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2019年12月3日火曜日

日本神話における怪物

 最近、というか昨日から始めた「Townsmen」という中世版シムシティにハマって、昨夜夜中2時まで遊んだせいか今日は仕事が辛かったです。なおこのゲームは街中のオブジェに「絞首台」を作れますが、これを街中に起きまくっても民草の満足度が上がる不思議なゲームです。

 話は本題ですが日本神話というと実質的に古事記の話になりますが、前から思っていたこととしてなんかやたら怪物が少ない神話だなという気がします。ギリシア神話やケルト神話、果てにはユニクロ神話(柳井氏)をはじめ、神話では基本的に英雄と怪物が戦ってなんぼな世界があります。いやまぁユニクロには英雄がいるのかって話になるけど。
 そうした神話に対し日本神話こと古事記ではイヒカや八咫烏、ヨモツシコメを始め妖怪っぽい人外キャラクターはたくさん出てくるけど、世界を破滅に導くようなゴジラ級の怪物となるととんと出てきません。唯一の例外がヤマタノオロチで、そのせいで日本神話を題材にしたゲームのラスボスとなるとほぼ毎回こいつが出てきて、元中日の浅尾氏同様に登板過多も良いところでしょう。

 一応というか、神話以降の講談の世界であればまだ怪物は出てきます。大半は今昔物語を出典とした源頼光による怪物討伐劇で、鵺、土蜘蛛、酒呑童子など、いずれも西洋の怪物に負けないくらいのキャラを発揮するキャラばっかです。中でも酒呑童子に代表される日本の鬼は、イメージ的には仏教の金剛力士を思わせる筋骨隆々の怪物たちで、問答無用に人を喰うという性質もあって日本の代表的怪物として成立しているように見えます。

 こうした今昔物語に出てくる鬼たち、並びに源頼光の怪物退治物語を見る限りだと、日本人も英雄VS怪物の構図は嫌いではないと推測されます。にもかかわらず何故か神話だけは非常におとなしく、天孫降臨でもオオクニヌシはそんな抵抗せず、息子のタケミナカタが空気読めないバカ息子的に抵抗したくらいで、合戦系の描写もなんか少ない気がします。第一ヤマタノオロチを退治するスサノオノミコトのほうが冥界の王で、どっちかって言うと怪物ポジションです。

 なんでこれほど日本神話は大人しいのか適当に仮設を述べると、日本人は当時から極端な農耕民族であったからではないかと個人的には思います。農耕民族は労力の数で収穫や冬場の生存が左右されるだけに、人を殺したりすることはテリトリー内では大きなご法度です。
 なお狩猟民族はそんなの関係なしに強いやつだけ生き残れることから、やたらと他民族とかを生贄に捧げたがる傾向があると聞きます。

 で、その農耕民族の日本人としてはとにもかくにも人口第一、争いなんて以ての外だから、神話でも争い合う描写は極端に少なくなっていったのではと推測しています。このように考えてみると、ギリシャ神話やケルト神話なんてまさに狩猟民族の物語だと言わんばかりの内容に見えてきます。ユニクロ神話はこの際置いときます。

 最期に神話つながりでいうとインド神話は、息子の顔が気に食わないから切り落として象の頭をつけたとか、読んでてわけがわからなくなるくらいカオスな世界が広がっていますが、あれもカオスなインドの一端を示しているとしたら、神話は意外と民族性を知るいい手がかりなのかもしれません。

2 件のコメント:

片倉(焼くとタイプ) さんのコメント...

どこかで誰かが書いたコラムによれば、古代神話にはアメーバや細菌、ウイルスのような
怪物はいないそうです。コラムの書き手は「 神話の怪物は 現実の生き物をもとに想像で
作られた可能性がある。 昔は顕微鏡がなくウイルスは発見されていなかったため
ウイルスの怪物は出てこないのだ」という仮説を立てていました。
私の知る限り神話の怪物にウイルスのような怪物はいませんが現実の生き物を加工
したような怪物はいます。当時も 鳥山明や水木しげるのような人がいて 彼らが
神話怪物をつくりだしたのだろう と思っています。

なお私はインフルエンザウイルスという怪物と遭遇したことがあります。 後遺症は
残らなかったものの、一週間近く死にかけました。 頭を頭蓋骨の内側から棒で
つつかれるような痛みが延々と続きます。 あれはきつかったです

花園祐 さんのコメント...

 敢えてアメーバ・細菌・ウイルスの三悪人に近いものとすれば、怨霊の類じゃないでしょうか。短期間にまとめてバタバタ倒れたり、祟り殺されたりといったのは暗に、病の流行を暗に示唆しているように思えます。また黒死病から吸血鬼のような怪物のイメージも作られたと言われ、別の形に再構成されているかもしれません。
 インフルだとここ数年、別に予防接種とかしてないけど一切感染していませんが、2009年に新型インフルエンザにかかって出社停止となった際、会社第一号だったのでなんか恥ずかしかったです。