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2023年4月14日金曜日

リスキリングに成功例あるの?

 昨夜何故か深夜二時にスピーカーで商店宣伝らしき文句を30分くらい延々と繰り返し流し続けた狂人がいたせいで今日はやや寝不足で、些細なメールに「てめぇどういうことだ(´・ω・)」といちいち凄んで返信するなど露骨にイライラしていました。まぁ「ファイル10個くらいあるけど作業するのはこのうち6種類くらいで、そのうち2つは分割されてるよ」とか言われたら普段でも怒ると思うけど。
 ちなみに騒音に関しては団地内のグループチャット見ているとほかにもキレてる人がいて、この点は中国人みんながおかしくないって意味でほっとしました。まぁどこの世界にも狂人はいるんだろうけど、バット持って自分も出動しとけばよかった。マジで団地全体に響くくらいの大音量だったし。


 話は本題ですが、さっき上の記事読んでて「リスキリング」という単語がふと目につきました。関係ないけどさっき変換したら「李スキリング」って表示されたよ。
 そういうどうでもいい誤変換は置いといて、岸田首相辺りが口にしたからかこのところ確かにこのリスキリングという単語を見かけることが増えている気がします。ぶっちゃけ横文字にしなくても再教育とか再研修、社内研修とかでもいいのに横文字で表現する当たりは政府もプレミアムフライデー並みに普及させる気がないとは思うのですが、それ以前にリスキリングで成功した事例ってあるのかなと疑問に感じました。

 一応の建前としては、社内の不要となった業務部門人材を必要な業務部門に配置転換できるように別部門業務を覚えさせるのがリスキリングとなっています。A製品の営業部門からB製品の営業部門への転換のように営業スキルで共通する部門転換ではなく、それ以前とはほぼ全く無関係な経理とかIT業務スキルの習熟並びに実際の配置転換がリスキリングに当たるとされますが、そもそもこれ、実際に日本人にできるのかと言ったら甚だ疑問です。何故疑問に感じるかというと、自分の目から見て日系企業の場合は業務が属人化しやすいからです。
 本来であれば業務手順などで共通化すべき業務を現場猫のように「それはそれ、これはこれ」的に無視して、現場担当者が自分の都合のいい手法に変えてそれで通してしまうことが日系企業に多い気がします。同時に、本来なら同じスキルなら他企業でもある程度共通するはずの業務でも、ジョブ型雇用が日本だと非常にレアなため、一般化されていないため属人化している点もあります。そのような属人化された業務をリスキリングで必要な技能を得られるかと言ったら、かなり疑問なわけです。

 それ以前に、実際にリスキリングでこれだけ業績伸びました、給料増えました、彼女できましたとかいうかなり都合のいい話すら、何故か耳にしません。普及させようってんならステルスマーケティングのように架空の人物でっち上げてでもリスキリングのメリットを謳うような話を誰か流布させると思うのですが、そんなおとぎ話のような話すらリスキリングに関しては目にも耳にもしません
 唯一、若干ステマっぽく見えるけどディープラーニング協会のこの記事だけは個人の実際体験談としてリスキリングの効果を取り上げています。逆を言えば、この記事以外には実際に効果があるという紹介が一切されていません。あるのは「日立製作所ではこんなリスキリングプログラムがあって、こんなに参加者いるよ」という、企業側が行っているリスキリングの取り組みの紹介しかなく、実際に得られたメリットや効果、実績はみられません。っていうか日立の紹介がやたら多いな。

 はっきり言えば、リスキリングは先ほどの日系企業で多い業務の属人化以前に、日本人にとって物凄く相性の悪い行為だと考えています。日本人は基本的に業務に関して「何ができるか」よりも「何年やってきたか」という年紀で遂行能力を推し量る傾向が非常に強く、途中で方向転換して学びなおした人間に関しては見下げる傾向すらあるように思えます。誰も言わないから私が言うけれど、リスキリングで配置転換した従業員の給与はどうするのかと聞いて、きちんと答えられる日系企業は多分ないでしょう。それもこれも、ジョブ型雇用じゃないので技能給与じゃなく、勤続年数による給与テーブルしかないからです。
 仮にそうだとすると、従業員側にリスキリングに応募する動機はなくなります。下手すりゃ上記の業務経験年数による判断から配置転換後に給与額が下がる可能性もあるだけに、誰が好んでリスキリングするかってんだって話になるでしょう。

 敢えて日本でリスキリングを本気で実態あるものにしようというのなら、対象者は戦力外通告者ことリストラ予定の従業員に限定すべきです。これら解雇対象者に対し半年または1年など期限を区切ってリスキリングを受けさせ、検定など一定基準に合格した場合に再雇用するという条件でなければ、企業側にも従業員側にもリスキリングのメリットが感じられず、採用する企業も従業員もいなくなるでしょう。更に言えば、雇用が継続される既存従業員で応募しようっていう人はかなり少ないだろうし、希望するリスキリング内容とのマッチング面でも齟齬が出てくる可能性もあると思います。

 最後にまとめると、リスキリングを流行らせたいのなら御託はいいから成果を出せ、それ以外出すなと言いたいです。でもって成果を出す方法のみを採用し、出さないならすぐ廃止しろと言いたいのですが、リスキリング自体に疑問を持っているのは本当にごく限られるだけなので、恐らく2、3年は無駄なことを繰り返すのだろうなとみています。

2 件のコメント:

ルロイ さんのコメント...

リスキリングに成功の可能性があるとすれば、すでに得意分野とは違う業務に就かされている人くらいだと思います。
PCが得意なのに営業やってる人みたいなのですね。
そのために必要なのはスキルの修練ではなく、現状の人員配置が適材適所になっているかの分析だと思いますが。

花園祐 さんのコメント...

 そういうリスキングとからなら確かにありですね。現場仕事よりも指導職の方があってる人、その逆な人は実際によく見ます。逆を言えば、適正ないのに下手にリスキリングさせて配置転換させると、えらいことになりそうです。