知ってる人には有名ですが故ケネディ大統領は生前、「国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるのか」という言葉を含む有名な演説を行っております。この言葉自体がアメリカのマッチョイズムを強く体現している言葉ですが、私は敢えてこの言葉を現代の日本人にぶつけてみたらどんなもんだろうとこの頃よく考えます。
結論から言うと、現代の日本人は少なくとも戦後以降としては過去最高と言ってもいいくらいに国家(=政府)に対して強く依存していると私は考えています。
国家に依存するとはどういうことですが、先ほどのケネディ大統領の言葉を借りるならば、「国が自分に何かをしてくれることを期待する」ような状態の事で、具体的に言えば日々の生活や将来の社会保障などにおいて政府の支援を期待する意識が強い状態を指します。断言してもいいですが今の日本人の8割超は老後の年金を政府はきちんとしてもらわないと困ると考えていて、年金なんて当てにしないから自分自身の力で死ぬまで生きてやると割り切っているのは確実に少数派になるでしょう。ましてや、国家の年金を支えるために自分が頑張らないとと思う人間となると皆無になります。
つまり国家への依存とは「国に何とかしてもらう」という意識の事で、私見ながら現代日本人はかつてないほどのこの依存心を今高めているのではと密かに考えているわけです。こうなった最大のきっかけとして思い浮かぶのは2011年の東日本大震災で、今思うとどうもあの後から風向きが変わったというか復興を始めとして社会保障、経済問題などで国の支援を強く当てにする声がそれ以前と比べて強まってきているように思えます。
もちろん被災地の復興や経済対策などにおいて国家の役割は最も重要です。しかしその国家を当てにせず独力でも頑張ろうとする人たち、もしくはそうした対策を行おうとする国家を支えようとする動きや声はどうもそれ以前と比べると小さくなっているというか、「俺が国を引っ張ってやるぜ!」というようなちょいちょいウザいと思える熱い人間が実は減ってきているのではないかと思えてなりません。それどころかむしろ、少々乱暴な言い方かもしれませんが国家の支援がなくなると困ってしょうがない、頼むから何とかしてほしいというような請願のような態度すら見える時もある気がします。
こんな風に思うのも私自身が極端に国家の保護を当てにしないどころか、「てめぇの助けはいらねぇ」とばかりにやたら反発したがる性格だからというのが大きいでしょうが、それにしたって今の日本人は政府の支援を少し盲目的に信じ過ぎなのではと危惧を覚えるほどです。歴史的な視点で述べるとするならば国家の前で個人なんて言うのはほんの小さなチリのようなもので、国家によって簡単に翻弄されることもあればあっさり見捨てられることも珍しくはありません。国家に抗うのは決して楽なことではありませんが、何もそこまで距離を縮めることはなく、適度に距離を置くだけでもそうした荒波から避けるのにいい手段ではないかと個人的に思います。
この記事で私は国家に逆らえとまで言うつもりはなく、また同時に国家に尽くせと言うつもりもありません。ただ「国家がきっと何とかしてくれる」なんていう期待に関しては非常に危険な考え方であり、そうした思想を日本は全体で深めつつあるのではという危惧を誰かに共感してもらえれば幸いです。
4 件のコメント:
いつも楽しく読まさせてもらってます。コメントの返信ありがとうございます。僕も東日本大震災から日本の風向きは大きく変わった気がします。それまで個人主義の傾向が強かった社会風潮からツイッターやfacebookなどで急速につながりを求めはじめたり、それまで全く関心がなかったのに、いきなり脱原発を唱え始め政治家になる人物が現れたり、とあの震災は大きな影響があったと思います。
周りの人間を見てみると、日本という国の恩恵をふんだんに受けておきながら、「まぁ自分たちが生きている間は大丈夫っしょ」とか平気で言う人間が結構いたりしてこの国の未来はやばいんじゃないか?とか思ったりします。僕も花園さんの言うように国に多くのことを求めておきながら自分からは何もしない、という無責任な人が多いような気がします。
今、年金をもらっている方たちは、現在の日本の繁栄に多大な貢献をしてきた方たちだと思うので、個人的には国から何らかの手当を受けてもらう資格はあると思いますし、そうすべきだと思いますね。
こちらこそいつもコメントありがとうございます。
ここだけの話、ようコメントくれることもあって「あのコメント主はどういう人なんだろう?」と自分の周りでも盛り上がっております。もしなにか個人的な質問とか記事リクエストなどあれば、ここのコメント欄でもいいですし右上のメールアドレスに直接連絡してくれても構いませんよ。
この記事は頭痛に苦しみつつ短くまとめましたが、案外重要な点を突いていると思え自分でもそこそこ胸張ってみせれる記事です。他の人で言ってる人は見ないけど、東日本大震災以降から、当時民主党政権だったというのも影響してるかもしれませんが日本全体で国に対する見方が微妙に変わってきてるように思え、それもどっちかっていうと国を当てにする方向にと思い、ちょっと挑発的な感じでその考えを紹介しています。
年金に関しても、今もらっている戦前世代なら自分も納得できますが、これからもらう世代、具体的に言えば団塊の世代に関してはちょっと納得いかない気持ちもあったりします。こんだけはっきり言うのも自分らしいなぁ。
中国で社、国家より共産党への依存度が比較的高いですわ。
党が国家を超越しているからね。世界的には社が国家と肩を並べつつあるけど。
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