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2016年2月3日水曜日

中国外食市場における鍋料理

 この前の日曜もまた例の上海人と一緒に部屋探しに不動産屋を回った後、一緒に焼き鳥屋へ行きました。訪れた焼き鳥屋はその日に初めて訪れた店でしたが値段はリーズナブルであるものの友人は前に二人きりで訪れた焼き鳥屋の方がおいしかったと文句言いつつ、店内のテレビに何故か映されている「孤独のグルメ」のDVDを見てました。
 今後の展望などについてそこそこ話して帰る前に何か締めとして頼もうかとメニューを開き、その日はたまたま雪が降るほど寒い日だったのであったかい物をと思ってキムチ鍋を頼んだのですがこれがなかなかおいしくて、「焼き鳥作るより鍋作るのが向いてるじゃん」と言いながら舌鼓を打っていました。なんか前にも、ラーメンのがおいしい焼き鳥屋が新宿にありましたが……。

 などと思いながらふと店内を見回したところなんかどのテーブルにも鍋料理が並んでて、店内全員で鍋パーティやってるような状態になってました。恐らくその日が寒かったからだとは思いますが、中国人もこういう日本料理店で鍋料理を抵抗なく食べるんだなぁとちょっと気になりました。
 その点を友人に振ると私の意見に同意し、要因としては中国には「火鍋」という鍋料理が普及しているので鍋料理自体にはとても慣れており、しかも日本と違って夏にも火鍋を口にするので日本人以上に鍋料理を愛好している節があるのではと話し合いました。

 ここで少し話は変わりますが、記者時代に取材したある会社で面白い話を聞いたことがあります。悪い話しじゃないので実名出しますがその会社は物語コーポレーションといってこんな会社名なのに外食チェーンの運営会社なのですが、この会社が中国進出第一号店として「鍋源」という火鍋料理屋をオープンさせた当日に取材へ赴いていろいろ話を聞いたところ実に中国市場を研究しているなと驚かされました。曰く、「中国は地方によって人気な料理が異なるが、唯一火鍋だけは全国どこでも食べられている」と述べ、中国人に一番受け入れられやすい料理であることから火鍋屋でオープンすることにしたそうです。
 なおこの会社は自分が取材した中で一番印象深い会社で、現在上海市内で上記の「鍋源」の店舗数も順調に増えております。

 このエピソードからもわかる通り、あんまり知られていませんが中国人は案外鍋料理が好きだったりします。実際どこ行っても通常の火鍋に加えてキムチ鍋とか魚鍋が置いてありますし、日本料理屋もそうした事情を反映してかやっぱり鍋料理をセットして、なんかこのところはラーメン屋でも見かけたりしてなりふり構わない状態だなと密かに思ってます。なおちゃんこ鍋だけは唯一、日本料理屋でしかみかけないのですが、やっぱり訪れると中国人客も大勢来ていて認知が深いなと改めて感じさせられます。
 具体的に何が言いたいのかというと、これから中国に進出しようとする外食チェーンは鍋料理についてあらかじめ案を持って乗り込んできた方がいいと言いたいわけです。先程の物語コーポレーションの人が言ったように中国は地方によって好まれる味や料理が変わり、四川と湖南では辛さの種類が違うとか、上海は醤油ベースだとかいろいろありますが、鍋料理は具材とタレを複数用意しておけば全国どこにでも打って出られる上、珍しい鍋料理があれば中国人も興味を示す可能性があります。なんかあまりこの点を指摘する話を見なかったので、興味ついでに書いてみました。

1 件のコメント:

上海忍者 さんのコメント...

キミも日本で中国式火鍋の店と焼き羊串店をopenさせたら如何でしょうか?