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2018年3月1日木曜日

週刊女性PRIMEのチクり報道の奇妙さ

大杉漣さん長男・隼平氏、“フジテレビの酷な要求”報道を否定(オリコン)

 既にリンク先記事を読んでいる方なら話は早いですが、先日亡くなられた大杉漣の遺族への取材についてなんか妙な報道だと感じるため、ここに記載しておきます。
 概略を簡単に説明すると、大杉漣の突然の死去を受けマスコミ各社が長男の隼平氏へと取材を行った後、遅れてやってきたフジテレビが隼平氏に自分たちにも取材させてほしいと、嫌がる隼平氏に無茶な要求をして苦しめたというような報道を、週刊女性PRIMEが報じました

 仮に事実だとしたら確かにフジテレビの行動は非難もやむなしなものだと思えますが、実際はさにあらず、今回のオリコンによる報道こと隼平氏の回答はというと、「遅れて取材に来たのは事実だが、別に拒否したこともなければ無茶な要求をされたわけでもなく、こちらからの提案で場所を変えて話をしただけ」という、週刊女性PRIMEの報道内容を根底からひっくり返すものでした。これが何を意味するかというと、遺族の隼平氏に対して何も取材をせずに週刊女性PRIMEは勝手な憶測を報じたということになり、果たして遺族を傷つけているのはどっちだと言いたくなる報道だったということです。

 今回の例はフジテレビ自身が反論報道をするわけではなく第三者のオリコンが報じていることからも信憑性が高く感じられますが、それにしても女性PRIMEは呆れた報道をしたものです。ただこうした検証が行われることは案外少なく、現実には遺族や関係者が言ったことにしてライターが勝手な憶測や自分の主張を書き立てる例は少なくありません。インタビューを受けた側からすれば自分が語ったわけでもない内容を書かれ大抵は驚き、中には怒りや悲しみを感じる人もいるでしょうが、発信力の違いから大抵はそうした事実は報道されることなく、泣き寝入りすることとなります。

 自分がこうしたインタビュー記事を書く際、やはり取材相手との信頼を絶対に崩してはならないという信条があり、やはりこういったインタビュー内容部分については非常に気を使います。それこそたとえ取材相手が口にした内容であっても、本人が言ったことを忘れたり、もしくは当初の思惑以上に内容を大きく出てしまった言葉なんかを報じてしまうと、取材相手としては私の記事を読むなり「こんなつもりじゃなかったのに」と言いたくなるでしょう。
 こうした事態を避けるための一応の対策として私は、

・取材相手が繰り返し何度も言った言葉しか書かない
・しゃべった直後に「○○なんですね?」といちいち再確認する
・文面に書く言葉を実際に口にした上で「この解釈で間違いないでしょうか?」と再確認する

 といった手段で対応しています。それでも実際にインタビュー部分を書いている最中は、きちんとメモに残していても本当に相手は確かにこんなことを言っていたのかと何度も迷い、真面目に強い吐き気を感じてえづくことも少なくありません。
 記事の特性上、読者が面白いと思う記事を書きあげることは何よりですが、取材相手の意向を着実且つ確実に表現することも非常に重要で、特に自分の勝手な考えや主張を他人の口を使って語ってはならないと常日頃からこの点には注意しています。それでも取材相手のやる気のない取材対応によっては、「話が違う」とか言われたりすることもあったりするのですが。

 こうした立場から言わせてもらえば、今回の週刊女性PRIMEの報道はマジ最低だなと私は思います。そもそも、仮に事実で遺族自身がそういったのならともかく、フジテレビを貶めるためにまるでチクるかのような今回の報道の仕方は単純に言って底意地の悪いやり方です。週刊誌に道理を諭すというのも無意味なことかもしれませんが、やはり記録には残そうと思って今回こう言う風に書きました。

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