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2008年3月23日日曜日

広告の価値とは

 まず最初にお詫びです。作るといっていたホームページはまだ出来ていません。なんせ初めて作るし、それ以上に「三山木会」で具体的に何をするかを決めていないというのも、ホームページの方向性が定まらない原因かもしれない。

 そんな前置きをしておいて、今日のネタです。その名もずばり広告の価値です。
 実は今日テレビを見ていたら、現在公開中の映画「ライラの冒険」のテレビコマーシャルがありました。内容は多分言えばわかると思いますが、例の映画館から出てくる人のインタビューをして、「面白かったです」とか、「ちょーわくわくしたっ」と観客が感想を言うのを写したCMでした。この手の話題は以前からある友人と何度もやっているのですが、正直言ってこの手のCMを見るたびに、余計にその映画を見たくなくなることの方が多い気がします。
 しかしこれはあくまで私個人の感情だと思っていたら、もう結構前ですが確か七年位前の調査で実際に街を歩いている人に聞いてみると、私と同じように見たくなくなると答える人が多かったらしいです。にもかかわらず、この「ライラの冒険」に限らず映画内容より観客を写すCMが未だに続けられるのは何故なのでしょうか。

 一つの理由が、広告効果がはっきりしないということです。たとえば、なにも広告するまでもなくその映画が非常に優れた作品だった場合、口コミでその内容が広まり、実際のCMなどがクソであったとして売れてしまいます。その場合CMで逆効果を生んだとしてもセールス的には大成功になってしまうので、そのCMが失った観客数は結局わからずじまいです。
 同様に、複数の広告を利用した場合もあります。たとえばCMが逆効果を生んだとしても、その他の評論などでそれを穴埋めする効果が生まれ、結果的には作品が売れる。これでも、たとえ駄目なCMだったとしても誤解を生む原因になります。

 実際にテレビコマーシャルが完璧な逆効果を生んでしまった例として、テレビゲームの「ワンダープロジェクトJ2」の例があります。このゲームのCM内容はなんと、プレイヤーの俳優が画面の上のヒロインにキスをしようとする、いわゆる「ギャルゲー」を連想させる内容だったらしく、実際のゲーム内容は高く評価されているにもかかわらずそのCMにドン引きした人が多かったのか、売り上げ面で非常に低迷してしまったらしいです。

 とこのように、広告はただ商品を広める一方で、逆にその作品に対して嫌悪感を生むといった逆効果も作る可能性があることについて語ってきました。最近では失言騒動を起こした幸田クミ関連でCMの自粛騒動が生まれましたが、ここで一つ槍玉に挙げてみたい、というよりも現実にテレビ業界で起こっているCMの費用対効果及びテレビのスポンサー料についてさらに言及しておきます。久々に今日は長くなりそうだ。

 最近、テレビをよく見ていて気づく人は気づいたかもしれませんが、以前はCMの花であったお菓子業界のCMが一時期と比べ随分減っています。これは実際に広告会社に勤務している人間から聞いた話ですが、以前と比べてテレビでCMを打っても売り上げ上昇につながることが少なくなったらしく、テレビ局側に支払う広告料に見合わなくなったとお菓子会社が見切りをつけたことが原因らしいです。
 この動きはなにもお菓子会社だけに限定されるわけでなく、各企業で同様の見解がもたれているらしいです。この動きに拍車をかけたのは言うまでもなくインターネットで、昔と比べて電話番号やら料金説明をいちいちCMの短い時間で目いっぱいやるまでもなく、ホームページを持つことで十分に代替出来るようになったのが、このような変化を生んだといわれています。

 そしてこれは確か2005年の12月にどっかのブログで書かかれていた内容なのですが、そこではもっと極論を言って「テレビコマーシャルはもう何も効果を生まない」とまで言っていました。その人の根拠はこうで、当時松下のガスファンヒーターのガス漏れ問題が起こり、松下側が年末商戦を控えた時期に回収を行う旨だけをCMで延々と訴えて他の商品の紹介などは全くしていなかったのに、松下製の他の家電売り上げが上昇したからだと言っていました。また、実際にそのブログの作者自体も、テレビCMを見て買い換える車を選ぶことはないとして、実際にはカタログやらディーラーに行って買うのだから、やっぱりCMはいらないんだと言ってました。まぁ案の定というか、コメント欄はこれらの内容に対して批判するものが多かったです。

 すこしCMの専門的な話をすると、CMには大別して二種類あり、商品を視聴者に告知するアピールCMと、その商品もしくは販売製作している企業のイメージをよくするイメージCMの二つに分けられます。それぞれ例を出すと、お菓子会社とか旅行会社がしているのはアピールCMで、先ほどの松下の例などはイメージCMに当たります。もちろん、中には両方を兼ね備えているのも少なくありません。
 そういう目で見たら先ほどの松下のCMの場合、会社のイメージアップが商品売り上げに影響したので実際には広告効果があったと言えます。ほんと、あのブログの人は広告の基本すら知らなかったんだろうな。

 しかしそのブログの作者を弁護するなら、テレビコマーシャルは費用対効果で見たら薄いという点を考慮すると、やはり一部の商品についてはCMの価値はないと私も思います。私もこの辺りは詳しくはありませんが、一回15秒のCMを番組の間に挟むのにそれこそ一回数百万単位、場合によれば数千万単位のお金が必要になります。果たしてそんだけ払っていて実際に数千万円以上に商品の売り上げが増加するかといったら、いまどきのひねくれた世の中じゃちょっと期待できません。そういう風に思い切っちゃう企業が増えた結果、スポンサー企業はこのところ減少の一方で、その分の穴埋めをちょっと前は消費者金融、最近はパチンコ屋がやっているのが現在の構図です。

 ではなぜこのような費用対効果が薄くなってしまったのでしょうか。もちろん先ほどに挙げたインターネットの普及が最大の原因ですが、もう一つの大きな原因といわれているのが、テレビ局側の価格設定にあると私は考えています。それこそ昔ならともかく、テレビ局は未だにCMの広告効果は大きいと主張し、なんでもスポンサー企業相手に高い価格設定で迫ってくるといううわさを聞いたことがあります。しかしスポンサー側も馬鹿じゃないので段々とテレビ局から離れていき、かといって振り上げた拳を下げきれず、テレビ局側は未だに高い広告料を設定しているという話らしいです。それこそ、国からの保護がなければ民法はとっくに潰れているという、先ほどの広告会社の人の分析です。

 ではテレビ局の経営は未だに安定しているのでしょうか。どうも遠くから見ていると、私はそうは見えません。これからデジタル放送にするための設備投資に資金がなお必要ですし、それによる多チャンネル化でただでさえネットの影響で下がっている視聴率はさらに下がります。そしてその高いプライドをかげながら支えてきた消費者金融はグレーゾーン金利廃止でゴールデンから撤退し、パチンコ屋の天下もいつまで続くことから。
 今本当にテレビ局がなすべきことは経営のスリム化だと思い、今日の投稿は終わりです。あぁ、本当に長かった。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

そういう事情があったのか。確かにインターネットの普及でCMの地位は変化してるかもね。今回の話とは少しずれるけど、サラ金のイメージアップCMは見てて嫌な気分になる。違法金利で貸し付けてるサラ金が堂々とCMやって市民権得てるの見ると、なんだか複雑だ。

花園祐 さんのコメント...

 別の友人もサラ金CM全盛期の時に、「一日中、こんなCMが流れるなんて世も末だ」と言っていましたが、まさにその通りですね。
 まぁ連中はやっぱりここ数年で大分弱っているのですが、恐らく市場を日本から別のアジア国に広げて今後は命脈を保とうとしようとしているのではないかと、少し勘ぐっています。
 というのも、韓国ではまだ消費者金融を規制する法律がなく、年利1000%みたいな馬鹿げた金利がごく普通にありふれているらしいです。しかも、その消費者金融トップテンの中には日本企業も多く、確か以前のトップはアイフルだったようです。この点に関して、韓国をはじめとした他のアジア国の皆さんには毒をまいて、日本人として申し訳なく思います。