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2023年2月12日日曜日

日本人はニッチに強い?


 上の画像は去年日本に言っている最中に目撃した商品ですが、一目見てマジビビりました。こんなものまで日本は所品化するのかと驚くとともに、「せっかくこういう商品もあるんだし(;´・ω・)」などと、一瞬「退職」の二文字が頭をよぎりました。
 なお中国人の友人にこれ見せたら。、「今時退職願なんてメールでやるのが普通じゃん。日本はまだ紙で出してんの?(´・ω・`)」と言われ、なんかFAXを未だに使っているようなローテクぶりを揶揄されたような気持ちを覚えました。

 話は戻りますが上の退職願レターセット、こうして店舗に並ぶ辺りは一定の消費があると見込まれます。それだけ今日本では退職が横行している、とまではいかずとも、こうした商品の需要は一定程度あり、でもってそのニーズを汲み取って商品化した業者がいたということになります。
 実際にというかこの写真を同僚の日本人に見せたところ、「こうした以上に小さなニーズを汲み取る辺り、日本人のニッチ市場に対する感覚って実はすごいのでは?」というコメントを受けました。この時に自分も初めて気づいたというか、このレターセットに限らず、日本人は「こんなん誰が買うんだよ?」と思うようなものを商品化して、収益化している例が実際かなりある気がします。

 自分の知っている例を一つ出すと、ワコールが出している「胸が小さく見えるブラ」があります。世の中の女性はほとんどみんな胸を大きく見せようとするのですが、なんでもアンケートしたところ10%程度の割合で胸を小さく見せたいと思っている層が存在するとわかり、ワコールは商品化を決断したとのことです。
 この分析は見事に当たり、購買層のレンジ自体は狭いものの競合商品が全く存在しない分野商品だっただけに、ワコールはこの胸が小さく見えるブラでかなり成功を収めたというニュースを以前見ました。先ほど検索したところこの商品はまだ販売が続いており、また別企業も参入しているあたり、報道の通りに当たったと窺われます。

 基本的に私はこれまで、日本人はマーケティングが下手だと考えていました。家電が特に顕著ですが、売る気があるのかよくわからない商品を開発したり、またポテンシャルを秘めながらターゲッティングなどを誤り全く売れなかったなどという例が多く、市場ニーズを汲み取るのは日本人は下手だと思っていました。
 ただ改めて見つめなおしてみると、市場規模が大きく大衆狙い商品を売りこむマスマーケティングはともかく、前述の「こんなん誰が買うんだよ?」と思うくらいのニッチな商品を売り込むニッチマーケティングに関しては、少なくとも商品化に至るまでのニーズ汲み取りは的確であることが多い気がします。また発売後も、そうしたニッチ分野の認知を徐々に拡大させ、売り上げを増やす方面でも結構上手な感じがします。

 そう考えると単純に日本人、っていうか日系企業はマスマーケティングが下手な一方、ごく限られた層をピンポイントで打ち抜くニッチマーケティングに関しては実は感覚が鋭いのかという仮説が出てきます。
 この点について元広告屋で名古屋に左遷されたうちの親父に話を聞いたところ、日系企業は予算がかかるのを嫌ってマスマーケティングを避ける一方、あんま予算のかからないニッチマーケティングは割と積極的というかきちんと金出して行うことが多いという話を聞きました。間接的ではあるものの、仮に親父の言う通りなら日系企業がニッチマーケティングを得意とするのは実態に則しているかもしれません。

 そもそもというか日本人の性格的にも、バーンと売り出すよりもごく限られた層をターゲットにする方がマーケティングとかでも力が入りそうです。そういう意味では今後、変にマス商品とかを開発するよりも特定層に高いニーズのある商品をより絞る感じで開発していった方が案外物事がうまく回るかもしれません。

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