今年はじめに中国で去年から一部都市でゴミの分別が始まったということをこのブログ、あとJBpressで報じましたが、今度七月一日からは試行ではなく義務化され、違反者には罰則も課すなど強制的な措置に変更されます。これにビビっているのが私の友人で、「分別なんてできないよ」というのですが、
「いやでも君、日本に住んでたじゃん。埼玉とかは分別厳しいじゃん」
「いや、あのときは何も考えず全部一緒にして捨ててたし(´・ω・`)」
という、中国人らしい回答を受けました。まぁ見方を考えると、別に間違っているわけでもないのですが。
・中国「もう廃プラスチックいらねえ」日本&アメリカ「マジ?これからどうすりゃいいの?」(はちま起稿)
先日に上の記事とそれに付随するネットの掲示板をいくつか見ましたが、ちょうど十年くらい前はプラスチック、特にペットボトルの再利用ことリサイクルとリユースが叫ばれ、協力しない奴は非国民だとばかりに大きくプッシュされました。
この時期について以前に私は、「景気が良かったからではないか。景気が良いときほど環境問題がピックアップされやすい」と指摘し、ちょうど2008年のリーマンショック直前が最盛期で、それからは徐々にすぼんでいきました。
ブームがすぼんでいった理由としては、ペットボトルキャップリサイクルなど誰がどう考えても不合理なリサイクル方法がプッシュされて疑問に呈されたこと、リサイクルを行うほうが地球環境にとってはマイナスなどと武田邦彦氏が主張してそれが受け入れられたことなどがあります。あれから十年たった今、やはりリサイクル反対派の主張が正しかったと伺えるのが上記のリンク先です。
読んでみてもらえればわかりますが、これまでリサイクルすると言って分別が強制され、回収されていたプラスチックごみはほぼ全て、中国など第三国へ輸出されていただけでした。この点については武田邦彦氏も廃棄物を第三国へ輸出してはならないバーゼル条約に真っ向から違反しているなどとかつて指摘していましたが、これまでは日本においては「ゴミ」なのに「資源」と称して中国へ輸出されていました。
中国ではこれらの廃プラスチックを使って二次加工などをしていましたが、普通に考えてあまり環境や衛生にいいものではありません。そうした背景もあって中国が2017年末にこうした廃プラスチックの輸入を規制したところ、日本のペットボトルゴミに代表される廃プラスチックは行き場を失いました。それでどうすることにしたかと言うと、中国以外の東南アジア諸国へ輸出したり、この際だからもう燃やしちゃおうぜとかいい出しているのが現状です。
実際、これは武田氏が特に強く主張した点ですが、プラスチックを燃やした際に生じるダイオキシンの毒性はそれほどでもないとされています。そもそも、ダイオキシン対策に日本のごみ処理炉は高い火力を備えるようになったので、現状でそのまま他のゴミと一緒にくべても特に支障がない、というか第三国へ輸出するよりはずっとマシでしょう。
そもそも、回収されたプラスチックゴミは国内でリサイクルされているという建前でした。しかし現実はリサイクルは行われておらず、回収した自治体などは恐らく仲介業者などを通して中国への輸出により小銭を稼いできたのが実態だったようです。私としては別に隠す必要があると思える事実ではないのですが、回収や輸出を行っていた側からすると「リサイクルに回します」という嘘をつかざるを得ない事情があったのでしょう。
このように考えると、ペットボトルはむしろ今は直で燃やす方が地球環境的にも、対外関係的にもプラスだと言えます。中国に来て自分も気が付きましたが、日本の分別方法は細かすぎてかえって効率を悪くさせているとみえるところがあり、この際だから有識者を交えて抜本的に合理的な方法へ変えるべきでしょう。
もっとも、変える能力すらもはや今の日本の自治体にはないと分かって言っているのですが。
2 件のコメント:
武田先生はダイオキシンレタスについて言及したときに、とても人に害悪をもたらすものではないと言い切っていますしね。
武田先生の抗議を受けて感嘆したのは、環境工学を専攻していながら、世間では地球温暖化といわれているなか、南極の氷は沿岸部では毎年溶けていると言ったり、地球規模では今は寒冷期だといったり、常識を覆すようなことを平然と言ってのけるところでした。しかも、それを独自のデータを使って客観的に説明していました。
最近では、高齢者の事故による免許返納について言及し、免許なんて返納したらお年寄りは餓死しろってことじゃないかと凄んでますね。
単純に考え方が合理的と言うか、流されない人ですね。あと話し方がうまい。
昔TV番組で辛坊治郎氏が武田氏について、「話し方がうますぎて逆に騙されているんじゃないかと思う時がある」と評していましたが、実際詐欺師も真っ青なくらい説明の仕方が上手い人だとよく思います。
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