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2021年12月28日火曜日

中国のSteam閉鎖騒動について

 先週のクリスマスごろより、世界最大のゲームプラットフォーム「Steam」が中国国内からのアクセスができなくなったと報じられました。かねてからSteamを利用している私もこの報に驚き、昨日27日にニュースを見てすぐSteamアプリからアクセスを試みてみましたが、結果はというと以前は問題なく閲覧できた「ストア」ページにはエラーが表示され、何度試みてもアクセスすることができませんでした。
 一方、購入済みのゲームの再ダウンロードなどを行う「ライブラリ」ページには一切の遅延なくアクセスができ、買っておきながらやらない「積みゲー」状態だったゲーム(僕らが死ぬまであと七日)を試しにダウンロードさせたところ、こちらも問題なくダウンロードにも成功しました。

 このようにSteamのサイト全体ではなく、一部ページのアクセスは問題なく行えるということから、これまでの私の経験からすると、中国当局によるアクセス制限が行われているとみてほぼ間違いないでしょう。こうした状況は過去のWikipediaやGoogleなどへのアクセス規制の前科から見ても、明確なアクセス制限の痕跡だと言えます。
 なお「ライブラリ」ページにだけアクセスできるのは、消費者利益の保護を目的とした過渡期的措置だとみています。ただ将来的には「ライブラリ」ページも、アクセスが制限される可能性があるだけに、ダウンロードするゲームがあるなら今のうちかもしれません

 以上の通り、27日早朝にアクセスを試みたところ失敗し、明確なアクセス制限の痕跡もみられました。しかし外でスーパー銭湯行って、「蒼穹のアリアドネ」を一気読みして帰ってきた同日夜間、再びSteamアプリを介してアクセスを試みてみたところ、何故か早朝には駄目だった「ストア」ページを開くことに成功しました。もう一つ試しにVPNを通さず、インターネットブラウザ(Firefox)からSteamサイトへアクセスしてみたところ、こちらも開くまで若干もたつく感じはあったものの、問題なく開くことが出来ました。

 是は如何に的な状況になったのでロマサガ風に言えばゲラ=ハ並に頼りになるゲーム業界関係者の友人に尋ねたところ、今回のSteamへの措置は完全遮断ではなく、アクセスし辛くする手法が採られているという情報を得ました。また中国オンラインサービス企業の網易(ネットイース)が提供しているゲーム用VPNの「UU加速器」などを使うことによって、これまで通りアクセスができるようにもなると教えてもらいました。
 以上を踏まえると、時間帯によってSteamへのアクセス可否が分かれたのは、通信規制手段が完全遮断ではなかったことに起因するとみられます。とはいえ、中国国内でSteamにアクセス制限がかけられるようになったという点についてはほぼ揺るぎなく、今後はさらに制限が強化される可能性が高いでしょう。

 なお本日28日のたった今試したところ、再びアプリからSteamサイトにアクセスできました。
 ちなみにこのアクセスを試している過程で「アイ:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ」が来年4月に発売されると知って無駄にテンション上げてました。

 ただこのSteam閉鎖、自分にとっては実はノーダメージだったりします。理由はというと今年十月にもこのブログに書きましたが、いつものようにSteamでゲーム買おうとしたところ、これまで唯一の決済手段だった銀聯カードによる決済方法も受け付けられなくなっており、ゲームを選ぶことができても、買うことができなくなっていたからです。恐らく登録上、外国人であることが原因で弾かれていたと推測しています。
 この時の段階でSteamへの規制が強まっていると感じ、将来的には閉鎖され、中国版Steamこと「蒸気平台」への移行がなされるのかと想起していましたが、これほど早く今回のような事態になるとは思いませんでした。

 もっとも今の自分の手元には「真の仲間」こと「ニンテンドースイッチライト」があるのと、最近はネットでダウンロード出来てPCで遊べる同人ゲームばかりやってるので、Steamがなくても生きてけます。ちなみに前から気になってますが、なんで同人ゲーってホラーゲームが多いんだろ、好きだからいいけどさ。

2021年12月26日日曜日

とうに狂っていても「自分は正常」と言う

 日本も寒いでしょうが上海も寒波来てて寒く、今日なんか抜けるような青空したせいで放射冷却やばく、自分も高島屋と自宅しか往復してません。
 あと関係ないけどさっき「じぶんしか→自分鹿」と変換されましたが、Microsoft IMEは年月を経るごとに変換効率が悪化している気がします。前なんか一度も変換したことなかったのに「せっけい→雪渓」とされて会社で暴れそうになりました。

 話は本題ですが先ほどふと、自分の精神は正常な状態を保っているのだろうかと考えました。理由は何故かというと手に持ってたものを落としそうになって「アブドゥルっ!」と口走ったからです。

 アブドゥルというのはジョジョの奇妙な冒険に出てくる例の濃ゆいエジプト人の名ですが、自分が初めてジョジョ読んだのは幼児の頃で、しかもDIOの館でアブドゥルがゴゥンッされて片手だけ残して異次元に吹っ飛ばされる回で、激しく記憶に打ち付けられる場面でした。
 このゴゥンッの際にその場にいたポルナレフが必死な形相で「アブドゥルーー!」と叫ぶのですが、なんかこれが妙にハマったというか、何か驚くようなことがあった時に何気なく「アブドゥルっ!」とつぶやいてたらガチで「おっと!」という場面でも「アブドゥルっ」というようになっていました。しかも些細なミスを犯すことを「アブドゥる」という動詞で表現することもあり、「アブドゥっちった」みたいに言います。

 この癖、自分から見てもかなり変な癖で他の人には見せないようにしてますが、実際見られるというか聞かれたら「何この人(;´・ω・)」と思われることは必至です。そのため、ガチでこの癖については若干おかしいなと自分でも思っててて「正常」じゃないと思いました。

 そこからまた話が急展開するのですが、思えば傍目にも完全に頭がおかしくなっててまともな判断が下せられなくなっている人も、というよりそういう人ほど自分のことを「正常だ」と言い張る場面をよく見てきたことを思い出しました。具体的にどういう人かというと、明らかに支離滅裂な指示を連発したり、道理に合わないことを急に口走ったり、完全に公私混同な行為を会社や周りのための行為だと言い張ったりなど、まとも判断を期待することの方が難しいと感じさせられるような人たちです。
 一見するこういう人たちは正常に見えるのですが、何度も言う通りにまともな意思決断や取捨選択ができなくなっています。日常生活こそできるものの、集団の行動に係るような決断であっても自己保身を優先したり、どう考えてもその後不利にしかならない方針を選んだりなどと、単純に迷惑な存在です。しかもそうした誤った判断を止めようとするとやたら「自分は正常だ!」などと不必要なくらい正常アピールしてくるのも目立ちます。

 はっきりいえば脳機能が低下したからかどうかまではわかりかねますが、こういうのは本人の個性とかそういう以前にもうとっくに狂ってる人たちです。しかしそんな狂ってる人ほど周りの批判とかに対して正常アピールが強く、いうなれば、正常であろうが狂ってようが、人は自分のことを正常であると言うものなので、自分が狂っていてもほぼ確実に自分自身では気づけないものだと思います。それこそ、多重人格症を自己認識とかしているようなケースを除けば。

 そういう意味で冒頭に書いた通り、私自身が今の精神状態を正常であるかどうかを考えた際、自分自身ではどう頑張ったって判断のしようがないなと思い、それこそカウンセラーとか精神科医にでも相談しないとわからないなと思ったわけです。もっとも精神科医も、「日常生活でよく『アブトゥル』ってつぶやいちゃうんですけど」と相談されたら反応に困る気がしますが。

 その上で、自分自身はともかく他人がもう狂ってるかどうかを判断する指標はないかなと少し考えてみたのですが、やはりキーとなるのはさっきちょこっと書いた「自己保身」じゃないかという気がします。
 基本人間というのは、年を取れば取るほど欲が強くなると言いますが、中でも自己保身欲というものはこれまで自分が見て来た中で例外なく年齢とともに高まる心理だとみています。また私自身が見て来た「とうに狂ってる人」たちもまた、例外なく自己保身が常人より強い、というより自己保身の塊となっている人たちでした。そもそも彼らがめちゃくちゃな判断や行動を採る理由というのもほぼすべて自己保身に端を発するもので、自己保身そのものが人を狂わせているようにすら見えます。

 仮にそうだとした場合、その人が狂ってるかどうかの一つのベンチマークとしては、自己犠牲的な行動を採れるかどうかが大きくなるように思えます。自分が一端しか関わっていなくても全責任をおっ被るとか、助ける義理もなければ将来的なリターンも期待できないのに損失を負ってでも助けようとするなど、こうした行動を直近で大なり小なり採っているかどうかが、少なくとも自己保身に狂ってるか狂ってないかを見る上で大きな指標になるんじゃないかと思えます。
 でもって繰り返しになりますが、「自分は正常」というセリフには何の説得力も根拠もなく、むしろ正常な人は普通自分でそうは言わないだけに、このセリフを言う人ほどもう狂ってる可能性が高いとみるべきでしょう。

 途中で書いたように、人間は精神が狂ってしまっても自分自身で認識することは難しいものです。今これ書いてる自分自身もおかしくなっている可能性もあるし、何か夢見ながら書いてる可能性もあります。といっても、自分が狂ってることを前提にすると何も行動取れなくなるので、そういう意味では狂ってないと思い込んではいるのでしょう。
 それだけに、日常の判断とかで自分が狂ってる要素がないかという点についてはやっぱり注意していきたいものです。狂ってた場合、自分だけでなく周囲の足も引っ張ることとなりますし、精神ケアこそ自分自身でできないものの、体調を整えるなど体力方面から精神の回復を促すことはできるだけに、疲れなどで判断がおかしくなってきていると考えたら意識して休むようにしています。

 もっとも、私は必ずしも正常であり続けたいとは全く思っていません。特に芸術などの方面においては、思考的に狂っている要素が要求されることが多々あり、私に関しては文芸ですが、その作品の価値を高める上では自らが精神的に狂うことを厭いません。
 なお、「チェンソーマン」の作者の藤本タツキ氏の短編集をこの前買いましたが、あとがきで「死んだメダカ食っておなか痛くした」と書かれたエピソードみて、「やべぇこの人(;´・ω・)」と思いました。

2021年12月25日土曜日

中華カップ麺:過橋米線


 本題と関係ないけど上の広告画像の男の顔、ほんとムカつく顔してんなと思いました。ハラスメントする側の人物描いてんならわかるけど。


 でもって本題ですが、今日湯豆腐でごはん1合食べたけど風邪ひく前なのかやたらおなかすいたので、今日かっておいた上のカップ麺を追加で食べました。普段そんなにカップ麺食べる方ではないのですが、色々食べて記録残しておけばあとでまた中華カップ麺総評みたいな記事にまとめられるかもなと思い、なるべく珍しそうなのを選んでおきました。

 それで今回買ってきた「過橋米線」ですが、中国語で「米線」とは「ビーフン」という意味で、実際このカップ麺も中身はビーフンでした。まずお湯煎れる前に若干ビビったのは、スープの素やザーサイなどの具材だけでなく、ビーフン本体や謎肉とかも袋詰めされてて、計5袋もの構成になってました。そのためお湯煎入れる前に袋開けるだけでも結構時間取られました。


 それでお湯注いだ後がこれ。見ての通り真っ赤っかです。
 何もこれに限らず、中華カップ麺は基本スープが真っ赤で、辛味ベースな味となっています。最初に書いておくと、全部辛い系の味付けで同じようなスープと具材なため、中国のカップ麺業界の同質化は自分から見ていて異常なほど深刻です。直近のデータを調べてないですが二年くらい前に調べた時はやはりそうした同質化が一因となったか、消費量がこのところ落ちてきているという統計になってました。

 話を戻し今回のカップ麺を食べた感想ですが、やっぱり味は激辛とまではいかないまでもビリ辛で如何にもな中華カップ麺な味してて、スープについては何故工夫しないのかと疑問すら覚えてきます。
 一方、麺、っていうかビーフンに関してはいい方向に裏切られました。インスタントだからてっきりパサパサで切れやすい麺になっているかと思いきや、思いのほかコシが強く、噛み応えもよければその味もスープとうまく絡んで意外なほどおいしかったです。分量も結構あり、これ食べてようやくおなかいっぱいになれました。

 このほかだと、今回改めて自分も気が付いたのですが、具材に関しては日本のカップ麺とは比べようもないほどレベルが低いです。謎肉に関してはこのカップ麺に限るわけじゃないですが味も歯ごたえも悪く、またザーサイも切り方が細かすぎるせいか、麺を少しかき混ぜるとほぼすべて一気に底へ沈み込み、浮かんでくることもないため麺をすすってる際にはほとんど口に入りません。もう少し大きく切り分けていたら、麺をかき混ぜる度にいくつか浮上してくるのではと思うのですが、この辺の具材の処理の仕方では日本と中国で雲泥の差を感じます。
 あと単純に、具材自体がそんなおいしく感じられないっていうのは昔からです。

 結論をまとめると、麺に関しては意外なほどしっかりしていて感心させられたものの、スープは保管カップ麺と全く差がないほど工夫がなく、具材も同様に沈み込み、流しにスープ流す時に排水溝のの口をふさぐくらいまとまって出てきます。スープまで全部飲んだら違うかもしれませんが、あのピリ辛味のスープを全部飲む気にはなれません。

2021年12月23日木曜日

自我があるがゆえに淘汰される日本の現状

 かねてから世話してきた中国人留学生が大学卒業を控えるものの内定がなく、今月に入ってようやく自分に泣きついてきたのであれこれ入れ知恵しています。自分の入れ知恵もあって先週の面接は突破し、今日の二次面接もそこそこ好感触を得ているそうですが、この面接対策の際に自分が何度も言った言葉というのも、「俺のアドバイス聞いて役に立つのか?」でした。
 というのも、私自身も新卒時の就活では非常に苦労し、エントリーシート分を含めると100社超からお祈りされてこの際、新興宗教「内定ない」教の教祖にでもなろうかと思ったくらいです。なお中国勤務ファーストツアーを終えた2013年の再就職時も100社超に落ちていますが、今現在はその時落とした全会社、下手すりゃ全部の会社をひっくるめた以上の規模の組織に属していて、人間何がどうなるかわからないものだなという気がします。

 話を戻すと、自分が就活においては明らかな劣等生だったという自覚もあって、自分でやっときながらそのアドバイスには若干自信がありませんでした。もっとも向こうからは、「大学の就活相談窓口よりは頼りになる」とのことで、確かにそいつらよりかは珍しいことはちょっと言えるかなと自信取り戻しました。

 そうした就活アドバイスを通して自分でも再発見したというか、突き詰めると自分が何故就活であれほど苦労したのかというと、日本人離れした極端に強い自我が原因だったのかとこのところ考えています。

 この辺の自我の話はこのブログで何度もしていますが、まず大前提として日本の義務教育は子供の自我を完全に取り除く、叩き潰すことを究極的な目標にしていることは間違いありません。これは話した人間全員が「その通り!」と自分でも驚くくらい同意される意見なので、多分あってるでしょう。
 その上で、日本の教育現場における自我の形成に関して大学が唯一の期間であり機関になっており、この辺が各大学のスクールカラーの形成にもつながっているのではないかと思います。

 ただ、大学在学中にようやく形成し始めた自我を再び叩き潰すのが就活になっている気がします。基本的に就活というのは、面接官が期待する答えを言えるかどうかが重要で、どれだけ内容が優れていたとしても、想定リスト外の答えしてくる人間は無価値と扱われて排除される傾向があります。詳細までは言いませんが、やはり見ていてこういう答えを期待しているのだろうなというのはすぐわかるのですが、だからこそ自分はそういう答えを敢えて選ばず、別の答えを言っていました。理由は単純に、自分は他の人間と違うことをはっきり示すためでした。

 結局はこういうところで、慣例に従わず無駄に自分の頭で考える癖が自分の首を絞めていたのでしょう。その上で、基本的に日本人は自分の考えで行動する自我の強い人間をまず嫌っており、私自身も子供の頃の時点で自分はどうあがいてもマイノリティに属さざるを得ないとはっきり自覚しており、その辺が自分でも異常と感じるほど弱者に対する憐憫的行動を多々取る理由だとも見ています。
 もっとも、この前そんな弱者から強者に見事ランクアップした奴がいて、貸した金の一部がちょっと戻ってきました。ぶっちゃけそいつには累計で150万円も援助してるだけにガチホッとしてますε-(´∀`*)ホッ

 話を戻すと、基本的に日本で生きる上では自我はなければない方がいい、あればあるほど迫害めいたものを受けることになると、そこそこの年齢重ねた上で自我が強いと自覚する自分は言います。世の中や組織に疑問を持つ人間よりも、持たない人間の方がその組織外でも歓迎されるし、余計な苦労も重ねずに済むでしょう。
 そこまでわかってるのにという点については、別に自分は自我を強めようと意識したことは知識に対する追求と違ってこれまでに一切ありません。断言してもいいですが天性のもので、生れ出た時点で他の日本人がまず持たないであろう考えや思考をするように自然になってました。そういう意味ではやや被害者意識が強いだけとも感じるものの、自らはマイノリティであると早くから自覚していた点については能力としては認めるものの、小賢しさも若干覚えます。

 じゃあそんな自我なぞ捨てればいいのではという点については、単純に自由と同じだと考えています。比喩としては知恵のリンゴのがいいかもしれません。
 もっとも創世記の知恵のリンゴは、本当は「果物」としか書いていないようで、実際はリンゴじゃなく多分イチジクらしいです。

 就活で苦労していた時、ロシア語の講師から「当たり前じゃん、あんた愛想ないもの」と言われ、これは「うちらの業界だと誉め言葉だ」と言われましたが、言われた当時は結構ハートに来てました。ただようやく今になって、この「愛想がない=はっきりとした自我を持っている」という意味だと分かり、やっぱ語学屋なだけにそれに近い属性の自分についてよく理解してくれていたんだなと思います。

2021年12月22日水曜日

一番記憶に残るラスボス

 最近疲れているのか、ゲッターロボの主人公三人組がラーメン三銃士にみえてしまうことがあります。ただぶっちゃけ、二人目と三人目はどことなく面影があるような。

 話は本題ですがRPGゲームにおいて何が一番大事かというと、壮大なストーリーとかヒロインとかいろいろ要素ありますが、極端な話で言えばラスボスが一番大事じゃないかという気がします。どれだけいい内容でも最後のラスボスがしょぼかったり、戦闘自体は白熱しても主人公と対立した理由がクソしょうもない理由だったりすると、作品全体で一気に価値が暴落します。終わりよければすべてよしではないですが、ラスボスが駄目だったらすべてダメになってしまうところがRPGゲームにはある気がします。

 いくつか具体例を出すと、真っ先に思い浮かぶのは「幻想水滸伝2」のルカ・ブライトという悪役です。彼自身は実の父親を毒殺したり、戦争を引き起こすため味方を虐殺したり、「豚は死ね!」とか言ってみたりと残虐な一方、個人戦闘力が化物みたいでぶっちゃけ彼一人で戦争に勝ってしまうようなところがあり、日本RPG史上でも屈指の悪役キャラであると今でも超人気です。
 ただ唯一の問題として、彼はラスボスではなく中ボスで、一応彼を倒した後もそこそこ盛り上がるものの、作品全体で一番盛り上がるのはやはり驚異の三連戦ことルカ・ブライト戦だった気がします。名作っちゃ名作だったけど、幻想水滸伝2はルカ・ブライトがラスボスだったらまた別の形の名作になっていた気がします。

 逆にラスボスが良くて盛り上がったという作品としては、ファイナルファンタジー7のセフィロスじゃないかと思います。このキャラはイケメンで単独でも人気があり、またストーリー序盤から強い存在感とともに暗躍し続け、また主人公たちも彼と戦うはっきりとした理由があるだけに、FF7を名作たらしめている要素になっていると思われます。敢えて欠点を挙げると、ラスボスとしてはやや弱い方のキャラで戦闘があんま盛り上がんない点です。
 もっともラスボス戦のBGMは植松伸夫氏の作品の中でも傑作と呼ばれているのと、地味に一騎打ち(カウンターで仕留められるが)で決着つける演出は当時としては画期的でした。

 同じFFシリーズからだと、FF6のケフカはややダメな例になるでしょう。序盤から憎たらしいキャラとして登場し続けるものの、いまいち彼が狂った理由がはっきりしないし、また世界を滅ぼそうとしている理由もあいまいなため主人公側も彼と戦う理由がよくわかんなかったです。でもってラスボスとしてはクソ弱く、実際に全キャラにドリルを装備して挑んだ小学生の私が唖然とするほど弱く、消化不良感が半端なかったです。このFF6も、魔大陸に行く中盤が一番盛り上がってたような。
 それとFF9は私はやってないのですが、人づてに聞くと突如現れるペプシマンで、悪い意味でみんな唖然とするそうです。でもってみんな、「ラスト以外はいいよ」とFF9をよく誉めてました。

 さてそんな感じでラスボス批評を続けていますが、見出しの一番印象に残ったラスボスは誰かってなると、やはり「マザー2」のギーグじゃないかと思います。実際にプレイした人ならわかるでしょうが、ほのぼのとした糸井ワールドにそぐわぬ不気味という概念そのもののようなビジュアルしたキャラで、セリフも「ネスサンネスサンネスサンネスサン……」を始め、正体が一切わからない得体の知れなさで言えば日本RPG史上ぶっちぎりトップでしょう。
 敢えて言うなら、漫画の「ベルセルク」に出てくるゴッドハンドが「ドラえもん」ののび太の家に突如現れるような不気味さで、初見ではみんなびっくりするキャラです。その正体については様々な考察がなされていますが、最近見た中だと実はマザー3のあるキャラクターの成れの果てではという推測が結構面白く、改めてまたこのキャラについて調べていました。
 もっともマザー2については、ラスボス以前にゲーム全体としても名作ですが。あと印象はすごいんだけど、ラスボス戦が実質イベント戦ってのはちょっと惜しかった気がします。

 このほか気になったラスボスを挙げると、あんま遊んだ人はいないでしょうが「ラングリッサー4」のラスボスも最初から因縁ある相手なのと、最終ステージがかなり激ムズだったということで、倒した時はやばいくらい興奮しました。やっぱ感情移入して憎いと感じるラスボスほど達成感があります。
 逆に続編の「ラングリッサー5」は、なんか宇宙にある変な機械が実質的なラスボスで、作業感満載で超つまんなかったです。

 最後もう一つ、いい意味で印象に残ったラスボスとして「サガフロンティア2」のエッグがいます。このキャラも序盤から登場、っていうか主人公のウィル・ナイツの一家を3代にわたり呪い続け、作中世界で100年近く騒乱を引き起こし続けた諸悪の根源の中の根源ともいう敵キャラで、ストーリーの絡み具合で言ったら本当に屈指の存在でした。
 具体的にはこのエッグによって主人公は、両親、叔母、恋人(分岐によるが)、息子が死に追いやられることになり、そんな憎いことこの上ないエッグを、世代を超え、ウィルの孫のヴァージニア・ナイツが叩き割るという最後の展開は非常に興奮させられました(*´Д`)ハァハァ

 しかもこのエッグの場合、非常に強く設定されていてラスボス戦も白熱します……というと聞こえはいいですが、実際には強すぎてゲームが詰む可能性も高く、やりすぎなところがありました。特に設定ミスでほぼ確実に石化をつけてくる特殊攻撃とか、「世界の合言葉は森」と幻想的な技名ながら目を疑うかのようなダメージを叩き出してくる攻撃など、自分も初めて立ち向かった際は「頭おかしいんじゃねぇのか?」と本気で思いました。っていうか攻略情報ないと絶対に攻略無理だった。
 サガフロ1がこの前リメイクされて好評を博しているようですが、サガフロ2ももっとマイルドなシステムにして、むしろ現代のこの技術できちんとリメイクしてもらいたいものです。もっともマイルドにするにしても、「お呼びじゃないのよカス野郎!」などのサガらしいセリフは残すこと必須ですが。

2021年12月20日月曜日

中国オフィス記事の裏側

一等地でも空室だらけ、中国のオフィスビルがガラガラだった(JBpress)

 正直目を開けているだけでも苦痛を感じるくらい疲労しているので簡単にまとめます。
 恒大問題など中国の不動産は個人向け住宅販売ばかり目を向けられるのが嫌なのと、地味にこちらの方が中国不動産業界の問題として大きいのではないかと思い、書くことにしました。

 友人にも指摘されましたが、空き室率について過去の比較データがないというのは自分でも非常に良くないと感じています。できればグラフの一つは用意したかったのですが、月次で直近までデータを後悔しているシンクタンクがなく、またあっても2020年までと古いのしかなかったために、JLLのレポートデータだけ引用することにしました。
 まぁJLLなら権威あるし、一つの機関が全国についてまとめてくれているのでこれはこれで価値あるデータですが。

 なおその空き室率の数値について補足すると、中国では15~20%が健全な水準とのことで30%言ってるからヤバイということですが、直近の東京のオフィス空き室率は大体6%台です。この点についてヤフコメで指摘している人がいて、30%なんて想像もつかないけど大丈夫なのと書かれてあり、良いコメントを書いてもらえました。そのコメントとはまた別のコメントではもっといい内容があり、曰く、資産税がないからこれだけ空きがあってもやってけるのだろうという指摘がされていました。
 実はこの指摘が、敢えて書きませんでしたが今回の記事を読み解く重要なポイントだったりします。日本と比べると中国の商業不動産オーナーが支払う運転費用は施設維持費だけで、資産税がない分、日本より資金的には楽だったりします。上記コメントをした人は、中国では今後資産税を導入しようとしているがそれでどうなるのかとも書いていましたがまさにその通りで、商業不動産に関しては結構逆風が吹いているような状況だったりします。

 上のコメントを読んでみて自分も、改めて資産税の影響というものについて考えさせられました。逆から見れば資産税があるからこそ空きを出さないための工夫、具体的には競争が起こり、その結果として日本みたく低い空き室率が維持されているところがあるでしょう。一方で、資産税の分だけ賃料に上乗せがされる面もあり、消費者も資産税の負担を被っているところもあると考えると、またどうしたものかと思えてきます。

 このほか今回の記事のポイントとしては、自分の肌実感も書いてある点でしょう。本当に夏ごろまでは見ているこっちが大丈夫かと思うくらいテナントの埋まっていないショッピングモールが多かったですが、秋ごろより段々と埋まり始め、アピタの島忠が撤退したスペースもこの前見に行ったらテナントが入る準備をしていました。
 多分今後はある程度は回復するだろうけど、それ以前に中国の商業不動産は新規供給が多いため、地味に住宅よりもこっちの方が爆弾抱えている気がします。

2021年12月18日土曜日

逆転生するキャラの特徴

 諸葛亮が現代に転生するという漫画の「パリピ孔明」の1~2巻が無料中だったのでダウンロードして読んでみましたが、どっかの「一騎当千」な漫画と違ってちゃんと原作の諸葛亮らしさを上手く現代ネタに溶け込ませていたので、そこそこ面白く感じました。「一騎当千」な漫画はさすがに三国志知らないにしてもひどすぎた気がします。

 その上で、この作品読んでて思い出したのは、タイトルは忘れましたが明治の文豪である森鴎外が現代に転生するという小説です。この作品で森鴎外は、女子高生に本名が森林太郎だから「モリリン」と呼ばれながら携帯電話(当時のガラケー)を使いこなしたりするという話なのですが、こうした過去の時代の人間が現代に転生する話だと諸葛亮や森鴎外のように、やはりインテリキャラになりがちなのかもと思いました。
 何故インテリキャラが使われるのかというと、話の必然的に現代の機器や技術を学ぶ必要があり、そうした学ぶ姿勢がはっきり出るキャラじゃないと成立し辛いところがあるからじゃないかと思います。それこそ張飛とかが現代に転生しても、パソコンとかスマホを使うイメージ持てないし。

 もっとも張飛が現代に転生して、RIZENとかで朝倉未来と戦ったり、鉄球ドッチボールする等という話なら面白くなる気がしますが。

 話を戻すと、上記のように過去から現代ならインテリキャラが使われやすいですが、その逆で現代から過去へ転生するというのならどんなキャラが多いのかなとも考えてみました。真っ先に浮かんだのはまた漫画の「仁」の主人公で、実際にこの作品は読んだことないけど医者という職業上のスキルを幕末にフルに生かすことになるキャラになっています。基本的に現代人の方が過去の時代の人と比べて知識などで勝ることが多いため、むしろ一点物のスキル、上記のような医術や馬術といった何か特定の技術を過去の時代に活かして活躍するというキャラが過去に転生しやすいなのかなと見えてきます。

 ならこの手の一点物のスキルで過去に転生したら面白そうな人はいるかなと考えたその時、天啓が降りてきました。それは誰かというと、永遠の中間管理職こと漫画の「カイジ」シリーズに出てくる利根川幸雄(トネガワ)です。
 悪徳消費者金融会社に勤めるトネガワですが、彼が過去の時代、具体的には江戸時代に転生してどっかの会長によく似た悪代官の腹心となり、天領の農民からあの手この手で搾取する、でもって目付に詰められるのを上手く切りかわす話なんか結構ありなんじゃないかという気がします。っていうか、農民のキャラとかまんまカイジの絵柄がそのまま使えそうで、スピンオフとしてそこそこいけるんじゃないかなという気がします。諸大名の接待でいびられるとかいうのなんかすぐ想像できるし。

 こう考えると、本当にトネガワはなんにでも使えるキャラクターだなという感じがします。あのカイジの第一部は実は思い出があり、連載当時によくゴミ捨て場とかから拾い読みしていたヤンマガをパラパラ読んでいた時、ちょうどEカードをやっているところで出会いました。当時はなんか妙な絵柄の漫画だなぁと感じつつ、やたら心理描写が細かく書かれていて、よくわからないけど強く印象に残る漫画だと思ってみていました。まさかその漫画が未だに続いていて、こうして様々なスピンオフまで作られるようになるとは当時思わなかったけど。