2015年8月22日土曜日

三国志マニア同士の会話

 このブログのコアな読者なら極端に長いコメントをたまに書く若生わこさんの名前を憶えている方も多いのではないでしょうか。若生さんとはこのブログを通じて知り合ってプライベートでもよく会話をする仲だったりするのですが、彼は大学でも中国古代史を専攻したほどの極端な三国志マニアで、私との会話も大体三国志ネタと野球ネタで大半を占めてたりします。
 知ってる人には有名でしょうが、私もそこそこの三国志マニアということで周囲に認知されています。そこで今日は彼とこれまでに交わした、三国志マニア同士の異次元な会話内容を一部抜粋して紹介します。

1、三国志平話
 若生さんの守備範囲は中国古代史ということもあって春秋戦国、漢楚攻防時代も詳しく、その日は確か韓信についてあれこれ話をしていたのですがふとした拍子にこんなやり取りが出ました。

若生「( ・∀・)<韓信は末路がやや悲惨でしたが、三国志演義が成立する前に作られた講談だと曹操に転生したことになってて、韓信好きの自分からしたらこの展開はアリですね」
花園「( ・ω・)<それって三国志平話でしょ。あれって演義より蜀漢贔屓が激しくて呉の動向について全く触れられないらしいね」

 説明しましょう。「三国志平話」というのは元の時代に成立した三国志の歴史をベースにした小説で、現代において主流である「三国志演義」に先駆けて流布されたものです。この小説の冒頭では死語の世界で天帝が、創業の功臣である韓信、彭越、英布を謀殺した劉邦を弾劾する裁判を開き、後世で処罰を受けさせるという方法で劉邦は後漢最後の皇帝である献帝に、そして韓信は曹操、彭越は劉備、英布は孫権に転生させてそれぞれが漢王朝を分裂させるという運命を託しました。なおこの裁判を裁いたのは司馬仲相という人物で、天帝は裁判を上手く裁いた功績として分裂した漢王朝が彼の元に統一される運命を託して、彼を司馬懿仲達に転生させるというストーリーとなっております。

 断言してもいいですが、こんな三国志平話の存在なんて普通の人はまず知りません。私も若生さんもこの会話した際は互いに驚きつつ、「三国志平話を知ってる人に初めて会った……」と言い合いました。

2、虞翻
 この前書いた三国志で打線を組むという記事について話し合ったところ、呉のメンバーに件の虞翻を入れたことについて、

花園「 ( ´∀`)<虞翻はちょっと贔屓もあって入れた。まぁ知名度低いからみんなはなんでこの人が入ってるんだろうと思っただろうね」
若生「( ´Д`)<虞翻とかめっちゃ優秀でしょう。時勢を読むのに長けてたし、孫権の下でも活躍してますし」
花園「( ・∀・)<だよねぇ。ちなみに横山光輝版『三国志』だと王朗に孫策に抵抗するべきではないと説得して、籠の中の鳥を放ってあげるシーンが何故か周昕と入れ替わってるんだよね」
若生「(´・ω・) <そうそう」

 傍から見ているとさっぱりわけわからない会話していると思いますが、それだけ三国志好きからしたら虞翻は評価される人物だってことです。ちなみに横山光輝版三国志については、1シーンだけ何故か董卓の髭がなくなって描かれていることがあり、これも三国志マニアにとっては常識です。

3、伍子胥
 これは自分と若生さんと冷凍たこ焼き好きの友人の三人で新宿のバーにいた際、突然出てきた会話なんで前説明なしに読んでもらいましょう。

若生「( ゚Д゚)<花園さんは伍子胥なんですよ!」
花園「( ・∀・)<わかる!俺、めっちゃ伍子胥好きやもん。すごい共感する」
冷凍たこ焼き好きの友人「(;゚д゚)<…………」(マジでこんな顔してた)

 説明しましょう。伍子胥というのは春秋時代の人物で故国(楚)の王様に濡れ衣で父と兄を殺されたため、亡命して他国(呉)に渡って将軍となり復讐のため楚へ侵略した人物の事です。なお楚へ侵略して首都まで落としますが復讐対象の王は既に自然死していたため、墓から遺骸を暴いて鞭で百回叩くことで復讐を果たしており、この故事から「屍に鞭打つ思い」という言葉が成立しています。
 この時の会話で若生さんが何を言いたかったのかというと、執念深い私の性格を伍子胥にたとえて言おうとしたわけで、私自身も伍子胥が昔からかなり好きだったので素直に自分も執念深い性格だと認めたというやり取りでした。私と若生さんの間は「伍子胥」というキーワード一つで一瞬のうちに意思を疎通し合いましたが、脇にいる冷凍たこ焼き好きの友人は全く意味が分からなかったそうで、「(;゚д゚)<あ、あのさ、もうちょっとわかりやすく話してくれない?」と解説を求めてきました。

 以上が主だった私と若生さんの会話ですが、三国志マニアが集うとそうじゃない人にはさっぱり訳が分からない会話が始まってしまうということを理解いただけたらと思います。ちなみに今まで自分が会った人物の中では若生さんが間違いなく三国志マニアとしてはナンバー1です。

2 件のコメント:

  1. >>自分が会った人物の中では若生さんが間違いなく三国志マニアとしてはナンバー1です。

    光栄なことですね(笑)。三国志だけに。ちなみに光栄の本社は慶應日吉校舎の付近にあります。
    設立者の方からして慶應大卒で、KOEIはKEIOのアナグラムでは?なんて噂もありますね。事実かどうかは知りませんが。
    しかしながら私も正史をばっちり読み込んだとか元号まで記憶しているという人間ではないので、もっと詳しい人は探せばワラワラいると思います。マニアが多い分野ですし。

    なお中国で90年代初頭につくられた歴史ドラマ「淮陰侯・韓信(邦題「項羽と劉邦-背水の陣-」)」において主演を務めた俳優は張豊毅氏なのですが、氏は映画「レッドクリフ」にて曹操役に起用されており
    「ああ、三国志平話っぽいな。転生できたんだな」と思ったものです。孫権と劉備が同じかどうかはみてないんですけど。
    同じ感想もった人いないかなぁ(もっとも張氏は劉邦に始皇帝、さらには荊軻や孫武もこなしていますが)。

    三国志に限った話でもないのですが、マニアが集まると傍からは意味がわからない会話になるものの当人たちにとっては愉快なんですよねぇ。
    考えるに誰でも笑えるギャグってのがそうそうないのと同じで、ネタの面白さというのはネタが理解できる範囲とは反比例の関係にあるのかもしれません。

    返信削除
    返信
    1.  あんまこういったマニアックな会話ばかりするのも内に入りすぎるのでよくないのですが、たまにはこういう会話もしたくなるってのがマニア心ってもんでしょう。
       私は三国志に小学生の頃にはまりましたが当時は誰一人としてこの話題について来れる人がおらず、中学高校は布教に勤めましたがあまり効果はなく、大学入ったあたりからある程度話せる人間が出てきました。

      削除

コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

注:ブラウザが「Safari」ですとコメントを投稿してもエラーが起こり反映されない例が報告されています。コメントを残される際はなるべく別のブラウザを使うなどご注意ください。