2018年3月30日金曜日

高級車の裏側

「いつかはアウディ」の時代が終わった中国
高級車市場で火花を散らすトップ3、レクサスも人気上昇中(JBpress)

 上記の記事は昨日出た私の記事ですが、正直に話すとそんな大した取材はしていません。しかし日本語媒体で2017年の中国高級車市場データは活字化されていないとみられ、中国語が読める自分とかならともかく、重要な市場データでもあるということからどちらかと言えば記事よりもデータを日本語で読めるように、且つネットで拾えるようにする必要があるとの使命感から書きました。
 もっとも本音を言えば、このところの激務で左手と左目と左耳の神経がまたおかしくなってきているのと、2017年の統計データまとめ記事書けるのも今のうちという事情の方が大きかったりしますが。

 特にこの記事について追加で解説するところはないのですが、独アウディが主題の記事であることに絡めて当初は、

「なお筆者が子供だった頃、うちの親父が無理してアウディの車を自家用車に買って身近にあったことから、筆者自身としてもベンツやBMWと比べるとアウディはそれほどプレミアム感を感じなかったりします。」

 という文章も小話として盛り込もうかと考えていましたが、さすがに話題がプライベートすぎるので止めました。なおこの時のアウディは故障率が半端じゃなく、修理代だけでもう一台買えたそうです。次の三菱・ギャランは故障知らずだったのになぁ。

 ついでなのでと言っては何ですが、ちょっと高級車について裏話を書こうと思います。日本では自動車販売の統計データはよく出てきますが、こういう高級車市場単体のデータとなると専門誌とかじゃないとなかなかお目にかかることはありません。しかし自動車メーカーからするとこうした高級車市場は非常に重要で、マーケティング担当者は綿密にデータを精査していると思われます。
 一体何故重要なのかというと、単純に一台当たりの利幅が一般車と比べて桁違いに高いからです。航空機のビジネス・ファーストクラス同様に、母数こそ少ないものの利益率に与えるインパクトは物凄く大きく、尚且つ会社全体のブランドイメージにも影響することから無視してはならぬカテゴリーです。

 そんな高級車にとって、中国市場は間違いなく世界一ホットな市場です。その販売台数規模もさることながら伸び幅も桁違いに大きく、細かく比較していませんがドイツ系高級車ブランドにとっては単体としては最大の市場であるだけに、文字通り「中国を制すものが世界を制す」みたいな状況になっています。ドイツだけでなく米国系ブランドもそうした背景からこのところ力を入れており、日本から撤退したフォードもリンカーンを大々的に中国で売り出すなど市場に対し積極的です。

 ここで話を少し戻しますが、先にも書いた通りに高級車は利幅が非常に大きいのが特徴です。何故大きいのかというと単純に価格が大きいということもありますがそれ以上に、実は原価が一般車とほとんど変わらないことの方が大きいです。

 販促費用やアフターサービス費用の面では確かに高級車の方がかかりますが、実車の本体価格でいえば実はそれほど差がないはずです。確かに、高級車というだけあってゴムやプラスチックなどの原材料は耐久性の高い高品質な材料が使われ、防錆用の表面処理もいい奴が使われますが、金属を切削したりプレスしたりする加工部品に関しては実は一般車と比べて全く同じコストだったりします。なんでそんなこと知ってるのかっていうと、私自身プレス業界に関わったのと、そこそこ有名な自動車部品メーカーの方に話聞いたからです。
 そのメーカーの人(めっちゃ賢くて頼りになる)によると、高級車向けパーツは図面で寸法範囲などが一般車と比べて非常に狭く制限されるものの、原材料や工数が同じだったら、「値段変わらんやろ」と完成車メーカーに言われ、結局同じ価格で出荷を要求されるそうです。無論、精度要求が高ければ歩留まり率は悪くなり、また精度を維持するために機械の加工速度を通常より抑える必要があって手間は余計にかかります。さらに高級車向け部品は一般車向けと比べてロット数が少ない上、在庫確保のために保管するにしても区分しておかなければならず、部品メーカーからすれば儲からないのに手間と管理が非常に膨大という厄介さで、「高級車向け部品は正直あまり受けたくない」という感想を述べてました。

 現実に、工業部品の調達価格は工数と原材料価格でほぼ決まり、精度が高かろうが低かろうが買い手はあまり考慮してくれません。このように考えると、高級車の利益の大半は下請けメーカーの苦渋の涙で出来ている的な所があり、笑ってんのは完成車メーカーと消費者くらいなもんでしょう。まぁそれが市場だし、なんだかんだ言いつつ高級車は夢があっていいと思いますが。

 最後にまた例によってヤフコメについてですが、話題が話題なだけに普段「大した取材してない記事書きやがってこいつはよぉ」というようなことを私に言う連中はこういう記事は読まないのか、今回は非常に落ち着いたコメントばかりでした。その中で気になったものとしては、


the☆ZABUTON

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公園のベンツでキミにアウディ

 なんかこれがツボにはまってしばらく笑いこらえてました。あと、



ves*****

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やはりアジア。日本人と好み似てるんだな
アメリカではドイツ車はさほどだが日本や中国のドイツ崇拝者は同じものを持っていそう

 このコメントにはなるほど感じました。実際、名古屋に左遷されたうちの親父がまさにこの「ドイツ崇拝者」で、飛行機もメッサーシュミット以外はあまり興味を持ちません。戦車はもちろんティーゲル。
 考えてみると日本のRPGゲームでお決まりのファンタジー世界も基本ドイツのケルト神話の世界観がスタンダードです。何かアジア人を引き寄せる要素がドイツにはあるのかもと思え、意外に深い指摘のように思えてきました。

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