ページ

2009年5月20日水曜日

世の中みんなが社長になったら

 これまた大分前、時間にすると六年も前の話になりますが、ある日友人から前にNHKがやっていた「真剣10代しゃべり場」という番組内でのある討論の話を紹介されました。この番組自体は私は一回も見たことはないのですが、何でも高校生くらいの子達が番組内で集まってテーマごとに忌憚なく意見を言い合う番組だったらしく、その内容に賛否両論が分かれたものの当時はそれなりに話題になった番組らしいのですが、ある回にて一人の高校生の男の子が、

世の中みんなが社長になればいいんじゃないの?」

 という意見を提案したそうです。

 この男の子の意図することには、みんな雇われて上司からがみがみ言われてストレスを溜めながら働くくらいならいっそみんなが社長になってそれぞれバラバラに、自由に仕事をやった方が効率的なんじゃないのという、なんていうか男なら小学生の頃に一度は考えるであろう提案をこの番組でぶちまけたそうです。その結果は案の定というか、他の出演者からボロクソに「世の中そんなに甘くない」とか「うまくいくわけないだろ」とばかりに散々批判され、提案者の子は最後はパンチドランカー状態になったかのように元気をなくしていたそうです。

 この話を紹介してくれた友人は話し終えた後、私に男の子のその提案をどう思うかと聞いたのですが私はというと、「確かに甘い考えといえば甘い考えではあるが、非常に前向きで明るい意見だと思うし、その子の心意気は素晴らしいと思うよ」と答えたところ、友人もそう思うと同調しました。

 確かに社長、というよりは一事業主としてやっていくことは日本に限らずどの国でも大変なことですが、皆が皆それこそ一つの会社の社長のように個人として責任を抱える一方で、自分で自由に裁量できる範囲が今より拡大できればそこそこ世の中面白くなるんじゃないかと個人的に思います。戦後の日本はそれこそ可能な限り横並びであることが重要視されてきましたが、別に法律で決められているわけでもないのに大卒の初任給がどこも20万円±1万円で画一化されているのはやっぱりやり過ぎなんじゃないかなと思ったりします。

 特に私の世代なんかは「個性を強く持て!>(゚Д゚ )」と散々言われてきて育ってきた世代でもあるので、近頃の若者を見ているとなんでもかんでも横並びであるよりは、個人ごとに多少のアレンジがあった方が仕事については働きやすいんじゃないかと思います。まぁ横並びから大きく外れたら、それはそれで不安にかんじる世代でもあるんだけど。

 ここで最初の「みんなが社長になればいい」という意見ですが、さすがにみんな社長になれとまでは言いませんが、私はみんな揃って出勤し、みんな揃って休みを取って、みんな揃って同じ給料の現状に対して、正社員でも個人ごとにいくらか応用の利く様な働き方にこれからは変えていく方が全体の利益に叶うのではないかと提案します。それこそプロ野球選手のように毎年年度末にそれぞれ雇用主に意見を言って、自分の要求を通したり相手の要求を呑んだり、それによって年俸も変動するような、そういった形態がすこしはあってもいいんじゃないかとおもいます。たとえるなら、

「(´д)<あなたはこの一年でこれというスキルアップがなかったとはいえ大きなミスもなく仕事をしてきたので、来期の年俸は今期の維持で300万円でどうでしょう?」
「( ゚Д゚)<私はこの一年、成績の上がらなかった部署にいたので功績など作りようがありませんでした。にも関わらず大きなミスもしなかったのでもう少し上げてください」
「(´д)<それはどこの部署も一緒です。悪かった部署にいたのは考慮しますが、会社全体でみればあなたに特段の功績があったようには思えません」
「( ゚Д゚)<私はこの部署で、うだつの上がらない上司の愚痴を一年間黙って聞いて部署内の調和に貢献したと自負しております。この点を評価してせめて10万アップさせてください」
「(´д)<あなたの上司の愚痴には同情しますが、社会人としては基本的なことなので我慢してください」
「( ゚Д゚)<ではこれから私の上司だけでなく、あなたの上司の愚痴ももう聞いてあげません」
「(´д)<それでは、来期は15万円アップの315万円で契約しましょう」

 という具合に、それぞれインセンティブ的なものがあった方がいいんじゃないかと思います。
 さすがにこの会話文は極端な例ですが、例えば給料を一段下げる代わりに有給休暇日を増やしたり、土曜の午前に出勤する代わりに水曜日は午後から出勤できるようにしたり、全社員で画一的な規則ではなくそれぞれがそれぞれの希望を反映できる働き方の方もあってもいいんじゃないかと思います。さしあたって私は、有給休暇日の範囲内で場所ごとに一日相撲を観戦にいけるように契約したいです。

  おまけ
 中国の一部の企業は年度末などのボーナスが物納で行われるそうです。多分クリスマスプレゼントみたいに決められた金額の範囲内で社員の希望の品を会社が買ってプレゼントするのだと思いますが、これだったら会社の経費で処理できるので、日本にあっても悪くないと思います。なお昔は中国の公務員もこれだったらしく、旧正月の前に魚とか大根を持って帰る官僚がたくさんいたらしく、あの頃の方がアットホームで良かったと懐かしがっている官僚も少なくないようです。

2 件のコメント:

banker さんのコメント...

社長と語意通りに捉えるのではなく、おそらく、個人主義的な職場の人間関係の形成を主張したのではないでしょうか?

と、体育会出身者に虐げられる私の推測ですが。

花園祐 さんのコメント...

 うん、ぶっちゃけ書きながら元の主旨とどんどん離れて行っちゃった様な記事ですが、私の言いたかったのは「会社組織において個もっと人の範囲が広がってもいいんじゃないか」ということです。
 画一的というのはそれはそれで平等ですけど、今では正社員の中の画一性だけ守られて、正社員の中に入れないとおおきくはじかれるため、無用な範囲まで正社員の画一化が行われているのではと思ってこの記事を書いてみました。