2011年4月28日木曜日

各時代における庶民の生活

 このごろ歴史系の記事が減っているのでちょっと補充とばかりに一本入れときます。
 さて歴史漫画では大きな歴史の動きを紹介するとともによく庶民の生活風景も描かれていますが、実際のところ過去の庶民生活の実態というのはほとんどわからないそうです。基本的に歴史資料というものは大名や天皇といったビッグネームな人たちについてはいろいろまとめられているものの、一般庶民についてはその風俗から食生活まで書かれたものはまったくと言っていいほどなく、なんと江戸時代においてすらも首都であった江戸町人の生活を除けばあまりわかっていません。

 そういったあまり調査が進んでいなかったという背景から、言い方は悪くなりますがこれまで社会主義思想の強い人間が結構好き勝手なことを教育現場に吹き込み、昭和に至るまで日本の一般庶民はずっと支配階級に虐げられたなどと実証もないくせに教えられてきました。特に江戸時代については幕府が厳しく統制したとして、まだ教えているのかまでは知りませんが私が小学生だった頃は名前も忘れましたが農民を統制するため五つの指針を出したとして、やれ酒を飲むなとか夜は縄を結わえだとか、実態から非常にかけ離れたことがかなり平気で教えられていました。
 では現実の江戸時代の農民の生活ですが、社会保障が弱かったために飢饉が起こった時は非常に厳しかったものの、作柄が平穏だった年は当時の他国と比べても裕福な生活だったのではないかという説が近年強まっています。特にそれを強く表すエピソードとしては開国後に日本にやってきた外国公使達の記録で、イギリス人のオールコックが書いた「大君の都」では、

「我々は野蛮な民族に文明を教えるつもりでこの国にやってきたが、日本の国の住民らは上から下まで皆幸福そうに生活を送っており、これほど貧富のない国は今まで見たことがない。彼らを見ていると、我々が文明を教えて現在の彼らの生活を変えてしまうのは間違っているのではないかとすら思う時がある」

 などといった内容の記述を残しております。
 もっとも農民の生活も地域によって非常に差があったとされ、米所とされていた地域と本来は石高に加えない雑穀を加えて無理やり公称90万石としていた薩摩藩とでは暮らしぶりは全然違っていたでしょう。ただ全体的に言って、江戸時代の農民はこれまで教えられていた内容ほど悲惨な生活は送っていないものと私は考えております。

 では江戸時代以外はどうかとなると、恐らくこの辺となるともはや全くわからないというか史料がないのが実情です。時代劇とかで庶民もいろいろと描かれるものの、まだ服装とかならともかく生活実態は史料が全くないため実証的な内容はほぼ皆無です。奈良、平安時代に至っては万葉集とか貧窮問答歌で歌われているようなものしかないように思え、そこで書かれている悲惨な暮らしぶりが一般のイメージになっているような気がします。
 ただ奈良時代はともかく、平安時代の一般庶民の生活は非常に苦しかったのではないかとこちらも勝手に推量してます。何故かというと当時は平将門の乱を筆頭に反乱が相次いでおり、また菅原道真の祟りなど異常気象を連想させるような事件が数多く散見され、天候不順や平均気温の低下による飢饉が頻発していたのではないかと見ています。確証はありませんが。

 個人的に一番興味があるのは鎌倉時代の生活で、地方武士を含めどんな生活が送られていたのかをいろいろ知りたいです。私は日本史全体における特別な時代というのは明治から昭和前期と、この鎌倉時代だと見ており、金と暇があれば専門的に研究をしてみたいくらいです。何故鎌倉時代が特殊な時代なのかですが、また機会があれば紹介します。

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