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2019年7月6日土曜日

マツダの車種名世界統一について

 連続して車の記事となってしまいますが、個人的に気になるニュースなので書いておくことにします。

え?? このタイミングで!? アテンザ改めMAZDA6発表!!! マツダの車名戦略は成功するのか!?(ベストカー)

 上記記事にある通り、先日これまで日本で使われてきた「アクセラ」から海外での名称の「マツダ3」への改称に引き続き、「アテンザ」も「マツダ6」、果には「デミオ」すらも「マツダ2」にするとマツダが発表しました。結論から言うと、マーケティング上でマイナスにしかならないと思います。

 上の改称後の名称は以前から海外で使われていた名称で、中国でもこちらでした。なお「マツダ5」は今はなき「MPV」で、「マツダ4」は死番だからか存在しません。

 今回の改称を経て、マツダの車種は実質「マツダ#」と「CX-#」の二種類で統一されることになります。ただ、海外市場は知りませんが日本国内市場について言えば、日本人はやはりアニミズム信仰が強く、無機物や想像の産物に対してやたらと人格を持たせようとするところがあり、そうした点を考えるとやはり車には、他とはっきりした区別がつくような名称をつけるほうがマーケティング上でもいいように思えます。
 加えてですが、最近のマツダのラインナップには疑問を感じます。

 先程述べたとおりにマツダ唯一のミニバンであったMPVは既に生産を終了しており、代替車としてたくさん乗れるCX-8を今は作っていますが、こちらはカテゴリーとしてはSUVです。そのSUVですが、CX-3、5、8とこれだけで三車種もあり、それなら何故ミニバンは持たないのかと疑問です。またCX-3に関してはパット見デミオと区別がつかないくらい近く(リアしか差がない)、元アクセラと元アテンザ、以前のモデルと比べると両者の差が縮まっているように見えます。
 これが何を意味するかと言うと、車としてのバリエーションがマツダ全体で狭くなっているように私には見えます。広ければいいってもんではないですが、狭い範囲に無駄に大量の車種を並べているように見え、それこそさっきのCX-3とデミオならグレードで分けるくらいでも良かったのではと本気で思います。

 またそのCX-3ですが、評論家の意見を見ているとあまり評判が良くないと言うか、マイナーチェンジでマシにはなったもののそれ以前は非常に悪いとまで書かれていました。元アクセラこと最新のマツダ3に関しても、海外仕様車は悪くないのに日本国内仕様車はどうしてこうなったみたいな感じで書かれており、最近のマツダはどうなっているんだろうかと思うくらい不安になってきました。
 それ以外にもバリエーションが狭くなっていることに加え、アピールカラーをカープレッドで統一するのはまだいいとしても、ブランドイメージを意識してかフロントマスクまで統一してしまったのも疑問です。マツダのサイト見ても、ガチでパット見どれも同じ車に見えてしまい、幅広くユーザーを取り込むならもっと幅を広げたデザインのほうが良かったのではという気がします。

 なおデザインについて他のメーカーについて言うと、最新のトヨタのカムリはため息が出るくらいいいデザインです。一時期ひどいもんだったトヨタのデザインですが最近はカローラですら非常によく、この前も中国でのハイブリッド仕様車のレビンに乗りましたが、乗り心地もよくまたエンジのカラーの塗りもよくて、この方面でトヨタが劇的に改善してきたと感じます。

2019年7月3日水曜日

失われつつあるサンルーフ車

 例の韓国に対するフッ化系原料の輸出規制についても書いてもいいですが、たくさん報道出ているので自分がやらなくてもいいかと思って放置しています。強いて言えば、なんとなくですが「せっかくだから」とばかりに何故か中国もこのタイミングで韓国にちょっかい出すんじゃないかという期待めいた予感がします。

国産新車のサンルーフ、絶滅寸前か 中国では「豪華さの象徴」 日本でなぜウケない?(くるまのニュース)

 というわけで本題ですが、最近気がついたというかショックだった事実なのですが、なんか最近の日本車にはサンルーフのオプションがなくなりつつあるようです。

 サンルーフとは、車の天井の一部分をガラスで透明にするオプションを指します。上の記事にあるとおりに中国では非常に人気なオプションの一つで、たまに友人と流しのタクシーとかに乗るとこのサンルーフ車に当たることがあるのですが、はっきり言って乗っててめちゃくちゃ楽しいです。視界が広がることで空間が広く感じられ、また天井を見上げてみられるその風景も割りかし楽しく、もし日本帰って(全く予定はないし仕事的に帰れないが(´;ω;`))車買うことがあれば絶対サンルーフをつけようとマルクス主義的(=無意味に、空虚な)に北斗七星に誓っていました。

 先日、仕事があまりにも辛く(キーボードの叩き過ぎで今も両手広げると痛い)現実逃避したくなったので無駄に自動車会社のサイトやカタログサイト見て、個人的に大好きなコンパクトカーをいくつか品定めした上で自動車会社サイトで購入シミュレーションをして遊んでいました、会社で。その際、「実際にサンルーフつけるとしたらどんなもんかな」と思っていろいろ弄っていたのですが、そもそも、サンルーフがオプションとして存在する車自体が見つかりませんでした。少なくとも、コンパクトカークラスでは皆無でしょう。

 一体何で、どうしてってな感じで調べたところ上記サイトの記事のように、単純に日本市場では人気がなくて、メーカーもオプションに入れなくなったのが実情のようです。ごく一部のオプション設定車を除き、もし付けるとしたら改造車として外部で取っ付けるほかないようです。
 個人的には非常に残念だし、八千代工業さんの言うとおりに最近はUVカットで夏場も室内Teriyaki状態になるわけでもないのだから、もっと日本の消費者もメーカーもサンルーフを使ってもらいたいのが本音です。まぁ中古車だったらまだ探せそうですが。

 ちなみに現行のコンパクトカーを選ぶとしたら何にするかと名古屋に左遷された親父と無駄にチャットで議論したところ、自分の中ではスズキのイグニスが1位、2位にホンダのフィットが来ます。イグニスはコンパクトで独特のデザイン、何より人気なさそうでレアリティが高いのがなんか胸に来て、フィットはデザイン最悪でホンダは嫌いだけど、圧倒的な室内容積とハイブリッド仕様による高燃費から実用性で選ぶとしたらこちらになるでしょう。
 親父からはジムニー、クロスビーが挙げられましたが、ジムニーは今納車まで半年以上かかり、買い換えようと予約したら今の車の車検が先に来てしまったという話も聞くだけに自分はやめとこうと思います。クロスビーはデザインは嫌いじゃないですが、室内容積がやや狭そうなのと、燃費が他のコンパクトカーにやや劣る点で、それならイグニスを選びます。ついでに書くと三菱のミラージュは、メーカーサイト上でも見るからに安っぽい作りしているので早々に候補から外れました。

2019年6月30日日曜日

大和ハウスの大連法人不正事件報告書を読んで

 今日は午後一時から途中夕食とゴミ出し、バナナ買い出しを除いてほぼずっとパソコンに座って記事書き続け、気がついた十時前になっていました。好きなジャンルだからこうやって集中力も続くけど、明日とかどうなってるかわからない。あとこれで八月分の記事も用意出来たので、たとえ自分が今月死んでも再来月まで記事は出続けると思えば感慨深いものがあります。

【悲報】なろう作者さん、とんでもないラノベを出版社に提出してしまう(暇人速報)

 あと本題と関係ないですが、上のリンク先で取り上げられている、「俺、桑田真澄。親友の清原和博を救うために何度も野球人生をループしているが、どうやってもバッドエンドを回避することができない」という応募小説はマジで読んでみたいです。っていうか桑田がタイムリープ能力を持つという設定からして神がかっている気がします。

中華人民共和国の関連会社における不正行為に関する「第三者委員会報告書」受領のお知らせ(大和ハウス工業)

 ようやく本題ですが、今日は午前中はまだ時間があった、というかもうこのあと時間が取れないと思って先日に上記リンク先からダウンロードしていた、大連法人で約200億円が持ち逃げされた大和ハウス工業の第三者調査報告書を読んでいました。ちなみにダウンロードしておいたファイル名は「ダイワ、ダイワ♪」というファイル名にしており、これは90年代末期に流れていた「サンワ、サンワ、サンワファーイナンス♪」というCMソングを連想したからです。

 事件概要について簡単に書くと、大和ハウス工業と中国現地デベロッパーのジョイントベンチャー(合弁会社)で、提携先の中国デベロッパーから来ていた、というかデベロッパーのオーナーであり合弁会社の総経理(日本の「社長」に相当)に、合弁会社の現金200億円と一部物件資産が持ち逃げされてたという内容です。総経理とその取り巻きと言うか関係親類は既に中国国外へ逃亡しており、まだ捕まっていません。息子はまだ中国にいるようですが、第三者委員会の調査を拒否しているあたりは間違いなく一味でしょう。

 報告書には事件の詳細、犯行の手口など、この手の報告書にしては最初のあまり意味があるとは思えない略称一覧を除き、比較的よくまとまっていて読みやすかったです。不正調査とかに興味ある人間にはおすすめです。
 それでその中身ですが、事件詳細なども興味はあったものの、私個人の興味のあるところとしては何故大和ハウスは気づかなかったのかという点でした。この点についても報告書はきちんと取り上げられており、ある程度は意向が働いてはいるとは思うものの、「非常に巧妙な隠蔽工作が行われていた」という説明には納得できる点もいくらかあります。

 まず監査段階で何故気づかなかったのかという点については、不正の現場は合弁会社で、大和ハウス工業グループの監査法人ではなく、現地の監査法人がこれまで監査をやっていたそうです。恐らくその現地監査法人も提携先の中国デベロッパーが選定したと思われ、そうなると確かに監査段階で指摘を受ける可能性は低くなると私にも思います。
 もっとも、今回の不正は現金の不正利用であったことから、期末などの監査時にしっかり銀行との取引照合を行っていれば確実に気づけた不正です。不正をやった現地デベロッパーは取引一覧なども精密に偽造していたようですが、監査時に監査会社がきちんと銀行から証憑を得て確認していれば意味はなく、ここの監査会社に関しては言い逃れできないくらいに無能でしょう。

 次に、これは他人事には出来ないなと思った点として、大和ハウス内の意思疎通の問題も指摘されていました。合弁会社に派遣されていた大和ハウス側の役員は不正を行った総経理には問題考動が多く、不正リスクもあるとみてかねてから排除できないかと考えていたそうです。しかし合弁会社という建前と、会社定款や契約上の問題から実際に排除するには本人の同意が必要になると考え、実現は不可能だと考えていたそうです。
 一方、大連法人で問題があると見ていた大和ハウスの日本本社側では、法務部が既にシミュレーションを行っており、本人の同意なくとも総経理を役員から追放できるという結論を出していたそうです。今から数年前の時点で

 そのため、不正が発覚して総経理が逃走したあとで大和ハウス側派遣役員は総経理を追放する手段があったと聞いて、「なんで早く言ってくれなかったの?」というように思ったとヒアリングで答えているそうです。一方日本側はこの派遣役員に対し、怪しいと思っていたのなら何故これまで追放考動を取らなかったのかと思っていたそうで、思惑が一致しながら情報共有がなされず、ともに実行すべきと考えていた手段が実行されていなかったことに初めて気がついたそうです。

 先日の株主総会でも大和ハウス工業は、社内の風通しが悪く報告が上に上がらないのではと追求を受けたそうですが、この報告書を見る限りだとそうとしか言いようがないと私も思います。もっともこの大連法人に関しては、中国側が予め決められた出資額を出資できず、実質的に大和ハウス側が肩代わりしてお金を出していたにもかかわらず出資比率、役員比率は契約通りに50:50を維持して中国側(総経理)に好き勝手やらせていた点も問題ですが。

 また、これは個人的な同情心ですが、やはり大和ハウス側派遣役員については許してあげてよといいたくなります。というのも私も中国で長年働いていますが、現地でたくさん問題が起きても日本の本社は他人事みたいに扱って誰も助けてくれず、損害が発生したら現地側の人間のせいにされるという状況を何度も見ているからです。今回のケースでも上記の追放手段が共有されていなかった点からしても、やっぱり派遣されてた役員がかわいそうに思えました。
 そういう意味でも、今回のこの事例は他山の石とは出来ないなと思える報告書で、最近読んだ中ではベストな内容です。それにしても、自分もこの方面に強くなってきたもんだ。

2019年6月29日土曜日

日本の解雇給付制度

 日本もそうでしょうが上海も今年は梅雨が遅く6月中はとんと雨が降らず、むしろ冬の方がずっと雨が多かったです。気温も低く秋のような爽やかな天気が多かったのですが、今日になってようやく梅雨っぽい雨が降って気温と湿気も上がり、今日になって私も初めて冷房を入れました。ちなみに冬の間は一切エアコンは使わないので、エアコン動かすのは実に1年ぶりです。

損保ジャパン4000人削減「介護へ転属」の深層と、この社会のバグ(現代ビジネス)

 話は本題に移りますが、最近話題な上記のニュースについて議論すべき内容はそこそこ議論されているので私の方からは特に付け加えることはありません。強いて言えば、これの何が問題なのかといったところで、本来戦力外として解雇されるべき従業員らに対し損保ジャパンはわざわざ異業種企業を買収してまで雇用を維持しようと努力しているあたりは逆に褒められるべきじゃないかと思います。まぁ日本の法制度からすれば合理的な方法です。

 上記ニュースについては以上の通りなのですが、日本には解雇給付に関する基準はないのか、という点が前から実は気になっていました。

経済補償金(多田国際社会保険労務士事務所)

 一番わかりやすく紹介していると思うのが上のサイトですが、中国では会社都合による整理解雇の場合に支払う解雇給付(解雇手当、解雇補償金など呼び方は様々)の基準が定められています。具体的には「勤続年数✕直近の月額給与」で計算し、その会社での勤続年数が5年の人は5ヶ月分、10年の人なら10ヶ月分の一時給付金を解雇時に支払うよう定められています。
 なお退職金制度については中国では設置していない会社が多いので解雇給付とは別に考えます。また何らかの規定違反などによる懲戒解雇の場合は、複数回の指導履歴やはっきりとした損害額の証明があれば上記の解雇給付の支払いは不要です。

 実際に解雇する場合、中国の法律上で企業側が支払う一時金の金額は上記の規定通りですが、この金額で実際に収まるかどうかはまた話は違います。中国の場合は労働裁定といって労働者側が労働監督局に訴えることで無料で企業側との仲裁や交渉に行政を挟む事も可能で、上記の解雇給付を支払うとしても解雇されたくない場合は労働裁定に持ち込まれます。
 そのため労使間の解雇交渉では、上記の解雇給付基準にどれだけ上乗せするのかが、交渉のポイントとなります。この手の交渉では企業側が先にカードを切ることが多く、素直に解雇勧告を受け入れるのならば上記解雇給付に月額賃料2ヶ月分を、他の従業員の説得にも回るなら3ヶ月分を上乗せするなど、実際にはこのようにプレミアムをつけて交渉を円滑にすることがよく見られます。それでも労働者側がごねる場合は、「じゃあもう何も上乗せなんてしない。労使裁定でも何でもどうぞ」といって突き放し、解雇給付基準の最低額の提示に留めるわけです。

 既に勤続年数で言えば中国での勤務の方が日本の倍以上いっている私にとって、上記の解雇給付基準というのはごく当たり前の制度で、最近までてっきり日本でも似たような基準が法律で定められているものだと思っていました。しかし先程軽く調べたところ、どうもそれらしい基準というものは見当たらず、最初の整理解雇に関するようなニュースでも一切言及されていないことからも、恐らくはないんじゃないかと今考えています。
 間違えていたら誰か詳しく教えてください(´・ω・`)

 仮にないとしたら、なんでないのか逆に不思議です。やはり上記基準があるのとないのとでは整理解雇交渉の円滑さが大きく変わるだろうし、何より解雇される人間の解雇後の生活保障という意味でも最低限支払われるべき一時金は、失業保険とは別枠で用意するべきでしょう。
 なによりも、企業側のどうにもならない人材の斬り方として、こうした選択肢も設ける必要があると私には思います。逆にこういう精度基準がないからこそ、損保ジャパンみたいなやり方が使われるのだとも言えますし。

 中国に慣れているかもしれませんが、ことこういう人員整理に関しては日本は就活同様にルールがあってないようなもので、退職代行サービスなどといい、本来定めるべきルールがないからこそ労使ともに混乱している節が見られます。真面目に中国見習って、こういった一時金基準くらいは作ったほうがいいでしょう。

2019年6月27日木曜日

信越シリコーン

 少し古い話ですが、台湾出身のトップモデルのリン・チーリン氏が先日EXILEのAKIRA氏との結婚を発表した際は私の周りでも少し盛り上がりました。日本ではあまり報じられていませんが中国だと「格差婚」とよく取り上げられましたが、リン・チーリン氏の知名度などを考慮すると実際その通りでしょう。

 それで本題なのですが、この結婚発表の際に周りで、「あの人の胸はシリコン入りだよ」と友人がSNSで呟いたので、そいつが化学業界で働いていることもあるので私はとっさに「信越シリコーン?」とリツイートして、そこそこいい反応を得られました。
 実際どうなのかわかりませんが、豊胸手術の際に入れるシリコンは具体的にはどのメーカーが供給しているのか、またメーカーによって質や値段が変わってくるのかガチで気になっています。その化学業界の友人にも聞きましたが「俺シリコン担当じゃねぇし」とか言うのでわからずじまいです。

 信越シリコーンは知る人ぞ知る化学系名門メーカーです。かく言う私も以前このメーカーとの取引を少し担当したり、会社訪問に行ったりしたこともありますが、一つだけ言えることは、この会社が配るボールペンはグリップ部分のシリコンの感触がよくめちゃくちゃ使いやすかったということです。真面目にあのボールペン、買えるなら500円位ぽんと出してもいいくらい記憶に残っています。
 そんな会社であるだけに、仮にリン・チーリン氏の胸の中に信越シリコーン入ってるなら、高い金積んだとしても納得できます。他にも化学品メーカーはBASFとかダウコーニングとか三菱ケミカルとかいっぱいありますが、社名に「シリコーン」と入っているだけに、信越シリコーン製の豊胸手術だったらなんか一味違う気がしてなりません。実際この手の手術した人も、シリコン原材料メーカーとかで競い合ったりするのかな。

 それにしても、信越シリコーンが入ってるかどうかって、なんとなく、「インテル、入ってる?」みたいな感じがします。まぁインテルと違ってこっちは確実にシリコン入っているのですが。

2019年6月26日水曜日

上海高島屋の閉店について

 既に各所で報じられていますが、上海高島屋が今年八月をもって閉店することとなったようです。売上が上がらなかったということは聞いており、また二年くらい前は私も訪れていてそこそこ客も増えている実感があったものの、去年辺りから人が明らかに減って、厳しいのではないかと思っていた事もあって残念ではあるものの驚きはありません。
 なお確か今年からだったと思いますが、館内のテナントに100円ショップのダイソーが入っているのを見た瞬間、「ああ、潰れるかも」とはっきり感じました。流石に百貨店で100円ショップというのは異常でしょう。

 この上海高島屋は2012年12月のオープン当日に取材に行き、その後もよく訪れていた場所なだけに感慨深いものがあります。2013年にこのブログで書いた記事にも載せましたが、初めて訪れてみて一番に気になったのは天井の高さで、他の中国の百貨店やショッピングモールと比べ明らかに低い天井は中国人にとっては空間の狭苦しさを感じさせるだけに、「誰か注意する人間はいなかったのだろうか?」と強く疑問に感じました。この点は他の方もよく指摘しており、中国系企業と提携しなかった弱みがはっきり出た部分だったでしょう。

 この他色々上げるとキリがないですが、私自身はそこそこお世話になってた店だけに今回の件は残念この上ありません。ただ高島屋カード作ったけど一体どうやって使えばいいのかが最初から最後までわからず、レジするたびに差し出してただけで終わりそうです。元々こういうポイントカードの類はすごい嫌いなのですが、もっと目に見えるメリットをなんで出さないのかなという点は疑問です。

2019年6月24日月曜日

アイドル記事の苦労話

中国のアイドルはどこが「惜しい」のか(JBpress)

 というわけで今日出た記事がこちらですが、正直言って非常に苦労しました。その割にはアクセス伸びないし(ヽ´ω`)

 この記事は中国のアイドルは素材は良いがプライドが高い人が多く垢抜けないと話したところ、編集部からどうかと言われて書いた記事です。執筆にあたり上記内容を盛り込むとして全体としてどんな構成にするかリサーチを始めたものの、そもそもアイドルマスターはわかるがアイドル業界なんてこれまで何も関わったことがなく、何をとっかかりにして書けばいいのかで当初は非常に苦労しました。

 あれこれ調べた結果、中国ではアイドル業界が盛り上がっていることと、海外タレントだけでなく国産タレントも人気を得てきたという事実を掴んで「国産化」という表現をキーワードに持ってきましたが、どうしても盛り込めなかったのは金額というか市場規模でした。
 これは日本もそうですが、芸能業界というのは他の業界と違ってあまり研究対象とはならず、市場規模などの金額も一部の良からぬ連中が根拠なく勝手な金額を主張することが多く、どれも当てになりません。本来ならば「市場規模は日本の○倍」みたいな数字比較が経済記事には必要なのですが、日中ともに信頼に足るデータがなく、この方面の金額を入れることは諦めました。

 また昨日の記事にも書きましたが、通常は消費者目線で書かれることの多いコンテンツ業界において、かなり例外と言えるくらいにこの記事では供給側、つまりアイドルを育成する側の目線を貫いています。昨日の記事でも突き詰めればコンテンツとは無形資産であり、その売り出すまでの投資は無形資産投資と見ることが可能です。ただアイドルに関しては、漫画やゲーム、あとシステムソフトウェアや特許技術と大きく違う点として、未完成であっても価値を持つというか、キャッシュインフローを作るという特徴があります。
 記事中にも書いていますが、中国でも日韓同様にアイドルの育成過程をみせるというか、レッスン風景を出すことで視聴者やファンを作るようになっているそうです。このようにアイドルというのは必ずしも完璧さを求められる商品ではなく、むしろ発展途上の段階から徐々に上達する過程をファンは楽しむという一面もあり、そういう風に考えると当たり外れは大きいものの、未完成であっても収益が得られるという意味では投資しやすい分野と言えるかもしれません。

 こうした見方をこの記事では一番訴えたかったのですが、そもそもの反応も悪いこともあって多分ここまで受け取れた方はいないでしょう。なにげに結構真理を突いていると私自身は考えており、先程のアイドルマスターにアイカツといったアイドル育成ゲームも、未熟なアイドルだからこそその育成過程がゲームとして楽しめるのであって、完璧なアイドルというのは逆に欠点になる可能性すらあります。広末涼子だって、あんまり歌がうまくなかったからこそ売れたのでしょうし、上戸彩も映画「あずみ」が凄すぎたからのし上がってきたと思ってます。にしても「あずみ」は本当にやばかったと言うか、見ていてなんかその場にいてはいけないような居心地の悪さすら私は覚えました。

 それにしても数ある業界をほとんど苦にせず何でも書いてきた私ですが、このアイドル業界は上記の通り取っ掛かりが掴めず本当に苦労しました。まぁそれでも書き上げるだけすごいと言うべきか。