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2011年4月3日日曜日

石原都知事への自民の許せない公認

 現在東京都では都知事選が行われており、来週十日には開票される予定です。今回の都知事選の主な立候補者は現職の石原慎太郎都知事をはじめ前宮崎県知事の東国原氏、ワタミ社長の渡辺美樹氏、共産党の全国会議員の小池晃氏など、選挙内容から知名度の高い候補者が集まっております。
 こちらで聞く情報では現在石原氏が優勢で選挙戦が進められていると聞きますが、今回の都知事選について、というより石原氏の出馬についてかねてから思うことがあったのですが今までは敢えて何も書きませんでした。恐らく私が書かずとも誰かが同じことを書くだろうと見ていたのですが、どうも今日に至るまでネット上のニュースでそのような内容の記事を見当たらなかったのでこの際書いてしまうことにします。

 まず結論から言って、私は石原氏には都知事の資格はないと思います。
 今回の任期中で石原氏はオリンピックの東京都招致に失敗しておりますが、招致失敗は時の運もあるのでいちいち責めたりはしませんが、東京都が今回の招致活動である広告代理店にわずか数分のPR映像作成費として、数億円(確か十億円だったような)を支払った点はちょっといただけありません。もちろん招致失敗後にこの費用について問題となりましたが、石原氏は招致失敗を含めてさも映像を作成した広告代理店に問題があるとして、招致失敗後にその広告代理店に費用の一部返却を要求しました(実際に返却されたかどうかまでは私は未確認です)。

 前にある評論家が言っていましたが、石原慎太郎ほど問題が起こるや責任逃れに走る男はいないという評価通りに、このオリンピック招致失敗時も、「都民があまり熱心でなかったからだ」などと、自己の責任には一切触れずにただ周囲を批判するだけでした。また以前の任期中に起きた新銀行東京の不良債権問題でも、散々自分が主導して設立したにもかかわらず経営陣が無能だったからと切って捨てています。
 ここ数年の石原氏の都政を見て、生憎ですが私はこれという評価すべき点は見つかりません。そして極め付けが例の、東日本大震災を「日本人への天罰」といった発言です。

東日本大震災:石原知事「津波は天罰」(毎日新聞)

 内容はすでに皆さんもご存知かと思うので詳しく説明しませんが、はっきり言って口が滑ったとかそういうものではなく私には石原氏の本心から出た発言だと思えません。無論このような考え方は人として理解することが出来ず、遠慮なく言わせてもらえば人格を疑う発言です。こんな人間が責任あるべき地位にいていいのか、即刻辞任すべきではないかと発言があった当時は強く感じました。

 この一点だけでも私は石原氏の再選は到底承服し難いほどに怒りを覚えるのですが、その一方で石原氏を公認して応援する自民党に対しても今回の都知事選には深い怒りを覚えます。というのも自民党はこの石原氏の発言とよく似た、「大阪にとって天の恵みというと言葉が悪いが、本当にこの地震が起こってよかった」と発言した、長田義明前府議会議長を先日告示された大阪府議選での公認を取消しているからです。

「地震は天の恵み」 “失言”府議会議長 自民が公認取り消し(産経新聞)

 公認を取消したのは自民党大阪府連で現在石原氏を応援する党本部との違いはありますが、同じ不謹慎極まりない発言をしながらも片方では公認が取消され、片方は以前と変わらず応援されるというこの自民党のダブルスタンダードは如何なものかと思います。
 ただこの背景についてもう少し詳しく話すと、現自民党幹事長は石原氏の長男の石原伸晃氏で、そうしたことがこのダブルスタンダードの成立に一役買っているのかもしれません。ただいくら肉親とはいえ上記の石原氏の発言を無視するというのは政治家としては許されるものとは思えず、むしろ肉親だからこそここは引導を渡すべきではないかと考えていたのですが、選挙前に伸晃氏は何度も出馬要請を行い続けてきました。

 私は正直に言って、石原氏の発言はその内容や彼の地位を考えると長田前議長以上に問題の多い発言だったと考えております。本人も発言した当初は意に関せぬ態度でしたがその後は謝罪しております。しかし謝罪以前の問題で何度も言いますが人格的に大きく問題のある発言です。
 無論都知事を誰に選ぶかは都民が決めることです。しかし一個人として今回石原氏が再選することは納得できないということを記録するため、こうして記事にまとめることにしました。

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