別に今に始まるわけではないですが、上のような就活面接について上から目線でアドバイスする記事を見ていると本当に辟易します。見出しにも掲げている通り、こういう記事は世の中に何も貢献しない、っていうか見方によってはむしろ、社会の効率を貶めているところすらあると思います。
基本的のこの手の記事は、「こうすれば面接受けがいい」、「面接官はこういうところを見る」、「こういうことを言う学生を企業は採用する」といった内容に終始しているのですが、結論から書くと、どんな出自や価値観、スキルを持つ候補者が入社後に活躍するのかという、企業の優秀な人材獲得という目的や観点がまるきり眼中にありません。
いちおう、上の記事には「志望動機にビジネス視点を盛り込め」と書いていますが、ビジネス視点を盛り込んだ候補者がその後、企業で活躍するかどうかには一切触れていません。私の経験に立つならば、この手の就活テクを聞きかじり真に受ける人間は基本的にあまり自分で考える人が多くなく、中には使える人もいるでしょうが、恐らく記述とその後活躍には優位な相関はないでしょう。
企業が面接など採用候補者を選抜するのは、言うまでもなく優秀な人材を採り、無能な人材は採らないためです。その観点で言えば、どんな候補者が優秀であるのか見分けるポイントが重要であり、また候補者の側も、その企業が見るポイントに応える形で自らをアピールすることこそ、人材の優劣がはっきり出るところであるように思えます。
しかし上記の記事の様に、この手の終活アドバイス記事ではそうした「将来活躍の見込み」という観点は完全にそぎ落とされ、「如何に面接受けするか」という、目立ち方のアドバイスしかほぼ見受けられません。自分に言わせれば本当に中身のない内容で、このように実質を全く問わず、そとっつらだけしかお互い見せない、見ない社会になったから日本はどんどん悪くなっているとすら思っています。
じゃあ優秀な人材を見分けるポイントは何なのかって聞きたいでしょうが、汎用的なものは恐らくほとんどないと思います。その企業がどんな業種で、募集している職種は何なのかによって人材の適性は変わってくるだけに、各企業の担当がそのような見分けるポイントをしっかり考えるべきだと思います。
なお記者に関しては、「ジャーナリズム」という概念に強いこだわりがある人ほど信用できません。むしろ記事で如何にお金を稼ぐか、記事そのものより見せ方や拡散の仕方を意識する人間の方がこれからの時代は向いているかもしれません。
ある意味就活が最たるものなのかもしれませんが、本当に今の日本は中身のない議論が多すぎます。上の記事書いた人もわざわざ電通マンと名乗るあたり、中抜きは得意だけど中身が全くない電通らしい雰囲気を覚える記事を書くなと内心思います。上の記事読んだ後、本気で「で、何?」と思ったし。
なお聞くところによると某キー○○という会社は、候補者の面接を常に録画しており、入社後の活躍と合わせて比較するそうです。こうした科学的な検証こそ必要で、優秀な人材の見分け方だったら下手な人材サイトとかよりキーエンスに聞いた方がずっといいかもしれません。
2 件のコメント:
花園さんの言う通りでしかもこれ本を再編集しただけ、というのが酷いですね。
私の頃は履歴書は手書きで書くか否かが話題になってましたのを思い出しました。
この「本の再編集」記事というのは実は今、Webメディア界ではやりの手法です。新規で記事を書き起こす必要がなく、引用した本の宣伝にもなるため、自分の主戦場であるJBpressでもよくやっています。まぁ手抜きなページ埋め方であるのは認めますが、中には読める内容もあるので大目に見てあげてください。
履歴書は自分はまだ手書き以外ありえない時代でした。自分は字汚いからかえって意味ないと考えてましたが、記者は基本字が汚いので、メディア業界だったら汚い字の人間を選別する上では意味あったかもしれません。
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