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2018年3月9日金曜日

急転直下の森友文書問題について

 昨夜酔っぱらったまま、「この問題をうやむやにするには最低二人の生贄が必要」みたいなこと書いてたら、既に一昨日の時点で一人出ていたという報道が出てちょっとびっくりしました。もっともまだ一人足りないのですが。

佐川国税庁長官が辞任 森友疑惑でキーマン自殺「数日前に姿見たのに…」財務省に激震 安倍政権崩壊も(週刊朝日)

 果たしてそのもう一人の生贄となるのか未知数ですが、かねてよりこの森友問題の交渉や決裁過程について国会で証言し、その矛盾が指摘されていた佐川国税庁長官が今日突然辞任となりました。この件について上の週刊朝日の記事が過程などを非常によくまとめているように思えるのでリンクしましたが、やはり本体の朝日新聞がそもそものスクープを拾ってきただけによく書けてます。
 辞任理由として佐川氏自身は混乱を引き起こした決裁自体が理由と述べていますが、それもある意味正しいものの、実際には更迭というか口封じでしょう。そもそも彼の国税庁長官への昇進自体、国会での証人喚問で政権に有利となるよう口をつぐんだことへの政権からの見返りとしか思えず、その忠誠心を買われて今回も尻尾切りにあったとみるべきでしょう。

 なんか一部ネットでは今回の件も朝日新聞の捏造だと言っている連中も見られますが、そうした発言は自らの愚かさをただ明らかにしているだけでしょう。というのも佐川氏は国会で森友学園との土地売却協議において価格交渉は行っていないと発言したにもかかわらず、その後はっきりと値段に言及する交渉を録音した音声が出ており、この時点で偽証罪は成立します。またそれ以外の発言も子供でも分かるくらいに大いに矛盾があり、にもかかわらずその直後に国税庁長官に栄転となったのは政府の意向に沿ったからという理由以外に考えられず、逆を言えば、政府としては口をつぐんでもらう必要性があったことを間接的に証明しています。
 では何故政府としては口をつぐんで闇に葬ってもらいたかったのかと言えば、やっぱり私としては安倍政権もしくは安倍昭恵夫人が公権力を使って必要なプロセスを捻じ曲げていたからとしか思えず、文書改竄を巡る議論を見ていてもその必死さからみてそうだったのだろうと推測しています。アッキード事件とは言ったものですが、後世にそのようにして語り継がれるかもしれません

 一連の朝日の報道に昨日夕方から今朝にかけて毎日新聞も追っかけ報道を行っており、具体的には改竄によって具体的にどの項目が削除されたのかについて報じ、朝日も足並みをそろえるようにこうした点について言及するようになりました。
 なお一部の人間が朝日が改竄が行われたという証拠を出さないことだけをみて今回の疑惑は捏造だと主張していますが、私の推測で述べると、朝日としては財務省が「決裁文書はただ一つで、複数存在することはない」とはっきりと主張したところで、「それは事実と異なる」といって出すつもりなのではないかと考えています。逆を言えばその前に複数の文書を公開してしまうと、あとで適当な理由を付けてうやむやにされる恐れがあるからで、そうした可能性を考えると現在の朝日の対応は理に適っているように見えます。

財務省、自民党に決裁後の文書書き換えを否定 朝日「契約当時の文書」の行方は(産経新聞)

 その一部の人間と呼べるのが上の産経新聞で、ぶっちゃけあり得ない妄想をして、毎日とは対照的に朝日の報道は眉唾だと書いてて、「よくこんな記事を平気で出せるな」とある意味その勇気に感心しました。読んでもらえばわかりますが、何かしら裏付け取材をした後が全く見えず、非常に機微な問題にもかかわらずインタビュー相手の主張をそのまま垂れ流しているだけです。政権よりの主張をするのは別に勝手ですが、事実と虚実のどちらが大事なのか、真実の裏付け作業をどう考えているのかと疑問に感じる記事です。

 昨日にもすこし書きましたが、言っては何ですが当初この問題は国有資産の不適当な売却プロセスに過ぎず、それほど大した問題ではありませんでした。しかしその後の不適切な開示と隠蔽過程、あらゆる捜査への抵抗、そしてそうした工作への政権の関与を考えると、公権力の横領という巨大な問題にまで政権自ら発展せしめたと思うところがあります。仮に最初の問題発覚時に即座に不適切な売却プロセスがあったことを認め持ってる資料を全部公開していたら、ここまで大ごとにはならなかったでしょう。ましてや資料を改竄するなど正気の沙汰とは思えません。

 言い過ぎと感じる人がいることを承知で言えば、これだけのことをしでかしたのだから最低でも財務大臣の辞任、場合によっては内閣総辞職も仕方がないと私は考えています。逆にそれくらいの責任を取らなければ未来に悪影響を残す前例となりかねず、折角一人死んでくれたんだから生きている人間も頑張って責任を取るべきでしょう。

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