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2009年5月15日金曜日

民主党代表選挙について

 やや出遅れた感がありますが、今日はこの数日間の間ずっとトップニュースで報道されている明日投票の民主党代表選挙についてです。小沢前代表の突然の辞任によって会期中にもかかわらず行われた今回の代表選ですが、私の目からすると代表選の中身より、それを報道する周囲のマスコミの側に迷走が見られたような一週間でした。

 まず今回の代表選の日程についてですが、辞任から約一週間という実に短期間で投票が明日行われるため、政策の中身などが議論できず拙速すぎるのではという意見が民主党内の議員やテレビの評論家などから寄せられましたが、私はこのような批判やや見当違いなのではという気がします。というのも既に書いていますが現在は国会の会期中でして、その途中で最大野党の民主党代表の選挙戦を長々やってしまえばその分だけ審議の遅滞につながってしまうため、恐らく今この選挙期間の短さについて批判をしている方たちの大半は長くしても批判していたであろうと思います。私としてはこの場合、やはり国会の審議を優先するべきという立場から選挙期間をこれだけ短くした民主党前執行部の判断を支持します。

 次に候補者についてですが、前評判どおりに鳩山由紀夫前幹事長と岡田克也元代表の一騎打ちとなりました。この両者が立候補することは小沢前代表の辞任直後から有力視されており、実際に立候補した際も規定路線とばかりにそれほど大きな反応はなく、この二人のどっちが次の代表になるのかと選挙戦の行方にばかり注目が注がれていたように思えます。しかしこれは一昨日のワイドショーにてある評論家がコメントしていた内容ですが、仮にこの選挙戦に年金の追求で一躍名を挙げた長妻昭氏が立候補していたらどうだったのだろうかと、面白い仮説を立てた方がいました。
 よく岡田氏は民主党内でもクリーンなイメージが強い政治家だと言われていますが、はっきりいいますがクリーンさから年金問題での追求の実績といい、国民からの高感度で言えば長妻氏の方が岡田氏をはるかに上回っているでしょう。強いて長妻氏に足りないものを挙げるとすれば党役職の経験と年齢ですが、実際に代表に就任できないにしろもし選挙戦に出ていれば議論も深まり、色々と面白かったのではないかと思います。

 では鳩山氏と岡田氏、どちらが代表にふさわしいのかですが、私としてはどちらも程よくいいのではないと見ているのですがどこのニュースでも、「クリーンさから国民的人気で言えば岡田氏だが、党内情勢から察するに鳩山氏が勝ってしまうだろう」という、なんだか岡田氏にどこも勝ってもらいたいかのような報道ばかり目に付きます。確かに岡田氏は真面目そうで私も嫌いではないのですが、仮に岡田氏が勝った上にその後の総選挙で民主党が大勝して彼が総理大臣につくとなると、あのフランケンシュタインを髣髴とさせる生真面目な顔で外交や行事などの露出の多い仕事を、果たしてやっていけるのかなと一抹の不安を感じます。まぁそれを言ったら鳩山氏も宇宙人っぽい顔をしているので大差ないかもしれませんが。

 それにしても今回の代表選の報道の仕方ですが、私からするとやや目に余る解説が多い気がします。さっきも言ったとおりにどのマスコミも「世論は岡田、党内は鳩山」と、この程度であれば別に問題はないのですが、一部のコメンテーターからは、「鳩山では小沢の影響が強すぎる」とか「小沢の路線を引き継いでしまう」など、前幹事長だったという経歴から以上のような批判が数多くなされているのですが、これまた昨日の朝のニュースで評論家が言っていた言葉ですが、「小沢のどんなところを引き継ぐのがよくないのか、そうしたことに何も触れないまま鳩山氏を批判する輩が多い」という指摘があり、私もまさにその通りだと思いました。

 引き継ぐのが小沢氏の政策目標なのか、それとも西松事件での献金構造なのか、どっちにしろ鳩山氏がこれらの点で小沢氏と同じかとは到底思えません。仮にあるとすれば鳩山氏が小沢代表時代に幹事長であったという事実ですが、もしこれだけでさっきのような批判をしているとすれば中身よりも外見の議論になってしまいます。
 また西松事件以降に鳩山氏が一貫して小沢氏を庇っていた事を批判の材料にする人もいますが、幹事長という役職なんだから庇って当然でしょうし、そんな立場にありながら選挙に良くないから早くやめろと勧告する方が私はかえって問題な気がします。

 むしろ私はあの騒動の際、鳩山氏が一貫して小沢氏を庇い続けながら党内の結束を呼びかけたのを高く評価しています。鳩山氏も当時言っていましたが小沢氏のあの事件での責任をどうこう言い合うより、党内で意見が割れる姿を国民に見せることが一番よくないと考えており、オフレコで直接小沢氏に直接辞任を促すのならともかく早々にマスコミの前で早く辞めるべきと言った前原誠司氏に対して政治家としての資質をやや疑いました。第一、あの西松事件自体がおかしな捜査なんだし。

 とはいえ岡田氏は岡田氏で真面目に着実に政策に取り組んでくれそうな期待感もあるので、この記事ではやや鳩山氏を持ち上げることばかり書いていますが私は最初に言ったように別に岡田氏がなっても民主党的にも、国民的にもまぁいいんじゃないかなと思っております。なにが一番問題なのかといえば今の麻生首相が居座ってなかなか選挙を行わないのが問題で、ポスト麻生の最有力候補の与謝野馨氏も今日の発言で、「鳩山氏ではいざという時に逃げる印象がある」と言っていましたが、あれだけ霞ヶ関埋蔵金はないと言っていたくせにちゃっかり今年の予算に大臣として組み込んだあんたが言うことかと、こちらも資質を疑う発言でした。

 最後に一つ気になったこととして、どうして今回はあの出たがりの菅直人氏が出なかったのかなという疑問があります。この点についてどこのマスコミも触れておらず、しかもあまりチェックしてはいないものの菅氏の代表選に対する意見もまだ一度も見ていません。どうしちゃったんだろうなぁ(´Д`)?

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