政権での春暁ガス田共同開発合意だと私は見ているので、ちょっとこの批判のやりかたは虫が良過ぎるかと思います。

 今回の漁船衝突に始まる一連の外交は間違いなく中国の勝利と言えるでしょうが、その小さな勝利の代償として中国が支払うべきコストは後から重くのしかかってくることになると私は予想します。現在中国は米国から執拗に人民元の切り上げを行うよう要求されていますが、恐らく今後日本政府も米国と協調して切り上げ要求を強めることになる可能性があり、また単純に日本人の中国への感情もすこぶる悪くさせてしまいました。ついでに書くと、SMAPの公演を楽しみにしていた中国ファンもがっかりさせただろうな。

 ちなみに自分は来月から一ヶ月ほど上海に滞在する予定なので、今回の事件で周囲から「花園君は大丈夫?(´・д・`)」という具合でえらく心配されっぱなしで逆に困ってます。まぁ捕まったら捕まったでブログでネタになるから、死なない程度であれば少しはおいしいかな。

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