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2008年3月14日金曜日

裁判の可視化について

 私はこれまで、今度から日本の裁判でも施行される陪審員制度にあまり期待はしていませんでした。しかしふたを開けてみると、ただ難解なだけで専門家だけの言葉のようであった司法用語を簡単なものへと改めたりするなど、なかなか問題をはらんでいる日本の裁判にとっていい改善へのきっかけとなっています。

 その一方で、今回のお題の裁判の可視化については未だ本格的に議論されていないようです。もっともこの可視化は、捜査段階の警察による取調べについてはなかなか議論されていますが、この前警察が取調べ時に被告が自白したほんの数分だけを録音して提出したら、案の定証拠として採用されませんでしたけど。
 この裁判の可視化、ついでに捜査段階の可視化ですが、欧米ではすでに当然のものとなっています。オーストラリアなんかは十年位前から取調べ時の録音をやっており、アメリカでは裁判はテレビカメラを入れて当然なくらいの雰囲気です。そりゃビデオテープが出始めた頃ならともかく、これだけ技術の進んだ現在においてまだやっていないというのは非常に遅れているとしか言いようがありません。

 この可視化、言い直すならば裁判においてカメラを入れない点について法務省は、被告のプライバシーなどとがたがた抜かしていますが、こんだけ法廷スケッチとともにマスコミで裁判の状況が報道されるのに、プライバシーもクソもないでしょう。それでもあえて言うならば、一部の国のように社会的に大きな影響を与えた事件、たとえばオウム事件や和歌山毒入りカレー事件など、このような事件に限ってテレビカメラを入れるとかいう手もあるはずです。もともと裁判は閉鎖性を伴うと一部に偏った判決になる恐れから、憲法の上でも原則公開するとしているにも関わらず、こうしてカメラを覆い隠すのは私個人でおかしいと思います。

 そしてカメラを入れるメリットも非常に捨て難いです。というのも、一度カメラなどで保存しておくことによって、時間を置いて再審などが行われる際、以前の供述から証言まできちんと残せるからです。これはむしろ取り調べの際のほうがメリットが大きいですが、これによって原告被告ともに供述の覆り等を正しく証明できるようになります。
 そういった意味で、なるべく早く日本も可視化、記録化をすべきだと私は思います。

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