さて以前にこのブログで、なんか撤退した家電などの量販店跡地が悉くリサイクルショップになっているとしたうえで、
街が廃れる
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お店が撤退する
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跡地にリサイクルショップが入る
というサイクルを繰り返すことで、リサイクルショップが増えている街は廃れてきているという理論を提唱した私ですが、実際のところリサイクルショップは増えているのか気になりました。メルカリなどのだれでも参加、出品できるオークションサイトの普及により取り扱われる商品が増え、また業者もこぞって参加するようになっているから増えているのではないかと推測しましたが、調べてみたところ実際増えているようです。
・「リユース市場データブック2023」を10月2日に発刊(リサイクル通信)
上記のリサイクル通信の調べによると、中古品売買業ことリユース業界の市場規模は2009年以降一貫して増えているとのことです。2008年がリーマンショックの年であることを考えると、2008年を除けばさらに拡大期間は増えそうですが、2022円の市場規模は約3兆円とのことで、2009年比で約3倍も拡大しているということになります。
このリサイクル通信以外でも、恐らく引用元は同じだろうけど市場規模は約3兆円と述べているところは多く、また市場規模、ユーザー数、店舗数は拡大の一途を辿っているとしています。
面白いのは2021年度調査の品目別売上高で、ほぼ全品目で売上規模が拡大しているにもかかわらず、ゲーム、書籍、ベビー用品の3品目のみ縮小となっています。ゲーム、書籍ともに電子版の普及が間違いなく原因で、ベビー用品は少子化が影響しているのでしょう。
・【最新】リサイクル市場の動向は?現状から見える課題や今後について(モンスターオークション)
また上記記事では業界上位企業を紹介しており、それによると、
1位 ゲオホールディングス 1,684億円
2位 メルカリ 1,470億円
3位 ブックオフグループホールディングス 915億円
4位 コメ兵ホールディングス 711億円
5位 バリュエンスホールディングス 525億円
となっています。このところ街中から店舗数が少なくなっている気がしますがブックオフはいまだ3位と大手の地位を保っていますが、本やゲーム以外も取り扱うようになっていると聞くだけに、まだまだこの順位は今後逆転が起こりうるでしょう。
・リサイクルショップや買取店の倒産が増えている?(ウォーカーネット)
以上のように市場規模、店舗数などは拡大の一途を辿っているようですが、業界は若干競争過多にもなっているようで、調査年度が2018年度とやや古いですが倒産件数も増加しているとのことです。
そもそもリサイクルショップは申請するだけで取れる古物商の免許さえあればすぐ開業でき、仕入れも極端な話、同業者から買い込めば開業時の在庫が揃えられるだけに参入が非常に容易です。またインターネットオークションの普及により既存店舗のシェアが小さくなっているであろうことを考慮すると、市場の拡大とともに淘汰も同時並行で進んでいるというのも理解できる話です。
仮にそうだとすると、冒頭で挙げた町が廃れてリサイクルショップが増えるというサイクルには続きがあり、最後にはリサイクルショップも閉店するという結末があるのかもしれません。なんかFF5のネオエクスデスみたいだ。
ある意味で、リサイクルショップが増えるということは中古品売買が増えていることであり、ごみ削減やもったいない精神の活発化と前向きにも見えるのですが、その一方で現状のように参入が容易だと質の悪い業者も増えていくのではないかという懸念があります。それだけにやや過剰に拡大していると思う節もあるだけに、リサイクル業開業についてはもう少し規制を設ける、または運営上の制限を増やして粗悪な業者対策を今からやった方がいいのではないかと思います。
敢えてまた極端な話をすると、盗難品を買い取って現金化するマネーロンダリング業者も中にはいるでしょう。参入が容易であるだけに、こうした方面への対策は必要でしょう。
前述の通り、中古品売買が増えることはごみや環境問題的にはプラスなだけにいいことっちゃいいことです。だからこそこの流れをよりいい方向に向かわせるためにも、今のうちにもう少し市場の秩序を高める努力を政府なり業界団体に期待したいところです。