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2021年9月2日木曜日

池袋暴走事故の判決について

 詳細を書くまでもないですが、2019年に起きた池袋暴走事故の裁判で今日判決が降り、被告の上級国民に執行猶予なしの懲役5年の判決が下りました。この結果について自分の見方は妥当な結果だと感じるとともに、真面目に今回の裁判は一歩間違えれば世の中を変えかねなかったと安堵しています。

 事故詳細については省略しますが、この事件に関しては事故後の方がむしろ本題でしょう。被告は徹頭徹尾に自らの責任を認めず、やれ車が問題だとか記憶がないなどと荒唐無稽な主張で責任を転嫁する発言を繰り返し、遺族らをさらに苦しめ続けていました。あんまり他の人で同じ意見を見ませんが、自分はこれらの被告の態度を見ていてかつての山口県光市における母子殺害事件の犯人を想起させられ、事後の対応でこれほどまで世間の反感を自ら買ったのは真面目にこの二人がトップツーであるとまで思っています。
 それこそ、事故後に殊勝な反省の態度さえ見せていればまだ判決は違い、執行猶予萌えられたのではないかと思います。しかし一貫して無罪を主張する、というか有罪にできるものならやってみろとまで言わんばかりのあの態度で、執行猶予を付けたら悪しき前例を作っていたことでしょう。

 私自身は、世間の感情で有罪か無罪か、厳罰かどうかを空気で決めるようなことはあってはならないと普段から考えています。しかしこの事件に関しては世間の感情が文字通り収まらないレベルにまで達しており、事故直後の警察の歪な対応といい、仮に無罪、または執行猶予がついていたら、日本の司法に対する国民感情は劇的に悪化していたと思います。それこそ上級国民という言葉が、言葉だけの存在ではなく現実にある概念になっていたでしょう。

 その上で処罰程度に関しては、懲役5年が確かに落としどころじゃないかとも思っています。あくまで事実としては殺人ではなく交通事故であり、その不遜な態度は確かに腹立つし私自身も可能ならば死なせたいとすら思うほどですが、その行った行為以上に過度に重い判決を下すこともまた前述のような空気で決めてしまう行為であり、そうした行為は避けるべきだと考えます。あくまで死亡交通事故の枠内で処罰するとしたら、飲酒などの危険運転致死行為でもないため、遺族の方々が不満に感じるのは当然だと思うもののやはり5年程度が落としどころである気がします。

 恐らく控訴すると思われるためこれでこの裁判は終わりというわけではありませんが、悪い奴ほど意外となかなか死なないので、裁判が長引いても案外どうにかなるんじゃないかという妙な期待を持ってみています。

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