またこの件で、先に捕まった袖の下のAOKI関係者の音声データには、「講談社はけしからん」とモリモトが吠えている音声が記録されていたとのことで、出版社のスポンサーには当初2社が予定されていたということを考えると、講談社側もほぼ内定していたものの賄賂を要求され、それを突っぱねたがゆえにカドカワとは違う結果になった可能性が指摘されています。まぁこれが講談社とカドカワの違いといえるでしょう。
そんな漫画みたいな展開を繰り広げ、ネットでも「中国を笑えない」という自重まで聞こえるこの五輪汚職事件ですが、最初のAOKIの件で密かに気になっていたのは、実はコンサル成果物です。
疑惑が立ち上がった当初、AOKI側と理事側は口裏を合わせたのか、理事の会社にAOKI側から振り込まれた金は五輪とは無関係のスポーツビジネスに関するコンサル費用だったと主張していました。その後、逮捕されたAOKI関係者は前述の、恐らく保険のために取っておいた音声データを提出し、また捜査関係者に対し五輪スポンサーの口利き目的での贈賄だったことを認めているそうですが、最初の言い訳の時点で、「じゃあ成果物は?」という問いをどこも出さないのが気になってました。
数千万円単位の金額払っておいてパワポなどコンサルの成果物が一切存在しないということはまずあり得ません。仮になかったとしても、具体的にどんなアドバイスを得ていたのか、その辺をまとめた議事録などがない場合、実態(成果)のわからない取引に対し巨額の資金を費消したとも捉えられ、この場合であっても経営者は背任に問われても仕方ないでしょう。
なんでこんなこと言うのかというと、中国のこういった捜査、主に税務調査などでは、こうした成果物の有無が物凄く成否を分けるからです。例えば親会社または地域統括会社に経営アドバイスなどのコンサルを受けており、費用を払っているとした場合、調査を受けて上記のような成果物を提出できなかったら、取引実態のない架空取引だとみなされて罰金及び追徴税が課されたりします。成果物としては市況を解説するパワポ資料のほか、担当者同士のメールのやり取り、そして議事録などが挙げられ、税務調査に対する備えとしてこの手の資料をあらかじめ保管しておくのが結構重要とされます。
まぁ備え以前に、なきゃおかしい資料なのですが。
こうした中国の実務経験から、コンサルを受けていたと主張するのなら、AOKIはそのコンサル成果物を持っているのか、提出しているのか、この辺が主張を証明する重要な根拠となるだけに、この点がどうなっているのかが気になっていました。まぁ恐らく、カドカワと違ってAOKIの帳簿には贈賄額を計上していなかったそうなのでそんな資料全くなかったのでしょうが、こういった点をもっと記者らも突っ込んでほしかったものです。
その上で言えばこうした偽装資料すら用意できず、捕まったらあっさり自供する辺り、分を弁えない行動だったとしか言いようがありません。
・2020年東京五輪(オリンピック)|スポンサー企業一覧(SPODIGI)
個人ブログからの引用ですが、先の講談社周辺の妙な動きを考慮すると、ここに入っている企業のどれもが贈賄に係っているのではという疑念を抱かずにはいられません。この辺一気に捜査を進めるために、先着5社に限り自供した会社は損失金額を支払うことで放免にする形を取り、一網打尽にした方がいいのではとすら思います。多分、5社どころじゃないでしょうし。
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