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2011年11月18日金曜日

カビも生えない上海の水

 今日の香港の天気は朝から曇り気味で今現在はぱらぱらと雨が降っております。日本ではもう相当寒くなってきているかと思いますがこっちは未だに半袖でも十分過ごせるほどの気温でいい加減嫌になってくるのですが、今日の雨でさらに湿気が増して不快指数が高まりっぱなしなのでさっきまで冷房をかけていました。出張中だからどうせ電気代は会社持ちだし。
 さて強引なつなぎ方になりますが湿気とくればつきものなのはカビです。今住んでいる香港の部屋には別にカビが生えてたりするわけじゃないですが、十一月でこれなんだから夏場なんかはカビ対策でいろいろ大変なんじゃないかと密かに考えています。
 
 そんなカビですが、実は上海だと全く見ることがありません。もしかしたら前にも書いているかもしれませんが、上海の気候は東京とほぼ同じでも夏場はそこそこ暑いし湿気だって十分ありますが、何故だかカビだけは生えてきませんし、私も今まで一度も見たことがありません。一体何故カビが生えないのかですが、答えは実は単純で上海の水がカビも生えないくらい汚いというのが理由です。
 これは訪問先の企業で聞いた話ですが、なんでも水処理とかそういう関係の会社だそうで、上海の水をいろんなところ比べてみたら圧倒的に汚染度が違っていて恐らくこれが原因でカビが生えないのではと言っていました。

 聞くだに恐ろしい話ですがそれ以上に恐ろしいのは、そんな上海の水を平気で沸かし、お茶にして飲んでいたという事実でした。確かにあまりうまい水じゃないとは思っていたものの、お茶やコーヒーにすれば問題ないだろうとミネラルウォーターを全く使わず、気にせずに飲んでいました。それだけにこの話を聞いたときは色々と冷や汗をかきましたが、先日の東京のラジウム瓶の話じゃないですけど、上海人も平均寿命が長い(80歳以上)んだし、少しくらいの汚染もきっと平気だろうとその後も沸かして飲み続けています。

 ちなみに同じ中国でも、別の地域に行けばカビはちゃんと見ることができます。またこれは北京での話ですが北京だと水の中に含まれるカルシウムの成分が多いのか、湯沸かし器を何度も使っているとそのうちに底に卵の殻みたいなカルシウムがこびりついてきて、ある日突然パリンと取れたりすることがよくありましたが、これは上海では全くもってありません。個人的には北京の水のが上海の水よりまずかった気がしますが、そこんところはどうなんだろうな。

2011年11月17日木曜日

森福の11球

 昨日の話ですが、見ていて久々にしびれた試合内容でした。

鷹タイ!無死満塁3人斬り“森福の11球”(サンケイスポーツ)

 昨日は家に帰ってネットで日本シリーズ中日対ソフトバンク戦の一球速報を見ていましたが、自分が応援するソフトバンクは幸先よく先取点を取ったものの途中で1点返され、しかもその次の回には先発のホールトンが崩れノーアウト満塁に。はっきり言ってこの瞬間、流れは中日にあるもんだからまず逆転、よくて同点にされるのは間違いないと思って頭を抱えました。
 そんな打たれるようなところは見たくなくて別の作業(太閤立志伝5)をしばらくしてからまた試合経過を見直しましたが、なんとあの絶体絶命だった6回の中日の攻撃は無失点で終わっており、一体どういうことかと調べてみると、なんと中継ぎで登板した森福選手が11球で三人をピシャリと抑えて最大のピンチを切り抜けていました。

 その投球内容もさることながらこれほどの大舞台、しかも一失即死の場面でのこの堂々とした投球ぶりには喜びを通り越して唖然としました。多分私だったらあんな場面で登板を指名されても、「えっ、嫌だよ(´・д・`)ヤダ」って思って間違いなく見事にかっ飛ばされてるでしょうが、これほどの強心臓の持ち主がソフトバンクにいたのかと目を見張りました。

 ちなみにこの場面、リアルタイムで私もあの「江夏の21球」が頭をよぎり、案の定というか今日のスポーツニュースは「森福の11球」という見出しが各社で踊りました。試合結果は2対1でソフトバンクの勝利に終わったものの、仮にあそこで失点していたら良くて延長、下手すりゃ逆転負けだっただけに、まさに試合を決める一瞬の分水嶺でした。
 なお本日の試合結果はすでに出ており、今日も勝ってソフトバンクが王手をかけました。今日は内川選手と多村選手という元横浜の二人が活躍して5対0の圧勝でしたが、このまま土曜日にでも一気に優勝を決めてもらいたいものです。今回の日本シリーズは息詰まる投手戦が多いから、見ていていろいろ疲れてくるし。

2011年11月15日火曜日

日本に影響を残した外国人~クラーク博士

 私のブログのキラーコンテンツとしてあり続けたのは、歴史カテゴリに含まれる「猛将列伝」という一連の記事でした。この記事は、「実力はあったんだけどいまいちマイナーな武将、指揮官」を取り上げるという内容でしたが、いかんせん書いているうちにネタ切れが目立つようになり、最近ではめっきり書かなくなりました。一応、本気で探せばまだまだ旧日本海軍の小沢治三郎とかもいるんだけど、評価が非常に難しい上に知っている人にはよく知られていて一概にマイナーとは言い切れない人ばかりなため書くに書けず、目下のところ再開の目処が立っていません。

 じゃあこれから歴史記事は何を書いてこうかとPSPの「絶体絶命都市3」(クソゲー)しながら考えてたわけですが、前にも一度企画してやらずにいた、外国人に絞った日本史上の人物を取り上げていこうとかと思って今回こうしてまた連載を立ち上げることにしました。
 概して日本史は基本的に日本人の視点から語られることが多いですが、その過程では非常に多くの外国人が登場して中には後世に大きな影響を残した人物も少なくありません。そうした外国人らを彼らの生い立ちなどといった背景とともに解説することで、日本史にない世界史の要素も取り込め、何か見えて来るものがあるんじゃないかと密かに考えています。

 そんな御託を語った上での第一回目に取り上げる人物として、敢えてクラーク博士を選ぶことにしました。

ウィリアム・スミス・クラーク(Wikipedia)

 日本ではクラーク博士が一般的なのでこれで通しますが、「少年よ、大志を抱け」のセリフで有名な、札幌農学校(現北海道大学)にやってきたいわゆる「お雇い外国人」です。
 ウィキペディアによると彼の専攻は園芸学、植物学、鉱物学だったようですが、明治初期の日本はクラーク博士に限らず農業技術関係を専門とする外国人を数多く雇っております。思うに当時の日本の人材レベルでは重工業はおろか軽工業も伸ばせる余力もなく、一次産業系の技術者が重宝されたのだと思います。ただ前にどこかで見た話だと、こうして招聘したお雇い外国人らには専門以外にも理化学、それこそ今の日本が小学校で習うような磁石の性質とか酸素の作り方といった初歩的な内容も指導させていたそうです。

 話を戻しますがクラーク博士はアメリカ出身の学者で日本に来る前はアーモスト大学で教授をしていたところ、当時に同じ大学に在学していた新島襄の推薦を受け日本政府の招聘を受けます。こうした日本の招きに応じたクラーク博士は北海道にやってきて8ヶ月だけ滞在して帰国しますが、札幌農学校が出来たばかりということもあってこの間のクラーク博士の指導は強く根付いたそうです。その一つの例としてクラーク博士から直接指導を受けた一期生のみならず後の二期生らも次々とキリスト教に改宗しており、日本プロテスタントの三大源流の一つである札幌バンドという集団へと発展していきます。

 ちなみに札幌農学校二期生についてですが、この中には後に不敬事件しょっぴかれることとなる内村鑑三と、国際連盟事務次長を務めた新渡戸稲造が入っています。二人は一見すると反体制派と体制派というように後の人生は相反する立場に属したように見えますが、具体的なエピソードは忘れましたが以前に新渡戸の言行録を見た際にこの人も非常に反発心が強い人間のように感じられ、やはり内村鑑三とは根っこを同じくする人間だという印象を覚えたことがあります。

 なんだか話が行ったり来たりしますが、クラーク博士はあの有名な「少年よ、大志を抱け」という言葉を残してアメリカへと帰国しました。ただ帰国後についてはあまり取り上げられる、というか語られることが非常に少ないのですが、彼はこの言葉を実践したとでもいうべきかなんとアメリカで鉱山会社を設立するという大きな賭けに撃って出ています。この鉱山会社は当初は儲かったそうですが最終的には破産し、しかもその負債がクラーク博士にも重くのしかかって晩年は裁判で訴えられたりと結構大変だったそうです。
 そんなわけで何が言いたかったというと、野心があっても必ずしも幸福な老後を過ごせるわけじゃないと、そんなことを言いたくクラーク博士を選んだわけです。一回目の記事でこんなオチにするのも、なんか妙な感じがしますが。

日本のGDP成長率に対する香港の報道

 今日あたりからようやく香港の新聞にオリンパスの記事が少なくなってきましたが、かわりというのも変ですがよく見かけるのはTPP関連の野田首相周辺の記事と、題にも挙げている日本の第3四半期GDP成長率についてです。

GDP年率6.0%増、高成長も先行き不安(朝日新聞)

 最近になってとある理由から朝日新聞デジタルが見れるようになったことから、なんかソースに朝日を使うことが増えてきました。前は結構嫌いだったんだけど、あの厚生省の村木さんの裁判における証拠偽造事件を暴いた前後から朝日は急激に紙面が良くなっており、今の日本の新聞だったら一番評価してます。逆に読売は巨人の内紛問題という一番読者が求めていて盛り上がるネタを自ら封印するあたり、センスないなぁとか感じちゃいますが。

 それはともかくとして日本のGDPの話です。まず結論から言って香港の報道では日本が第3四半期に年率6%成長を記録したことについて、かなりの驚きを以って受け止められております。曰く、あの東日本大震災からわずか6ヶ月でGDPを上昇に転じさせるとは、といった具合です。
 ただこのGDPのニュースですが、ネットニュースなどを見るとあまり日本国内では大きく取り扱われていないような気がします。それだけにさっきの香港の取り上げられ方と差を感じてこうして記事にしようと思ったくらいなのですが、香港紙の言うように冷静な目で見ればこれだけはや立ち直り方はもっと評価してもいい気がします。

 ただ香港紙は日本の早い立ち直りを評価するとともに、円高や欧州の債務危機などによる不安定要素がたくさん残っていることも指摘して、まだまだ完全に軌道には乗っていないとも書いております。言われることがいちいちもっともで、私からほかに付け加えることは特にありません。

 最後にこのところ毎日香港紙で見かける記事に、「色魔、再出没」というのが非常に多いです。なんでも中学校の通学路で露出狂が出ているらしく、犯人の特徴から被害に遭った女子生徒の写真まで事細かに報じています。前も電車内痴漢を犯人が捕まるまで延々と報じていましたけど、あまりの力の入れっぷりについつい記事を追ってしまいます。

政治ニュース雑感

 また本題と関係ない話ですが、個人的にかなりツボにはまったので下記二つの猫動画を紹介しておきます。

冤罪ニャ
ジョジョ立ちする猫(Youtube)

 それで本題ですが、TPP交渉参加を巡るごたごたで野田内閣の支持率が低下したと各紙で報じられております。

野田内閣支持率42%に急落 TPPに不安感56%(産経新聞)

 下落幅は13.6ポイントなので急落と言えば急落ですが、それでも支持率自体は42.4%と高い水準にあります。ただ今回の世論調査で私が気になったのは支持率の低下以上に、思ったよりもTPP関連の意見が割れていることでした。
 同じ記事によると、「TPP参加の是非は、「したほうがいい」が46・5%で、「すべきでない」の35・2%を上回った。」と書かれているように、てっきり自分は少数派にいるものかと思っていたら参加肯定派のが多かったようです。その一方で野田首相のTPP交渉参加を巡る発言はあいまいで「混乱を招く」という意見が71・0%もあることを考えると、参加の是非以前になかなか態度をはっきりしない政府の姿勢が今回の支持率低下にもつながったのではないかと勘ぐっています。

 あとこれはちょっと残念だったのは、消費税を10%まで引き上げるとした野田首相の発言に対しては52・6%が「評価しない」と回答して多数となったことです。私自身は今の日本の財務状況を考えると可能な限り早く引き上げ、プライマリーバランスを回復させることを優先するべきだと考えており、震災直後に引き上げるべきでないという意見もわかりますが今のデフレの根本的原因は社会保障への不安ということを考えるとやはり喫緊の課題だと思います。

 ともあれ発足からしばらく経っていますが、日本国内で詳しく観察していないので強くは言えないものの、今のところ野田首相に対して私は及第点だと評価しています。逆にどんどんと評価を下げているのは野党自民党で、今日もまた谷垣がTPP交渉参加を発表したからと言って「内閣不信任、問責も視野」とか言い出したようです。何かするたびにいちいち不信任だと叫ばれても小うるさくしか聞こえませんし、第一、日本の農業を猫の目行政で徹底的に壊滅させた張本人ともいえる自民党(+農水省)がこの議論で農業の保護とかを主張するのは非常に勘に触ります。頼むから黙ってほしいと言いたいくらいです。

 さらに今日呆れさせられたのは、以前にも「政府の人事院勧告見送りについて」の記事で書いた来年度の公務員人件費で人事院勧告を政府が見送る件で、

公務員給与引き下げ、自民も法案 民主に対抗し提出方針(朝日新聞)

 自民党は政府が人事院勧告を見送り7.8%引き下げようとしていることについて「憲法違反だと」激しく批判しましたが、上記の記事によると自民党は対案としてなんと、人事院の勧告に従って一旦0.23%引き下げた後、7.8%まで引き下げ幅を上積みするという、政府案とほぼ全く同じ内容を提出することを決めたそうです。憲法違反とまで批判していたくせに同じ引き下げ幅を出してくること自体呆れるのですが、最初に人事院の勧告に従うというまどろっこしい方法をわざわざ踏むなんて、「誰か止める奴はいなかったのか?」と真面目に思いました。それだったら初めから無視して一気に引き下げる民主党案の方がストレートでずっとマシでしょう。

 みんなの党の議員も言ってましたが、政権交代で何が一番残念に終わったのかと言えば民主党の迷走もさることながら、野党に落ちた自民党がどんどんと余計に悪くなっている点だと私も思います。自民党の若手も、早く引きずりおろせばいいのに。

2011年11月12日土曜日

香港郊外の風景写真

 ちょっと笑えるニュース記事があったので、まずそれを紹介します。

米当局、EVの電池調査=GM「ボルト」で発火(毎日新聞)

 なんでもGMのシボレー・ボルトに詰まれているリチウムイオン電池が実験で発火する可能性が取りざたされたそうです。別にこれだけならさして気にしないのですが記事中に、「自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のEV「シボレー・ボルト」が」と書いてありますが、シボレー・ボルトをEV(=電気自動車)と書くのは如何なものかと思います。
 というのもシボレー・ボルトにはなんとモーターのほかにもエンジンが乗っているというドッキリ車で、GM側は「エンジンは充電量が不足した際に発電するもの」と、子供みたいな言い訳をしてました。実際のところアメリカ側の実験で内蔵されているエンジンは走行上で動力を与えていることが判明しており、正確に言うならシボレー・ボルトはEVではなくPHV(プラグインハイブリッド)でしかありません。中国メーカー(パクリで有名なBYD)ですら純電気自動車を作れるというのに、アメリカの技術は本当に進んでないんだなと思うのと同時に、何を真に受けてEVと書いているんだ時事通信はと思わせられた記事でした。

 そんな話はさておき、なんか先週からやけに体が重くて不調が続いたのもあって、今日は香港の柴湾という郊外にふと出ていきました。ここは地下鉄のメイン路線で東の果てにある駅で、思った通りビル群も少なく歩いていて元気になれる場所でした。





 二つの写真はちょっと小高い所に登って撮ったものですが、見てもらえばわかる通りに実に青々とした山です。香港というとビジネス街ばかりがテレビなどで映されますが、実際のところは非常に山がちな地形で平地などほとんどなく、写真のような風景が意外に多い場所です。ちょうど兵庫県宝塚市と一緒で初期の住宅街は無理矢理に切り開いた場所に立っているため、坂も多くて住み辛そうにも関わらず高級住宅街となってます。逆に海を埋め立てられた平地は例の如くビルがぎっしりなのですが不動産料は安いです。


 クロネコヤマトも走ってたので念のため。




 郊外だけあって青空が見える範囲が広い。ほかの場所だとビルと広告の看板ばかりというのに。


 歩いている途中で見かけたやけに足の長い金髪の姉さん。前に日本のテレビで特集されていましたが、なんかモデル業も欧州では最近めっきり仕事が減っており、上海とかに出稼ぎに来る欧州モデルも多いとか。香港もそうなのかもとちょっと感じた一枚です。

日本企業のコンプライアンスについて

 本日、野田首相がTPP交渉参加を表明しましたが、こうなることは特区の以前に織り込み済みで、参加しないというのであればニュースですが特段騒ぐほどでもないので今回このブログではスルーします。野田首相を無視してでも取り上げる今日は、ちょうど連続して起きているので日本企業のコンプライアンスについて。

仙谷氏への賠償命じる=「暴力団と交際」報道で新潮社に―東京地裁(時事通信)

 ちょっと本題からは外れますが、また週刊新潮が誤報を流して賠償命令を受けたそうです。新潮は以前にも朝日新聞社襲撃事件(通称、赤報隊事件)の犯人の偽物を仕立てあげるというとんでもない暴挙を犯しており、いくら週刊誌といえどもこれほど問題を起こして一切反省の色を持たないようであれば早めに潰れた方が世のためな気がします。なお新潮に仕立て上げられた赤報隊の偽犯人は新潮側が誤報謝罪を発表するより朝日新聞側に謝罪し、その後自殺しています。
 あとここで言及するのもなんですが、同じく新潮が楽天の田中選手がAKBのアイドルと熱愛中と報じたようですが、田中選手は里田まい氏と既に交際していると発表済みな上に報じているところが所なだけにいろいろきな臭く感じます。第一、田中選手がそれほど器用だとは思わないしなぁ。これも誤報だったら社屋に縦に落ちるスライダー投げつけたっていいんじゃないかな。

<巨人>清武代表が渡辺会長を告発「人事介入は人権侵害」(毎日新聞)

 そんな新潮のニュース以上に今日驚いたのが上記ニュースです。ニュースの概要は巨人の清武代表がナベツネが契約ひっくり返すところまで巨人の人事に介入してきて断じて認めるわけには行かないと告発した、といったところです。最初見た際は、「ナベツネが人事に介入するのを告発ったって、今更?」っとちょっと思いました。以前には原監督もいきなり更迭されてるし。
 なお今回の騒動の元となったのは既に人事が内定しているヘッドコーチにナベツネが無理矢理に江川卓氏を据えようとしたことらしいですが、敢えて深読みするのならタイミングがタイミングなだけに、やはり東海大の菅野選手のドラフト騒動が響いているんじゃないかという気がしてなりません。個人的には日ハムにはスター選手も多い上に非常に育成の上手い球団だから、菅野選手も入った方がいいとは思うのですが。

 それで清武代表の会見ですが、ちょうど今が旬のオリンパスの事件を引用して企業のコンプライアンスに関わる問題故に今回の会見に至ったと説明しています。この前にも書きましたが、あのオリンパスの事件は日本国内以上に海外の方が大きく取り扱われていると思います。未だに香港現地紙でも一挙手一足が報じられていますし、トヨタが第3四半期で赤字になったことがベタ記事で扱われたのに対して毎日大幅な紙面が割かれています。そうしたオリンパスの事件を取り扱った中で、昨日のサウスチャイナモーニングポストという英字紙では面白い特集記事が組まれておおり、その見出しというのも「Yakuza links in sharp focus」でした。翻訳後の記事概要は以下の通りとなります。

「オリンパスは今回の騒動でコンプライアンスを大きく失墜させる結果となったが、こうした問題は日本企業の間で近年多発しており、その背後には日本の反社会組織であるヤクザが暗躍していることが多い。今回のオリンパスの騒動は企業買収の際のコンサルタント企業への支払い費用が問題となっているが、こうした買収の仲介に企業側の知らないところでヤクザがからみ、後々脅迫を受けたりすることがある。特に近年は暴対法が厳しくなっていることから企業が抱えるリスクも加速度的に高まっている」

 本文はこれよりずっと長いですが、言わんとしていることは大体こんなもんです。なお本文中にはオリンパスの前社長マイケル・ウッドフォード氏の「日本に戻るつもりはない」という発言を引用し、「明言こそしないものの身の安全に危機感を覚えているようだ」と付け加え、今回のオリンパスの騒動にはヤクザが介在しているのではと暗に含んでいるような書き方がされています。

 個人的にこの記事でため息をつかされたのは、富士通の前社長の突然の解任劇も引用されていることでした。元々富士通はFMVのCMでキムタクを使っているもののやけにデカい音量で意味不明な内容流すので大嫌いな会社でしたが、あの前社長の解任劇を見て今現在は中日新聞と並んで目の敵にしています。
 富士通の前社長の解任劇の詳細はここのサイトを見てもらえば詳しく書いてありますが、まさに上記の記事が書いているような筋書きの話で、富士通が企業を買収した際のコンサル会社がヤクザらと交際がある問題のある企業だったとして役員らが社長を監禁した上で脅し、無理矢理に社長職から引きずり下ろしたという話です。監禁された際には社長も「知らなかったとはいえそうだったのか」と思って解任を了承しましたが、落ち着いて考えてみるとおかしなところが盛り沢山で現在は不当な解任だったとして訴えを起こしています。なおこの事件で非常に面白いのは、「黒い交際がある」と指摘された当のコンサル会社も名誉棄損で富士通を訴えている点です。みずほ銀のトラブルと言い、ろくなことしない会社だ。

 実際のところ、ヤクザがらみで叩けばほこりが出てくる日本企業はまだまだいっぱいある気がします。日本国内ならなぁなぁ済む話ですが海外投資家からするとひとたび明るみに出れば一気に投資価値を落としかねないもので、今回のオリンパス騒動がきっかけになって不信感が持たれ、長期的なマイナス影響が出てくるかもしれません。
 あと最後に、これは中国本土の新聞に書かれていた内容ですが、「日本は映画などによってヤクザに対し任侠だとか忠義を持つ集団というように、親しみのある感情を持つ人間も少なくない」と指摘されてて、痛いところを突いてきたなと苦笑したことがあります。自分は幸いにもヤクザと関わったことはありませんが実際に絡まれた人(商店関係)から話を聞く限りだとクズ以外の何物でもないので、外国からの目も厳しくなっていることもあるのでもうヤクザ映画とかはこの際だし廃止した方がいいと思います。悪役として出てくるのならまだいいけど。

  追伸
 昔に出た「真・女神転生」というゲームでは敵キャラクターにそのまんま「やくざ」が出てくるのですが、レベルが高い状態で脅しをかけると「やくざをころしてへいきなの?」という意味深なセリフを吐いてきます。まぁその通りと言えばその通りなのですが。