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2014年2月2日日曜日

南アフリカの「名誉白人」

 昨夜は深夜0時に就寝して午前10時まで寝ていました。でもって今日のお昼にカツサンドを食べたら猛烈に眠くなって昼寝をしたら2時間も寝ていて、見事に半日眠るという偉業を達成することとなりました。普段の睡眠時間が少ないからって、こんなにも平気で人間眠れるものなんだなぁ。多分今夜もコテンと眠れそうだし。

 話は本題に入りますが、昨年末に南アフリカ共和国で人種札別政策、アパルトヘイトを廃止に動かせたネルソン・マンデラ氏が死去されました。マンデラ氏の死去に合わせて各テレビ局や新聞ではマンデラ氏の業績やその人生を紹介する特集が数多く組まれたのですが、正直に言ってこれら特集を見るにつけ私自身は強い不快感を覚えていました。
 前もって述べておくとマンデラ氏に対しては何十年も監禁され、家族との接見も半年に一回に制限されながらも一貫として差別撤廃を訴え続け、大統領に就任してからもその強いリーダシップから第三世界を代表して意見を国際社会に訴え続けるなどその業績は疑う余地もなく、その屈服無き精神は私も深く尊敬しています。にもかかわらず何故マンデラ氏を紹介する報道に不快感を覚えていたのかというと、かつて日本人が南アフリカ共和国より「名誉白人」と呼ばれていた事実に対して悉くスルーしていたからです。

アパルトヘイト 「名誉白人」項(Wikipedia)

 アパルトヘイト政策について細かい説明は本題ではないので省略しますが、要するに人種差別を国家政府が認めて差別対象となる黒人層に大幅な制限を課していた政策です。この政策は黒人というか白人以外の有色人種が対象となって現代の日本人の感覚からすると驚くほど極端な政策が取られていたと言います。マンデラ氏はこの政策の撤廃を訴えたことから収容所に監禁されたのですが、彼の必死の努力の甲斐もあって撤廃直前に至っては国際社会は南ア政府に対して強い制裁措置、具体的には貿易制限などをかけて撤廃を促しておりました。
 この制裁措置ですが、今でいうなら北朝鮮やイランに対して行われていたものに近いです。通商を制限することによって改革を促すものであって、これを実行するには国際社会が一致団結して多少の不利益を覚悟してでも貿易をやめなければいけないわけですが、仮に抜け駆けをするところが現れようものならその効果が薄まることは言うまでもありません。日本だって、北朝鮮に今貿易制裁を課しておりますが中国が北朝鮮に物資を流しているのを見たらあまりいい気分しないでしょう。

 ここで「名誉白人」という言葉について説明しますが、この言葉はアパルトヘイト政策を敷く南アが、「有色人種であるけれども白人と同等の権利を有して差別対象にはしない」と認定した民族、国民に与えられる名称でした。対象となったのはアメリカ出身の黒人とか白人も食べにくるような中華料理店を運営する華僑などでしたが、実は日本人もこの名誉白人に数えられていました。一体何故日本人が名誉白人となったのかというと、ほとんどの先進国がアパルトヘイトへの非難から南アとの貿易を制限する中、一貫して活発に取引を続けたからです
 どうして日本人が他の国が手控える中で南アとの貿易を継続したのかというと、単純に旨味が大きかったからです。南アは希少な天然資源が豊富な国であるため本音ではほかの国も取引を続けたかったのでしょうがそれを我慢してまでアパルトヘイトを批判していた中、日本は全くそんな事情も気にせずにアパルトヘイトを継続する政府を支援するかのように貿易を継続して、いわば独占的に儲けていました。そんなことをやっていた日本人がマンデラ氏が死去するや彼は立派な人物であったなどと報じるのを見るにつけ、彼と対立していた昔の南ア政府とずぶずぶの関係だった連中が何を言うかと、皮肉めいた感情を覚えていたのは自分しかいないのかとちょっとイライラしていました。

 ちょこっと今回の記事を書くに当たって検索をかけてみると琉球新報はちゃんとこの事実について触れており、私もなんだか安心しました。何もどっかの国の大統領みたいに未来永劫に謝罪し続けろとこの件に関して私は主張するつもりは毛頭ありませんが、まだそんな遠い昔の話でもないんだし、マンデラ氏が亡くなられたという一つの契機でもあるのだし、この「名誉白人」であったことに触れてこの事実を認識しておいてもらいたいというのが私の本音です。逆を言えばこの事実ついて触れずに置きながらマンデラ氏を讃えるのは、些か言い過ぎかもしれませんが冒涜に近いようにすら思えます。

 我ながらこういう事をやかましく言うようになって自分も年寄りくさくなったなという気がします。もっともアパルトヘイトが行われていた時代は幼児だった癖にとも思えますが、自分が最初に就職した会社で貿易部門にいた頃、上司が「俺たちは名誉白人だからな」などと皮肉めいて言っていた当たり、貿易関係者の間では広く認識されていた事実だったのだなと感じていたのでこうして書くに至りました。

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