時期も時期なので、そろそろこの「ニュースコントロール」について解説します。
この名称は便宜上、私がつけただけであった、本来はちゃんとした名前があるのかもしれません。これは一般に言われる情報操作と違い、公のマスメディアを使って世間での情報を捜査する手法の事です。
これを最も使用したのは、前アメリカ大統領のビル・クリントンといわれており、具体的にどのようなことをやるのかと言うと、たとえば身内の民主党から不祥事が明るみになるとします。もちろんテレビや新聞はこの不祥事をバンバン報道するのですが、そこで前もって握っていた対抗馬の共和党の不祥事の事実をどこかしかのメディアに流します。すると、最初の不祥事はまるでなかったかのように大衆やマスメディアは後に出た不祥事に関心が移っていき、そのうち最初の不祥事がうやむやになっていく……というような手法です。
まぁこの程度の泥仕合だったらどこでもやっているよと言われそうですが、クリントンの場合、これの応用をやってのけています。たとえば、政府の政策欠陥を、共和党が的を得た言葉で糾弾するとします。そして議論や政府への批判が紛糾していく中で、なにか別の社会的事件、一般に多いのは企業不正などの事実を公表、もしくは捜査するのです。これも先ほど同様に、最初の議論はすぐに忘れられ、後のニュースの方に民衆は関心が移っていき、結果的には政権への批判がなし崩しになっていくのです。
この手法はクリントンのほかに、イギリスのトニー・ブレアもよく使ったと言いますが、もちろん日本でも使い手はいます。その人物というのも、小泉純一郎氏の元秘書であった飯島勲です。
自分が観察している中で、飯島氏が確信犯的にこのニュースコントロールを行っていたた事例は2004年、福田康夫辞任劇だったと考えています。それまでの記録を抜き、内閣官房長官として最長の任期を務めていた現首相の福田康夫がこの年に前触れもなく、突然辞任しました。その結果、次の日の新聞はどこも一面で「福田辞任」と一番大きく書き、次々と年金未納が発覚した民主党で、とうとう小沢一郎が党首になるというニュースは脇に追いやられていました。
恐らく、これ以前から小泉氏と福田氏の仲はしっくり言っていないという噂があり、双方とも、辞め時を見計らっていたというのは間違いないと思います。そこに、論戦の相手としては手ごわい小沢一郎が鳩山、菅がどちらも年金未納で代表を務まらないということで、最終的に白羽の矢が立ち、就任を了承したというニュースが入ってきました。当時は小沢が出たら何か起こるという、期待感とも不安感とも言えぬ空気が流れており、少なくとも前々から噂されていた内容でした。そしてそれが現実になると、それこそ世間の関心が民主党の動きに乗りかねない事から、このニュースを封殺する必要がある……そうして、隠し持っていたカードとも言うべき「福田辞任」を切ったのではないかと考えています。ま、結果的にこの時は、小沢も未納で岡田になりましたけど。
その後も飯島勲氏は私から見て、この手法を幾度か用いているようにみえました。まぁここではいちいち挙げませんが、今、私が気にしているのは餃子のニュースです。
どうも、あまりチェックしていないからかもしれませんが、なぜこの餃子の中毒事件が発覚したのかがなかなか掴めません。JTフーズが隠していたといえばそれまでですが、それ以上に、現在国会にてガソリン税問題が紛糾している事を考えると、すこしきな臭さを覚えます。もしかしたら、このガソリン税問題の綱引きで、支持率の低下を防ぐために情報を貯めていたのではないかと、すこし疑り深い気もしますが、そんな風に思ってます。少なくとも、ガソリン税のニュースはなりを潜めましたね。
0 件のコメント:
コメントを投稿