2013年6月19日水曜日

ワタミ会長に対する私の印象

 前回の記事で私はブラック企業という言葉が普及して久しいが、いつの間にか日本ではブラック企業が世の中に存在することを誰もが当たり前に思う世の中になってしまっていることに懸念を示しました。その上で一部のブラック企業は悪びれるどころか自らの違法な経営ぶりを堂々と、むしろ自慢げに主張しており、その代表格と言ってもいい会社として居酒屋チェーン運営「ワタミ」を名指ししましたが、今日はここの渡邉美樹会長に対する私の印象を書いてこうと思います。結論から言うと私はワタミでバイトしたこともなければ渡邊会長と直接会ったことも話したこともないという縁もゆかりもない身ではありますが、やはり人間の資質としてみた際にこの人は如何なものかと思う人物です。

 まずワタミがどれだけブラックな会社かというと、説明するのなんだか馬鹿馬鹿しい気がしますがいくつか有名なエピソードを箇条書きで書いてきます。

・従業員に対する社内文書に「365日24時間死ぬまで働け」と書いてあった
・死ぬまで働けと要求する一方、「ワタミの従業員は家族であり労使一体だ」という主張の下で労働組合の結成を認めていない
・労働組合も存在しないのに、勝手に時間外労働時間を雇用者側のみで規定していた
・入社2ヶ月目の26歳の女性が自殺。自殺1ヶ月前の月の残業時間は約140時間で、このほか休日中にもボランティア活動や社員研修なども強制されていた
・老人ホームを運営するグループ会社「ワタミの介護」の運営施設内で、体調急変によって死亡した男性の遺族に対し渡邊会長は「1億欲しいのか」という言葉を吐いたとされる

 どれ一つとっても十分にブラック認定できるほどのエピソードばかりですが、細かいのを上げるとまだまだ出てきます。さらにタイミングがいいというか、今日はこんなニュースも出てきました。

渡辺美樹理事長の学校法人 生徒に反省文100枚書かせるなどして退学者続出(週刊文春)

 上記のニュースは渡邊会長が運営する(2003年から参加)学校法人の郁文館夢学園で、100人弱いた教職員が2年間で30人辞めたほか、今年卒業した学年では生徒約160人のうち10人以上が退学していたということが報じられております。あと記事中で面白かったのは、教員の携帯電話番号を生徒に教えさせた上で、「365日24時間電話していい」とも言っていたそうです。「365日24時間~」というフレーズがきっと好きなんだろうな。

 遠慮なく言わせてもらうと、本当に頭のおかしい企業と会長だなと思います。もっとも、世の中広いんだしこういう会社の一社や二社あってもおかしくはないと思うのですが、渡邊会長については最初にも述べたように自らのやっている行為を悪びれる様子なく、むしろ如何にも自分が正しいかのようにいろんな場所で主張していることに対し不気味さを通り越して呆れてきます。でもって明らかに労基違反をやっていると堂々と主張しているのに対し、行政が取り締まらないというのも凄い国だとも思えてきます。

 もう少し渡邊会長について私の印象を述べると、見ている限りだとやはり権力欲というか社会的地位に対する執着が本当に強い人だという気がします。飲食チェーン企業の運営の傍ら学校法人の理事長に就任したのもその表れですし、かなり早い段階から政界への進出も考えていたことでしょう。恐らく彼の頭の中では総理になることも夢じゃないと考え、本気で狙ってるんじゃないかとも思えます。この辺、折口雅博氏とよく似ている。
 そういった個人の思考に対して私は批判するつもりはないし、高い上昇志向を持つことは基本的に悪くはないと言い切れます。しかし私が渡邊会長を好きになれないのは、そういった自分の欲望達成のために平気で他人をドブに突き落とし、またそういった行為にまるで負い目を感じていない所があるからです。

 漫画の話で申し訳ないのですが「ジョジョの奇妙な冒険」の第6部(7部が最高)にエンリコ・プッチというキャラクターが出てきます。このキャラクターは言うなればラスボスなのですが、目的達成のためなら他人を平気で踏み台にするようなキャラで、ある別のキャラクターからは「お前(プッチ)は自分が『悪』だと気づいていない、もっともドス黒い『悪』だ」と評されております。
 「ジョジョ」の作者である荒木飛呂彦氏はこれ以前にも、「悪の定義は人それぞれに違うし状況で変わってくるけど、他人を踏み台にする人、これは絶対に誰が何と言おうと悪だと思う」と述べており、「ジョジョ」に出てくる悪役は上記のプッチを始め7部のファニー・バレンタインなど多かれ少なかれこの要素を含んでおります。

 自分の欲望のために他人を平気で犠牲にして、その上、自分の行為がまるで何も間違っていないと信じ切っている人間以上のカスは存在しないと私も思います。部外者ながら差し出がましいとは思うもののそれでも一言言わせてもらえば、ワタミの従業員らはもっとストライキとか実際に行動を取った方がいいと思います。現場が止まれば完全に業務がストップするのだし、現場同士で連絡を取り合うなど、場合によっては外部組織に支援を頼んだっていいのだから何か実行に移すべきではないかというのが一つの今日の私の意見です。

  おまけ
 上記のストライキをなんで起こさないのかと関連しますが、先週末に友人と話した際に友人が、「最近の若者は『連帯』がないよね」と話していました。ルームシェアも嫌がるなど、一緒に何か行動を取ろうとする若者が少ないと主張したのですがある程度話し終えると、「まぁ連帯って言ったらワレサが出てくるんだけどさ」と、まさに自分が言いたかったことを先に言ってきました。高校受験とかで世界史を勉強していると、「連帯」と聞くと条件反射的に「ワレサ」が出てきてしまい、これはこれでどんなものかなと二人で笑ってました。

2 件のコメント:

  1. 片倉(焼くとタイプ)2013年6月20日 21:04

    仏教学者のひろさちやの本にこういう一節があります。努力して成功者になった人間は他人に
    対して狭量になり見下す傾向がある。自分がこれだけ努力して成功したのだから、他人も努力
    すべきだという思いにとらわれてしまう。そして他人の努力が足りないようにみえてきて
    そして弱者や失敗者に対しての思いやりを忘れ、「お前たちは必死で努力しなかっ
    たから失敗したんだ」と糾弾する傾向がある。そこには仏教にとって大事な弱者に
    対する思いやりが無い。と言っています。
    渡邉美樹の経歴や発言を見ると、ひろさちや氏のいう「努力した成功者」そのものですね。

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    1.  いやおっしゃる通り。渡邊会長自身もことある毎に佐川ドライバー時代のことを自慢げに語っていますが、過去の努力体験より今どれだけ努力しているかをもっと示したらと言いたいもんです。それこそ、自分が従業員に課している現場労働を半年でもいいからやってみたらどうっていう具合に。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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