本日一斉に報道が出ましたが、2012年に4人もの誤認逮捕者を出したパソコン遠隔操作事件でかねてから容疑者として起訴されていた片山被告が本日、これまでの否認から一転して自分がやはり犯人であると白状しました。
・パソコン遠隔操作事件(Wikipedia)
前置きは要らないかなと思いつつも一応平成史考察の記事なんだから概要を簡単に説明すると、2012年にネット上で殺害予告なり爆破予告が出たことから全国の警察が四人の男性を逮捕しましたが、四人とも使用していたパソコンに遠隔操作が可能となるウイルスが仕込まれていた上に予告がされた時間にアリバイもあったことから、四人とも誤認逮捕だったということがわかります。その後、犯人と称する人物からマスコミなどへ警察を嘲笑するような内容のメールを送り、さらには暗号文も送って自分を早く捕まえて見ろと挑発したことから、ある種で劇場型犯罪のような傾向を持っていきました。
こうした中、暗号文を解読した上にその前後の行動が不振だったこと、さらには過去にもネット上で脅迫事件を起こし実刑を受けていたことなどから片山被告が容疑者として2013年2月に逮捕、拘束されます。ただ逮捕時の警察の捜査はお世辞にもしっかりしていたものではなく頼りない状況証拠しかないような状態であったため、世間では今回もやはり冤罪ではないかという声が上がっておりました。そういった声が長くあったことから長い交流の後にようやく起訴されると、しばらくは証拠隠滅の恐れがあるとして拘置が続きましたが支援者らの努力もあって、2014年3月に保釈が認められました。
その二ヶ月後の今月5月、またも真犯人と名乗る人物から片山被告はスケープゴートになってもらったというメールがまたもマスコミなどへ送られます。このメールを受けて片山被告は改めて自分は無実で真犯人はいると主張したのですが、昨日になって急転直下、警察が問題のメールを発信されたスマートフォンを河原で見つけ、さらにそのスマートフォンを片山被告自ら埋めていたのを目撃していた上にスマートフォンからは彼のDNAも採取できたと発表します。この警察の発表が出るや片山被告は弁護士にも連絡よこさず失踪しましたが、本日になって担当弁護士の元に現れ自分が犯人で件のメールも自作自演だったということをようやく白状したわけです。
この事件について私の感想を述べると、まぁ波乱があってみていて面白かったなというのが素直な所です。ただそれは事件の顛末であって犯人の片山被告についてはややイラつくというか、単純に嫌な奴なだけだったんだなと呆れる気持ちの方が大きいです。
ここだけの話ですが、私はこのブログで最初の男性四人の誤認逮捕事件こそ取り上げましたが、その後この事件は一切取り上げていません。何故取り上げなかったのかというと片山被告が本当に犯人であるかどうかわからず、犯人だという明確な証拠が出るか、逆に冤罪だという証明が出たらまとめようと考えていたからです。ただそう考えつつも警察は確たる証拠を逮捕から約1年経っても出すことが出来なかったことから内心では冤罪である可能性が高いのではないかと見始めていて、三月の保釈時にはもういっかなと思って冤罪説を強く主張しようかとすら思っていました。結局は当時の私が疲労でいっぱいだったのと、四月以降は執筆するネタが多くて埋もれてしまったため見送りましたが、結果がこうなっただけに書かないでおいてホントよかったとホッとしてます。
それにしても片山被告の最後のミスというか保釈後のメール送信は呆れる以外ありません。割と世論も冤罪説が強かったですし支援者も江川紹子氏を始めがっちり揃ってて、何もしなかったら案外無罪を勝ち得た可能性も見えてただけに余計なことして自分の首を掻っ切った行動としか言えません。これじゃ支援者の人たちもがっかりですし、何より担当弁護士の方が文字通り騙されていたにもかかわらず昨夜も必死で無実を訴えていただけに皮肉ではなく真摯に不憫に感じます。弁護士もこういうわけわからん奴の弁護しなきゃいけないとなると大変だな。
ただ後出しじゃんけんみたいでちょっと良くないと思いつつも言わせてもらうと、保釈後のメールが送られた際の片山氏の会見の様子は見ていて違和感を感じておりました。どの点に違和感を覚えたのかというと、「自分が無実であると証明するメールを送ってくれて真犯人には感謝する」と述べた上で、「犯人には自分を陥れたという点で怒りも感じなくはないが特段の感情はない」と話し、こういってはなんだが淡白すぎやしないかという気がしました。そして何より、この会見では終始表情がにやにやしていて、いくら自分の無実が証明されるかもしれないったってもうちょっと神妙な表情が浮かんでくるのではないかと思え、まだ真犯人だとは思わなかったものの裏で片山引こうと真犯人がつながっている(マッチポンプ)のではという風には思いました。
あとタイミングの話をすると、昨年12月には黒子のバスケ脅迫事件の犯人も逮捕されており、この手の世を騒がすネット脅迫事件はきちんと捕まるという結果となって治安的には本当に良い結果になったと思います。同時に黒子のバスケ脅迫事件もそうですが、犯人らが本当に薄っぺらい動機で世間を大聞く騒がせさせ、こういってはなんですが無性にむかつきます。大層な動機があればいいってもんではありませんが、くだらない小人が世の中に害悪をもたらすほどつまらなきものはありません。そういう意味で二度とこういう人間が出ないよう、最低でも無期懲役にするぐらいこれら事件の犯人には厳罰を与えてもらいたいというのが私個人の意見です。
2 件のコメント:
キミの書いた記事は中々難しいですわ。
今に始まったことじゃないよ。
コメントを投稿