恐らく、私は一般の日本人と比べては海外に滞在した経験が長い方だと思います。初めて海外に行ったのは5歳の頃でハワイに行ったのを皮切りに、、ワシントンに一ヶ月、ロンドンに一ヶ月、北京に一年と長い滞在も経験しています。その際には言うに及ばず現地の人間と幾分か交流しますが、大抵よく聞かれるのは日本人の民族性についてです。
なにもこんな民族性とか堅い言い方でなく、日本人はどんな生活しているのというような聞かれ方をします。この際、大抵一緒にいる人間は「無宗教だ」とか言いますが、個人的にこれは間違いだと思います。現在ですら元旦には日本人の九割が初詣に行くというので、多かれ少なかれ仏教なり神道なりが混ざった状態で信仰と呼べると思います。
この他、日本人は行列によく並ぶともよく周囲で言っている人はいますが、まぁ間違いではないですが、自分の経験からするとイギリス人には遠く及ばない気がします。連中、本当にきしっと並ぶし。
ただ、この行列の仕方を民族性やら、日本人の全体のルールを守る精神性に結びつけるのはまた間違いだと思います。一説によると、日本人が行列にきちんと並ぶようになったのは戦中期以降で、その時の配給制からこの並ぶ癖がついたようです。さらに調べてみると、どうやらイギリスでも同様で、配給制が原因との事。
意外と、こういう習慣というのは古くからのものではなく、割合に新しく作られたものが多いような気がします。先ほどの行列と同様に、日本人は地域社会が強いとも言いますが、これも戦中の隣組制度が影響しているのではないかと思います。農村などでは話は違いますが、都市部ではそうなんじゃないかな。最近は弱っているけど。
では、真の日本人の民族性とも言うべきものはなんでしょうか。私が外国人にこう聞かれた際に答えるのは清潔性です。
自分から見て、これほど臭いやら汚れに気を使う民族は見た事がありません。海外に行けばわかると思いますが、他の国では多かれ少なかれ体臭などがあり、それをかき消すために香料やらなんやらを使っているので何かしら、街中で匂いがします。ところが日本では本当に無味無臭。おまけによく風呂に入る。毎日入るというのだから相当なものです。
これは日本が温暖多湿の気候にあり、湯水に事欠かなかったのと、湿気のために一度汚れると非常に臭いを放つ事が原因だと思います。そのため、私は日本人としての感覚は清潔すぎるのだから、海外では多少他の人の臭いなどが気になっても口に出さないようにしています。また、乾燥した北京ではシャワーは二日に一回に切り替えたり、なるべく現地にあわせようと努力していました。まぁ向こうは乾燥してるから、実際におわないけどね。
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