このブログでよく毎日新聞の記事と記者を馬鹿にすることが多いですが、以下の記事は読んでて非常に面白かったです。取り立てて大きく注目するほどでもない内容のニュースをうまい文章で紹介してあり、非常に読み応えのある記事です。
・<弘前市提唱>現存12天守同盟に「待った」 犬山城、壁に(毎日新聞)
それで話は本題ですが、先日お笑いコンビ「ピース」の又吉氏が執筆した「火花」という小説が芥川賞を受賞し、現在進行形で大いに注目されております。この件について私も記事を書こうかなと思ったのですがそもそも「火花」は読んでないし、この本が芥川賞の候補に入った時点で受賞することは目に見えるほど当然でごく当たり前な出来事のように思えたので無視しました。なお昨夜友人とはこんな会話を交わしています。
「芸能人が受賞したんだから、次は有名声優辺りが書いた小説が受賞すんじゃね( ゚Д゚)」
「じゃね(゚Д゚ )」
この受賞劇について言いたいことが全くなかったわけではないのですがそうした経緯もあって書かなかったところ、下記の山本一郎氏のコラムを今日読み、まさに私が言いたかったことを全部言ってくれていると思わずうならされる内容でした。
・ピース又吉『火花』売れて良かったね
基本的に考え方としてはまさに上記コラムの通りなのですが、このコラムを読んでてもう一つ気になった点として、今日の見出しに掲げた「すべてのジャンルはマニアが潰す」という一言です。
・買収後売り上げが激増 プロレス人気再燃を新日オーナー語る(NEWSポストセブン)
なんか今日はやたら記事紹介が多いですがそれは置いといて話を進めると、この言葉はトレーディングカードを製造・販売をしている「ブシロード」という会社の木谷高明社長が述べた言葉です。今まで自分は知らなかったのですが木谷社長は新日本プロレスを2012年に買収し、数年で売上げを倍増させるなどプロレス人気を立て直す見事な経営手腕を見せているそうです。
そんな木谷社長が上記のインタビュー記事の中でプロレス人気が何故衰退していたのかという理由について述べた言葉が、「すべてのジャンルはマニアが潰す」なのですが、この言葉の意味はコアなユーザーはライトユーザーを拒絶し、弾く傾向があり、コアユーザーが増えすぎると逆に人気は衰退していくという内容です。
この言葉はなかなかもって見事な指摘だと思え、実際に90年代の2D格闘ゲームブームや往年のスキーブームなど、なんとなくあてはまるような事例がポンポンと浮かんできます。政治においてもコアな支持者の囲い込みを続けたことによって日本の社民党は明らかに衰退し、逆にライトな支持層を取り込んで急激に拡大してトニー・ブレアのイギリス労働党は政権を取るなど、この言葉がそのまま当てはまる気がします。
私自身も本当に市場を拡大するならコアなユーザーを切り捨ててでもライトユーザーの取り込みに従事するべきだと、おぼろげながら考えていましたが、こうもはっきりとした言葉でこの意味を表現する人物がいたとは非常に驚くと共に、やはり業界の最前線にいる人はただ者じゃないと、中国語で言うなら「了不起」と言いたくなる人物です。
ヽ(*゚д゚)ノ<カイバー
4 件のコメント:
「火花」に限らず、有名人が関わったというだけで注目されてしまうということはありますね。
前田敦子や宮崎あおいが自動車の運転中に接触事故をおこした事がニュースになりました。
無免許運転やひき逃げをおこなったのならともかく、接触事故 それも相手が無傷で済む程度
の事故をいちいちヤフーのトップニュースで報道することでもないと思います。
接触事故は毎日どこかで起きています。 本当に接触事故自体が大問題だというのなら、
全ての接触事故をニュースで報道してしかるべきです。
90年代の2D格闘ゲームですが、マニアの要望に応えるため、技の出し方、駆け引きの方法が
高度化、複雑化したために上級者でなければ使いこなせなくなり、ライトユーザーが離れて
いきました。 上級者による初心者狩りも横行しました。 ストリートファイターⅡの宣伝文句
は「俺より強い奴に会いにいく」でしたが心無いマニアは 台を開けさせるため、勝ち点をあげる
ために「俺より弱い奴を倒しにいく」状態となってしまいました。 本当なら、ここでライトユーザー
を取り込むため方針転換をするべきでしたが、 ライトユーザーが離れたため、確実に売上を
見込めるマニア向けに力を入れる、ますますライトユーザーが離れるという悪循環に陥って
しまいました。
今現在 ゲーセンでは ガンダムVSシリーズという人気作があります。 これは原作の知名度が
高いのが人気の理由ですが、それ以外にも人気の理由があります。
操作方法が簡単(複雑な操作でも、レバーを入れながらボタンを二つ押す程度)、チームシャッフル
(本ゲームは2対2の対戦で、設定によってはランダムに組む相手が決まるので、強いプレーヤー
の相方に弱いプレーヤーが指定され、対戦相手との総合的な戦力が互角になることっもある)、
対戦専用台 と シャッフル台の区分(シャッフル台では、参加者が3人までは相手の乱入は行な
われず、プレーヤーはコンピュータ相手に対戦する、4人そろった時点で上記のチームシャッフル
での対戦が行われる) という特徴があります。
特にチームシャッフルは、 乱入されにくい、乱入されても強いプレーヤーと組む事によって勝つ
可能性があるという点で、 ライトユーザー取り込みのための一つの回答でしょう。
新日本プロレスに関して非常にうまく経営したなという感じはしますね。ただ逆にライト層よりに行き過ぎると中身がなくなってしまう危険性もあり、この辺りのバランスは非常に難しい気がします。
余談ですが、僕は宮崎映画より押井映画のほうが圧倒的に好きなタイプです。なので僕自身の気質が明らかにマニアよりなだけなのかもしれませんが、最近のアニメなどの日本のサブカルチャーはライト層に寄りすぎて中身がすっからかんなものばかりになってるような気がします。これはSNSなどネットの力が大きくなってきたため、批判が出ないような無難なものばかり作らざる負えないような空気ができつつあるのも原因かもしれません。ただ名作とよばれるような映画やアニメ等のクリエイターたちをみてるとどこかしら尖った部分があり、このへんが作品に反映されることにより名作になっているような気もします。クリエイターの皆さんにはスポンサーの意向などもあるとは思いますが、批判に負けずに自身の作りたいものを作ってもらいたいものです。
自分が一時期は待っていたデッドオアアライブ(最新作も遊びたい)という3D格闘ゲームは割と下剋上が聞くというか、初心者でもあっさり上級者に勝つことのできるシステムで、そういう点ではまることが出来たんだと思います。
ガンダムVSシリーズは生憎あまり遊んだことはないのですが聞いてる限りだと非常に人気なようで、その要因としてはおっしゃられているようにライトユーザーへの配慮が大きいように思えます。ブシロードの社長といい、やはりこう言った業界の人間はこのコアユーザーの問題点をよく理解しているのでしょう。
うーん、残念ながらこの点については意見が真逆ですね。ほかのことも含めて、次回記事で書いてみます。
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