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2023年8月13日日曜日

もはや使えない夏の暑さ表現

 休日だけどやる暇ないからEラーニングをやってたら、やたら早口(中国語)で解説する動画見させられてあんま理解できないまま、視聴後の確認テストで3回落ちてやり直し喰らってかなり久々に家で怒鳴ってまた喉を潰しました。単元が3つある中でその最後の奴のみ異常なほどに早口でわかりづらく、ほか2つは1発で確認テスト通っていただけに未だに腹立たしいです。
 っていうか社内公用語が英語とはいえ、中国語か英語のEラーニングを強要してくるのって若干ひどくない?

 そんな感じで声出なくなった状態で昼食のため近くのマクドに出かけましたが、ほんのちょっとの距離とはいえ今日の天気はやばかったです。先々週は最高気温も35度行かず割と過ごしやすかったため夏も終わりかと思ったら、先週は再び35度越えが普通になり、しかも日差しが半端ないほど強くなりました。日差しが強くなった代わりに湿気はやや下がったものの、日差しに浴びるとマジでアイロンを当てられてるかのような焼かれる感触があり、今日歩いてても普通にそのまま1時間立ってたら死にかねないと感じるほどの日差しでした。

 そんな日差しを浴びている最中、夏の暑さを表現する言葉として「立っているだけでも汗が出るほどの暑さ」という言い方があったのを思い出しました。しかしこの表現、自分だけかもしれませんがこの10年間くらいでほぼ全く見なくなりました。それもそのはずというか、立っているだけで汗が出るのは夏の日常であって、特別暑いという意味をもはや持たなくなっています。むしろ、立ってても汗が出ない方が夏場はレアです。
 このように考えてみると、昔、具体的には昭和の頃までは立ってても汗が出ないほど夏は快適だったのかもしれません。気候の変動によりこうした季節感を出す言葉も、失われていくというのを今日はっきり感じました。

 この夏汗表現のほかにも、時代の変遷によって使えなくなる表現はほかにもあると思います。この辺、俳句なんかだと季語としてまとめられていますが、このうち特に使いづらいなと思うのは蛍の表現で、今や日本で蛍が見られる場所はかなり少なく、夏の風物詩的に表現するには共感が得辛いです。
 一方、同じ虫でもセミは今でも結構いると聞き、また上海市内でも樹木が密集している箇所ならよく鳴き声が聞こえてきます。このセミについては路上で死んでいるとみられたセミが急に動きだして驚かすことを「セミファイナル」という言葉で語られますが、この言葉は未だ現役で使えそうです。

 一方、いることはいるけど毎年ある日突然いなくなると感じるようになったのは蚊です。日本国内でもそうらしいですが、あまりの猛暑によって上海でも蚊が7月入ったあたりから一切見なくなりました。むしろ6月に散々噛まれたりしてたし。
 ついさっきも風を通すため窓を全開にしていましたが、2階にもかかわらず入ってきた蚊はゼロで、いない方がうれしいとはいえあまりに急にいなくなると逆に心配になってきます。こうした、夏真っ盛りに逆に蚊がいなくなるのはこのところ毎年で、去年も同じでした。

 その去年は最高気温が40度超えたり、最低気温が30度以上あったりして、今年以上に狂った夏でした。その去年との比較があるから、今年はまだマシと思えてきます。

2023年8月11日金曜日

中国を巡る三つの「水」難

 7月は割と緩かった仕事が8月入ってから猛烈にやばくなってまた休日とかもちょこちょこ作業しているためか、昨夜はちょっとベッドに横になったらそのまま1時間、金縛りのように動けなくなりました。まぁ恩週末はある程度休められるけど。
 話は本題ですが率直に言って今、中国はやたらと水難に見舞われているなという感じがします。具体的には三つの水難です。

 一つ目は文字通りの水難で、先週北京北部を起こった豪雨、先々週の華南地域に大きな爪痕を残した台風です。
 ちょっと業界裏話をすると、日本でもそうですが中国でこの10年で洪水や冠水にまで至る水災害が極端に増えており、各地域で水難救助用の船やモーターボートの調達が強化されています。モーターボート用のエンジンで割と強みのある日系バイクメーカー御三家(ホンダ、ヤマハ、スズキ)もこの特需に乗っかろうと結構中国でマーケティングとかしています。

 話を戻すと幸い、自分の周りでは直接洪水などの被害に遭った知り合いはいませんが、北京の豪雨では穀倉地帯も冠水したと報じられており、中国の食糧生産にも大きな影響が出るとされています。またこの水害を防げなかった、または避難をうまく行えなかったと当局への批判もかなり出ており、かつてこの手の災害がなかったことはもとより、社会の空気がかなり重たくなってきているのを真面目に感じます。

 二つ目の水難はつい先日、南シナ海で中国の船がやったフィリピン艦船への放水です。こうした行為自体は中国にとってはそんな珍しくないような気がしますが、自分に言わせれば何故このタイミングでやったのか、その点に首をかしげます。
 ただでさえウクライナ戦争で国際間紛争がピリピリしている中であり、尚且つ中国経済もかつてないほど弱っている矢先であることを考えると、ここで領土問題を過熱させるメリットが自分には見えません。むしろこういう行為をすればするほど、米国や欧州に「中国は台湾に何かするのでは」という疑念を高め、対中半導体規制の口実を与えることになる気がします。まぁその見方で間違いはないんだろうけど。

 三つめは、日本が絡む福島原発の処理水排出です。この件に関しても中国が騒げば騒ぐほどその立場は不利になる問題にしか見えず、悪い意味で何が狙いでこんなに抵抗するのかが自分にはわかりません。
 周知のとおり日本が海洋排出を予定している処理水の放射性物質濃度は中国の原発が垂れ流す排水よりも低く、この手の排出を一切していない国ならまだしも、科学的にも合理的にも論理的にも中国が反対する理由はどこにもありません。それだけに中国が背負って立つ立場なくごねればごねるほど唇が寒くなるというか、わけのわからない主張を繰り返す構図になっていくと私は思います。

 まだ韓国が反対していれば、韓国に対する中国のシンパシーを高める意味で価値が出たかもしれませんが、その韓国も政府は排出にすでに同意済みです。そしたら中国は今度はロシアを担ぎ出して一緒に日本を批判してきましたが、これもなぜ世界から嫌われるロシアとここで共同歩調を取ろうとするのかが不思議に見えます。手を切れとまでは言いませんが、距離を置こうともしないのはちょっと無策もいいところではという気がしてなりません。

 以上、若干こじつけもありますが水絡みの中国のトラブル三つをまとめてみましたが、なんか今年は水が絡むと中国は悪い方向に向かうことが多いように思えてなりません。なればこそ水を向けてみたくなるところですが、先日の外相更迭をはじめ、かなり中国の外交姿勢に混乱が見えます。一致した方針で動けてないように見え、今後日本や韓国、米国とは別の第三国で、なんかトラブル起こすのではないかという風に思います。

2023年8月9日水曜日

初心者におすすめの戦闘機プラモ

 また会社でブツブツ文句言いながら仕事するほどストレスたまってるので、好きなことを書こうと思ったらまたプラモになりました。というわけで、今まで自分が作ってきた中でこれから戦闘機プラモを作りたいっていう人におすすめなキットをいくつか紹介します。
 なおメーカーは他意はないですが全部タミヤです。やはりハセガワと比べるとパーツ数が少なく、組み立てやすさではこっちに軍配が上がります。ハセガワも悪くないんだけど。

・F4D-1 スカイレイ


 本当にプラモを一から始めるっていう人には、ぶっちぎりでこのスカイレイのキットがおすすめです。非常にシンプルな構造していて組み立てやすく、またそれでいてクローズデルタで幅広な翼が見栄えがよく、組みあがったときに心の底から楽しいと感じたキットでした。
 ある意味、初心者の壁となる水シールことデカールはこのキットだと背ビレ部分にべたっと貼り付けるためやや手間が食うかもしれませんが、比較的貼りやすい形状しているのと、塗装なしでもこの大きめなデカールが見栄えよくしてくれるので、ほんとお勧めです。値段も、Amazonで今だと625円と軽い定食並みにお手頃なお値段です。

・Mig-29 ファルクラム



 メーカーはタミヤですが、このキットは元々はイタレリが作っててタミヤがOEMで販売しているそうです。実際、ほかのタミヤのキットと比べるとパーツの形状とか結構違ってると感じましたが、とにもかくにもパーツが少なく、めちゃ簡単に組み立てられます。それでいて、ある意味戦闘機の形状が一番派手だったころの機体であり、単純にかっこよくて今でも一番好きな飛行機です。
 その最大のセールスポイントは吸入口ことエアインテークで、胴体下部についているインテークとは別に、同体上部にも簡易インテークがあり、組立時に開くか閉じるか選択できます。細かい点だけど結構重要。
 でもって何より、このMig-29は現在ウクライナ軍の主力戦闘機であり、ある意味で生産以来、最も輝いている時代を今迎えています。この飛行機が今まさにロシアとの戦闘で使われているという歴史的意味もあり、興味がある人にはぜひ手に取って組み立ててほしいです。

・モスキートB Mk.IV/PR Mk.IV


 びっくりドッキリメカ量産大国の英国らしい、二次大戦期においてもレアな木製爆撃機です。ただその性能と戦果は凄まじく、速度に至っては何でって思うくらい超高速だったりした飛行機です。木製爆撃機ということもあってその形状は一般の戦闘機とは大きく異なり、ガラス製ハッチが大きく突き出た形状をしています。またエンジン部分がどでかくて迫力があり、リビングとかに置いとくと誰もが目を引くくらい見栄えに関しては上等です。
 このキットは1/48ですがそれでも組み上げるとかなり大きく、ぶっちゃけ場所をかなり取ります。とはいえ大きいだけあってパーツ自体は組みやすく、初心者にとって難関の足回りこと車輪のついた脚(ランディングギア)はかなりがっちり固定しやすく、その点では組みやすい方に入るのかと思います。ちょっと変わったインテリアに興味ある人におすすめです。

 以上三つが自分にとってのおすすめ戦闘機プラモですが、真面目に戦闘機に関してはこれまでかなり組んできて、各機体の特徴とかもめちゃ把握できています。でもって組み上げた飛行機を写真で取っていると、如何に2次元と3次元で飛行機の見え方が異なるのかも痛感し、やはり立体物で直接手に取りながらその形状を確かめることが飛行機には重要だという気がします。

Stand up to the 関取

Vガンダム「スタンダップ トゥ ザ ビクトリ~♪」 ワイ「爽やかなアニメやなぁ!」(ゴールデンタイムズ)

 上のまとめ記事ではVガンダム主題歌の「Stand up to the Victory」という曲について語られていますが、昔この曲で替え歌作って一人でずっと歌い続けた時期がありました。その替え歌がこちら。

激しい張手が巨体を震わせる 稽古のように
ただ突っ張り続けた 昨日までの取り組み 信じているのさ(親方を)
終わりのない幕下でもいいよ 部屋が僕を食わせ続けてくれるなら
Stand up to the 関取
いくつもの場所を迎え 白星を掴んで見せる
Stand up to the 関取
土俵際で何があるのか わからないから
かけがえのない 部屋の厳しい稽古耐え切って

 一時期は「白星」のところ「あのまげ」と変えて歌ってもいましたが、やっぱ相撲は人類の文化の極みだと思います。忍者に負けずに力士ももっと国際舞台で活躍してほしいです。

2023年8月8日火曜日

10年後に読まれる小説こそ名作

 先日、割引セールをしていたこともあって浅田次郎氏の「蒼穹の昴」の全巻セットを購入しました。この本は中国の清朝末期の宮廷を舞台にしており前々から興味があったのですが、長年小説を読まずにノンフィクションばかり読むようになっていたのと、今まで一度も浅田次郎氏の本を読んだことがなかったため手に取ることがありませんでしたが、満を持して読み始めてみると出だしから面白く「これが浅田次郎か(´・ω・)」などと感心しながら読んでます。
 なんでも、この本書き終えた後で浅田氏は初めて北京に行ったらしいです。

 この「蒼穹の昴」は1996年の作品で実に30年近く前の作品ですが、それをこうして現代の自分が読んでて面白いと感じるというのもなかなか凄いものがあると感じます。内容が歴史小説なため今更古臭くならないという点もあるでしょうが、それ以上に発刊当時に限らず時代を経てもこうして読まれるというのは間違いなく名作の条件になってくるでしょう。
 この発表から時代を経て、具体的には10年以上経っても新たに手に取る人、またフタタに手に取る人がいるという小説こそが、自分は名作だと思っています。逆に発表当時に華々しく売れたものの、それ以降は誰も話題にもせず読み継がれない作品というのはしょせんは「時流に乗った」だけの作品だと考え、名作と呼ぶには相応しくないと思います。

 具体的に言えば過去の芥川賞作品なんかまさにこの典型です。10年以上前の作品で今も読まれる作品があるかと言ったら多分ほとんどなく、内容に関しても当時作品を読んだ人たちもそんな覚えていないというのが大概じゃないかと思います。そもそも以前から批判していますが、2000年以降の芥川賞は作品の質以上に作者のパーソナリティ、具体的にはどれだけ目立つかで選ばれている節があり、こんなんだから日本の小説文化は衰退していったとすら思っています。

 逆に、これも以前主張しましたがその後のエンタメ作品に物凄い影響を与えたという点で「バトルロワイアル」はすごい作品だと思え、本来ならこの作品こそもっと評価されてしかるべきだったと思います。

 それにしても近年は本当に誰もが手に取るような小説作品がめったに出てこなくなりました。日本の娯楽でいえばアニメ、ゲーム、漫画が強くこれらが小説を侵食したことは間違いないですが、それにしたってここまで弱ることはないだろという気がします。まぁぶっちゃけ、悪いのは文壇気取りの連中だと思うけど。
 もっとも自分はあんま手に取りませんが、いわゆる転生物に代表される「なろう系小説」は青少年を中心に一定の支持を得ていると聞きます。自分の時代でも「スレイヤーズ」などのライトノベルが流行ってましたが、こちらは権威なんて一切なしの完全競争市場なだけに、売れるというからにはやはり引き付ける魅力のある作品が多いのだと思います。とはいえ、やはり10年の壁を超える作品がこの中から出てきているかと言ったら今のところあんまり見当たらず、今後そうした時代に左右されない小説作品が出てくることを陰ながら祈っています。

2023年8月6日日曜日

「いじめの構造」を読んで

 先日、ちょっと興味あったので森口朗氏の「いじめの構造」を読んでみたのですが、期待外れもいいところでした。この本ではいじめが起きる人間関係の構造について、スクールカーストをはじめとする要素をもとに4種類くらいのモデルを提唱していますが、本当に提唱しているだけで、実際の発生例などをもとに4種類のモデルに集約されるといった実証を一切しておらず、「こんな風に思うんだ!」としか書かれていません。しかもそのモデルもわかりやすいく4種類にまとめたというわけでなく、むしろ細かい条件や要素をあれこれ詰め込んでいるため汎用性が低いとしか思えず、当てはめられるケースの方が少ないんじゃないかとすら思います。

 ブログとかそういうレベルでこうしたモデルを提唱するのなら仮説提唱としてありじゃないかとは思いますが、何のデータも分析もなく、一切の検証家庭を省いて本にして出すというのは果たしてどうかというのが、一読して覚えた感想です。更に言えば、この提唱されたいじめモデルには何の発展性もないように思えます。
 具体的には、「このモデルのいじめにはこうした対策がグッド」とか、そういったモデルの応用例が何も書かれていないためです。若干、こういった人間関係にはいじめが発生しやすいのでこうした構造になら似あ要に気を付けるべし見たいには書かれていますが、OBなど学外の人間が絡むケースなんかどうしようもなく、本当に作者はこの本で何が言いたかったのか、マジで「こんなモデル考えたよ!」とだけ言いたかったのかで疑問です。はっきり言って、主観も明らかに強いし。

 その上でこの本読んで思ったこととして、いじめ対策というのは発生前より発生後の方が重要だなということは自分で思いつきました。前述の通り、元先輩などのOBや学外の不良集団が絡むいじめだと学内で事前に発生を防ぐことは非常に難しいです。であれば発生後にどういった対策を行うことで、自殺に追い込むなどの暴行や脅迫への発展を防げるのか、こういった対策手段とかをまとめる方がいじめ対策としては有意義なんじゃないかという気がします。
 現実に行われているものとしては、いじめ加害者と被害者の引き離しは良く行われていると思います。この引き離しがどれほど効果を上げるのか、また効果を上げない場合の要素とは何か、そういったものを私は知りたいのですが教育関係者はあんまこの辺について言及することがないような気がします。

 またいじめ発生後に採用した結果、劇的にいじめを消失させたようなエクセレンスケースなども、あんまり世の中で見ない気がします。ぶっちゃけ作者も言っているように、いじめ問題の議論は基本的に関係者の主観に基づく主張でしか議論されておらず、まずやるべきことは以前にも書いた通りに事例データを収集することに尽きます。犯罪にまで発展したケースと、そこに至る前に沈静化したケース、またいじめがよく起こるクラス状況と加害者と被害者関係や属性、議論の前にこういったデータをまず収集しろと言いたいです。「いじめの構造」の作者にも。

派遣拡大に関する竹中平蔵氏の言い訳について

 室内でも暑い中で今日は休日作業(リアル名ばかり管理職のため残業代なし)をしていましたが、疲れているときに「オイヨイヨ」と唱えると、若干元気になれるのでマジ大事です。会社でやると変人にみられるだろうけど。


 それで本題ですが、上記記事にて竹中氏が「派遣拡大をしたのは自分じゃない」と言い訳していますが、自分はこれに全く以って同意です。小泉政権時代に経済運営を担っていることから、竹中氏が社会問題化していった派遣問題を「放置」したことは事実であるものの、拡大自体はやっていないと私も考えています。
 では一体誰が拡大したのかですが、竹中氏の言うように厚労省と、政権でいえば小渕政権です。それまでの特定職種に限った派遣業から日雇い派遣を含む一般派遣を解放、拡大したのは小渕政権であり、問題が表出化したのが小泉政権時代なだけで、これで小泉政権を批判するというのはやはり間違いであるような気がします。

 確かに竹中氏は政界引退後にパソナ役員を務めましたが、それは派遣拡大とはまた別の話ですし、それ以前にそんだけ派遣が問題だっていうのなら、それはその後に何も対策を採らなかった後の政策担当者の責任であるように思います。
 それ以前に、竹中氏は記事にも書かれている通りに日本は正社員が保護されていると主張し続けており、実際政権担当時代にあれやこれやと正社員特権を弱める方向に動いています。そういう意味では正社員と派遣社員の格差に関しては、正社員の権利を弱める方向でむしろ格差縮小に熱心だったと私は考えています。

 私自身も日本の正社員は守られ過ぎだと考えており、大体10年代中盤から出てきた「働かないおじさん」問題なんかその典型です。
 っていうか自分なんか今の職場で名ばかり管理職にさせられたのに、一般社員時代よりも残業してるし、チーム内でも残業エースでなんやねんこの職場とか内心思ってたりします。もっとも上には上がいるというか、ほかの管理職は自分以上にずっと残業しているというか働き続けているので、なんやねんと思うこの職場はそういう業界なんだと納得しています。

 話を戻すと、日本は解雇補償金に関する規定が一切ないなど法律上は解雇が異常なほど容易なくせして、正社員は社会的慣習によって強く守られているという、妙にちぐはぐな雇用環境になっています。その結果として、労働組合の強い大企業ほど整理解雇が難しく、労働組合がない、または弱い中小企業ほど横暴な解雇がまかり通るというおかしな雇用社会になっています。まぁだからと言って、大企業の社員が優秀であるという限りもなく、一方で中小企業には精神科勧めたいようなやばい社員も確かにいるわけですが。

 派遣社員に話を移すと、むしろ自民党は派遣社員の権利拡大や保護に熱心な方です。ひゃんタイに社会党や旧民主党をはじめとする野党の方が労働組合を支持基盤に持っており、正社員保護に偏っていることから、派遣社員に対する態度は冷淡であったのは間違いないです。にもかかわらず派遣社員は自民党、または竹中氏を批判することばかりで、こう言っては何ですがその格差が「放置」されるのも自然な成り行きだったとしか言いようがないです。
 私自身も過去にマージン率データとかいろいろ作りましたが、利用しようとする派遣関連者がびっくりするほど少なく、言い方悪いですが「この格差は問題なのだから、誰かが何とかするべきだ」という感じで、他力本願な人間が多いなという印象を覚えました。自分たちでもっと団体作るなり、行動力と時間のある人をリーダーにしたりするということすらやらず、私もマージン率データ作ったあたりで「派遣問題はもはや社会問題ではないな」という結論に至りました。

 さらに言えば、本当に派遣格差をどうにかしたいってんなら派遣社員の生産性をデータ化するべきでしょう。労働の貢献度がどれほどか、社会生産効率はどの程度か、また報酬引き上げによって効率はどれほど上昇するのかなど、そうしたデータを作ったりしないとだれも見向きしません。まぁ派遣社員の人たちからすれば、「誰かが作るべきだ」なのかもしれませんが。