2013年1月27日日曜日

続、教員の早期退職問題について

 先日書いた「教員の早期退職問題について」の記事で少し気になるコメントがあったので、今日は一つこの問題で追加記事を書くことにします。それにしても前の記事書いた金曜日は酔っぱらった状態で夜遅く家に帰ってきて、なにかちゃっちゃと書けるネタないかなと思って適当に書いた記事だったのにやけにコメント伸びたな。

 話は本題に入りますが、その気になるコメントというのは「教員を含む公務員の退職金は平均で2700万円程度で、今回の給与改定に伴い減少する額は150万円程度で、減少した後も民間と比べて約15%高い」という内容です。このコメントの中で気になったのはそのまんま2700万円という金額なのですが、この金額が民間と比べて15%高いという記述が果たして本当なのかと強く疑いました。なので今日は面倒くさい仕事が片付いた週末ということもありちょこちょこ調べてみましたが、ほかの報道などを見る限りだとどうやらこの数字の根拠となっているのは下記の人事院の調査結果からのようです。

民間の企業年金及び退職金の実態調査の結果並びに当該調査の結果に係る本院の見解について(人事院)

 人事院というのは読んで字の如く公務員の人事や給与を決める機関なのですが、はっきり言って私はここの連中は信用しておらず胡散臭い組織だと考えています。そう考えるきっかけとなったのはまさに今回の給与改定で、民主党政権時に政府が人事院が勧告した数字以上に公務員給与切り下げを断行しようとした際、実際にはそんな条文などないにもかかわらず「人事院の勧告に政府が従わないのは憲法違反だ」と恥ずかしげもなく堂々と言ってのけて、なんなんだこいつらと怒りを通り越して呆れたことがあったからです。この時は最終的に政府が押し切って微減ではあるもの切り下げが断行されたのですが、今回こうしてその議論のベースとなる人事院が調査した民間平均の金額を調べてみたところ強く疑問を感じる金額であり、はっきり言ってしまえば自分たち公務員が多く受け取るために統計を操作しているのではないのかという印象を受けました。

 順を追って説明しますが公務員給与というのは民間企業の平均給与を調査・算定した上でその金額に合わすような制度となっております。ただこれまでも調査対象となる民間企業は上場企業など大企業が多く、いわばてっぺんの上澄み部分だけを取って実際の民間平均以上に高い給与を公務員は受け取っていたという批判がありました。
 今回私がやり玉に挙げている退職金も基本的にこの人事院が自分で調査して決めているのですが、昨年にこいつらが発表した退職金の民間平均額は2547万円で、公務員の2950万円より低いとしてます。そこで歩み寄るために今回引き下げるという話なのですが、そもそも民間平均が2547万円に達するのか、自分の感覚からして正直言って信じられない金額です。

 あくまで私の感覚ですが、周囲から見聞きしている範囲だと大体1000万円前後のような気がします。もっとも私の会社に至っては単位時間当たりで最低賃金をブッチしている上に退職金制度自体ありませんがそれは置いといて(置いときたくないが)、肌感覚から言ってこの数字は実態から乖離し過ぎている気がしてなりません。そこでほかの機関が調査したデータはないのかと調べてみたところ、5年前になりますが東京都産業労働局が同じような調査を実施しておりました。

公務員退職金水準引き下げ案再浮上、民間データの怪しさ
 民間企業の退職金水準2547万7千円、これはどこの企業の平均なのか?
(日本生活設計)

 日本生活設計さんが上記ページで東京都産業労働局と人事院の調査データをきれいに比較しているのですが、東京都産業労働局が出した中小企業が出した退職金額の平均額を抜粋すると以下の通りです。

<大卒者の企業従業員数別平均退職金額>
100人から299人:1401万円
  50人から99人:1117万円
  10人から49人:1265万円

 見てもらえばわかる通りにどれも1000万円強です。従業員数1000人以上の大企業だったらもうちょっと行くでしょうが、日本の従業員数の大半は中小企業に属していると考えると、全体平均では人事院の調査結果のように2000万円を突破することは考え辛いです。また上記の東京都産業労働局のデータは東京都内限定であることを考慮すると、より零細企業の多い地方を含めた全国平均だとさらに下がる可能性が高いです。
 日本生活設計さんもこうしたデータを元に人事院にツッコミ入れておりますが、私個人としても同じテーマの調査で1000万円超も数字が乖離するなんて有り得ないように思えます。となるとどちらかが統計を歪に操作していることとなるわけですが、先ほども言ったように私の肌感覚からすると今の日本の退職金額は1000万円前後で、そうした見方からすると東京都産業労働局の方が信頼性を感じます。

 久々に長々書いてきましたが、結論を言いますと「公務員の退職金額は民間より15%高い」という意見に対して私は「15%どころではなく2倍超なのでは」と言いたいわけです。もちろん、公務員とはいっても教員の退職金額が約2700万円かどうかはわかりませんが、仮に2000万円を超えるというのであれば民間に比べ非常に優遇された金額であると断言できます。
 だからといって退職金額が減額される前に早期退職する教員に対して、前の記事にも書きましたが批判する気は私にはありません。多くもらえるのだったらそっちの方向に動くのが人間の常ですし、それぞれに生活があるのだからとやかく言うべきではない、そして何よりこれは友人の口癖ですが私は他人の生活にそこまで興味がありません。それでも二言だけ申すと、退職される教員の方はこの金額が非常に優遇された金額であることだけは意識してほしいのと、公務員の退職金額はもっと下げた方がいいのではという提言です。民間に合わすというのであれば、現行の2分の1でもいいのではないかと思います。

 最後にこれは前の記事のコメント欄にも書きましたが、この問題で真に批判すべき対象は中途半端な時期に給与改定を行った行政側であるはずだと思うのに、何故だか振り回された当事者である教員へ批判が集中し過ぎているように見えます。何故教員に批判が集中するのか、はっきり言いますがこれはメディアの報道の仕方が原因だと思います。ネットニュースとNHKしか見ていませんがどちらも早期退職する教員がさも無責任な人間のように報じている上、行政への批判がなんかやけに緩い気がします。
 そもそも何故直前ともいえるこの時期に急にこの問題への報道が増えたのか、細かいことですがこれも疑問です。言いたいことを言ってしまうと、何か意図があってどこかがこのニュースを報じるように仕向けたのではと作為的なものがある気がします。具体的にどこがどんな意図で流そうとしたのかまではまだ目測がついていませんが、非常にきな臭いニュースだなとよく感じます。

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