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2023年5月15日月曜日

死者との対話がなされなくなった現代

 日本では今気温が乱高下している最中でしょうが、上海では程よく気温が上昇して安定してきており、今日も最高気温が35度くらいの真夏日となってみんなで「地上はやめて、地下通って飯食いに行こうぜ!」というノリになりました。
 このように夏が近づいてきているのですが、夏というと自分は仕事の繁忙期で、ほぼ毎年6~8月の記憶があいまいになるほどへとへとになります。今年もその時期が近づいてきて戦々恐々としていますが、夏とくればかつては心霊特集があったということを急に思い出しました。

 90年代後半にデジカメが登場する前のフィルムカメラの時代、フィルムの特性や現代のデジカメに標準搭載されているブレ防止や光の歪み補正がなかったことから、当時はちょっとしたことで撮影した映像にブレが生じ、いわゆる心霊写真ぽいものがたくさん量産されていました。それら撮影に失敗した心霊写真もどきは夏場の心霊写真特集などに用いられるなど効果的なリサイクルがなされていましたが、デジカメの発達に伴いこうした心霊写真ができることも減り、いつしかあの手の胡散臭い番組は見なくなりました。

 もっとも心霊写真がでてこなくなる以前に、2000年代に入ってから東芝とかが言い始めたコンプライアンスという言葉が出始めて、全くコンプライアンスのなかった東芝はともかくとして、テレビ局も怪しいオカルト番組を出すことを控えるようになっていました。そうした影響からか、夏場の心霊写真特集はおろか、怪しげな霊能力者が出てくるオカルト番組自体も消え失せ、夏と言ったら心霊という言葉もなんだかここ数年聞かなくなった気がします。

 もちろん根拠なく人を不安にさせたりするような番組を報じるべきではないし、FBI超能力捜査官のジョゼフ・マクモニーグルなどの詐欺師を出したりすべきじゃないのですが、その一方で心霊番組が減ったことから、死者について考える機会も減ってきているのはマイナスじゃないかとふと思いました、3分前に)。
 なんだかんだ言って当時の心霊番組では、先祖供養がいい加減だから化けて出てきたとか、死んだ友人が守護霊になっているとか、死んだ人間が今どのようになっているか、そして生きている人間とどうつながりがあるのかについてもっともらしい適当なことを言っては、「死んだ人はどうなるのだろうか」という問いについて視聴者に考えるきっかけを与えていた気がします。それ以前に「死んだらどうなるのだろうか」という問いを考える上では、やはり幽霊の存在を肯定するにしろ否定するにしろ、頭の中に入れておく必要があるでしょう。

 私自身は神を信じていないし今日の仕事のメールでも「あまりにもきつい環境ゆえに神を呪いながら仕事してやるんだから」などとわけわかんないことをリアルに書いたりする人間ですが、人の霊魂については半々みたいな感覚を持っています。死後についてはそこまで差し迫って死にそうなわけじゃないからあんま考えてませんが、人間が生きていく上では「死んだらどうなるのか」という問いを持つことは非常に重要だと思います。
 その死を考える上で、上記心霊番組などの「生者と死者のつながり」をストーリーにして映すことは、こうした死者との対話めいたものを考える上では非常にいいきっかけだった気がします。具体的には、生前の恩を思い出したり、逆に悪いことした相手に祟られるかもと意識したりなど、ああした死者が死後も何らかの意識や価値観を持つと想定してあれこれ考えるのは、自分がこれから死を迎えるにあたって準備すべき思考を育む上では意外と大事だったりする気がします。

 然るに冒頭でも書いた通り、このところはそういった心霊番組とか特集を見る機会がなく、ネットにおいても「本当にあった?心霊体験」的な掲示板もなんだか見なくなっている気がします。怪しい噂が流布されるのは問題ですが、一方でこうしたオカルト話がなくて死について考える機会がなくなるのも、何か不健全であるような気がします。
 なお昔ネットで見たオカルト話で、峠道をバイクで走ってる最中に急にトイレしたくなり、仕方なくガードレールを乗り越えて、ガードレールに掴まりながらトイレをしようとしゃがんだところ、道路側からピカッとライトに照らされ、それからしばらくその峠道ではガードレールに生首が突然現れるという噂が出るようになったという話がお気に入りです。

2023年5月14日日曜日

まるで議論の出てこない考古学

 ネット上でその方面のまとめサイトに行けば現在ホットな歴史トピックの議論を読むことができますが、比較的議論が熱いなと思う時代としては今も昔も戦国時代で、逆に人気が下がってきていると思うのは昭和前期と幕末です。昭和前期に関してはこの時代の関係者が亡くなってきており、それに伴い研究者も減ってきていることが原因だと思いますが、幕末に関してはこの時代を取り扱う小説が昔より減ってきているのが理由かなと推測しています。

 一方、全く議論に上がらない時代を上げるとしたら考古学で取り扱う先史時代で、かつてあった邪馬台国論争なんてもはや論争の態を成さないほど誰も議論していません。それどころか、大和王朝に関する話題だったり、日本人の民族的ルーツに関する話も何も見られません。
 これらの時代は元から決して人気であったというわけではないものの、それでも20年くらい前だったらネットに限らず書籍などでもある程度の話題というか議論の主張を見ることはありました。しかし2000年に発覚した旧石器捏造事件によって、多くの遺跡で発掘物が一切の証明能力をなくしたことから、東日本における考古学はその後研究を行うことは実質的に不可能となりました。

 もっともこの事件は日本の考古学が明確に終わるきっかけに過ぎなかったという声もあります。事件以前からも日本考古学会が発表する論文はずさんなものが多く、証拠の管理能力も低かったと言われており、私も専門家でないもののいくつかの発表論文を見ていて疑問に感じる点は少なくありませんでした。

 話を戻すとあの事件をきっかけに、捏造を行った張本人である藤村氏が関わっていない西日本の遺跡はその後も研究が続けられたものの、事件のマイナスイメージもあってか冒頭に述べた通り現在考古学は盛り上がりを見せていません。そもそも考古学自体が異常に金のかかる学問で、景気の悪くなった日本においては研究をサポートするスポンサーどころか、国も若干及び腰になっていることも影響しているように見えます。

 そんな感じで考古学の「こ」の字すら見なくなっていた私ですが、去年に対馬と壱岐島の博物館に行ったときに、かなり久しぶりに発掘物の展示を見ることがありました。どちらの島も日本本土と比べると道路や宅地開発がそこまで激しく行われてなかったこともあったのと、朝鮮半島からわたってきたと思われる出土品が出るなど、比較的良好な発掘地となっているそうです。
 特に壱岐島に関しては比較的平野が多く農耕も行える環境であったことから、当時の住宅の跡地と思われる当たりでまとめて出土品が出るなど、地元も中学生なども呼び集め結構盛んに発掘とか行っていました。

 もっとも、個人的には対馬と壱岐島については地形的に東シナ海における倭寇などの海賊活動の拠点だったと思え、この辺の海賊の歴史についてもっと解説されているのかと思い期は完全スルーで、もっとこの辺を掘り下げた方がいいのにと思ったりしています。

 ただこうした離島ならともかく、日本本土においては今後考古学で何か大きな発見が出るかと言ったら恐らくないんじゃないかと思います。先の捏造事件の影響もさることながら、先史や古代史学会は古事記の記述を無理やり中国の歴史書の記述になぞらえようとするファンタジー作家が異常に多いことなどから、あまりまともに科学的な活動が行われているように見えません。「卑弥呼は〇〇皇后だ」などと、よく根拠もなくああしたこと言えるなと呆れています。

 そうした学会の質の低さから、もし考古学をやりたいっていう人がいるならまず外国語を学び、日本国外で考古学活動をすべきだと思います。ちなみに中国は未開の土地がマジでゴロゴロあり、そこから思わぬ遺物が出てきたりするので結構考古学が盛り上がっています。曹操の墓だって見つかったし。

2023年5月12日金曜日

2027年までに台湾有事が起こる確率

 最近また仕事が忙しくなってきて暴れちゃいそうです。ストレスたまってるのか、まだ作っていないキットあるのにまた別のプラモも買っちゃうし……。っていうか仕事でもずっとキーボード叩いているのに何で家でもまたブログ書くのにまたキーボード叩き続けてるのか意味不明です( ;∀;)
 話は本題ですが米軍は2027年までに大陸の中国が台湾に攻め込む台湾有事が起きると予想していますが、結論から述べると自分は逆に、2027年までは台湾有事が起きる確率はもはやほぼないと楽観視しています。

 まず今回の予想の大前提として、中国が台湾を占領するに当たっては去年の2022年が千載一遇のチャンスの年であったと私は確信しています。このチャンスはそれこそ十年に一度と言っていいほどの奇跡的なもので、準備不足だったとはいえ中国がみすみすこのチャンスを逃したことから、2027年まで台湾有事はもう起きないだろうと自分は予想しています。

 何故2022年が中国にとってのチャンスだったのかというと、言うまでもなくウクライナ戦争の影響です。ロシアに侵攻されたウクライナに対し米国は多大な軍事支援を行った結果、本国においても予備の弾薬が払底する有様でした。そのため仮に去年のうちに中国が台湾に軍事攻撃をかけたとしても、ただでさえウクライナへの支援で手一杯の米国には台湾を支援する余裕はなかったでしょう。下手すれば沖縄にいる在日米軍ですらあまりの備蓄不足により、台湾への攻撃を目の前で眺めるだけとなっていたかもしれません。

 その米軍の弾薬不足状況は今年2023年においても続いてはいるものの、すでに米軍は補充に向け軍需メーカーに発破をかけており、その資金調達のためか日本にもデッドストックとなりつつあったトマホークミサイルを買わせたりしており、少なくとも去年よりは台湾を支援するリソースが整いつつあります。
 またウクライナ情勢についても、ロシアの劣勢がもはや明確となっており、戦闘種類も今後は戦車などが中心となる地上戦に移行していくとみられ、米国の支援の種類や形態もこれまでとは変わってくるでしょう。

 このほかウクライナ戦争の別の影響として、ロシアの威信や影響力の低下もまた、中国が台湾を攻略する上のハードルを上げています。現在戦争中のロシアは中国がある意味支えていますが、台湾有事の際に中国がロシアに期待していたのはまさにこの役割でした。
 しかし今回のウクライナ戦争によりロシアは経済制裁を受けて国際影響力が低下しており、半同盟国だったインドだけでなく、手下のように見ていた東欧諸国にすら距離を置かれる有様です。仮に中国が台湾有事を起こして欧米と関係を悪化した場合、国際社会で中国を支持して支えるだけの影響力はもはやないでしょう。恐らくこれから起こるウクライナの反転攻勢によりますますロシア、そしてプーチンの威信は落ちるとみられ、中国が有事の際に頼れる同盟相手としての役割を果たすことはもはやできないでしょう。ほかに頼れそうなのになるとあとはもう反米同士のイランと北朝鮮だけでしょうが、むしろ足を引っ張る存在になりかねません。

 以上の要素に加え、対中国包囲網が着々と構築されつつあります。先日にインド空軍が日本に来たりもしましたが、それ以上に大きいのは韓国外交の180度転換です。前のムンジェインが極端な左寄りだったのに対し、かわって大統領となった尹大統領は日米との関係を重視してその連携を深めています。

 何気にこれまで台湾有事を分析する上で自分にとっての最大の不確実要素は、韓国がどう出るのかがわからない点でした。ムンジェインの頃であれば確実に台湾が攻められるのを傍観し、在韓米軍に対してもその行動を阻害してくるとみられました。下手したらもっと中国寄りの姿勢を取り、自衛隊や在日米軍に対し露骨な妨害もしてくる可能性も考えられたでしょう。
 しかし新しく大統領となった尹大統領は北朝鮮にも突き放す態度を取り、中国に対しても脅しに屈さぬ態度を見せています。ぶっちゃけ自分からみて韓国としては今の尹大統領の外交方針こそがその利に適うと思え、日米をバックにすることで中国の強請りにもある程度対抗しやすくなると考えています。それ以前に韓国の半導体産業にとっても、TSMC擁する台湾を守る必要性と価値は十分あるでしょう。
 恐らく今の尹大統領がいるうちならば、中国が台湾有事を起こした場合は日米との連携を実現してくれると期待できます。

 その上で想定されるシナリオとしては、中国が台湾のみに攻撃を行う場合、沖縄の在日米軍(場合によっては自衛隊も)が出動して台湾を支援し、この場合は台湾と中国間の海上が主な戦場となるでしょう。
 問題なのは在日米軍が出動する沖縄に対し、中国が攻撃または海上封鎖をしてくるというシナリオです。この場合、確実に自衛隊も台湾防衛戦に参戦することとなり、台湾と沖縄諸島が戦場になってくると思います。

 どちらのシナリオにおいても、韓国がどう動くかは大きなファクターになると思います。一番韓国に期待したいのは中国と韓国に挟まれる黄海における中国軍艦に対する航行妨害で、これがあるかないかで戦況はかなり変わってきます。また中国が沖縄を攻撃して自衛隊が参戦した場合、韓国軍も参戦するか否か、これは文字通りに戦況を左右するだけのファクターでしょう。
 韓国軍が参戦するかという可能性は、その影響力のあまりの大きさから、実際に参戦するかどうかにかかわらず「場合によっては参戦してくる」という可能性そのものだけで、中国に対する大きな抑止力になると断言できます。それだけに今の尹大統領が日米、特に軍事面で強い連帯感を示し、いざとなれば韓国も黙ってないよという姿勢を見せることは、中国に台湾有事を躊躇わせる大きな要因になると思います。

 以上のような分析から、今の尹大統領の任期が切れる2027年まで中国が実際に台湾有事に踏み切る確率は、去年からのロシアの国際的影響力の低下、韓国の外交方針転換を受け、今や大きく低下したと私は考えています。正直、たった1年でこうも状況が変わるのかと思うくらい確率が低下したように見え、それだけに去年、特に韓国大統領選が決まるまでの間のチャンスを中国がみすみす逃したのは、中国に「状況はどんどん悪化している」と意識させ、台湾有事をあきらめさせる上で非常に大きいという気がします。

 無論、ウクライナ戦争の勃発のように予測されなかった事件が起きることで状況がひっくり返り、中国にとってより有利な状況に転んで台湾有事が起きてしまう可能性も十分あり得ます。それだけに今の状況、中国から見て「分が悪い」と感じさせる状況をもっと作り、維持するため努力を払うことは非常に重要です。

 日本においては当事者である台湾との連携を深めるほか、「仮に沖縄の在日米軍基地が攻撃されたら自衛隊はほぼ確実に参戦してくる」という観測を中国に持たせることが何より重要です。台湾のみが攻撃される場合も、公海での中国軍艦の妨害をどこまで行うかはかなり重要になるでしょう。
 また前述の通り、韓国との連携も台湾有事を防ぐ上で非常に重要です。日米韓が台湾防衛に異常にやる気を見せれば中国もまず台湾に手出しできないと予想されるだけに、三ヶ国揃って「俺たちの台湾に何してくれんだ」という姿勢を見せることが、戦争回避のため最も重要だと私は思います。

 なお仮に台湾防衛に韓国が参戦する場合、北朝鮮がどう動くかはやや未知数です。ただこの場合、反対に台湾有事が起きるや韓国軍が北朝鮮に攻撃を仕掛けるというのも、中国にとってはかなり痛いシナリオになってくると私は思います。場合によっては韓国は台湾有事が起きるや北朝鮮攻略を優先して祖国統一に動く方が、中国への妨害という面で価値を持つかもしれません。なおこの構造は冒頭に挙げた「ウクライナ支援に手いっぱいで台湾に手が回せない米国」の立場に今度は中国がなるということを意味しており、中国が逃したチャンスを韓国は逃すべきではないと密かに思います。

2023年5月10日水曜日

名ばかり松戸市民の真実

 このブログではわざわざ記事ラベルまで作ってマッドシティこと松戸市の誰が得するかわからない情報をよく取り上げ、私自身も上海在住の名ばかり松戸市民のように振舞ってきました。これは実際のところ全くの嘘ではなく、実際に中国へセカンドツアーで行く前の約半年間は松戸市役所近くのアパマンに騙された物件で暮らしており、その頃は松戸の生活を堪能していました。
 しかしここで真実を明かすと、実は元々は松戸市民ではなく、大学進学までの18年間を隣の流山市で育っており、ソ連人民の敵であるうちの親父が住んでる実家も流山にあったりします。そういうわけで本当は「上海在住の名ばかり松戸市民(若干は流山市民)」というのが本来あるべき世を忍ぶ仮の姿だったりします。

 なお生まれは流山とは無関係の土地で、そもそも流山には昔産婦人科は一軒もありませんでした。「流山」の字が「りゅうざん」と読めることからどこも作りたがらず、90年代中盤に入って初めて1軒できて、現在は若年世代の夫婦を呼び込むために過去をなかったことにして産婦人科が増えてるとは聞きます。

 話は戻しますが何故流山市で育ったにもかかわらず松戸のことばかり記事に書き続けたのかというと、単純に松戸はマッドシティと呼んだりしてネタにしやすかったからです。ネタにする話題というか場所も松戸にはたくさんあったのに対し、実際に住んでた流山は住民の地元意識の低さもあり、話題というか自分が書きたいと思うようなネタは今現在においても一切ありません。
 そもそも自分の場合、中学から別の市の中学校に進学したため、ただでさえ希薄な流山に対する地元意識がますます薄くなったし、流山在住の友人もかなり限られる、っていうか中学段階でほぼいなくなりました。そのため「ローカルな話題でブログ攻めるか」と考えた際、必然的に松戸のネタを書くようになっていったわけです。

 そもそもこの前書いた記事にもある通り、かつて流山市は北半分は柏市、南半分は松戸市の植民地みたいな状態で、南流山駅の通勤距離内にあったうちの家も、週末はほぼ毎週と言っていいくらい新松戸のダイエーか松戸駅前のDマートにしか行かず、ほかに行くとこねぇのかよとマジで子供の頃思っていました。
 それくらい松戸に対する経済消費的な依存度が南流山は高く、消費体験を通して松戸に対して今も根強い思い出が作られていきました。また中学から学校一緒だったのに何故か仲良くなったのは大学入ってからというリアル松戸市民の友人と地元で落ち合うたびに、松戸にかつてあったお店や今もあるお店の話題が激熱で盛り上がったりしたこともあり、自分でも気づかないうちに松戸に対して自分も愛着を持っていたのかもしれません。

 ただその友人を含め、松戸はそこそこ歴史が長いこともあって住民の地元意識や愛着意識は意外に高いように感じます。このブログでも取り上げたプラモ屋の「わらそう」や家電屋の「おかじま電器」の記事には書いた自分がマジビビるほどコメントが集まっており、自分を含めこうした松戸の過去や現在に興味を抱き続けている人は多い気がします。まぁだからこそ自分も記事化するんだけど。

 その上で現在の松戸について触れると、前の記事にも書いたようにこのところは躍進著しい元植民地の流山が反対に松戸の住民を吸収するようになり、消費者も松戸側から流山への流入が目立ちます。

 もっとも栄えているのは流山おおたかの森あたりで、自分の実家のある南流山エリアも若干吸い取られ気味で、本屋は潰れるわヨーカドーは寂れるわで実は流山市内においても淘汰が起きてたりします。ほかは潰れても気にならないけどヨーカドーには頑張ってほしい。

 話を流山と松戸の関係に戻すと、その松戸側境界に当たる新松戸はマジ見ていて苦しそうに感じます。住宅街はきれいなままですが駅前とかはお店が明らかに減少しているし(よくわからない鳥居のオブジェは元気そうだが)、落ち着いた雰囲気ではあるものの前ほどの活気が見られなくなっています。またこれは松戸中心部ほど顕著ですが、住宅が昭和中期の高度成長期に建てられたものが多く、見る人によっては若干古くなった街のように見えたりします。まぁ実際古いんだけど。

 ただ、松戸は柏と比べると道路網などの都市設計は比較的しっかりしており、古い建物を取り壊しての再開発とかは比較的やりやすい環境にあるのではないかと思います。柏の場合は道路や線路が入り乱れており、再開発しようにもきっとうまくいかないとはっきり思うくらい酷いです。
 もっとも松戸で再開発して入れ物を整えても、新たに住民が入ってくるかと言ったら少し微妙です。このところは高層マンションがよく新築されていますが、その一方で土地が余っている根拠ともいうべき無料駐車場も増えており、伸び悩みともいうべき兆候も示しています。

 以上のように地元民以外には全く共感できない内容ばかり書いていますが、言いたいことをまとめると実際住んでたのは流山ながら、愛着というか地元意識はむしろ松戸に感じたりしているのがこの私ですσ(゚∀゚ )オレ
 そのため仮に今後関東で生活するとなったら、恐らく流山ではなく松戸に居を構えることになると思います。前にもちょっと書いたけど松戸からだと都心に移動しやすく、また空港も羽田、成田のどっちともアクセスがいいので、中国と絡み続ける自分からすると絶好の土地だったりします。ただ松戸駅前は前住んだので、今度は家賃の安い北松戸辺りに住みたいです。でもって自作プラモを並べて「二代目わらそう」を名乗ったりしてみたいです。

2023年5月8日月曜日

中国の露骨過ぎる満足度調査

 連休で休んでいたつもりでしたが何故だか疲労がたまってます。多分4月中の仕事の疲れが気を抜いたところで今出てきているのだと思え、季節の変わり目だし睡眠時間を増やしていきたいこの頃です。
 ちなみに昨日は軽く横になる感じでベッドに入ったらそのまま3時間昼寝し続けました。危うく待ち合わせしていた韓国料理屋に遅れるところでした。

 さてそんな感じで若干疲労気味なため筆も鈍っているので、どうでもいい中国の満足度調査について書きます。

 かなり前にJBpressの記事で書きましたが、中国のアプリをはじめとするアプリサービスは意外とユーザービリティが高く、使ってて不満に感じることは少なく、感じる点もアップデートされていく中で改善されてくことが多いです。ユーザーに不利なバグは修正されない日本のゲーム業界とは大違いだ。
 この点について取材した業界関係者によると、ただ単純に競争が激しいゆえに、ユーザーニーズを汲み取らないと負けるという意識から書くサービス業者は常に改善に取り組んでいるためだそうです。とても社会主義国らしくない勤労ぶりですが、実際にというか中国でネットサービスなどを使っているとユーザー満足度調査への協力を求められることが多く、その調査項目も微に入り細に入ります。

 具体的には、例えば先ほど私が答えたタオパオのアンケート調査だと、先日にパスケース兼財布を購入したためか鞄、バッグ類に関するアンケート調査が送られてきました。尋ねる内容としては注文から商品到着日までの輸送日数や、商品検索時の利便性、あと価格や品質に対する満足度など結構ありました。
 仮にこれがタオパオ商品全体ならまだしも、恐らく前述の通り財布を買った人には財布という、商品ジャンルごとに細かくこれら質問を集計していると思います。この点一つとっても、下手な日系企業よりも回答するユーザーがどれだけいるかわからないものの、ユーザーニーズの調査意欲は高いと断言できます。

 まぁぶっちゃけていうと、日系企業ほどユーザーニーズをなめてかかっているというか、エレキをはじめ逆撫でするようにユーザーニーズと真逆の開発やマーケティングをやる企業が多いと感じますが。

 話を戻すとこうしたアンケート調査は携帯電話の通信キャリアからもしょっちゅう依頼され、元々社会調査を取り扱う社会学専攻だったこともあり、調査側の苦労もわかるだけになるべく答えるようにしています。ただ通信キャリアのアンケートについては多分私が答えなくとも回答が多く集まっていると思えるのですが、その理由というのもい寛容な調査依頼文面だからです。

「現在ユーザー満足度調査をやっており、満足度が低い1から高い10までの数字で、このショートメッセージにあなたの感想を返信ください。なお10と答えた方には無料で追加の通信量をプレゼントしちゃいます

 これマジでいつもこんな風に聞いてきて、実際に「10」と答えると「ご協力ありがとうございます。10と答えてくれたあなたには今月1ギガ分の通信料をプレゼントしまーす(*´▽`*)」と返信してきます。まぁいつも規定通信量余らせているのであんまお得感ないのですが、この結果をもとに奴らキャリアは「ユーザー満足度は驚異の9.99!」などと宣伝するであろうことを考えると、あまりにもやり方が露骨過ぎて逆に好きになっちゃいそうです。
 調査の公正性こそ怪しいものがある、というか怪しさしかありませんが、少なくともユーザーからすればほぼ無料で追加通信量が得られるし、キャリア側も満足度指数を引き上げられるので、まぁWin-Winな構図ではないかと思います。日本の通信キャリアもこういうことやってくれたら、高い通信料据え置きでもユーザーに若干の罪悪心を抱かせて不満を抑えられると思うのですが。

 っていうかこれ書いてて思ったけど、日本のユーザー満足度調査とかかなりなめたものが多いし、そもそもあまり運用していない連中が多いと思います。この辺、製品メーカーにどれだけの頻度でどれだけ回答を集めているか聞いてみたら、結構伸びている企業とそうでないとこで差が出そうな気がします。

2023年5月6日土曜日

松戸、柏、流山の東葛飾三国志

 最近意図的に真面目な記事ばかり書いてきてなんかネタ切れ気味になり、また趣味のプラモ記事でも書こうとした矢先に「あれがあったやん」と思い出したのでそのネタで行きます。

東葛飾地域(Wikipedia)

 上のWikiの記事では「ひがしかつしか」ですが、地元の人間は割と「とうかつ」と呼んだりする不思議な地域名です。対象地域は「葛飾の東」というだけあって東京都葛飾区に接する千葉県北西部ですが、ぶっちゃけ自分が小さいころ育ったのがこのエリアです。
 このエリアは基本的に東京都に勤務する人のベッドタウンで、住民も帰属意識は千葉県というより東京都にあり、千葉市に行った回数よりも東京都内に行った回数の方が絶対的に多い人ばかりです。この辺は山に囲まれ自治体同士が隔絶し合っている岐阜市以外の岐阜県民たちも同じだと聞きます。

 話は戻しますがこの東葛地区、かつては我らが犯罪都市のマッドシティこと松戸と柏が二大主要都市でしたが、近年はこの両市に接する流山市が人口増加率で全国1位になるなど急激に拡大しています。その辺の実態はどうなのかと思い、早速この三市の現在の人口を調べてみました。

松戸市:496,258人
柏市:432,427人
流山市:209,245人

 以上の通り、人口拡大が続いているとはいえ未だに流山市に対し、松戸市も柏市も倍以上の人口となっています。ただこのところ、松戸や柏から流山へ移住する層もいるとされており、私自身の感覚でもかつては両市に寄生していたような流山がこのところは両市の人口を食っているような感じがします。

 元々、流山市とというのはかなり例を見ないほど中心性の低い都市で、市役所のある中央部が何故か一番寂れてて松戸寄りの南側と柏寄りの北側境界部の方に人口が集中するという妙な都市でした。でもって、南側の人たちは松戸へ、北側の人たちは柏へ出かけることが多く、同じ市の人間であっても北と南で生活習慣がまるで違っており、価値観などもかなり相違あった気がします。
 そんな感じで実質的に松戸と柏の延長みたく分断されていた流山ですが、つくばエクスプレスが通るや一転、都内への交通の利便性の高さから急に注目されるようになり、つくばエクスプレスが止まるおおたかの森駅周辺が徐々に流山の中で中心性を持つようになり、前述の通り人口も拡大しています。

 その影響を受けてか、元々市内人口が減少傾向にあり羽振りの悪かった松戸も柏もこの20年で衰退が目立つようになり、百貨店や映画館の閉店はもとより、全体として古臭い街というイメージがもたれるようになってきています。それに対し流山は新興イメージが強く、関東に居を移す人たちからするとやはり流山が目に入ってくるのだと思います。

松戸市:15位
柏市:8位
流山市:4位
(全25自治体)

 見ての通りこの三市の中では松戸がぶっちぎり低いです。まぁマッドシティ松戸だしな。

 ただそんな新興著しい流山ですが、結構目立つウィークポイントも抱えています。はっきり指摘すればそれは教育で、高校数が異常に少なかったりします。具体的な高校数は以下の通りです。

松戸市:11校
柏市:14校
流山市:4校

 人口比率的に極端に少ないわけではないものの、松戸や柏と比べると流山は明確に少ないことがわかります。でもって、流山の高校はどれも偏差値が高い方ではなく、実際に流山市の中学生は卒業後、進学校の多い柏市の高校に通う子供が多いです。
 その柏市ですが東葛地域ナンバーワンの東葛飾高校をはじめ、進学校を多数取り揃えています。松戸はマッドシティなだけに無難な学校は多いものの目だった進学校は少なく、文教レベルでいえば三市の中で柏が群を抜いており、その甲斐あってか予備校も柏駅前に集中しています。

 もっとも、この三市は都内への進学も可能な距離にあるため、本当にできる子は都内の私立進学校に通うパターンの方が多いです。公立高校進学で頭のいい子が東葛飾高校に行くってイメージです。

 最初に書いた通り、この三市はちょうど流山を挟む形で割と密接な経済圏を形成していたりします。三市とも都内勤務者のベッドタウンで共通していて、県庁所在地の千葉市に帰属心を持っていないことで共通していることから、ある意味で住民の価値観の共通水準は高いとみています。
 でもって電車で数駅内の距離にあり、学校も市を跨いで通う子供多いため、私自身もこの三市で一つみたいな感覚を若干持っています。まぁ一番ネタにするのは松戸ですが。

 流山はそれこそかつては松戸、柏に分割された植民地(コロニー)的な立場でしたが、近年は人口拡大が続き、住民もかつてと違って松戸や柏に対し劣等感を抱かず、下手すりゃ優越感すら抱いている有様です。
 なお柏にも「柏の葉キャンパス駅」というつくばエクスプレス路線の駅がありますが、これが微妙に柏中心部と離れており、柏中心部がその恩恵を受けずに衰退が続いているように見えます。

 この三市を見ていて思うこととして、やはり鉄道というのは街の発展で極めて重要な価値を持つのだなという点です。都内中心部に直結という条件こそあるものの、三市の力関係を変動させたのはつくばエクスプレス以外の何物もなく、逆にそれ以前は同じく都内直結の常磐線が松戸、柏で力を発揮しており、都内につながる鉄道がその将来の発展を左右したと言えるでしょう。逆を言えば、市政内容というのは都内周辺都市の発展においてあまり価値を持たない気がします。

 ただ勢いづく流山であるものの、つくばエクスプレスは開業当初より利用客が異常に多く、それにまして近年も増加傾向にあるため、ラッシュ時はマジビビるほどホームは人で溢れています。横浜周辺ほどではないと思うものの普通に通勤するのが嫌になるくらいで、その点でいえば都内への通勤だったら松戸から通った方がいいんじゃないと密かに思っています。まぁ松戸に今後住むかと言ったら多分なさそうだけど。

2023年5月5日金曜日

忘れられつつある岸田総理の襲撃事件犯人

 まだ発生から1ヶ月もしてないですが、和歌山県での岸田総理を狙った襲撃事件についてもはや誰も話題にしなくなっています。まぁぶっちゃけ、ホームランが飛び交った今日の神宮花火大会の方が歴史的にも重要だと私も思いますが。

 同じ政治要人を狙った襲撃事件でも、去年夏の安部元総理の事件とはその後の反響が大きく違うと感じます。もちろん安部元総理の事件では襲撃が成功し狙われた安部元総理が亡くなったのに対し、今年の岸田総理の事件では幸いにも誰一人死傷者が出なかったという点で大きな違いがありますが、それ以上に反響の分かれ目となったのはやはり襲撃者が持つ大義の差にあると感じます。

 襲撃そのものを支持するつもりは全くありませんが、安部元総理の事件に関して犯人ははっきりと統一教会の問題が動機だと述べており、その問題に翻弄された家庭環境などについても後に報じられています。その内容を見た私としては以前にも述べていますが、仮に犯人と同じ立場であればこうした襲撃を企図しなかったか、企図しないまでも実際に統一教会に便宜を図っていたと言える安部元総理に憎悪を抱かなかったかと言えば、そうならないと言い切る自信はありません。
 実際に犯人の境遇に同情心を感じた人は少なくなく、その裁判に対する献金額も相当な額が集まったと聞きます。また事件後の自民党内における統一教会関係者への近すぎる距離に関しては非難も集まり、関連議員らも関係を断つと表明せざるを得なくなるなど、実際に政治的にも社会的にも大きな問題でありながら誰も切り込まなかった点、というより切り込めなかった点に犯人は食い込んだと言えなくもないです。その襲撃は政治目的ではなかったにしろ、皮肉ながら日本の大きな政治的欠陥を是正するきっかけになっています。

 そうした、ある意味で日本の暗部に切り込んだ安部元総理襲撃事件の犯人に対し、岸田総理襲撃事件の犯人に関しては、その襲撃に関して何の大義というか共感も覚えません。報道ベースではいまだこの犯人の動機について報じられていませんが、これは動機に対する憶測や下手な共感が広がることを防ぐためという政治的な報道規制が行われているとの声も出ているものの、単純に誰も興味持ってないという方がより実態に近い気がします。
 事件直後の報道によるとこの犯人は選挙出馬年齢の下限に対して不満を持っており、わざわざ裁判を起こしてまで改正しろと主張していたそうですが、時間が経てば誰でも年齢条件クリアできる点で平等だというのに、こうした主張をするあたりでまともな人物とは到底思えません。実際に事件前の怪しい行動をよくとっていたとのことで、単純にまともな判断力を持たないおかしな人物がおかしな行動に出たという風にしか、この事件については見えません。少なくとも「人を殺すに足る」理由をこの犯人は確実に持っていないでしょう。

 そういう意味では大義とまでは言わなくても、行動に周囲の人も納得するだけの動機があるなら世の中もその行動や犯人の人物像に関心を持つのに対し、そうしたものが一切なく、ただ自分の不満を他人にぶつけようとするだけの浅い価値観の人間に対しては誰も興味を抱かないし、支持もしないのだなというのが両事件の一番大きな差に見えます。以前の記者時代に当時の編集長が革命なり大衆運動なり起こすに当たっては、みんながそりゃそうだと思うような大義がなければ決して成功もしなければ続きもしないと語り、大義なき行動というのは絶対に失敗すると言っていたのを思い出します。

 襲撃や暗殺に大義はあるのかと言えば、少なくともなければその行為は後に否定され、暗殺され側を逆に盛り上げることになるという風に思います。現実にあの事件から岸田政権の支持率は株価みたく反発上昇トレンドを取るようになり、もし今年総選挙が起きて自民党が勝利したらその最大功労者は襲撃事件の犯人とかになりそうです。
 っていうかあの事件以降、若干政権と距離を置き始めていた菅元総理が急に静かになったし。

 以上から、少なくとも大義がないのなら暗殺とか襲撃はやるだけ無駄だし逆効果になるからみんなやめなよというのが自分の意見です。まぁ大義があるならやっていいってわけじゃないですが、大義があるなら実力行使に出る前にもうちょい世論に訴えかけるところから始めてもらいたいものです。