2019年4月13日土曜日

メディアコースに進学しなかった理由

 死ぬほど忙しいのに締切より1週間早く記事書かなくてはならなくなり、現実逃避のためにブログ書いています。ああでも夏以降はこの状況が常態化するのが怖い。

 先日、知人にあった際に自分の進学先選択に関するエピソードを話しました。私は進学した大学で社会学部の社会学コースに進みました。ただ同じ社会学部の中にはメディアコースもあったのですが、高校生の時点からジャーナリスト志望だったにもかかわらず私はこっちのコースは受験せず、はじめから選択肢として放棄していました。
 偏差値的にはほぼどっこいどっこいなので学力的なもので選ばなかったというわけではなく、当初から確信的にこっちには進むべきではないと判断していました。どうしてかというと、「なるだけならこっちだろうが……」という風に考えたからです。

 単純にジャーナリストとなるため新聞社やテレビ局といったメディアに就職する上では、メディアコースの方がそりゃ有利だったと思います。にもかかわらず何故こちらを選ばなかったのかと言うと、メディアコースではメディア絡みの成り立ちや現在の議論などは学べるとしても、それ以外の周辺内容については学べないのではないか、という風に考えたからです。そしてそれらの知識はメディアに入るためには役に立つとしても、ジャーナリストとして大成する上では必要なのかという疑念があったからです。
 結論から言うと、メディアコースで学ぶ内容はまさに上記のとおりです。大学学部が同じということでいくつかメディアコース向けの授業も選択しましたが、やはり新聞メディアの発達の歴史とか、昨今のジャーナリズムにおける問題点や課題といった解説の記事が多く、業界同士の人間で盛り上がるのにはいいネタですが、こと報道に関しては役に立ちません。それであれば、経済記事に関しては財務諸表の見方とか過去の会計不正の歴史や手法とかを学ぶ方がよっぽど役に立ちます。

 そういう意味では、社会学を専攻として選んだことは自分にとって正解でした。ジャンルの広い学問分野であるだけに法学以外のあらゆる文系ジャンルを同時並行で学ぶ事ができた上、授業の一環として設けられた統計手法の実習などを経たことで、明らかに他の記者と比べても数字に強く、またグラフ作成量で頭抜ける実力を持つに至れました。財務諸表に関しては在学中に簿記の勉強をしてある程度基礎は身につけられましたが、今思うともうちょっと頑張って内部統制方面も学んでおくべきだったかなと反省はしていますが。

 以前にも書いていますが、メディアの専門家というのは記者としてはなんの勲章にもなりません。こと報道においては、メディアとは関係のない幅広い分野に渡る知識や考え方が必要であり、最終的には何かしら専門とする分野を持つに至るにしろ、メディアと関係のない知識や学問の方が報道においては強く要求されます。それこそさっき言ったような会計知識や統計手法だけでなく、機械工学や文化的な視野などがそれに当たり、勤務開始以降にこうした知識をみにつけるにしろ、ある程度の視野や思考手段を在学中に身に着けておくに越したことはありません。
 特に私の場合だと、社会学の中でも人類学を専門としただけに、やっぱりこの方面で他の記者とは目線が違うなとこの頃特に強く思うようになってきています。来週月曜にJBpressで出る記事なんかまさにその典型で、テーマ自体は他の記者でも書けるだろうが、比較文化論的な結論部分は人類学者やその業界関係者ならともかく、一般記者の中では案外私以外には気づけもしないだろうし書くこともできないのではないのではと、書いてて思いました。

 もっとも最初に書いたとおりに、メディアに就職する上ではメディアコースの方が圧倒的に有利であり、私は過去にも書いている通りに新卒就活時にメディア企業各社からはまるで相手にされませんでした。文章力であれば当時としても、素材レベルでは間違いなく一級品といえる実力を持っていたと断言できるのですが。
 ただ、ジャーナリストとなった上で更に大成しようと望もうとするならば、私個人としてはメディアコースへ進学することはお勧めしません。まだ経済学とか法学のほうが視野や幅を広げられるし、私のように社会学に行って理屈が通用しないようなバラエティぶりを持つのも一つの手ですが、メディアコースではジャーナリズムは学べても、報道は学べません。

 そういう意味では日本でまるで相手にされなかったものの中国で無理やりメディアに入って力づくで記者になれたという事実からも、自分の選択はあながち間違っていなかったとつくづく思います。にしても力づくっていい方ですが、ほんと自分の人生を思い返してみると一切の幸運というものはなく、何でもかんでも力づくで運命捻じ曲げるようにして今の地位築いている気がします。ええ身分になれたもんや。

2 件のコメント:

  1. 懐かしい、私の大学生時代にもメディアコースありました。マスコミ界にもコネを持ってる有名な教授が指導されるとのことで人気授業の一つでした。受けていれば良かったかな、と思う一方で出版社は中小が多く激務だと聞いていたので病人に務まるか、と考えたとき行かなくて良かったかな、と思いました。

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  2.  出版業界は読書好きの日本人に長年支えられたおかげで、市場は縮小しているのに改革できる人間はいないという状態にあり、進まなくて正解だったと思います。やる気のある人材が入ってきたとしても、改革に対応できるような会社もないと思うし。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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