明治の文豪でその実力、名声ともに最高の評価を受けている人物となればまず間違いなく夏目漱石の名が挙がってくるかと思いますが、私はというと漱石を評価しないわけではないですが森鴎外の小説の方が面白いように感じました。もっともこの両者は甲乙のつけがたいところがあり、トップ2であるのは間違いないのですがどちらが上かとなれば評者の好み、または評価するポイントによって変わってきたりします。
ただ大正の文豪で私が一番高く評価している芥川龍之介はその小説のテーマを事実上の師である漱石から受け継いだものの、小説のスタイルは今昔物語などの歴史物を題材にして表現するなど鴎外の影響も強く受けており、それゆえに芥川は両文豪のハイブリッド的作家とも言われており、明治大正を包括する最後の小説家としての評価はゆるぎないものと見られています。
私としてはあまり漱石の小説にはなじまない所があるので芥川と鴎外を日ごろから贔屓にしているのですが、小説家としては芥川の方が上だと感じつつも、人間的には鴎外の方に親近感を覚えてしまいます。鴎外というとやはり「舞姫」で有名なドイツ人女性との関係ばかりが注目されがちですが、彼のドイツ留学中のエピソードではこれに負けるとも劣らない、ナウマンとの論争があります。
ナウマンというのはナウマン像を発見してその名の由来となった、明治初期にお雇い外国人として日本に来ていたドイツ人学者、ハインリッヒ・エドムント・ナウマンのことですが、彼はドイツに帰国後、日本について自らが見聞してきたことをある会合にて講演を催したのですが、その場には留学中の鴎外も来ていました。
鴎外の目の前でナウマンは、日本は明治維新を経て列強に必死で追いつこうと改革を続けているが所詮は真似をしているに過ぎず、列強と肩を並べる事など到底不可能だと主張しました。
するとそこで聞いていた鴎外はやおら立ち上がると流暢なドイツ語にてナウマンに対し、日本人として今の発言は黙って聞き流す事は出来ない。もし発言を撤回しないのであれば日時と場所を指定するので決闘を申し込むと言い放ってきたのです。もちろん周りはドイツ人ばかりで、唯一鴎外にくっついてきた同じく留学中の乃木稀典はドイツ語が理解できなかったまでも周囲の剣呑な雰囲気を読み取り、「も、森君、どうしちゃったの?(゚Д゚;)」と慌ててたそうです。
この思わぬ鴎外の反論に対してナウマンは侮蔑するつもりではなかったと弁解するも鴎外は一向に譲らず、最終的にはナウマンが引いて発言を撤回したことで場が収まった、とされています。
この論争は鴎外の研究者らによって伝わった逸話ですが詳細についてははっきりしないところがあり、上記の私の記述も敢えて一番ドラマ仕立てな物を紹介しております。ただナウマンに対して鴎外が何らかの形で反論を行ったというのは事実で、写真で見る温和そうな顔の裏では非常に闘争心の強い性格をしていたのではないかと窺わせるエピソードです。
別に鴎外に重ねるわけじゃないですが、私もどうも周りから、特に初対面だと大人しそうな人間に見られる事が多いのですが、こんなブログをやっているあたり自分より過激な性格をした人間なんてそんなにいないような気がするのですが、どうも危険人物のようにはなかなか受け取られないようです。それはそれでいいんだけど。
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
2010年3月8日月曜日
2010年3月7日日曜日
日本でのオランダモデルワークシェアリングの必要性
なんか昨日今日とブログを書く気力が湧かず、昨日に引き続きまた今日も二日続けてサボろうとしていました。急に寒くなったのが原因かな、まぁひとまず今日は頑張って書くけど。
そんな絶不調下で書く今日の話題はというと、先日に移民の連載記事の方にいただいたコメントにてオランダでの移民の状況について言及されるものがあったのですが、それを見てふと思い出したオランダ型ワークシェアリングについてです。
・ワークシェアリング(ウィキペディア)
ワークシェアリングという英単語をそのまま直訳すると「仕事を分ける」という意味で、この意味通りにそれまで一人の人間が行ってきた仕事をを数人に分けて行っていく制度や考え方の事を指しております。ただ一概にワークシェアリングといっても各国によって持たれている考え方、またすでに実施されている制度の意味合いは異なってはいるのですが、最も進んだ形として実施されているのはオランダの制度であるというのは衆目の一致する所であります。
ではオランダでのワークシェアリング、通常オランダモデルと呼ばれている制度というのは具体的にどのようなものかというと、オランダでは1980年代に襲った大不況時において景気打開策として、「フルタイマーもパートタイマーも、時間当たり賃金を同一のものにする」という法律を作りました。この法律の概要を一言で言い表すのなら同一賃金同一労働の徹底化ということで、例えば同じオフィスで事務作業をするにしても現在の日本では正社員と派遣社員とアルバイターとでそれぞれ給与に差があり、問題があるとはいいつつも是正の動きは全くありません。
これに対してオランダでは正社員だろうと派遣社員だろうとアルバイターだろうと同じ仕事をしているのなら時間当たり賃金、要するに時給換算した賃金に差をつけてはならないという制限をかけたわけです。そんなこと言ったってうまいこと賃金格差が埋まるはずないと思われがちで、実際に当時の周辺国からはまたオランダが変な事をやっているよと言われていたそうなのですが、この制度を導入してからオランダではフルタイマーとパートタイマーの賃金格差はぐんぐんと縮まり、どっかでみた資料の比較では日本のパートタイマーの時給換算賃金はフルタイマーの0.4倍であるのに対し、オランダではなんと0.9倍にまで詰めているそうです。
・オランダのワークシェアリング(Youtube)
上記リンク先のテレビ番組の動画ではそのようなオランダの現状について取材、報道されており、特に冒頭のインタビューに答える男性の答えはかねてよりこのオランダモデルを知っていた私にとっても非常に意外なものでした。そのインタビューはどのような仕事をしているかという質問なのですが、その質問に対し男性はこう応えています。
「弁護士の助手と飛行機の客室乗務員の2つの仕事をしています」
弁護士の助手と客室乗務員なんて一見すると全く縁もつながりのない仕事に見えるのですが、オランダではそれでも両方掛け持ちする事が出来るそうです。
このオランダモデルのワークシェアリングの最大の強みは何かといえば、個人がそれぞれの都合に合わせて仕事を行い、また休日もそれぞれの都合によって決められるという点です。したがって周三日働いて残りの四日を休むこともできますし、周三日ずつ二つの仕事を掛け持ちして一日休日を取る事も出来ます。それにしても、警察官の三分の二までがパートタイマーというのだから本当に末恐ろしい国だ……。
現在の日本はこの様なオランダの現状とは程遠く、フルタイマーとパートタイマーの賃金格差が大きいだけでなく月曜から金曜の五日間は必ず出勤しなければ安定した雇用を得辛い状況にあります。私はかつてこのオランダモデルが学校の授業で取り上げられた際は確かにこの様な働き方が出来る制度は理想的だけど、日本だと文化的な違いや制度的な面、また人口規模(オランダの人口は16,592,00人)の違いから実現は難しいだろうと発言し、周りの授業参加者もみんな似たような意見でした。
しかし私は近年の日本の状況を見るにつけ、このオランダモデルの日本への導入はやれる、やれないの話をしている場合ではなく、もはややらなければいけない状況にまで来ているのではないかと考えを改めるようになりました。
まず第一の理由としてニート、フリーター、ひいては若年失業者の増加問題の対策としてです。未だに正社員でなければ真っ当な人間にあらずという極端な概念の強い日本では就職氷河期に就職できなかった若者は延々と就職する機会が得られず、賃金格差の激しいパートタイマーの仕事で食いつないでいる方が数多くおります。このような若者の追い込まれた状況を支援するために同一労働同一賃金の必要性はかねてから主張されているものの、一向に改善の兆しは見えてきません。
次に労働力配分の問題です。現在の日本は失業者が大量に増加している一方で介護や医療、農業といった分野では労働力が不足している状況にあります。もちろんそれらの事業を運営している団体や個人が人を雇う余裕がないというのも大きな理由ですが、ワークシェアリングの導入によって雇用の流動化を進め、安定した賃金が得られる仕事を行う一方でこれらの分野の仕事を週一で手伝ったり、ボランティアとして活動したりする事で補完が得られる可能性があります。
そして最後にして最大の理由として、二番目の理由とも多少重なりますがこれから予想される介護問題への対策としてです。目下の少子高齢化は言わずもがな、しかるに現状の日本の介護体制は人員も揃っていないばかりか今後ますます要介護者は増えていく一方です。つい先日にも介護疲れから心中が行われた事件が報じられましたが、介護態勢が整っていないゆえに今後の日本は各地でこのような殺人が頻発していくとみてほぼ間違いないと言っていいでしょう。
今の介護の問題で何が大きな問題かといえば、要介護者を施設やヘルパーに介護を委託しようにもお金がかかり、かといって自分で介護をしようとしたら四六時中付き添わなくてはならないので仕事を辞めざるを得なくて自らも生活に困窮していくという、いわゆる介護倒れという負のスパイラルが起こるという現状です。特に日本の場合だと先ほども言ったとおりに月から金まで毎日出勤する正社員でなければ真っ当な給与は得辛く、二日に一回の割合でヘルパーに来てもらい残りの日は自分で介護することで費用を軽減しようとしても、二日に一回の出勤など認められるわけなく必然的に仕事は辞めざるを得ません。
仮にオランダモデルがうまく導入できるとしたらこの仕事をしつつ自分で介護を一部行うという選択肢が選べるようになり、介護に必要な労働力を要介護者の家族らに一部担ってもらう事が可能になります。現状においても家族による介護補助がなければ介護は成り立たないといわれており、介護倒れを防ぐためにも私はオランダモデルこそが最善の選択肢なのではないかと思うに至ったわけです。
このほかにもまだ書くべきことはあるのですが、あまり長くなるのもなんなのでここまでにしておきます。やる気が低い割にはそこそこ書けたなぁ。
(´Д`) =3 ハゥー
そんな絶不調下で書く今日の話題はというと、先日に移民の連載記事の方にいただいたコメントにてオランダでの移民の状況について言及されるものがあったのですが、それを見てふと思い出したオランダ型ワークシェアリングについてです。
・ワークシェアリング(ウィキペディア)
ワークシェアリングという英単語をそのまま直訳すると「仕事を分ける」という意味で、この意味通りにそれまで一人の人間が行ってきた仕事をを数人に分けて行っていく制度や考え方の事を指しております。ただ一概にワークシェアリングといっても各国によって持たれている考え方、またすでに実施されている制度の意味合いは異なってはいるのですが、最も進んだ形として実施されているのはオランダの制度であるというのは衆目の一致する所であります。
ではオランダでのワークシェアリング、通常オランダモデルと呼ばれている制度というのは具体的にどのようなものかというと、オランダでは1980年代に襲った大不況時において景気打開策として、「フルタイマーもパートタイマーも、時間当たり賃金を同一のものにする」という法律を作りました。この法律の概要を一言で言い表すのなら同一賃金同一労働の徹底化ということで、例えば同じオフィスで事務作業をするにしても現在の日本では正社員と派遣社員とアルバイターとでそれぞれ給与に差があり、問題があるとはいいつつも是正の動きは全くありません。
これに対してオランダでは正社員だろうと派遣社員だろうとアルバイターだろうと同じ仕事をしているのなら時間当たり賃金、要するに時給換算した賃金に差をつけてはならないという制限をかけたわけです。そんなこと言ったってうまいこと賃金格差が埋まるはずないと思われがちで、実際に当時の周辺国からはまたオランダが変な事をやっているよと言われていたそうなのですが、この制度を導入してからオランダではフルタイマーとパートタイマーの賃金格差はぐんぐんと縮まり、どっかでみた資料の比較では日本のパートタイマーの時給換算賃金はフルタイマーの0.4倍であるのに対し、オランダではなんと0.9倍にまで詰めているそうです。
・オランダのワークシェアリング(Youtube)
上記リンク先のテレビ番組の動画ではそのようなオランダの現状について取材、報道されており、特に冒頭のインタビューに答える男性の答えはかねてよりこのオランダモデルを知っていた私にとっても非常に意外なものでした。そのインタビューはどのような仕事をしているかという質問なのですが、その質問に対し男性はこう応えています。
「弁護士の助手と飛行機の客室乗務員の2つの仕事をしています」
弁護士の助手と客室乗務員なんて一見すると全く縁もつながりのない仕事に見えるのですが、オランダではそれでも両方掛け持ちする事が出来るそうです。
このオランダモデルのワークシェアリングの最大の強みは何かといえば、個人がそれぞれの都合に合わせて仕事を行い、また休日もそれぞれの都合によって決められるという点です。したがって周三日働いて残りの四日を休むこともできますし、周三日ずつ二つの仕事を掛け持ちして一日休日を取る事も出来ます。それにしても、警察官の三分の二までがパートタイマーというのだから本当に末恐ろしい国だ……。
現在の日本はこの様なオランダの現状とは程遠く、フルタイマーとパートタイマーの賃金格差が大きいだけでなく月曜から金曜の五日間は必ず出勤しなければ安定した雇用を得辛い状況にあります。私はかつてこのオランダモデルが学校の授業で取り上げられた際は確かにこの様な働き方が出来る制度は理想的だけど、日本だと文化的な違いや制度的な面、また人口規模(オランダの人口は16,592,00人)の違いから実現は難しいだろうと発言し、周りの授業参加者もみんな似たような意見でした。
しかし私は近年の日本の状況を見るにつけ、このオランダモデルの日本への導入はやれる、やれないの話をしている場合ではなく、もはややらなければいけない状況にまで来ているのではないかと考えを改めるようになりました。
まず第一の理由としてニート、フリーター、ひいては若年失業者の増加問題の対策としてです。未だに正社員でなければ真っ当な人間にあらずという極端な概念の強い日本では就職氷河期に就職できなかった若者は延々と就職する機会が得られず、賃金格差の激しいパートタイマーの仕事で食いつないでいる方が数多くおります。このような若者の追い込まれた状況を支援するために同一労働同一賃金の必要性はかねてから主張されているものの、一向に改善の兆しは見えてきません。
次に労働力配分の問題です。現在の日本は失業者が大量に増加している一方で介護や医療、農業といった分野では労働力が不足している状況にあります。もちろんそれらの事業を運営している団体や個人が人を雇う余裕がないというのも大きな理由ですが、ワークシェアリングの導入によって雇用の流動化を進め、安定した賃金が得られる仕事を行う一方でこれらの分野の仕事を週一で手伝ったり、ボランティアとして活動したりする事で補完が得られる可能性があります。
そして最後にして最大の理由として、二番目の理由とも多少重なりますがこれから予想される介護問題への対策としてです。目下の少子高齢化は言わずもがな、しかるに現状の日本の介護体制は人員も揃っていないばかりか今後ますます要介護者は増えていく一方です。つい先日にも介護疲れから心中が行われた事件が報じられましたが、介護態勢が整っていないゆえに今後の日本は各地でこのような殺人が頻発していくとみてほぼ間違いないと言っていいでしょう。
今の介護の問題で何が大きな問題かといえば、要介護者を施設やヘルパーに介護を委託しようにもお金がかかり、かといって自分で介護をしようとしたら四六時中付き添わなくてはならないので仕事を辞めざるを得なくて自らも生活に困窮していくという、いわゆる介護倒れという負のスパイラルが起こるという現状です。特に日本の場合だと先ほども言ったとおりに月から金まで毎日出勤する正社員でなければ真っ当な給与は得辛く、二日に一回の割合でヘルパーに来てもらい残りの日は自分で介護することで費用を軽減しようとしても、二日に一回の出勤など認められるわけなく必然的に仕事は辞めざるを得ません。
仮にオランダモデルがうまく導入できるとしたらこの仕事をしつつ自分で介護を一部行うという選択肢が選べるようになり、介護に必要な労働力を要介護者の家族らに一部担ってもらう事が可能になります。現状においても家族による介護補助がなければ介護は成り立たないといわれており、介護倒れを防ぐためにも私はオランダモデルこそが最善の選択肢なのではないかと思うに至ったわけです。
このほかにもまだ書くべきことはあるのですが、あまり長くなるのもなんなのでここまでにしておきます。やる気が低い割にはそこそこ書けたなぁ。
(´Д`) =3 ハゥー
2010年3月5日金曜日
いじめや虐待をどう捉えるか
先日私の母校の歳行っていた独身の先生が結婚したという仰天するニュースを友人に話した所、乱世なんだからそういうことが起こっても仕方がないと切り返されてしまいました。確かに現在は百年に一度とも言われる大不況とも言われる時代、佐野眞一氏も不況不況と嘆いているだけじゃなくてかえってこのような時代の節目に立ち会えることができたと前向きに考えるべきだとも言っていましたし、そんな時代にあっては何が起きてもおかしくないのかもしれません。
そういうわけでこれからは何が起きても驚かないように心して生きていこうと思った矢先、こんなことが本当に起こるものなのかとまた驚かされるニュースが今日報道されました。
・愛子さまが「乱暴」で学校お休みに(産経新聞)
記事の内容はリンク先に書かれている通り、現皇太子の息女である愛子様が通っている学習院初等科にて同学年の男子生徒の行為が原因でここ最近学校を休みがちだそうです。情報自体は宮内庁の発表のため事実である事に間違いなく、一体その問題の男子生徒の「乱暴」という行動が何かという詳細までは報じられていませんが、ついには皇族にまでイジメ問題が広がったのかと一部で騒がれ、私自身も第一印象はそのように感じました。
戦前に比べれば大いに開かれるようになった皇室こと菊のカーテンですが、それでも現代日本において明確な禁忌性とともに畏怖され続けている存在に変わりなく、子供とはいえそんな皇族の愛子様にこのような報道がなされる時代が来るなぞいくら乱世ったってなんでもあり過ぎなんじゃないかと、改めてすごい時代になったもんだと感じさせられたニュースでした。
ただ今日はこの愛子様のニュースに隠れてもう一つ、子供に関するある痛ましい事件も報じられていました。
・<4歳児衰弱死>市が対応協議中に死亡 埼玉・蕨(毎日新聞)
こちらも詳細はリンク先にある通りで、2008年にわずか四歳の男児が実の両親から食事を与えてもらえず餓死した事件で、男児の両親が保護責任者遺棄の容疑で本日逮捕された事が報道されています。私はわずか一ヶ月強前に「児童虐待は何故防げないのか」という記事で当時に起こった児童虐待死事件を取り上げましたが、それからそれほど日も経たぬうちにまたもこの様な事件が報じられるなど、深い悲しみを感じるとともにどうして日本社会はこんなことを繰り返しているのかとやるせない気持ちになってしまいます。
特に今回の事件で何よりも許せないのは、先に取り上げた虐待事件同様に周辺住民や警察が虐待ではと所轄の児童相談所に情報を寄せていたにもかかわらず、相談所職員は男児宅に訪問するだけで有効な対策手段を打たないまま最悪の結末を招いてしまっている事です。報じられている記事では相談所は男児の対応を協議している最中に事件が起こったと説明していますが、正直に言って私はこの弁解は聞いてて疑わしく感じ、実際にはサボタージュをかましていた言い訳ではないのかと、言葉は悪いですが見えてしまいます。
今日取り上げたこの二つのニュース、いじめと虐待ですがこれらは言葉こそ違えど、「強者が弱者を必要以上、過剰にいたぶる」という意味では同じ行為を指しております。
この頃私はよく思うのですが、
・いじめは学校内の問題
・虐待は親子間の問題
・しごきは部活内の問題
・パワハラは社内の問題
・アカハラは学内の問題・
・下請けいじめは業界の問題
などと個別別々に語られますが、全部ひっくるめるとこの様な「イジメ」の問題というのは日本社会全体に当てはまる問題じゃないかという気がしてきました。だからこそとでも言うべきか、部分々々を取り上げて学校内のいじめや虐待はやめようとか防ごうといくら叫ばれようとも、それらを覆っている日本社会全体にゆるぎなくイジメの構造が行き渡っているためにいつまで経ってもいじめや虐待が減らならないのかもしれません。
言うなればいじめや虐待はごく限られた範囲で起きている問題ではなく、日本社会全体で起きている社会問題なのではないかというのが私の意見です。私の目から見ても学校内のいじめをやめようといっている大人たちがそもそもイジメを是認している節があり、少なくとも日本では多少の理不尽な事であれば言われても我慢しろといい、年上には許されるどうでも良さそうな発言や行動も年下が年上に対して行う事は許されません。
いじめや虐待をどの範囲の問題と捉えるのか、社会学をやるからにはこの様なややピントのずれた問題視点が重要になるのですがいい好例なので力を入れて書いてみました。
そういうわけでこれからは何が起きても驚かないように心して生きていこうと思った矢先、こんなことが本当に起こるものなのかとまた驚かされるニュースが今日報道されました。
・愛子さまが「乱暴」で学校お休みに(産経新聞)
記事の内容はリンク先に書かれている通り、現皇太子の息女である愛子様が通っている学習院初等科にて同学年の男子生徒の行為が原因でここ最近学校を休みがちだそうです。情報自体は宮内庁の発表のため事実である事に間違いなく、一体その問題の男子生徒の「乱暴」という行動が何かという詳細までは報じられていませんが、ついには皇族にまでイジメ問題が広がったのかと一部で騒がれ、私自身も第一印象はそのように感じました。
戦前に比べれば大いに開かれるようになった皇室こと菊のカーテンですが、それでも現代日本において明確な禁忌性とともに畏怖され続けている存在に変わりなく、子供とはいえそんな皇族の愛子様にこのような報道がなされる時代が来るなぞいくら乱世ったってなんでもあり過ぎなんじゃないかと、改めてすごい時代になったもんだと感じさせられたニュースでした。
ただ今日はこの愛子様のニュースに隠れてもう一つ、子供に関するある痛ましい事件も報じられていました。
・<4歳児衰弱死>市が対応協議中に死亡 埼玉・蕨(毎日新聞)
こちらも詳細はリンク先にある通りで、2008年にわずか四歳の男児が実の両親から食事を与えてもらえず餓死した事件で、男児の両親が保護責任者遺棄の容疑で本日逮捕された事が報道されています。私はわずか一ヶ月強前に「児童虐待は何故防げないのか」という記事で当時に起こった児童虐待死事件を取り上げましたが、それからそれほど日も経たぬうちにまたもこの様な事件が報じられるなど、深い悲しみを感じるとともにどうして日本社会はこんなことを繰り返しているのかとやるせない気持ちになってしまいます。
特に今回の事件で何よりも許せないのは、先に取り上げた虐待事件同様に周辺住民や警察が虐待ではと所轄の児童相談所に情報を寄せていたにもかかわらず、相談所職員は男児宅に訪問するだけで有効な対策手段を打たないまま最悪の結末を招いてしまっている事です。報じられている記事では相談所は男児の対応を協議している最中に事件が起こったと説明していますが、正直に言って私はこの弁解は聞いてて疑わしく感じ、実際にはサボタージュをかましていた言い訳ではないのかと、言葉は悪いですが見えてしまいます。
今日取り上げたこの二つのニュース、いじめと虐待ですがこれらは言葉こそ違えど、「強者が弱者を必要以上、過剰にいたぶる」という意味では同じ行為を指しております。
この頃私はよく思うのですが、
・いじめは学校内の問題
・虐待は親子間の問題
・しごきは部活内の問題
・パワハラは社内の問題
・アカハラは学内の問題・
・下請けいじめは業界の問題
などと個別別々に語られますが、全部ひっくるめるとこの様な「イジメ」の問題というのは日本社会全体に当てはまる問題じゃないかという気がしてきました。だからこそとでも言うべきか、部分々々を取り上げて学校内のいじめや虐待はやめようとか防ごうといくら叫ばれようとも、それらを覆っている日本社会全体にゆるぎなくイジメの構造が行き渡っているためにいつまで経ってもいじめや虐待が減らならないのかもしれません。
言うなればいじめや虐待はごく限られた範囲で起きている問題ではなく、日本社会全体で起きている社会問題なのではないかというのが私の意見です。私の目から見ても学校内のいじめをやめようといっている大人たちがそもそもイジメを是認している節があり、少なくとも日本では多少の理不尽な事であれば言われても我慢しろといい、年上には許されるどうでも良さそうな発言や行動も年下が年上に対して行う事は許されません。
いじめや虐待をどの範囲の問題と捉えるのか、社会学をやるからにはこの様なややピントのずれた問題視点が重要になるのですがいい好例なので力を入れて書いてみました。
2010年3月4日木曜日
採用のミスマッチについて
以前に友人が、こんな面白い皮肉を言っていました。
「日本の企業は採用時にコミュニケーション力を一番重視しているのですが、日本人の退職理由の大半は人間関係が原因なんですよね」
さっきちょこちょこ調べた所、どうもリクナビ系のアンケートではその友人の言うとおりに退職、転職理由の一位は人間関係なのですが、その他の転職掲載とのアンケートでは必ずしもそうではなくそれぞれの転職希望者を扱う専門分野(事務系や技術系といった)によって理由は変わってくるのかもしれません。しかし私も傍目から見ていて、実際に中途採用の面接をやっていた人の話を聞いているとやはり人間関係に起因する退職者というのは多いようで、先ほどの友人の言葉も大きく事実から外れていないように思えます。
仮に友人の言葉通りだとすると、今の日本の企業はコミュニケーション力が高いとされる人材を選んで採用しているつもりでも彼らの期待通りの人材を得られていないということになります。特にここ数年は不況にもかかわらず新卒者のうち約半数が三年以内に転職、もしくは退職するとも言われており、このミスマッチとも言うべき現象は深刻化していると言っていいでしょう。
あまり長く引っ張るのもなんなので短くまとめると、そもそもこのコミュニケーション力という言葉の定義がはっきりしないということがこのミスマッチを生む最大の原因かと思います。コミュニケーションと一口で言っても何かを説明するのに上手に手早く行える表現力の事なのか、幅広い人間間と話を合わせられる話題の豊富さなのか、無茶な事や理不尽な事をされても我慢できる我慢強さなのかいまいちはっきりしません。恐らく大半の日本企業は最後の我慢強さを求めていると思うのですが、露骨に就職説明会などで、「無理難題言われても、殴られてもじっと我慢ができる人大歓迎です!(^o^)/」なんて言ったら誰も応募に来るわけないんで、体よくコミュニケーション力って言いつくろってんじゃないかという気がしてなりません。
就職希望者としてはこうした企業側が求める人材像がよくわからず、恐らく前に「日本辺境論」の書評で書いたようになんとなくといった空気で企業側の求める人材像になりきろうとして、企業側も我慢強さを求めているのになんとなくなりきろうとしている姿に流されて採用し……こんな具合のミスマッチが日本のあちこちで起こっている気がします。
そもそも文字書いてなんぼ、少ない文字数で一体どれだけの意味を読者に自分の意図を伝えられるかを常に問い、自らの文章表現力を磨き続けてきた(つもりの)私に言わせると、人材募集に際してコミュニケーション力などという定義の曖昧な言葉を使用する人間自体に疑問を感じます。採用したもののすぐに辞められては困るのであれば、優秀な人材を囲いたいものならもっとはっきりと、直接的な言葉を使って人を集めた方が手間も随分と少ないんじゃないかという気がします。そういう意味で日本の各企業の人事採用者に対し、すくなくとも表現力という意味ではコミュニケーション力は低いのではないかとやや批判的に私は思っているわけです。
「日本の企業は採用時にコミュニケーション力を一番重視しているのですが、日本人の退職理由の大半は人間関係が原因なんですよね」
さっきちょこちょこ調べた所、どうもリクナビ系のアンケートではその友人の言うとおりに退職、転職理由の一位は人間関係なのですが、その他の転職掲載とのアンケートでは必ずしもそうではなくそれぞれの転職希望者を扱う専門分野(事務系や技術系といった)によって理由は変わってくるのかもしれません。しかし私も傍目から見ていて、実際に中途採用の面接をやっていた人の話を聞いているとやはり人間関係に起因する退職者というのは多いようで、先ほどの友人の言葉も大きく事実から外れていないように思えます。
仮に友人の言葉通りだとすると、今の日本の企業はコミュニケーション力が高いとされる人材を選んで採用しているつもりでも彼らの期待通りの人材を得られていないということになります。特にここ数年は不況にもかかわらず新卒者のうち約半数が三年以内に転職、もしくは退職するとも言われており、このミスマッチとも言うべき現象は深刻化していると言っていいでしょう。
あまり長く引っ張るのもなんなので短くまとめると、そもそもこのコミュニケーション力という言葉の定義がはっきりしないということがこのミスマッチを生む最大の原因かと思います。コミュニケーションと一口で言っても何かを説明するのに上手に手早く行える表現力の事なのか、幅広い人間間と話を合わせられる話題の豊富さなのか、無茶な事や理不尽な事をされても我慢できる我慢強さなのかいまいちはっきりしません。恐らく大半の日本企業は最後の我慢強さを求めていると思うのですが、露骨に就職説明会などで、「無理難題言われても、殴られてもじっと我慢ができる人大歓迎です!(^o^)/」なんて言ったら誰も応募に来るわけないんで、体よくコミュニケーション力って言いつくろってんじゃないかという気がしてなりません。
就職希望者としてはこうした企業側が求める人材像がよくわからず、恐らく前に「日本辺境論」の書評で書いたようになんとなくといった空気で企業側の求める人材像になりきろうとして、企業側も我慢強さを求めているのになんとなくなりきろうとしている姿に流されて採用し……こんな具合のミスマッチが日本のあちこちで起こっている気がします。
そもそも文字書いてなんぼ、少ない文字数で一体どれだけの意味を読者に自分の意図を伝えられるかを常に問い、自らの文章表現力を磨き続けてきた(つもりの)私に言わせると、人材募集に際してコミュニケーション力などという定義の曖昧な言葉を使用する人間自体に疑問を感じます。採用したもののすぐに辞められては困るのであれば、優秀な人材を囲いたいものならもっとはっきりと、直接的な言葉を使って人を集めた方が手間も随分と少ないんじゃないかという気がします。そういう意味で日本の各企業の人事採用者に対し、すくなくとも表現力という意味ではコミュニケーション力は低いのではないかとやや批判的に私は思っているわけです。
2010年3月3日水曜日
移民議論の道標~その十一、入管について
仮に移民を受け入れるとして何が必要になってくるかといったら、移民を受け入れる施設や職、果てには生活のアドバイスを行うネットワークはもとより何より必要になってくるのは入管こと、入国管理局の整備と強化だと私は考えております。
どこの国でもそうですが入管というのはその国にやってくる外国人に問題がないか、ビザやパスポートなどを確認したり麻薬や拳銃といった持ち込み禁止品の摘発などを一括して行っている部局です。もちろんこんな重大な仕事を民間に任すわけないので基本的に公務員職なのですが、どうも話で聞いている限りだと同じ公務員は公務員でも、役所などにいる公務員等と比べて入管の職員は非常な激務だそうで、前にテレビで報じられた成田空港の入国審査官などは文字通り昼食も取れないほどの忙しさだそうです。
あくまでそうやって私が見ている範囲ですが、仮に移民を受け入れるとなると今以上に大量の外国人が出入国を行うということから、私は早急に入管職員の増員と強化が必要になるかと考えております。もちろんこれだけなら誰だって言えることなのですが、こういった量的な強化はもとより、これは現在においても言えることですが質的な強化も早急に必要だと日々感じております。その質的な強化というのはどういうことかというと、やや入管の範囲を超えてしまいますが犯罪者、テロリストの入国に対する規制強化のことです。
現在でも爆弾発言連発ですでにおなじみの鳩山邦夫議員がかつて、「私の友達の友達にアルカイダがおり、そいつは過去に何度も日本に入国している」という発言をして大顰蹙を買った事がありましたが、後に彼自身が説明する所によると、なにもすごい友人がいるということを自慢したかったわけでなく、アルカイダのような国際テロ組織のメンバーを日本は捕まえるどころか国内で自由に闊歩させている現状の問題性を訴えたかったそうです。発言の問題性はともかくとして、鳩山議員の言が本当だとしたら彼のいわんとしている懸念も理解でき、こうした外国よりやってくる犯罪者の取締りなどに現状の日本は問題があるという事になります
これ以前からも日本はスパイを取り締まる法律がないために各国の工作員に好き放題にさせられているといわれてきましたが、移民を受け入れるのならなおさら、受け入れないにしてもこの様な状況はグローバル化が進む現在において望ましいはずがありません。さすがにこの様な範囲ともなれば入管を超えて警察や海上保安庁など管理範囲になってきますが、犯罪者らの入国の最前線に立ちふさがる入管の強化は何よりも先に必要になってくるかと思います。
では具体的にどのようなことをすれば入管の強化が図れるのでしょうか。はっきりいってこの方面だと私は全くの素人であまり余計な発言はするべきではないのかとも思うのですが、それを認識した上で敢えて一つ提言をさせてらえば、各国の犯罪者情報を事前に共有化することだけでも全然状況が変わるのではないかと考えております。
この犯罪者情報の共有化というのはそれぞれの国で指名手配となっていたり、海外逃亡の可能性のある人物の情報を中国や韓国、ブラジルなど現在日本への入国者数の多い国とで交換し合うことを指しております。恐らく現在だと韓国やアメリカとは犯罪人引渡し条約もある事からこれら情報交換は行われているかと思いますが、他の二カ国についてははっきり言ってあまりなされていないのではないかと思います。
私がこの様に犯罪者情報の交換の必要性を強く訴える理由というのも、かつて起きた広島女児殺害事件の例があるからです。
この事件は日系ブラジル人と偽って(実際は違う)日本に出稼ぎに来たペルー人が猥褻目的で女児を誘拐、殺害したという痛ましい事件なのですが、元々この事件の犯人であるペルー人は本国ペルーでも複数の猥褻事件を起こしており、しかも出国時も指名手配中だったようです。
もちろんこんな人間、普通にしたって日本に入国できないために本名を偽って就労ビザを得たようなのですが、過大な期待をしているのかもしれませんがビザを発行する前、日本に入国する前にその前科を確認して入国を防ぐ事は出来なかったのかと考えてなりません。この連載の日系人移民を取り扱った記事にて私は現行の制度には問題があると指摘しましたが、その問題性のある箇所とはまさにここで、現行の日系人の受け入れは日系人であるかどうかも詳しく確認せず、しかも日系人と認めてしまえば緩い審査で入国を認めているのではないかという不信が私にはあります。
この連載は移民という政策を実行するかしないかはおいといて、今のうちに移民関係で議論すべき議題や問題を挙げることを主眼にしております。今回取り上げた入管の強化、日系人移民についても全く同じで、移民に対して賛成派も反対派も、変に批判しあったりせずこういった共通に考えることが出来るについて問題について歩み寄って議論するべきではないでしょうか。
どこの国でもそうですが入管というのはその国にやってくる外国人に問題がないか、ビザやパスポートなどを確認したり麻薬や拳銃といった持ち込み禁止品の摘発などを一括して行っている部局です。もちろんこんな重大な仕事を民間に任すわけないので基本的に公務員職なのですが、どうも話で聞いている限りだと同じ公務員は公務員でも、役所などにいる公務員等と比べて入管の職員は非常な激務だそうで、前にテレビで報じられた成田空港の入国審査官などは文字通り昼食も取れないほどの忙しさだそうです。
あくまでそうやって私が見ている範囲ですが、仮に移民を受け入れるとなると今以上に大量の外国人が出入国を行うということから、私は早急に入管職員の増員と強化が必要になるかと考えております。もちろんこれだけなら誰だって言えることなのですが、こういった量的な強化はもとより、これは現在においても言えることですが質的な強化も早急に必要だと日々感じております。その質的な強化というのはどういうことかというと、やや入管の範囲を超えてしまいますが犯罪者、テロリストの入国に対する規制強化のことです。
現在でも爆弾発言連発ですでにおなじみの鳩山邦夫議員がかつて、「私の友達の友達にアルカイダがおり、そいつは過去に何度も日本に入国している」という発言をして大顰蹙を買った事がありましたが、後に彼自身が説明する所によると、なにもすごい友人がいるということを自慢したかったわけでなく、アルカイダのような国際テロ組織のメンバーを日本は捕まえるどころか国内で自由に闊歩させている現状の問題性を訴えたかったそうです。発言の問題性はともかくとして、鳩山議員の言が本当だとしたら彼のいわんとしている懸念も理解でき、こうした外国よりやってくる犯罪者の取締りなどに現状の日本は問題があるという事になります
これ以前からも日本はスパイを取り締まる法律がないために各国の工作員に好き放題にさせられているといわれてきましたが、移民を受け入れるのならなおさら、受け入れないにしてもこの様な状況はグローバル化が進む現在において望ましいはずがありません。さすがにこの様な範囲ともなれば入管を超えて警察や海上保安庁など管理範囲になってきますが、犯罪者らの入国の最前線に立ちふさがる入管の強化は何よりも先に必要になってくるかと思います。
では具体的にどのようなことをすれば入管の強化が図れるのでしょうか。はっきりいってこの方面だと私は全くの素人であまり余計な発言はするべきではないのかとも思うのですが、それを認識した上で敢えて一つ提言をさせてらえば、各国の犯罪者情報を事前に共有化することだけでも全然状況が変わるのではないかと考えております。
この犯罪者情報の共有化というのはそれぞれの国で指名手配となっていたり、海外逃亡の可能性のある人物の情報を中国や韓国、ブラジルなど現在日本への入国者数の多い国とで交換し合うことを指しております。恐らく現在だと韓国やアメリカとは犯罪人引渡し条約もある事からこれら情報交換は行われているかと思いますが、他の二カ国についてははっきり言ってあまりなされていないのではないかと思います。
私がこの様に犯罪者情報の交換の必要性を強く訴える理由というのも、かつて起きた広島女児殺害事件の例があるからです。
この事件は日系ブラジル人と偽って(実際は違う)日本に出稼ぎに来たペルー人が猥褻目的で女児を誘拐、殺害したという痛ましい事件なのですが、元々この事件の犯人であるペルー人は本国ペルーでも複数の猥褻事件を起こしており、しかも出国時も指名手配中だったようです。
もちろんこんな人間、普通にしたって日本に入国できないために本名を偽って就労ビザを得たようなのですが、過大な期待をしているのかもしれませんがビザを発行する前、日本に入国する前にその前科を確認して入国を防ぐ事は出来なかったのかと考えてなりません。この連載の日系人移民を取り扱った記事にて私は現行の制度には問題があると指摘しましたが、その問題性のある箇所とはまさにここで、現行の日系人の受け入れは日系人であるかどうかも詳しく確認せず、しかも日系人と認めてしまえば緩い審査で入国を認めているのではないかという不信が私にはあります。
この連載は移民という政策を実行するかしないかはおいといて、今のうちに移民関係で議論すべき議題や問題を挙げることを主眼にしております。今回取り上げた入管の強化、日系人移民についても全く同じで、移民に対して賛成派も反対派も、変に批判しあったりせずこういった共通に考えることが出来るについて問題について歩み寄って議論するべきではないでしょうか。
2010年3月2日火曜日
ラングリッサーシリーズについて
なんか今日は不具合が起こっていろいろ大変だったそうですが、このところ私はPS3のダウンロード販売にいろいろとはまっております。このダウンロード販売の何がいいのかって言うと昔遊んだゲームを非常に安い値段で、しかもお気軽にクレジットカード払いで購入する事が出来、しかも購入後はハードディスクにダウンロードして遊べるという点です。最初はおっかなびっくりなまま試してみたい気持ちだけで「ファイナルファンタジータクティクス」を購入してみたのですが、あまりにもあっさりと出来てその手軽さには本当に驚かされました。
そんなもんだからこの「ファイナルファンタジータクティクス」をクリアもしないうちに他にも買っておきたい商品はないのかといろいろと探してみた所、「ラングリッサー」というソフトがまず真っ先に私の目に入ってきました。
恐らくこのゲームの名を聞いても私の関東在住の友人一人、関西在住の友人一人くらいしか知らないと思いますが、今ではゲーム製作から撤退してしまったメサイヤがかつて作って販売していたシミュレーションRPGのシリーズがこの「ラングリッサー」です。
具体的にこのゲームがどんな内容かというと、中世ヨーロッパ(百年戦争頃)を意識したファンタジーの世界を舞台にした、他社の「ファイアーエンブレム」や「タクティクスオウガ」などといったゲームと同様のターン制シミュレーションRPGです。自ターンに味方キャラを選択して相手キャラに攻撃などの指示を出すという点ではオーソドックスなゲームシステムなのですが、この「ラングリッサー」において特筆すべきなのはこの手のシミュレーションRPGが出始めたごく初期の段階で各部隊に属性を与え、戦略性を高めている点です。
具体的にどのような属性かというとこれは説明は簡単で、
・歩兵は騎兵に弱いが槍兵に強い
・騎兵は槍兵に弱いが歩兵に強い
・槍兵は歩兵に弱いが騎兵に強い
という、みたまんまの三すくみになっているため、どのキャラにどの部隊を率いさせてどのように敵にぶつけていくかがこのゲームの醍醐味になっております。また部隊を率いるキャラクターはそれぞれが独立した能力を持っていて、回復魔法を使うのも入ればやけに動きが早いのもいたりなどと、またそうしたキャラクター達も魔法使いにするか戦士にするかなどとその成長もプレイヤーはかなり自由に選ぶ事が出来ます。
そしてこのラングリッサーを語る上で外せないのが、キャラクター原画を担当しているうるし原さとし氏です。この人も知っている人なら知っていますが、書いているマンガは女性キャラは服を着ているシーンのが少ないんじゃないかと思うくらい脱がせっぱなしで、しかもかなり光沢をつけたような陰影で肉感的に描くという特徴的な絵を書く人で、そのせいでこの「ラングリッサー」に登場するキャラクター達も多分一回見たらなかなか忘れられないような造形をみんなしてます。
女性キャラに至ってはこれでもかという巨乳ぞろいで、しかも戦闘に出て斬り合いまでするというのにやけに露出の高い鎧やコスチューム、もしくはピチピチのスーツを着ており、「おどりゃ、死にさらす気かっΣ(゚Д゚;)」って、突然広島弁で突っ込みたくなる格好をみんなしています。それに対して男性キャラはやけにごつい格好した連中ばかりで、特におっさん系キャラはいぶし銀とはこういうものだと感じさせる名キャラぞろいです。
私はこのゲームを中学生の頃に今でも友達だと勝手に信じている友人に紹介されてから遊ぶようになったのですが、その頃に遊んだのはセガサターン版で、このシリーズは1から5までありますが4が一番難しい上にFFのアクティブタイムバトルのようなシステムがまだ不完全で(5で完成に至る)、えらく難儀しながらも非常に楽しく遊んだのを今でも憶えています。なお今回ダウンロードした「ラングリッサー4&5」では4のシステムが5のシステムに改められているので、戦いが非常にさくさく進みます。
現在このシリーズを作っていたスタッフ(キャリアソフト)はメサイヤからアトラスに移籍し、現在では「グローランサーシリーズ」を製作しております。こちらもまた名作ぞろいのシリーズ(2を除けば)で、声優陣も非常に豪華なので興味のある方は中古でもいいから是非手にとって見てもらいたい代物です。
なお私が一番お気に入りなのは、「ラングリッサー5」で声優の満仲由紀子氏が演じたエミリエルです。あのありえない強さと肌の露出ぶりが未だに鮮烈に残っております。ついでに書いておくとグローランサーでは3のモニカでした。
そんなもんだからこの「ファイナルファンタジータクティクス」をクリアもしないうちに他にも買っておきたい商品はないのかといろいろと探してみた所、「ラングリッサー」というソフトがまず真っ先に私の目に入ってきました。
恐らくこのゲームの名を聞いても私の関東在住の友人一人、関西在住の友人一人くらいしか知らないと思いますが、今ではゲーム製作から撤退してしまったメサイヤがかつて作って販売していたシミュレーションRPGのシリーズがこの「ラングリッサー」です。
具体的にこのゲームがどんな内容かというと、中世ヨーロッパ(百年戦争頃)を意識したファンタジーの世界を舞台にした、他社の「ファイアーエンブレム」や「タクティクスオウガ」などといったゲームと同様のターン制シミュレーションRPGです。自ターンに味方キャラを選択して相手キャラに攻撃などの指示を出すという点ではオーソドックスなゲームシステムなのですが、この「ラングリッサー」において特筆すべきなのはこの手のシミュレーションRPGが出始めたごく初期の段階で各部隊に属性を与え、戦略性を高めている点です。
具体的にどのような属性かというとこれは説明は簡単で、
・歩兵は騎兵に弱いが槍兵に強い
・騎兵は槍兵に弱いが歩兵に強い
・槍兵は歩兵に弱いが騎兵に強い
という、みたまんまの三すくみになっているため、どのキャラにどの部隊を率いさせてどのように敵にぶつけていくかがこのゲームの醍醐味になっております。また部隊を率いるキャラクターはそれぞれが独立した能力を持っていて、回復魔法を使うのも入ればやけに動きが早いのもいたりなどと、またそうしたキャラクター達も魔法使いにするか戦士にするかなどとその成長もプレイヤーはかなり自由に選ぶ事が出来ます。
そしてこのラングリッサーを語る上で外せないのが、キャラクター原画を担当しているうるし原さとし氏です。この人も知っている人なら知っていますが、書いているマンガは女性キャラは服を着ているシーンのが少ないんじゃないかと思うくらい脱がせっぱなしで、しかもかなり光沢をつけたような陰影で肉感的に描くという特徴的な絵を書く人で、そのせいでこの「ラングリッサー」に登場するキャラクター達も多分一回見たらなかなか忘れられないような造形をみんなしてます。
女性キャラに至ってはこれでもかという巨乳ぞろいで、しかも戦闘に出て斬り合いまでするというのにやけに露出の高い鎧やコスチューム、もしくはピチピチのスーツを着ており、「おどりゃ、死にさらす気かっΣ(゚Д゚;)」って、突然広島弁で突っ込みたくなる格好をみんなしています。それに対して男性キャラはやけにごつい格好した連中ばかりで、特におっさん系キャラはいぶし銀とはこういうものだと感じさせる名キャラぞろいです。
私はこのゲームを中学生の頃に今でも友達だと勝手に信じている友人に紹介されてから遊ぶようになったのですが、その頃に遊んだのはセガサターン版で、このシリーズは1から5までありますが4が一番難しい上にFFのアクティブタイムバトルのようなシステムがまだ不完全で(5で完成に至る)、えらく難儀しながらも非常に楽しく遊んだのを今でも憶えています。なお今回ダウンロードした「ラングリッサー4&5」では4のシステムが5のシステムに改められているので、戦いが非常にさくさく進みます。
現在このシリーズを作っていたスタッフ(キャリアソフト)はメサイヤからアトラスに移籍し、現在では「グローランサーシリーズ」を製作しております。こちらもまた名作ぞろいのシリーズ(2を除けば)で、声優陣も非常に豪華なので興味のある方は中古でもいいから是非手にとって見てもらいたい代物です。
なお私が一番お気に入りなのは、「ラングリッサー5」で声優の満仲由紀子氏が演じたエミリエルです。あのありえない強さと肌の露出ぶりが未だに鮮烈に残っております。ついでに書いておくとグローランサーでは3のモニカでした。
2010年3月1日月曜日
松下とトヨタの違い
このところビジネス系雑誌や新聞のあちこちで一連のトヨタのリコール問題に触れてはかつての松下(ゲンパナソニック)のファンヒーター回収問題と比較する論評をよく見ますが、かなりうがった意見を言わせてもらえば両者の違いは特殊部隊の差じゃないだろうかと考えてしまいます。
あくまで伝聞の情報ですので本当かどうかまでは私もここでは保障しかねますが、松下には商品事故が起きた際に真っ先にそれをもみ消す専門の部隊がかねてからいたそうで、あのファンヒーターの問題も大分以前から把握していたもののあの手この手でそれが表に出ないようにし続け、とうとう最後にこのままでは隠しきれないということから平謝りに出たのだという話を聞いたことがあります。実際にファンヒーターの事故は回収騒動の時期に集中して起きていたわけでなく長期間に渡って起きていたのが突如回収を行う発表がテレビCMなどで公開されるなど、時期的にちょっと怪しい部分も少なからずありました。
今回のトヨタのプリウス騒動も日本国内ではかねてよりブレーキの電子制御が弱いという声があったもののあまり大きな声にはならず、アメリカでの騒動の広まりによって初めて一般にも認知されてきた感じがします。恐らくトヨタにもクレームや事故(主なのは労災だろうけど)をもみ消す部隊みたいなのはあるかと思いますが、なまじっか市場が広すぎて松下みたいにいかなかったんじゃないかと、今日電車に乗りながら思いました。
あくまで伝聞の情報ですので本当かどうかまでは私もここでは保障しかねますが、松下には商品事故が起きた際に真っ先にそれをもみ消す専門の部隊がかねてからいたそうで、あのファンヒーターの問題も大分以前から把握していたもののあの手この手でそれが表に出ないようにし続け、とうとう最後にこのままでは隠しきれないということから平謝りに出たのだという話を聞いたことがあります。実際にファンヒーターの事故は回収騒動の時期に集中して起きていたわけでなく長期間に渡って起きていたのが突如回収を行う発表がテレビCMなどで公開されるなど、時期的にちょっと怪しい部分も少なからずありました。
今回のトヨタのプリウス騒動も日本国内ではかねてよりブレーキの電子制御が弱いという声があったもののあまり大きな声にはならず、アメリカでの騒動の広まりによって初めて一般にも認知されてきた感じがします。恐らくトヨタにもクレームや事故(主なのは労災だろうけど)をもみ消す部隊みたいなのはあるかと思いますが、なまじっか市場が広すぎて松下みたいにいかなかったんじゃないかと、今日電車に乗りながら思いました。
登録:
投稿 (Atom)