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2023年4月11日火曜日

賃上げを発表する日系企業に対する不安視

 最近自分のどうでもいい趣味のことばかり書いているのでたまには真面目な記事を書くと、先月位にかけて日系企業でベアアップでの賃上げ発表が相次ぎました。中には初任給も大幅に引き上げるという発表もした会社もいましたが、正直に言ってこれらの会社の先行きについて非常に不安視しているというか、端的に言ってやばい会社なのではないかと疑っています。

 賃上げを発表した会社の多くは人材不足への対策とともに、昨今の物価高への対応を口にしています。前者の人材不足について初任給を引き上げるというのは確かに人材を呼び込む上で一見すると有効な処置のように見えますが、不足しているのは人員数なのか、それとも特定の能力を持った人材なのかでいうと、恐らく後者じゃないかと思います。
 AI開発能力など特定の専門人材に対し高額報酬を用意して呼び込むのなら理解できますが、これまでと同じく総合職採用で初任給を引き上げたところで人材の補充になるかと言ったら疑問で、であれば既に雇用している人材に再教育を施すなどした方がもっとお手頃ではないかと思います。

 次に物価高対策についてですが、個人的に意味が分からないのは何故物価が上がったから社員の給与を上げなくてはならないのかです。給与を引き上げなと労働者が離職するというのなら理解できるものの、あまり反抗する傾向のない日本人社員相手だったらぶっちゃけ上げなくたってこれまで通りに働くでしょう。一般労働者が物価高で生活が苦しくなると言っても、会社の経営的には知らんこっちゃない話です。
 と、労働者には冷たいことを言いますが、こういうのには訳があります。というのも、会社自体これから存続できるのかという点で、非常に懸念しているからです。

 結論から書くと、経済規模が拡大(好景気)していて物価も上昇しているのであれば企業もどんどん賃上げをするべきだと思いますが、現状はさにあらず、物価は確かに上昇しているものの経済に関しては明らかにリセッションに入っています。

 米国のIT大手や金融、コンサル機関などがこのところ数万人単位でのリストラを発表しており、中国でも大手ほど早め早めとばかりに人件費削減に動くところが出ています。私の目から見ても最低でもこれから1年間はかなりきついリセッションに入り、各社で多くの経営課題に直面するとみています。
 そうした状況を勘案するに、物価が上がったからと賃上げするのは如何なものとしか思えません。景気拡大が見込まれるのならともかく実際は真逆であり、むしろ切れる人材や事業は今のうちに切って、余計な出費は減らして既存事業の継続にリソースを集中させるべき時期にあると思います。それなのに何故かこのタイミングで初任給を含む賃上げに踏み込む企業については、いくら何でも無謀すぎやしないかとハラハラしています。

 私自身は基本弱者の味方というか強者の側に入れないだけですが、その私からしても、今このタイミングで労働者の賃金を引き上げるのは避けるべきだと思います。物価が上がって大変なのはわかるものの、ベアアップでは会社にしがみつくだけの無能な人材の給与も無条件で引き上げることとなるため、結果的に給与リソースを避けることができずに才能ある人材が逆に出づらくなる、採用できなくなる可能性もあります。虻蜂取らずというか。
 そういう意味では前述の通り、特定人材への報酬引き上げ、または好待遇での募集をするのには大賛成です。でも報道見ている限り、そんな動きを見せる企業はあんまいません。

 以上のような観点から、今年に入って賃上げを発表した企業に関しては正直株とかあまり買いたくないなというのが本音です。逆に今このタイミングで既にリストラしたり、事業分割や売却している会社の方が経営者はしっかりしているように見えます。
 なお中国も前述の通り結構景気悪くなってて、今年は自分もあんま昇給を期待できそうもありません(ヽ''ω`)

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