本日、都内某所(水道橋駅近くの日大キャンパス内)でHSKという中国語の資格試験を受験してきました。このごろブログ更新を休みがちだったのはこの試験対策が第一ですが、そういっている割にはパワプロやっている時間の方が長かったような気がします。我ながら、真面目にやれよなぁ。
まずHSKについて簡単に説明しますが、これは中国政府が主催する中国語能力試験で、元々は中国国内にいる中国語を母語としない少数民族出身者が大学入学するに当たってその中国語能力を測るために作られました。現在では中国語を学ぶ外国人向けにアレンジが進み、中国にある大学に本科生として留学する条件としてHSKの資格を要求する大学もあります。
HSKについて私なりの評価を述べると、少なくとも中国語検定よりは信用が出来ます。というのも中国語検定は上級になるにつれて「こんなの実生活でまず使わないだろう」という文語的表現を問う問題が多くなり、あまり実践的とは言えない試験です。それに対してHSKは問題がややシュールなのが多いですが日常的な話題が多く、なおかつヒアリング問題に良い題材を取ってきているので私が人事担当なら中検は無視してもHSKはちゃんと見ます。私はこのHSKを大分昔、北京で留学中に一度受験し、当時1~11級(数字が高いほどランクが上)ある中で7級を取得しました。ただその後で制度が変わって現在のHSKは1~6級の6ランクとなったので、今年3月に5級を受験して無事合格。でもって今回は最上級の6級を受けてきたというわけです。
だいぶ前置きが長くなりましたがそんなわけで、今日は自分の体験からこのHSKの5級、6級対策について書いてみようかと思います。それにしても5級はともかくとして、6級はまだ受かったかどうかも分からないのに書き出すのが私らしい。
まず5級、6級がどのくらいのランクなのか私なりに評価を述べると、5級を取得していれば間違いなく中国語上級者と言っていいと思います。曲がりなりにも中国語の翻訳ライターをやっていた身から言わせてもらえば、私自身は翻訳の仕事を始めた当時だと5級を取得できたかどうか怪しいレベルだったように思え、ワンランク下であることを前提とすると4級取得くらいの実力があれば翻訳ライターはやれるんじゃないかと思います。もっとも翻訳ライターは中国語の能力以前に日本語の文章力が問われますが。
まず5級、6級に共通する点から述べていきますが、どちらもヒアリング、読解、作文の3部門にテストが分かれており、それぞれ100点ずつ、計300点の配点となっております。合格ラインは6割、つまり180点以上となっているため、ぶっちゃけヒアリングが20点、読解が80点、作文が80点でも合格となります。日本人は欧米人に比べて漢字を初めから理解しているため読解問題で高得点を叩きだす傾向があるため、厄介で運の要素も絡むヒアリングを補うために8割くらいの得点を狙うべきでしょう。
では5級をどんな問題があってどんな対策が必要かですが、ヒアリングに関しては短文を述べる形式と対話形式の2種類の問題が出てきます。短文形式はそのまんま内容と一致するものを選択肢から選ぶので対策は特にありませんが、対話形式については選択肢に紛らわしいものが非常に多くて私自身としては非常に苦手でした。ここだけの話、ヒアリングだけなら6級の方が簡単だった。
読解問題は非常に基本的な文法を聞いてくることが多いので地道に勉強をするのが第一ですが、後半に比較的長い文章を読む問題が用意されており、長文に慣れていない人はペース配分をしっかり考えて取り組む必要があります。なおその長文問題ですが、こちらはひっかけなどが少なくじっくりとしっかり読めば確実に点を取れるところなので、運も絡む前半の細かい文法を問う問題はぱっぱとやり過ごしてしまうことをお勧めします。
そして最後の作文問題。これは2種類の形式に分かれててまず最初に用意されている単語を組み立てて文章にする問題が出されます。私が最初に5級の問題集で対策をした時にこの組立て問題の正解率があまり良くなくてちょっと手こずったのですが、対策というか傾向として「是~的(~は~だ!)」という構文が多く、この構文を意識して問題を見ることで正解率が高まりました。
作文問題のもう一つの問題形式はその名のとおり作文で、用意されている写真を見て何かしら好きなことを200字で書けと出題されてます。ひとまず文字数を稼ぐことに集中して私は書きましたが配点はどうなってるかわからずどんなものかと気を揉んでましたが、結果は合格だったので文法とかにこだわるくらいなら適当な内容で文字数埋める方がいいでしょう。
話は移って6級。基本的な問題構成は5級と同じですが、ヒアリング問題は5級と比べてかなり長大な会話文が出てきます。具体的にはテレビやラジオでのインタビュー文が出てきて今日受けた奴なんか女性漫画家のインタビューでした。これは全文聞き取るのはかなり至難の業ですが、そのかわりに出される問題は比較的簡単なので何度か練習すれば正解率は上がると思います。でもって読解問題は基本的に5級と同じで難しさもそう変わりません。
逆に大きく変わるのは作文問題。こちらは長文を10分で読んだ後に同じ内容を400字前後に中国語で要約せよと出されます。何度か練習してきたものの今日の試験ではなかなか手ごわく、配点もわからないだけにどんな成績が出るか全くわかりません。ヒアリングと読解は大丈夫だとは思うんだけど。
あまり対策の話をすることが出来ませんでしたが、基本的には問題に慣れることが大事なので公式問題集などを繰り返し解くことが重要だと思います。特に6級の作文問題は模範解答でもいいと思ったのでそれをそのまま書き写すなどして私は対策しましたが、何もしないで臨むよりかはよかったと思います。
おまけ
過去問にあった作文問題の内容でこんなのがありました。
「デート中に寄った喫茶店で男が緊張のあまりウェイターに塩を持ってこさせてしまったので、それをコーヒーに入れてごまかした。それからそのカップルは付き合い始めたが喫茶店に寄る度に女は男がコーヒーに塩を入れるからとウェイターに塩を持ってこさせ、男も嘘だったと言えず毎回入れていた。その後、二人は結婚して男の方が先に天寿を全うしたが、妻宛の遺書には嘘だったことを隠しててごめんと謝った上で塩入りコーヒーは本当にまずかったと書き残していた」
なんていうか、本当に中国語の問題はシュールです。
追記
この時の試験でHSK6級に受かりました。点数はかなりギリギリだったけど。
5 件のコメント:
中国語を上達させる最速方法は一つだけ、中国人妻を入手する事ですわ。
まぁ実際そうなんだけどね。語学に人生かけるというのもなぁ。
一つ質問させてください。2013年から5級6級は合格方式ではなく、点数のみになりましたが、その点何を基準に合格したと言えばいいのでしょうか?去年どうり60%以上ですか?
ご質問ありがとうございます。
HSKは1~4級までは取得した点数によって成績表に「合格」、「不合格」がはっきりと書かれましたが、5級と6級は2013年以降から取得点数のみ成績表に書かれ、合格という文字は記載されなくなったようです。2012年までは書いていてくれたそうですが。
そういう意味では履歴書等に書く際、「HSK6級 185点」みたいにTOEICのスコアみたいに書くのが一番正しいのでしょうが、こんな書き方したって普通の人事じゃまず意味不明もいい所でしょう。私自身の考えとしては1~4級が6割以上で合格となるのだから、5~6級も6割以上の点数でひとまず合格と判断していいように思うし、そういう風に解釈する様に動いた方が効率的だと思います。なので他の誰かがなんと言おうと、5~6級で6割以上の点数に当たる180点以上を取得した人に対して私は「合格者なんだね」というつもりです。っていうか、そうじゃないと自分も合格したって主張できないしなぁ……。
お粗末な回答ですが、参考にしていただければ幸いです。
素早い返信感謝いたします。私はまだまだ中国語初心者ですが、5、6級で60%以上をとった際には胸を張って合格したと言いたいと思います。
コメントを投稿