事前に連絡受けていたのに、今日JBpressのサイト見たら「あれ、俺の記事載ってない?」と思ってしまいました。メール確認したら明日29日の掲載って言われてました。なお内容はそんなに手の込んだものではないですけど、日本語媒体でああした統計データが出回ってないので、将来を含め検索などで閲覧できるような形にしたいと思って書いてます。
もう一つだけ付け加えると、日本のメディアにおける統計の扱いにはこのところ疑問を覚えます。見方次第でいろいろ予想内容だって書けるのに、なんかインタビュー内容ばかりにこだわって統計をないがしろにしているように思えてなりません。
そんなわけで本題ですが、わざわざ私が言うまでもなく北朝鮮の金正恩が中国を電撃訪問して習近平総書記と会談を行いました。日本国内では一昨日の夜頃からすでに動静が報じられていましたが中国では今朝になってようやくこの件が報じられるようになりました。こちらでの報道は段本営発表こと中央メディアである新華社の発表以外なく、独自の論考や評論などはほとんどなくあまり書くことはありません。
なので私独自の視点でこのまま書くと、気になったのポイントは二つあります。
一つは会談内容で触れられている「朝鮮半島の非核化」についてです。北朝鮮側がこの目標について触れたのかややはっきりしませんが、もしそうだとしたら「お前が言うな」と言いたくなるような内容です。敢えて痴漢に例えるなら、「生き残るためには痴漢をし続けなければならない」とか言ってた奴が「痴漢は撲滅する必要がある」と言い出したような感じするのですが、何故ここでの喩えで置換が出て来たのか(それも真っ先に)、思い浮かんだ後で逆に自分で悩みました。
もう一つのポイントは、時期とタイミングと決断要素です。
金正恩が中国入りしたのは一昨日3/26の晩でほぼ間違いありませんが、この日程はいつ決まったのかが非常に気になります。あらかじめかなり早い段階、少なくとも一ヶ月前以上には決まっていたと考えるのが筋でしょうが、案外急遽、それこそ中国入りする前日かそこらに決まったのではないかと私は見ています。
一体何故かというと、先週22日にイベントがあったからです。この日程だけでピンと来る人もいるかもしれませんが、この日は米国のトランプ大統領が中国などを念頭に置いた鉄鋼・アルミへの関税大幅引き上げを発表した日です。
やや話題がずれますが、この関税引き上げには鉄鋼・アルミの原材料が入るのはわかりますが、プレスとかした加工品も含まれるのかが実はよくわからず、誰か知っていたら教えてください。含まれるのであれば日本もダメージがあり、含まれないのであれば言われているほどダメージはないと考えます。
話は戻りますがこの関税引き上げ発表によって米中関係はやや暗雲がたちこみ、首脳同士の電話会談も「今に見ておけ!」で終わったと言いますし、前情報なしの電撃訪問だったからそう思うのかもしれませんが、もしかしてこの件で米国に対する感情を悪くした中国側が北朝鮮のかねてからの要請に応じる形で訪問を急遽認めたのかなと最初思いました。
北朝鮮としても渡りに船だったというか、昨年から始まった国連安保理決議に基づく経済制裁が明らかに効いているように思われ、この方面での打開を、それも関係国同士が仲違いしているところに割り込むような形で狙っていたことに関しては間違いありません。
なお今日たまたまですが中国商務部のサイトなどを確認したところ、中国がすでに実施している北朝鮮への貿易制裁は一応まだ解除はされていません。あと一部報道で米国への報復に化学原材料への反ダンピング措置を中国が取り始めたと言われますが、自分が見る限りだとこの方面では米国以上にタイへの対応の方がかねてから激しく、過去1年くらいの新規ダンピング案件ではほぼ必ずタイの名前が出てきます。
またまた話は戻りますが、仮に電撃訪問が急遽決まったものであれば、中国の米国への意趣返しのような意味合いが多分に含まれていることだと思います。ただだとしても、米国側も北朝鮮との首脳会談に乗り気だと言われている現在であれば果たして影響はどの程度かと疑問があり、それこそ国連決議が決まったばかりの頃に制裁破りする方が米国への嫌がらせとしては価値があったでしょう。
このように考えると、何か一つピースが足りない気がします。中国が突然、またはかねてから気余っていたとしても、一体何故この段階で金正恩を招いたのか、何かもう一つ理由があるような気がします。他の周辺国というよりも、やはり米国を意識した理由であるような……。
なお最後にもう一つ付け加えると、このところ北朝鮮は韓国や中国に接近というか媚びる発言をする一方、日本をのけ者にするかのような発言を繰り返していますが、案外日本はこれに乗っかるのがベターな気がします。というのも変に下手に出て交渉に参加しても、核放棄の見返りとしての諸々の支援に手を課さなくてはならなくなることが目に見えており、それであれば早くから距離を置いて、場合によっては無意味だと言われても日本だけは独自に制裁を取り続けるという姿勢が国内的にもメリットがあると思われます。
旧ソ連じゃありませんが北朝鮮は国際取り決めを守った回数より破った回数の方が遥かに多く、先日の暗殺事件を初め国外でも平気でテロ活動を行うような国です。そんな国が核開発放棄を忠実に実行するわけではなく、見返りの支援をタダ取りするのは目に見えています。せっかく北朝鮮が日本を名指しで距離を置いてくれるのだから、日本としてもこのまま距離を置き続けて制裁を取り続けるべきでしょう。少なくとも今回の中国電撃訪問は去年の制裁が確実に効いている証拠とも言え、オバマ政権時代の「戦略的忍耐」より遥かに効果が高いということは実証されています。
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