またちょっとブログデザインをいろいろ弄って背景を変えました。これまではデフォルトでブログソフト側が用意した背景を使ってましたが、今回新たに自分で探した画像を使って、なるべく和風系で探してみましたが、背景的には文字が見やすくなり案外悪くない気がします。と言っても明日もまた探していろいろ付け替えを試してみるつもりですが。
・教師「今すぐ窓から飛び降りろ」「このクラスは34人だが明日から33人だ」 小4児童に暴言や暴行
・【埼玉】 「飛び降りろ」発言教諭の「処分見送りを」 保護者や卒業生ら署名活動
(どちらも「痛いニュース」より)
少し日が経ったニュースの紹介ですが、上記はどちらも今月中旬に報じられた内容です。知ってる方には早いですが第一報は7月16日に出され、埼玉県所沢市の小学校教師がクラスの児童に対し「窓から飛び降りろ」、「明日からクラスの人数は34人から33人だ」というようなことを口にしたと報じられました。一見して私はこの報道に奇妙さを感じたのですがそれは後述するとして、案の定というか最初の報道からわずか数日後の7月22日には、最初の報道内容を否定する報道が出てきました。
後発の報道によると、暴言を吐かれたとされる児童は問題行動が多い問題児で、新聞を破るという行動について「やれと言われたからやった」と言い訳したのに対し教師が、「飛び降りろと言われたら飛び降りるのか?」と諭しただけで、またクラス人数についても問題行動をやめないとクラスの一員にはなれないという意味で言ったとされており、実際周りの人間もわかってるから担任を擁護するための署名活動が行われているそうです。
そして現在、この件に関する続報はピタリと止まっており、恐らく後発の報道が真実だったのではないかと私は考えます。そもそも初報の時点で何かおかしな報道だと感じていただけに、予想が当たってやったラッキーってとこです。
なぜ初報の段階で私がおかしいと感じたのかというと、一つは暴言の内容が断片的で後発報道でも指摘されている通り、「どういう前後関係でこうした発言が出たのか」について全く触れられていなかったからです。次に、取り上げられた二つの暴言内容に脈絡がないというか関連性がなく、同じ人間が言ったとは思えなかったからです。
最初の「今すぐ飛び降りろ」は直接的な暴言で、私だったら次に言うなら、「飛び降りないなら今すぐ首つって死ねボケが来ます。それに対しもう一つの「クラスの人数が33人になります」はどちらかというと間接的且つ陰険な暴言で、これに続くとしたら、「なんでまだ学校に来ているの?」とか、どっちかっていうとネチネチ系の発言があるはずだと思えました。はっきり言って推察の域を出ない予想でしたが、直接的と間接的の二つの暴言が混ざってて、ほんまかいなと疑ったわけです。
では、そもそも何故実態とは異なる最初の報道が出てしまったのか。言うまでもなく理由は暴言を言われたとされる児童側の関係者が被害者の立場で一方的にしゃべり、それをほかの周辺関係者に確認しないままメディアが報じたためでしょう。それが分かっているから後続の報道がピタリと止まってしまったのです。
この構造ですが、先月私も書評で取り上げた福田ますみ氏による「でっちあげ」、「モンスターマザー」の本で紹介された事例と全く同じです。というかこれらの本を読んでいたから、私も初報を見ておかしいと感じたのでしょうが
被害者、と主張する側の意見が何故こうも一方的に報じらえるのか。実際に「埼玉 教師 飛び降り」と検索したらこの事件の初報のニュースばかりがヒットし、この教師の名前を晒せなどと激しい言葉が並ぶサイトが上位に来ます。というより、初報を出したメディアはまだ記事を引っ込めておらず、言い方は悪いですが未だ絶賛拡散中であります。
いろいろほかにも言いたいことはありますが、こういう例でよく思うこととしては大学時代の倫理の授業で言われた、「被害者と加害者は対立項目ではなく、むしろ似た属性を持つ」という言葉です。一例を挙げるなら、911テロの被害者である米国はイラクに対する加害者でもあり、また「被害を受けたから」という理由は加害を行う理由となりうるということです。何が言いたいのかというと、被害者加害者の観点や構造を下手に当てはめようとすると事実が歪む可能性があり、一体その場で何があったのかというその事実だけを追うという姿勢こそが報道に必要じゃないのかなと言いたいわけです。清水潔氏も、ある意味こうした立場で南京事件を追っているからこの人は本物だと思うのだし。
2 件のコメント:
以前のブログの時に書こうと思たのですが、偶然、私も「でっちあげ」「モンスターマザー」とオウムの「アンダーグラウンド」を読んだことがあります。ノンフィクションは面白いと思います。
ケイさん、コメントありがとうございます。
ぶっちゃけ趣味被ってますね(汗)。ただ私もこれらのノンフィクションはどれも傑作で、作者の丹念な取材に加え現実を疑いたくなるような事実の数々は遍く人にお勧めできる内容です。「アンダーグラウンド」については多分今夜あたりにも、書評ではありませんが自分が新しく発見した内容を取り上げる予定です。
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