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2023年6月16日金曜日

「精密機械」の逝去に触れて

 各所より報じられている通り、往年の広島カープのエース投手であり「精密機械」とも呼ばれた正確無比なコントロールで知られる北別府氏が、このほど亡くなられたとのことです。かねてより白血病を発症して闘病していることは自らブログなどで明かしており、病状が思わしくないとは聞いてはいたものの、たまたま今日同じく逝去報道のあった杉下氏が90代の大往生であったことを考えると、60代の北別府氏の逝去についてはやはり早すぎるという感があります。

 私自身は年代の関係もあって北別府氏が活躍した時代を直接目にすることはありませんでしたが、かねてからそのブログについては知っており、「カープおじさん」といわれるくらいカープの勝敗についてしか興味ないのかといわんばかりの内容でした。ただブログで語られる内容は基本カープ愛に満ちており、負け試合でも「今日はこのカープ選手が良かった」などと全くめげずにカープの良さを延々と語っており、勝負師ぞろいのプロ野球界においては非常にやさしさの感じる文章でした。

 そもそも選手としての実績は超一流であり、またその指導や人柄について誉める声が絶たなかったことから、いずれはカープの監督を務めるのではないかと思っていた矢先、白血病の発症を告白したため大いに面食らった覚えがあります。その後のブログは闘病記ともいうべき内容で、一時的に緩解しては再入院を繰り返すという内容で、北別府氏を支えるご家族の話などもあり、読んでいて非常に応援したくなる内容でした。
 それだけにもう一度元気な姿をグラウンドで見せてほしいと私ですら思っていたのですが、もはやそれは叶わぬこととなり、非常に深く悲しく感じます。

 恐らく北別府氏の闘病記を知らなければ、ここまで思いを抱くことはなかったと思います。それだけに病状を包み隠さず細かに明かしてきた北別府氏とご家族らについては深く敬意を覚えるとともに、往年の大投手の逝去に触れてこの場にて哀悼を申し上げさせていただきます。

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