先日、ネット上で興味深い記事を読むことがありました。その記事の内容は新卒就活を扱ったもので、今現在は銀行を始めとした金融や総合商社、あと製造業なら自動車系が志望先として人気が高いが、今現在定年を迎えようとする人たちが就活にいそしんだ40年前はどの業種が最人気就職先だったのかと問いかけた上で、その答えはなんと石炭関連産業だったと書かれてありました。
石炭関連といっても今どきの若い子はぴんと来ないでしょうが当時の日本においては主力も主力の産業で、日本が唯一保有する資源として北海道の夕張や福岡県の北九州市などでは炭鉱夫が多く集まり、また採掘した石炭を加工して化学品を作るという二次産業も非常に盛んでした。しかしエネルギー革命によって主要エネルギー資源が石炭から石油に移ると一気に凋落し、石炭を輸入する商社は今現在も日本に存在して活動しておりますが、石炭を採掘したり二次加工したりする分野となるともはや絶滅に近い状態といってもいいでしょう。
その記事はこうした時代の移り変わりを説明した上で、今勢いの強い産業でも40年先も同じとは限らないと述べた上で、自分が志望する業種にうまく就職できなくてもそれほど焦らないようにと言う具合にまとめられていました。非常に優しい提言だったので記憶に残ると共に、言われてみると数十年で産業というのものはがらりと変わってしまうもんだなと私もしみじみ思いました。
石炭産業ほどひどくはありませんが、石炭産業と同様にかつての日本で主力だったのは富岡製糸場よろしく繊維産業でした。今は亡きカネボウも確か戦後の一時期において売上高が日系企業としては第一位になったこともあったようですが今となっては会社自体存在しておらず、そのほかの糸偏産業もうまいこと先端素材分野に転換できた東レや帝人を除くとお世辞にも日本をリードする産業とはとても呼べません。
今の日本で最も競争力が高く強い産業は何かというとそれは間違いなく自動車産業です。自動車に関してはリーマンショック後も強勢を保ち恐らくあと10年くらいは何とか頑張ってけそうですが、日本でかつて自動車と双璧を成したエレクトロニクス産業に関してはもはや沈む夕日というべきか、斜陽産業となりつつある気がします。先程にも別記事のコメントに書きましたが、90年代後半において就職先として最も人気な企業の一つであったソニーはパナソニックやシャープといった赤字三兄弟の二社が前期にようやく赤字から脱したのに対し、ソニーだけは未だに赤字から脱することが出来ておりません。また私見として述べても、90年代のソニーと比べて今のソニー製品には覇気がないというか、高い金払っても買いたいと思える商品が本当に存在しないように思えます。昔はVAIOを持っているだけで自慢できたというのに。
こう思うと周りから羨まれるような人気企業に就職しても、果たして定年まで羨ましがられるかというと微妙なもんです。むしろ各時代の花形産業というのはある意味で満開状態にあると言ってもよく、その時代を過ぎると後は枯れていくという可能性は決して低くない気もします。流れ的に見るなら、悲観的な気もしますがやっぱり日本のエレクトロニクス産業は今その時期なんじゃないかな。
なんで今日この記事を書こうと思ったのかというと、デザートとして一昨日買っておいたのが「ちょっと贅沢 北海道メロンゼリー」だったので、
北海道メロン→夕張→炭鉱→石炭産業→前読んだ記事
というつながりができたからです。今に始まることではないですが、なんか自分の頭の中の単語のつながりがおかしい気がしてなりません。
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