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2019年2月6日水曜日
ケネディ家の父
先日、上の本を買って読んでましたが、この本を読んで一番興味を持ったのはケネディ家の父親こと、ジョン・F・ケネディの父であるジョセフ・ケネディ(通称、ジョー・ケネディ)でした。
・ジョセフ・P・ケネディ(Wikipedia)
ケネディ家というと米国製次回のエリート一家兼呪われた一家として有名ですが、今回改めてこのジョー・ケネディについて調べてみたところ、実質的にケネディ家というのはこのジョー・ケネディにほかならない、つまり彼自身が核でありほかは付随物だったのだという印象を覚えました。
ではそのジョーがどういう人物だったのかというと、一言で言えば自分がのし上がるためには手段を選ばない人間です。現代で言えば村上ファンドの村上世彰氏などがイメージとして近いような気がします。
ジョー・ケネディはアイリッシュ系移民二世として米国で生まれた後、すでに有力者となっていた父親のコネで銀行で務め始めると、その業務で得た情報を駆使して株取引、つまりインサイダー取引を乱発して巨万の富を築きます。その後、証券会社に移っても同様の行為を繰り返して「悪どい相場師」として名を馳せると、初期のハリウッド映画産業にもビジネスを広げたりしています。
また禁酒法時代には外国からアルコール類を輸入してマフィアを介して横流しするなどして、相当暴利を貪ったとも言われています。っていうかこんだけやりたい放題な人間も珍しいでしょう。
その後、大恐慌のあとでルーズベルト政権が発足すると、大恐慌への対策が真剣に議論されます。特に一番やり玉に挙がったのは証券取引の規制だったのですが、この証券取引規制をどうす進めていくかの指導役としてルーズベルトが発足したばかりの米国証券取引委員会の委員長に指名したのが、他ならぬジョー・ケネディでした。
これはルーズベルト自身が選挙戦中にジョーから多大な支援を受けていたこともありますが、ジョーの資質を買っていたゆえの人事とも言われています。実際、「証券取引不正の親玉が何故規制する側に?」という声も上がったそうですが、本人が不正しまくってその手口もよくわかっているだけに、ジョーが立案して実施していった証券取引規制は理にかなっててちゃんと機能したそうです。
この証券取引委員会委員長の功績を受けてルーズベルトは今度はジョーを英国大使に任命しますが、二次大戦中に「英国は自分のことしか考えていない腰抜けだ」的な失言をしたことで大ひんしゅくを買い、恐らくジョー自身もゆくゆくは大統領の座を狙っていたとされますが、これによって中央政界における政治生命は絶たれました。
これ以降、自分が果たせなかった夢を息子らで実現し、あわよくば息子たちを通して米国を支配しようと考えていた節があり、長男のジョセフ・P・ケネディ・ジュニアこそ二次大戦中に戦死してしまいましたが、次男のJFKは念願かなって大統領につけることに成功します。
もっともその後は知っての通りJFKは在任中に暗殺され、三男のロバート・ケネディも予備選中に暗殺され、末っ子のエドワード・ケネディも上院議員在任中にスキャンダルを起こしてその目は完全に絶たれました。こうした中、ジョーも1969年になくなりますが、四人の息子のうち三人が先に死ぬという不幸な結末となっています。
なおジョーには四人の息子のほか、五人の娘ももうけています。この中で自分も今回はじめて知ったのですが、長女のローズマリー・ケネディはなんとロボトミー手術の被害者となっていました。なんでも、青年期に差し掛かる頃の反抗期的な行動と、やや知能が低かった(実際には標準程度)と判断され、23歳の頃にロボトミー手術が効果的と判断されて施術されたそうです。
しかしこれは最悪の結果となり、これ以降ローズマリーは言語が支離滅裂となり、ほとんど自我のない廃人となってしまったそうです。
このようなローズマリーに対してジョーとその息子たちは全く病院を見舞うことはなく、唯一母親だけが定期的に訪れていたそうですが、ケネディ家から事実上、存在を消されていたそうです。もっともマスコミはすぐバレたので、批判をかわすためにケネディ家は障害者スポーツへ多大な寄付を行うようになりましたが、ケネディ家の不幸は偶然というよりかはその家風、というよりジョーの行動などによる面も大きいのではないかと密かに思います。
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2 件のコメント:
ジョゼフ・ケネディはそんなに悪人タイプの人物だったのですね。何をするにも金が必要で大業を成すための資金稼ぎのためにやっていた悪事なのかもしれませんが、そんな感じには見えませんね笑
ケネディ家のことは三男の死までは知っていたのですが、末っ子と長女の話ははじめて知りました。父親の悪事による負債をを子供が身をもって返済した形になるんでしょうか。因果応報ですね。
まぁ彼によって「インサイダー取引は違法」という概念ができたので一概に悪いことしかしてないわけではないものの、マッカーシーの赤狩りも支援するなど、やりたい放題やってきた人物ナノは間違いないです。とはいえ息子三人に先立たれるのは不幸な結末で、やはり欲の強すぎた人物であったことも間違いないでしょう。
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