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2014年5月24日土曜日
「ブラック・ラグーン」の10巻について
上記の画像はネットでたまたま一昨日見つけて来たものですが、このたった一コマだけで何の漫画の一コマであるか一発でわかりました。わかる人にはわかるでしょうが、この漫画によく出てくる「飯田」が後にあんなことをしでかすなんて……。
話は本題というかまた漫画の話ですが、今日また漫画喫茶に行ってきて以下の漫画をざらっと呼んできました。
・テルマ・エロマエ 4~6巻
・ジョジョリオン 7巻
・新世紀エヴァンゲリオン 5~13巻
上記の漫画はどれも予定になかったというか時間が余ったので読んだのですが、元々今日読みたいと考えていたのは見出しに掲げた「ブラック・ラグーン」という漫画の最新巻(10巻)でした。目当てにしていたものの今日行った漫画喫茶には何故かおいてなかったので、どうせ手持ちのQUOカードが時期使わなくなるのでそのまま本屋行って直接買ってきました。
このブラック・ラグーンがどういう漫画家というと、敢えて言うなら犯罪バイオレンスアクションものといったところです。特筆すべきは作者の広江礼威氏がとにもかくにもキャラクターの描き分けに長けており、日系商社勤務の日本人に始まり、軍人上がりのロシア系マフィアの女ボス、ルーマニア出身の双子暗殺者など実に国際色入り乱れておりますが、どれもそれぞれ特徴を持っていて容易に見分けることが出来ます。
次なる特徴というかこの漫画の最大の魅力を述べると、激しい暴力描写を「なんともない」とする各キャラクターの言い回しで、一例を挙げると、死体処理に当たってバラかミンチかと聞かれて「脅しに使うからバラで」、とこともなげに言ってのけるなど、浮世離れした現場をすっ飛ばすかのようなジョークが飛び交います。
そんなPTAからいろいろ文句が飛んで来そうなくらいぶっ飛んだ内容のこの漫画ですが、作者曰く体調不良とのことで、今回の最新刊が出るまで長らく休載が続いておりました。それは具体的にどのくらいかというと、ひとつ前の9巻が出たのが2009年10月で、10巻が出たのが2014年5月こと今月です。この間、約4年半。
自分がこの漫画を読みだしたのはちょうど2010年の7月くらいで、その年の10月から中国に行ったので「最新刊がでたら読めないじゃん」とか思っていたら、まるまる中国にいた間に最新刊が発売されなかったというオチが付きました。
そんなわけで文字通り首を長くして待っていた最新巻でしたが、結論から言うと非常に面白く、今日漫画喫茶で読んだ全部の漫画を足してもこの一冊に面白さで劣るのではとすら思う出来でした。相変わらず絵柄はブランクを感じさせないほど安定していてセリフ回しもテンポよく、今回で一番気に入ったセリフは「ああ可哀想なミス・北京ダック。盗むのは彼女じゃない、彼女は盗まれる立場なのに」でした。
「ミス・北京ダック」という単語から類推する人もいるでしょうが、最新刊から始まった新しいシリーズでは中国人女性キャラが半主役です。作者が香港映画マニアだといううわさもあるだけに自分から見ても実にキャラが立っていて、多少不遜かもしれませんがこの女性キャラに対して自分は強く感情移入できました。なんでそんだけ気に入っているのかというと、この一言に集約されます。
「最后的最后都不放弃,这就是我的死法」
これは背表紙に書かれてある言葉(もちろん中国語)ですが、同じ内容の言葉は作中でちゃんと日本語となって語られています。多少ネタバレになるので敢えて意味は書きませんが、この言葉は今の自分にはずしんと重く響きます。以前に甘粕正彦について書きましたが、国家や会社の命令に対し忠実に従った結果として国家や会社から追われることになる、そんなバカなということは現実に世に溢れているななんてこの漫画を読んで自分に重ねました。ある意味、また向こうに渡る前にこの漫画買って読めてよかったなと思った次第です。
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