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2020年8月1日土曜日

タイヤメーカーの特殊性


 本題とは関係ないですが上記画像はベトナムでの初のコロナ死者を伝えるニュース記事に使われたものであるものの、一見してすぐ「ドラえもん?」という単語が浮かんできました。全身ブルーに黄色のシャツの組み合わせは、なんかいろいろと反則であるような気がしてなりません。

 話は本題ですが最近いろんな人に話していてそこそこ受けのいい話として、タイヤメーカーに関する特殊性の話があります。一体これはどんな話かというと、「自動車部品サプライヤーのうち、タイヤメーカーのみが完成車メーカーも従えることができない」という内容です。

 自動車部品サプライヤーは完成車メーカーの奴隷、などとよく言われますが、実際にそれは大きな意味では外れていません。年次コストダウンという慣習があるのも私が知る限り自動車部品業界くらいだし、その他カンバン方式の押しつけやゴーンカッターによる利益圧縮などなど、完成車メーカー直結のティア1サプライヤーを除けば多かれ少なかれ自動車部品サプライヤーは完成車メーカーの奴隷というくらい逆らうことができません。
 しかし知り合いのホイールメーカー関係者によると、「唯一タイヤメーカーのみ完成車メーカーに意見することができる」そうです。それは一体何故かというと、タイヤメーカーの売上げはアフターマーケットの方が大きいからです。

 自動車部品というのはサスペンションからハンドルやブレーキ、そのほかネジやボルトに至るまで、基本的には完成車メーカーにしか納入されることはなく、それ以外の売り先はごく一部の修理交換部品程度でしょう。一方、タイヤに関してはタイヤマルゼンホイールマルゼンを始め、市井の自動車部品屋、果てにはタイヤ専門店で年中販売されており、特に雪国の人はシーズンごとにタイヤの交換が必要で、その分頻繁に消費されます。そのためタイヤメーカーにとっては、完成車メーカーに納入する分よりもこうしたアフターマーケット、市場の小売店を介した売上げの方が実は大きく、尚且つ利幅も完成車メーカー向けよりも高いそうです。
 そのため完成車メーカーが他のサプライヤーのようにタイヤメーカーにもコストダウンを要求したところで、「わかりました。ならもうお宅には売りません( ´Д`)ノ~バイバイ」と言われかねず、力関係的に従わせることができないそうです。

 こうした背景を頭に入れた上で改めてタイヤ業界を見ると、日本だけでもブリヂストン、東洋ゴム、横浜ゴム、住友ゴムなど単独の部品に対し力のある巨大メーカーが何社もあり、また世界を見渡すとミシュラン、コンチネンタル、ピレリ、ハンコックなどこれまた世界大手がたくさんあったりします。しかもこいつらタイヤメーカー、本業以外にも結構手広く商売をしており、資本力だけでなく政財界に強い影響力を持つ企業も少なくありません。つまりはまぁ、それだけ儲かるってことでしょうが。

 やはり何よりも大きいのはタイヤは自動車部品の中でもある意味最も交換される回数が多い部品であり、尚且つ安全性能等への要求も高いため価格も落ちづらい商品であることが大きいと思われます。ついでに言うと、原材料の天然ゴムも比較的安価だし。
 そうした、自動車部品としてはかなり特殊な部類にある商品であることから、中国が自動車部品で世界的な企業を育てたいというのであれば、もっとタイヤ企業を支援するべきだろうとよく話しているのですが、聞いた人からは「まさにその通り(σ・∀・)σゲッツ!!」とよく言われます。もっとも、ガチな自動車業界関係者には話してないから、彼らからするとどのように見るか気になるところではありますが。

 なおホイールメーカーの人によると、タイヤメーカーの人と技術的なすり合わせは一切しないそうです。タイヤとホイールってまさにタイヤマルゼンホイールマルゼンの如く、二つで一つなセットだから協力とかいろいろしてんのかと思ったら全然そんなことはないそうです。その辺のところは完成車メーカーがやってるのかもしれませんが。

2 件のコメント:

片倉(焼くとタイプ) さんのコメント...

たしかに 車の主要部品のうち タイヤだけは一般人でも交換する事が出来る
部品です。  日本の場合は車検制度があるので すり減ったタイヤは買い替え
需要が必ず発生します。 すり減っていないタイヤも経年劣化で性能が
落ちるためこれまた買い替え需要が発生します。
ちなみに私は仕事で会社の営業車のタイヤ交換をしています。雪国なので
年に2回は必ずタイヤ交換をすることになります。 おかげでタイヤ交換は
楽勝でできるようになりましたよ

花園祐 さんのコメント...

 実はタイヤ交換は一切したことがなく、こんな記事書いておきながら一人じゃ絶対できないので、タイヤ交換に手慣れているというのは普通にうらやましいです。
 なおタイヤ交換どころかこの数年間、中国でずっと過ごしているため車のハンドルすら握ったことがありません。免許は今年前半に切れたのですがコロナのせいで帰国もできず更新もできず(更新期間は無期限延長されてますが)、自分ほどペーパードライバーでありながら自動車業界についてあれこれ語る人間はそうはいまいと自負しています(;゚∀゚)=3ハァハァ