話は本題ですがいまだ燻り続ける自民党のパーティ券収入キックバック問題で、岸田総理への批判が高まっています。ただ若干贔屓にし過ぎかなと思いつつも、もしこれが安倍元総理だったら絶対にこの問題について知らぬ存ぜぬ調査せぬをやり続けたことを考えると、証人喚問にまでは出さないまでも公開での査問会に自ら出席したり、その後もはっきりしなかったことから対象議員に党内再調査を行って新証言を引き出してる辺り、岸田総理のことをもう少し評価してあげてもいい気がします。
っていうかこれだけ疑惑がそろっているのに一向に支持を上げられない野党は、与党を批判している暇があったら自分たちがもっと信用できる政党であるように努めるべきでしょう。少なくとも自分の中では今でも野党に投票する気は起きないし、大阪万博を巡る混乱を見ても維新の会はむしろ自民党以上に政治の場から排除すべきだとも思えてきています。
話を戻すとその岸田総理主導で行った再調査で、キックバック問題に森喜朗元総理が関わっているのではないかという情報が出てきたそうです。まぁこれは出てきたというかみんなわかってたけど誰も口にしなかっただけで、一応自民党内からも示唆する声が出てきただけでもかなり異例だと思うしよく頑張った気がします。
実際に森元総理がこの後処分されるかどうかについては時効もあるし証言だけでの立件はまず無理ということから望み薄ですが、前から彼については「かばおうとする」勢力が無駄に存在することに疑問を感じていました。
具体的には先の東京五輪の際に失言で運営委員会の会長を降りた際、「色々言われるが森さんは本当に頑張ってくれた」、「あの報酬でこれだけ働くなんてありえない」などと言ってかばう人がいました。ただこの時疑問に思ったのは、具体的に何をしたのかについて誰も言及していなかったという点です。
難しい交渉をまとめたとか、難色を示した相手を説得したとか、煮詰まった会議をいい方向に決定づけたとか、本来あるべき具体的行為について当時誰も一切言及していませんでした。何故公安ったのかはっきり言えば、「表に出せない」案件を内々で処理していたことを彼らは誉めていたのではないかと正直疑っています。
その「表に出せない」案件は、東京五輪では非常に多くありました。「中抜きオリンピック」とまで呼ばれるほどよくわからない中間搾取が多く、またそれを嫌って任天堂をはじめとする大手スポンサーも途中で協賛から降りたともいわれており、果たしてこの方面に森さんはどうかかわっていたのかが自分としては気になっています。
森について私はその政治的業績は一切評価しておらず、むしろ神の国発言など日本を貶める方に活躍された人物だと評価しており、CIAかKGBの工作員だったんじゃないかという風にすら見ています。いろんな人間が本当にこの人のことをほめそやしますが、確かに政治の中では表に出せない活動や交渉もあるだろうしそういうのを評価する人もいるっちゃいますが、彼が総理だったのは20年以上も前で、普通これだけ時間経ってりゃ「実はあの時は……」的な情報公開が出てきてしかるべきです。しかし現在においても森がすごいことをやってのけたという情報はいまだ目にしたことはなく、むしろ今回のキックバック問題には「実は森が……」的な悪い方での話によく登場してきます。
まぁ悪いことにいろいろ手をまわしてれば、悪い方には褒められるんでしょうけど。
唯一、森について肯定的に見ているのは、村山富市元総理の首班指名時に悪役を引き受けたという点です。不倶戴天の敵であった社会党党首を自民が指名して連立与党入りにもっていくという方針を森が発表し、多くの党員に恨まれつつも政権に返り咲いたというのは政治決断的に評価できますが、これ以外だと何も評価する点はなく、発言も軽いくて重みなく、何をもって周りが彼を推すのかが見ていて不思議でした。まだかつての野中広務や、今度引退する二階氏だったら応援する人もいるってのは理解できるんだけど。