2012年8月26日日曜日

平成史考察~BSE騒動(2001年)

 以前から平成史をトピックごとにまとめて書きたいと考えていたので、本日より不定期にこの「平成史考察」という連載を開始します。イメージ的には昔やっていたテレビ番組「所さんの20世紀解体新書」みたいな具合で平成時代におけるヒット商品や象徴的な事件を自分の視点と共に扱っていこうと思っています。
 そんな栄えある第一回は、恐らく多くの人が「そんなのあったなぁ」と思うのではないかと思うBSE騒動を紹介します。

BSE問題(Wikipedia)

 BSEというのは正式名称は牛海綿状脳症で、通称として狂牛病と呼ばれております。ウイルス性の病気ではなく諸説出ておりますが現時点ではタンパク質の変異によって起こる病気とみられており、感染した牛の特定部位を食べることで人間も感染することが確認されております。といっても感染確率は非常に低く、また脳や脊髄といった特定部位以外であればほぼ感染しないといわれておりますが、この病気の何が怖いかというと艦船から症状が現れるまで5~15年以上はかかると言われており、いつどこで食べた物が原因なのか感染源がわかりづらい、知らないうちに感染しているという可能性が恐ろしがられております。
 このBSEが初めて大きく注目されたのはイギリスで、感染死亡者もイギリスに集中しております。なお余談ですがBSE感染牛が龍注していた頃のイギリスに渡航経験のある日本人は献血が禁止されており、時期が違ってもイギリスに渡航していればいろいろと細かく確認されます。私自身も2004年にイギリスに行ったことがあり、献血の度にきちんと申告して面談を受けておりました。

 このBSEが日本で初めて大きく取り挙げられたのは2001年で、国内で初めて感染牛が見つかったことからでした。感染ルートはイギリスで感染していた牛が処分された際、ミンチにされ肉骨粉と呼ばれる飼料となり、それを日本の牛が食べたことから感染したと言われておりますが可能性は高いと言ってもはっきり言って確証はありません。
 当時、一頭目が見つかった際のインパクトは非常に大きく、テレビ番組から書籍までBSEの症状やイギリスの事例の解説など文字通り一色となりました。またその後の追跡調査で立て続けに全国で感染牛が見つかり、感染牛を確認した獣医師が自殺するなど軽いパニックと言ってもいい状況だったと私も記憶しております。

 このパニックで影響を受けたのは言うまでもなく牛肉を取り扱っていた酪農家や外食産業で、各地の焼肉屋では閑古鳥が鳴きスーパーでも高級牛肉が安値で買い叩かれるなど、今思うと凄い状況でした。ちなみに地元の焼肉屋はこういう時こそ支えねばと当時の休日はうちの親父とよく訪れ、また高級牛には肉骨粉のような安いエサは使わないだろうから飛騨牛をお袋に毎日買ってこさせてたらふく食べてました。当時から十年経ちますがまだ症状は出てないから大丈夫だと考えてるけど。

 話は逸れましたが当時は国産牛を使った料理は完全に締め出されたと言ってもいい状況で、関連する業界では倒産が相次いだと言います。こうした状況から政府も救済策を出し、国産牛に限って政府が全量を買い取るという措置を出したところ、皮肉なことにこれがきっかけで雪印乳業のグループ会社であった雪印食品は倒産する羽目となりました。
 雪印食品はちょうどBSE騒動が起こる前年の2000年に雪印集団食中毒事件を起こしていたことから経営状況が悪く、制度を悪用する形で外国産の牛肉を国産と偽り政府に買い取らせようと図りました。もっともこの企みは雪印食品が偽装に利用しようとした冷蔵会社の西宮冷蔵から内部告発を受け発覚し、元々悪かった企業イメージが完全に潰れてしまいそのまま倒産へと追いやられることとなりました。ただこうした偽装工作は雪印食品に限らず、日本ハムも行っていたことから大なり小なりであちこちやられていたのが実態だと思います。日本ハムもこの時に企業イメージが相当悪くなりましたが、傘下球団のファイターズに2004年、新庄剛志選手が入団して劇的にイメージが刷新されたとうちの親父が分析してますが、私もこればっかりは親父の言う通りだと思います。

 少し話が長くなりますが、この時の牛肉偽装でハンナンの浅田満元会長も2004年に逮捕されることとなります。私も以前にブログで記事を書きましたが浅田氏は知る人ぞ知る部落団体の幹部で、彼が事件で逮捕されることはおろかメディアに名前が出ること自体がある意味奇跡だったという指摘があります。また私見ながら浅田元会長の逮捕以降、奈良、大阪、神戸の部落三都物語ともいうべき部落出身の市役所職員の問題行動が急にメディアで報じられるようになり、この牛肉偽装事件が一つのブレイクスルーとなったのではないかと私は見ております。

 あともう一件、これは雪印食品の事件ですが内部告発を行った西宮冷蔵ですが、告発後に偽装に関与したとして7日間の営業停止命令を受けることとなりました。営業再開後も取引先からの受注はなくなり、本当に変でおかしな話としか言いようがありませんが不正を許さずに内部告発をしたがゆえにそのまま休業へと追い込まれることとなりました
 私はこの事実を後年にテレビで報じられたドキュメンタリーで初めて知りましたが、正直に言ってショックでした。西宮冷蔵の社長によると、従業員が雪印食品の強い懇願を受けて独断で偽装工作に手を貸したそうですが、朝日新聞がそれを嗅ぎ付けて接触してきたことから初めて事実を知り、当初は雪印食品に「国産牛と外国産牛を間違えてしまった」と申告させることで穏便に済ませようと図ったそうです。ただこの提案を雪印食品は拒否し、告発すれば会社は多大なダメージを受けることはわかっていたもののそれでも告発に踏み切ったそうです。なお告発後、雪印食品の社員は謝罪に来られたそうで、社長が言うには「怒られるかと思っていた」そうです。

 その後の西宮冷蔵ですが、梅田駅前でカンパを募り見事に営業再開にこぎつけ現在も活動を続けております。ただ現在においてもそうですが日本は内部告発者を保護する法律がなく、むしろ情報遅漏罪で捕まりかねないくらいに法整備が遅れております。ウィキペディアを見ますとやはり今でも内部告発者の指名を告発対象者にばらすなどといった事例が相次いでおり、十年前から何も変わっていないのかとげんなりさせられます。先の部落問題といい、本筋とは別に現代社会に通じるものが多い事件だったというのがこのBSE騒動に対する私の感想です。

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