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2013年11月9日土曜日

空気を食す民族

 以前に「阪急阪神ホテルズのメニュー偽装問題について」の記事で食品素材の誤表示問題を取り上げましたが、私というか多くの人間の予想通りに阪急阪神ホテルズの後を続く形で国内のホテル、レストランで同じような発表が続いております。おかげさまでこの記事もここ最近のアクセスゲッターとなっており、アクセス数が第一というわけじゃないもののやはりうれしい限りです。
 それにしてもというかこの問題、自分が当初に予想していた以上に長引くというか後を引いているように思います。中には国産牛と偽ってオージービーフを出していたというトンデモ例も出てきましたし、あと「芝エビ」のかわりに「バナメイエビ」を使うという例があまりにも多いせいでバナメイエビ名前を覚えてしまいました。バナメイエビも悪い例として日本人に名前覚えられてしまい、なんだか不憫な気がするし。

 バナメイエビはともかくとしてこの問題に関し、このまえ面白い評論を読みました。その評論で書かれていた内容というのも日本人は素材に対して強いブランド意識を持つ傾向があり、お米でも各種のブランド米があったりなどと場合によっては出される料理以上に使われている素材の方に目を向けて価値を感じることもあると指摘していました。なかなか言い得て妙だと思うのと同時に、確かに日本人は食べた料理がどれだけおいしかったのかよりもどんな料理を食べたのか、下手したらどんな食材をどこで食べたのかを自慢することが多いように思えます。言うなれば、食べた料理の味よりも出される料理の金銭的、ブランド的価値の方に重みを置いており、だからこそ今回の様な事件も起きたのかもしれません。

 さて、この記事の見出しには「空気を食す民族」と銘打ちましたが、我ながら随分と皮肉っぽくなったもんだと思えます。空気を食すっていったって仙人みたいに霞を食べるわけでなく、その意味するところは「舌に感じる料理の味よりもそのシチュエーションの空気を味わうことに重きを置く」ということにあり、前記の様な日本人の性質の様な傾向を批判的に表現した限りです。
 全員が全員と言い切るつもりは全く有りませんが、やはり日本人は内面的な実質的価値よりも外形的な表面的価値を強く追う傾向がある気がします。行ってしまえば中身よりも外見を明らかに優先するということで、先程の食品表示問題についていうと料理の味という実質的価値よりもその料理に使われた素材にこだわり、それが表示と違っていたら怒りを見せるといったところから言えるように思えます。

 ここで全然別の話を一つ持ってきますが、日本でスポーツジムに通う人の運動量を測定した所、なんとその運動量は犬の散歩をしている人より少なかったという結果が出たそうです。確かに犬の散歩はその優雅な見た目に比べて意外にハードなだけなのかもしれませんが、「運動をする」という目的のための施設に通う人よりもペットの世話をしている人の方が運動しているなんてなんじゃそりゃと言いたくなってきます。

 もちろんスポーツジムに置いてある器具なり設備をしっかり使えば相当な運動量を叩き出せて効率的な体力の増強、維持管理を行うことが出来るでしょう。しかし上記の実験結果によると実際には通っている人の大半はお金を払っておきながらもちんけな運動量しか運動していおらず、きつい言い方をすると効率的なお金の使い方をあまりしていないわけです。一体なんでこんなことが起こるのかというと、これまたきつい言い方をするとジムに通っている人間はジムに通う自分に酔っているというべきか、実際に「運動する」ことよりも「運動するための活動(=ジム通い)をしている」ことに満足してしまっている、むしろその満足感を求めているんじゃないかと思います。言い換えればジムにお金を払うというのはその満足感を買うためであって、実際にどれだけ運動するかは二の次というわけです。

 以上のスポーツジムの例に限らず、ポーズだけで中身を伴わない、問わないという活動や評価が日本には非常に多く感じます。社内で問題起きたら対策本部を設置してそれで終了し、実際に対策内容は問わなかったり、その製品がどれだけの機能を持ってどう活用できるのかをあまり考えたりせず流行っているからという理由で買ったりなど。こういう外形的価値を追うことは何も日本に限るわけじゃありませんが日本の場合はやっぱりそれが他国と比べても強いと感じるわけです。

 そのためというか日本は実質的な価値がなくても、なんとなくな雰囲気とかそういうものがあれば喜んでお金を出してしまうんじゃないのか、いわばいい空気を感じるためならあまり中身を問わないんじゃないのかと思うわけです。エラそうな言い方をしていますが私も日本人の一員であるだけにそうした行動が全くないというわけじゃなく、過去を振り返れば結構思い当たる節が数多くあります。
 しかし中国に行ってきたせいかもしれませんが、やはり以前よりも「じゃあそれで何が出来るんだ」というものを重視するようになってきた気がします。そして同時に、日本人の中身よりも外見を重視する傾向は現代においてマイナスに作用し始めているとも思えてきたわけです。

 なんでもかんでも費用対効果で実質的価値ばかり追うのはロマンもないし面白くないでしょうが、それでも今の日本人全体にとってはもう少し外面よりも中身に目を向けた方がいいと私は主張します。空気なんか食べたって腹の足しにならないのだし、高級ホテルで食べようが下町の食堂で食べようが、まずいものはまずいのだしうまいものはうまいのだし、どこそこで食べたからというよりもうちょっと自分の舌なり感覚なりを動員してどう自分が感じたかをみんな意識した方がいいというのが今日の私の意見です。

  おまけ
 高校時代によく、「花園君はなんでスポーツジムに通わないの?」と結構聞かれました。はっきり言ってジム通いなんかより高校の部活の方が圧倒的に運動量多いのはわかりきったことですがそれは置いといて、なんでこんなこと聞かれまくったのかというと自分の体形が妙なせいだったからだでしょう。
 自分の体形はやせ形もいいとこですが脂肪がない分、妙にすっきりしていてなんか激しく鍛えているように見えるようです。少なくともウエストに関しては明らかに常人を逸脱しており、今日たまたま近くで洋服の青山がオープンして安かったからスーツを買いましたが、YA4のサイズでもウエストが余るのでさらにここからサイズを詰めてもらいました。でもって自分のウエストのサイズ測る際に店員が毎回、「Σ(゚д゚;)エェッ」って顔してくるのもだいぶ慣れました。

2 件のコメント:

上海忍者 さんのコメント...

キミは蘭州ラーメンが好きでしょう?蘭州ラーメンを日本に導入したら如何でしょうか?

花園祐 さんのコメント...

 蘭州ラーメンのチェーンは日本にはまだないよね。味薄くて俺は好きだから、資本出来たらやってみるよ。