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2025年7月23日水曜日

対米関税交渉妥結の衝撃


 また本題と関係ないけどmengのデフォルメされた3号戦車のプラモをこの前作ってました。接着剤浮揚の子供向けキットで時間潰すのにいいと思ってたら、パーツの整合性悪くてかなりストレス貯めて作りました。携帯電話の電波マークっぽいデカールやカーテン付きの装甲などデザインは悪くないんだけど、次回以降作るのはちょっとためらう。

 話を本題に振ると、いちいちリンクは貼りませんがかねてから注目されていた米トランプ政権の関税交渉について今日突然、自動車を含めほぼ一律的に15%の税率で導入することに合意すると日米両政府から発表されました。結論から述べれば大成果もいいところで、この結果を批判する人ははっきり言って大馬鹿もいいところであり、「やーいお前の頭、対魔忍」と言ったっていいでしょう。通じないだろうが。

 この合意された15%という成立ですが、トランプ政権以前と比べると税率は確かに高いものの、自動車に対してのみ既に引き上げられていた25%の税率に比べると格段に低くなります。また近年の円安を考えると、関税が15%に引き上げられるとしても円安効果で十分お釣りがくるほどで、少なくとも現況においてはコロナ以前の時期よりも日本は対米貿易で有利であると断言できます。
 その上で、この関税引き上げ合意によって円安に対する米国の批判手段は明確に小さくなります。正直言えば関税率よりも円安を是正するよう言われた方が日本にとってダメージになると考えており、恐らく今後なにがしかで行ってくる可能性はあるものの、「それを是正するためお互いに関税導入で妥協したじゃん(´・ω・)」と言い返す口実を日本は得ており、あらゆる方面でプラスをもたらす交渉結果だと私は考えます。

 また交渉妥結で日本は英国、ベトナムに続く三番目で、もめているカナダやメキシコ、ブラジルといったアメリカ大陸諸国やEUに先んじて妥結したのも大きな成果でしょう。あとになればなるほど不利になる可能性もあり、また15%という税率はベトナムなどと比べても有利なもので、この順番でこの成果なのに物足りないと主張するのは贅沢もいいところでしょう。
 もっとも、批判している連中が言っているように対米投資やコメの輸入拡大(ミニマムアクセス拡大)などの条件も付けられていますが、前者はエネルギー方面の投資になると言われており、ロシア情勢を考えると日本のエネルギー政策的にも理に適っておりあまり問題にならないと感じます。後者に関しても、JAとかの連中が「せっかく引き上げたのに備蓄米で価格下げやがって。じゃーもう米なんて作ってやんねぇ」などとジャイアンっぽい発言しているのを見ると、コメの生産量拡大は短期では難しいと思われ、放出した備蓄米の再補充も考慮するならこっちもありな気がします。というか、海外産とある程度競争させないとコメ問題解決しない気もするので、ケツ叩く意味でもこうした措置が必要な気がします。

 もちろん、関税があるかないかで言えばない方が日本にとって有利なのは間違いないものの、国際交渉というのは一人勝ちの状態ではヘイトを高めて協力を失います。前述の通り円安だけでも日本はすでにかなり儲かっており、その儲けを一部あきらめて米国に花を持たすということは交渉において必要なことです。上に挙げたように、今回の結果は現状報じられている限りではかなりに日本にとって有意義であり、且つ米国も関税を徴収する(恐らく日本側が輸出価格を割り引くことで間接負担する)ことで国内財政をある程度補填できる結果となるだけに、落としどころとしてはいいところにあると感じます。

 惜しむらくはこの結果が選挙開票前であれば、自民党候補がもう数人当選し、自公過半数を維持して、石破総理も政権を維持できたかもしれなかったという点です。この対米交渉の結果は目を見張るものがあるものの、先の選挙結果と対米交渉と備蓄米放出以外では何も成果を出していないことを考えると、表では政権維持に意欲を見せているものの、石破総理はやはりここらが潮時かなと感じます。
 もっとも、この対米交渉は赤澤大臣がUSスチールの件を含めかなり主導していると聞くだけに、石破総理が辞めても次の内閣で赤澤大臣を続投しさえすれば何も問題なかったりします。そう考えると、石破総理はやっぱいらないって結論になってしまうわけです。

選挙報道の距離感を失ったメディア


 この前の記事でミッフィーの謎の加湿器を紹介しましたが、同じウェブ店舗でこちらのミッフィーを水に沈めるハンドソープポンプも売っていることに気が付きました。何故この店は悉くミッフィーを水攻めにした商品を作ろうとするのだろうか。

 話は本題ですが先週末に行われた参院選で、一つ気になったのがマスコミというかメディアの選挙報道です。端的に言えば仕事を放棄したかのように各政党や候補者の主張や論点を報じず(争点自体あまりなかったが)、全体として選挙戦がどうなっているのかかつてないほど読み取ることができませんでした。
 主に報じられていたのは有権者の支持、投票先政党の調査結果ばかりで、この報道で参政党が伸びていると報じられていたのを見たのですが、その参政党がどういう政党で党首や候補のパーソナリティについてはどこも何一つ一切報じていませんでした。なので選挙戦序盤、この参政党が一体どういう存在なのか全く分からず、友人にも聞いたりしたほどです。

 前からそうだったという人もいるかもしれませんが、私の目からすれば今回ほど選挙の内容をメディアが報じない選挙はかつてなかった気がします。山本太郎のコスプレ問題も選挙中は一切報じられていなかったように思え、私がこれを知ったのも、エマさんの声優が出馬していたのを知ったのもすべて選挙後でした。

 では一体何故メディアは選挙の中身についてこれほど報じなかったのか。断言できますが先の兵庫県知事選の影響でしょう。あの選挙でSNSなどと比較してオールドメディアと叩かれた上、あれだけ知事選前に批判していた斎藤知事が民意を得て当選してしまったことから若干自信というか本質を見失い、それを変に解釈して「民意を扇動してはならないし誘導してはならない」という方針になったのか、今回の選挙では必要以上に偏らないよう中立を意識していたように見えます。ただ若干報道をはき違えている節もあり、ネットでしか日本のニュースを見ないという特殊な立場にあるものの、私からすれば本当に必要な選挙の中身すら報じなかったのはサボタージュもいいところな気がします。

 結果的にこうしたメディアの消極的な政治報道姿勢もあって選挙論点が発展せず、また若干異常な候補者の異常行動が取り上げられずに無視され、変に盛り上がってしまってたような節も感じます。っていうか候補者の明らかに矛盾した発言や提言、社会的に見て異常極まりない行動に対してはメディアも堂々と批判していいと私は思うのですが、なんか今回はそうした異常行動についても「敢えて報じない」という素振りが見えました。小泉議員もあちこち応援演説に行っていたと思うのですが、彼の名前はこの選挙中にほぼ全く見ることなかったです。

 私の予測では恐らくこうした選挙報道に消極的となるのはこれから1~2年くらいは続く気がします。その後、やっぱりおかしいと気が付いて戻ると思いますが、今のメディアは選挙報道に対する距離感を完全に見失っており、それこそ公平で中立的に候補者の主張などを解説するしっかりした政治系SNSなどができたら、一気にそっちが注目されるかもしれません。

2025年7月21日月曜日

今回の参院選結果に対する見解

 参院選が昨日開票が行われましたが、昨夜の記事で「ムネオはタフ」と書いたら今回の選挙で敗北宣言を一度は出すもオオトリで奇跡のフェニックス当選果たしやがって、改めてその政治生命のタフさにビビりました。田中角栄も相当タフだったけど、もはや確実にムネオの方が上だろう(;´・ω・)

 話は本題ですがその参院選の結果ですが、自分個人の見解として述べると自民党の重鎮からしたら一番望み通りの結果だったんじゃないかと考えています。何故かというと仮に自公過半数を維持した場合、選挙戦勝利ということで石破下ろしがしづらくなるからです。
 その上で自公以外との参院議席数の差はわずか4であり、これは2人引き抜きに成功したら過半数を維持できる水準です。ぱっと見、今回の選挙でも無所属として出馬しているステルス自民党候補が出て何人か当選しているように見え、さすがにすぐに旗印を見せることはないでしょうが、しばらくは無所属候補として採決に自民寄りな姿勢を見せ、後々正式に合流する人も出てくるような気がします。

 そして石破総理ですが、まぁこの状況で政権が持つはずもないでしょう。消費税率引き下げにはそもそも自分も反対ですが、税率を下げずに補助金を配る論理は誰がどう見ても破綻しているし、またかつての参院選敗北で安倍元総理を批判していたことが蒸し返された件についても子供のような言い訳を呈す始末です。
 というより、自分が思ってた以上に石破総理が地位にしがみつこうとするのは軽い驚きでした。こんな状況で総理続けても苦労しかないのにそれでも総理にいたいって、やっぱ権力ってすごいなと思います。

 ただ石破退陣はもはやほぼ確定事項で、次の国会開会までに総裁選をやるかどうかってくらいでしょう。すでに自民の総裁を狙っている人たちは動いているように見えるし、内閣メンバーの中でも動きを見せる人がいるでしょう。その総裁選で誰が勝つかはまだ予断を許さないですが、高市氏は確実に出馬すると見られ、現状ではやや有利な立場に見えます。

 一方、野党に関しては山尾氏の問題を起こしながらも国民民主党がここまで議席を伸ばすとは思ってもみませんでした。基礎控除討論でやっぱり株を挙げたというか評価する人が多かったというべきなのかもしれませんが、逆にこれからがある意味正念場で、党勢を拡大する中でどれだけ人材の質を確保するかが今後の課題となるでしょう。維新はこれでミスって、今回の選挙でもほぼ全く報道で触れられることもなかったし。

 逆に今回一番報道されていたのは参政党でしょうが、私はあまりここに関心がありません。以前のNHK党のように、恐らく開会したら議員らに多くの問題発言や行動が掘り起こされ、すぐに数人が議員辞職などに至るとみているからです。これもあるから、自民党も過半数がいまなくてもこの後どうにかなるという自信を持っているような気がします。

 最後に公明党に関して、今回は論点も少ないから投票率が落ちて有利かと思いきや、議席数を6席減らすなど逆風が吹きました。あの池田大作も亡くなり、かねてより創価学会の信者数も減少しつつあると言われており、いよいよもってその勢力の弱体化が目に付くようになった気がします。
 私自身が信仰を持つ人が政治に参画することはよくないとは全く思わず、所属する宗教を政治上で優遇するなどの政教分離に反する行為さえしなければいいという立場をとっており、公明党や創価学会に対して恐らく並の日本人に比べアレルギーは小さくないと考えています。ただその私ですら近年の公明党の勢力低下ははっきり感じるほどで、この傾向は時間の経過とともにますますはっきりする可能性が高いことから、社民党の後を追いつつある共産党を笑えなくなってきているのではという気がします。

 さて「ニーア オートマタ」でまたケツを眺めながらプレイするか。生憎、2週目なので9Sのケツになるのですが……。なんであのゲーム、バックカメラの視点がほかのFPSと比べて低く、やや下からケツを眺めるローアングルがデフォなのか最初はめちゃ戸惑いました。

2025年7月20日日曜日

プライドを捨てられるのもまた能力

 今朝、毎晩使っているアイマスクを手もみ洗いで洗濯したら、めっちゃ手がヌルヌルになってビビるとともに、最近覚えたての「ヌル女2」という単語が頭に浮かびました。元ネタは漫画、アニメ、ドラマともにすべて見ておらずこれまで全く興味もなかったのですが、この癖強ワード知ってから俄然興味が湧いており、日本に行ったときに漫画喫茶で読もうかなと考えています。スクエニの単行本って、どれもページ数薄いわりに価格高いからあまり買いたくないし。

 話は本題ですが密かに大した人だと一目置いている人物に、宮崎謙介氏がいます。ほかの誰でもなくあの宮崎氏で、衆議院議員となるも奥さんの出産育休中に不倫し、なんか去年行われたクズ-1グランプリでもトップを飾ったあの宮崎氏です。一体何故自分が彼に一目置いているかというと、上記のクズ-1といい、プライドを捨てきって汚れ役を自らやっているからです。

 よく一度独立して社長職を経験した人は、その高まったプライドから事業が失敗しても一サラリーマンに戻れないという話をよく聞きます。宮崎氏も一度代議士という高い地位についていますが、あくまで日系メディアの報道などを見る限りだと、現在では不倫のニュースが出るたびにコメントを出して「お前が言うな」というツッコミを受けるキャラをよくやっているそうです。
 こと女性関係において彼がクズなのは間違いないことですが、議員という高い地位にかつてついていながらこうしてプライドを捨てきり汚れ役になれるというのはなかなかできないことだと思え、その精神的なタフさというかずぶとさに関しては近年見る中でも特段優れているように見え、一目置くようになりました。

 昨日書いた記事で私は、その死に衝撃を受けた人物として中川昭一と永田寿康を挙げました。両人ともにエリート街道を突っ走っていたものの不祥事をきっかけにものの見事に転落し、永田に至っては精神を病んで自殺し、中川に関しては自殺ではないもののストレスが原因とみられる急死をしています。
 両名ともに高い知名度と人脈があり、特に中川に至っては落選したのは明らかに逆風な選挙であり、次の選挙ではまた再選が期待される立場であったにもかかわらずあのような亡くなり方をしました。はっきり言えばどちらも自分のプライドに殺されたように見える死に方で、もう少ししぶとさというかずぶとさがあればああいう結果にはならなかったように見えます。

 少なくともこの二人より激しく糾弾されていた鈴木宗男氏だって、ああして議員に返り咲いているのだし。まぁこれはムネオがタフ過ぎるだけな気がしまうが。

 何も政治家に限らずとも、プライドの高さというのは古今東西における自殺において間違いなく大きな要因です。基本、プライドが低ければ低いほど自殺し辛くなり、高いほど何かのつまずきをきっかけに自殺へ走ってしまいます。そういう意味では自殺の予防というか防止に関しては、一度高めたプライドを捨て去る、具体的には余裕のある状態から転落しても、泥水すすってでも這い上がろうとする力が求められるものだと思います。

 この点でさっきの宮崎氏なんかまさに典型で、自らクズ代表として露出する当たり只者ではありません。また経営者の中で自分が最も尊敬する日清食品の安藤百福も、二度も破産しながらも心が折れず、インスタントラーメンで見事再起を果たしています。

 よく子供の自殺対策としてこうした方がいいという教育法がたくさん挙げられたり取り入れられたりしていますが、自分は自殺対策としてなら、こうしたプライドの捨て方や逆境からの這い上がり方を教えるのが最も効果的だと思います。しかし後者に関しては、むしろ今の日本の教育は「如何に失敗しないように生きるか」しか教えず、失敗した後のリカバリ方法や立ち直り方は逆に教えられていない気がします。言い方悪いですが、こうした教育の仕方だから子供の自殺者増えてるんだと私は思います。

 そういう意味では真の自殺対策、そして本当に精神の強い人間を育てるうえで、宮崎謙介氏をもっと見習うべきじゃないかと思うわけです。といっても、前述の通り女性関係に関してはこの人本当にクズで、奥さんが聖人過ぎるからまだやってこれている面も多いだけに、単純に見習えと言い切るのも少し考えものです。
 ただ、こと自殺対策に関してはかなりいい模範なので、政府もアイドルとか使うんじゃなくて「いろんなことがあっても、楽しく生きています」といったキャッチフレーズとともに宮崎氏を自殺防止傾圧ポスターに使えばいい気がします。ぶっちゃけそんなポスター見れば、日常の悩みも「こいつに比べりゃ大したことねぇな(´・ω・)」と思えてきて一般人にもプラスになるようにも思えます。

2025年7月19日土曜日

その死に衝撃を受けた政治家


 タオパオで無駄にミッフィーと検索したら出てきたのがこの商品ですが、加湿器らしいです。「ミッフィー入れる必要あんの?」と思えてならないですが、なんか無駄にそそられます。冬場でも一切暖房入れないから加湿器は使わないのですけど。
 話は本題ですが選挙についてあんま描くのも何なので一つの政治ネタとして、自分がその死に衝撃を受けた政治家を挙げることにします。

中川昭一(Wikipedia)

 まず一人目は、自民党で大臣も務めていた中川昭一です。自民党議員の中でも比較的出世コースに乗っており、比較的どの会派とも関係が良くて将来の総裁候補と目されていた人ですが、大臣時代にイタリアで行われた会見に泥酔状態で登場し、質問に全く答えられず、その後のバチカン美術館でも問題を起こしたことから大臣を辞任し、そのあと行われた2009年の選挙で断酒を口にするもあっさり落選しました。

 なおこの時の選挙直前に見に行った講演会で田原総一郎氏は、「自民大敗は確実。中川昭一も落ちる」という予測を断言していたのを覚えています。

 話を戻すとその落選からわずか2ヶ月後に自宅で死んでいるのが見つかります。死因については若干ぼかされていますが、自殺ではなく薬の副作用と言われており、落選のストレスが影響したと推測されます。
 自分はこの一連の流れを見ていましたが、そのあまりの急転落ぶりにいろいろ思うところがあり、その後自民党が下野して総裁が何人か変わるたびに、生きていたら彼が総裁になっていたと思うと、人生どこで何があるかわからないと何度も思い起こされました。

 落選した選挙は自民党が下野するほどの大逆風の選挙であり、もし別の時の選挙だったら彼ほどの地位なら落選することはなかったでしょう。その点では運のなかった点も感じますが、そこへ至る経緯は彼自身の自業自得的なものであることには変わりはなく、ワンミスでこういう風に急落するのが政治の世界といったところでしょう。

永田寿康(Wikipedia)

 次に衝撃を受けたのは、一時は政界の闇将軍ならぬヤジ将軍と呼ばれた永田寿康です。自分は今の今まで弁舌というか切り返しにおける頭の速さでこの永田寿康が政治家として一番だと思うくらい地頭のいい人だと考えています。ただ才走るところが生前から明らかにあり、それ故にいわゆる堀江メール事件であんな怪しさ満点の怪文書を真に受けて出してしまったあたり、多分生きて議員を続けていたとしてもどこかでとんでもない大ポカやらかしていた気がします。基本、物事を自分にとって都合よく考える癖があったと感じていたし。

 ただ、堀江メール事件の判断は無様としか言いようがないものの、その後の彼の転落ぶりには思うところがありました。知ってる人には早いですが所属していた民主党からは縁を切られ、奥さんとも離婚し、精神病を発症して病院に入院していたもののそこで自殺しています。割と冷淡な自分ですらいくらなんでもここまで落ちなくてはならないのかと思ったほどで、せっかく地頭がいいんだから政治家以外の別の道で頑張れば良かったのにという気が報道当時に思いました。
 はっきり言ってしまえばエリート意識が高すぎたんでしょうが、それでも惜しいと思うくらい賢い人だと感じていただけに自分の中ではいまだにその死が衝撃だったと感じる人です。

 このほか自殺した松岡利勝や最後迷走気味だった与謝野馨もいますが、どれも2010年ごろの政治家になんか集中しています。まぁそのあとからずっと中国いるしなぁ。

2025年7月18日金曜日

1988年の上海肝炎大流行事件


 先日、たまたま上の動画を見る機会がありました。ちなみにこの動画というかチャンネルはこのところよく見ており、なんか無駄に激しい事故とか見ていて昔の「世界丸見えテレビ」を見ている気分になります。

 話は戻しますがこの動画で紹介されているのは1988年に今も自分が住む上海市で起きた、赤貝を原因とする肝炎の集団感染事件です。そのあらましを簡単に説明すると、何でも上海市内に赤貝の養殖場が作られたのですがここが何故か下水の配水先近くにあり、汚水で汚染された赤貝がそのまま食用として出荷されたことが原因だったそうです。しかも中国で赤貝は日本での牡蠣のように生で食べるのが一番いいとされる食材であったため、この赤貝を生で食べた人たちが肝炎を発症し、その人たちから周囲の人が伝播感染してどんどん広まっていったそうです。

【A型肝炎にならない①】1988年に上海で約30万人の大規模発生あり。(上海ではたらく内科医のブログ☆リターン)

 上のブログ記事でもこの事件は取り上げられているのですが、自分が今も住んでいる上海の過去の事件ということから興味があり、誰でもいいからこの事件について話したいと感じました。そこで都合のいい上海の友人を思い出し、彼にこの事件を振ってみたところすぐ反応があったというかやっぱり知っていました。

 流行が起きた当時に友人はまだ小さい子供でしたが、彼も肝炎に感染して当時病院で治療を受けていたそうです。その当時の状況については、「まさにちょっと前のコロナの流行期のようだった」として、動画でも紹介されているように感染者があまりにも多くて病院に収容しきれず、あちこちの建物に肝炎で苦しむ人が横たわっていたそうで、一定の年齢層の上海人からすれば忘れようとも忘れられないほどの大事件だったそうです。

 若干オチに苦しむこのネタですが、最初の動画を見て公衆衛生というのは本当に重要なんだなと改めて感じました。それこそコロナ以前は妙なマッチョイズムで、風邪や病気というのは鍛えてればどうにかなるし感染しないと信じ切っていた私ですが、中国でコロナ規制が解除されるやすぐコロナに感染し、その後も中国でコロナが流行する度に引っ掛けられるようになると、個人がどれだけ衛生に気を払おうとも公衆衛生が悪ければ簡単に病気にかかってしまうということを意識するようになりました。
 言い方変えると、成人病などは別ですが感染症というのは個人がどれだけ努力してもかかるときにはかかってしまうもので、この中国の肝炎大流行を含め、過去の公衆衛生事件をよく意識して、みんなで対策採らないとだめだと思うようになっています。とはいえ、養殖場近くに排水垂れ流すのは想定外すぎる気もしますが。ゲーム実況動画のこの人のようなことを、リアルでやるのはやっぱり中国なんだなぁ。

2025年7月16日水曜日

日産はどの時点で詰んでいたのか

 日産が先日に発表した追浜工場閉鎖のニュースはかなり影響が大きく、今日は中国人の同僚にも「追浜閉鎖だってね( ゚Д゚)オッパマ」と言われました。かつての自動車名門であるこの日産の凋落について「私にはわかっていました」と後出し孔明っぽいセリフが出そうになりますが、少なくともこの私自身に関してはこのセリフを言う資格があると強く言えます。というのも、10年前の時点で「今の日産はかなりおかしいぞ」とこのブログで主張していたからです。

 10年前のあの頃はフリードリヒじゃなくてゴーンがいた時点でなんでそんなに日産危機論を言えたのかというと、その時点で日産は何年もまともな新車を発売していなかったからです。当時はまだコンパクトカーのノートに関しては頻繁にモデルチェンジを繰り返していましたが、あれから10年経った現在においてはさらにひどくなっているというか、マイナーモデルチェンジすらほとんど行われず、何年も前に発売した車をずっと売り続けているような状態です。一応、セレナに関してはフルモデルチェンジをまだ数年後にやってはいますが、それでもかつてと比べるとそのブランド価値は同クラスのアルファードとは比べるものもないくらい開いており、もうこの差を埋めることは金輪際ないでしょう。

 話を戻すと2010年代中盤の時点で日産は新車をまともに開発する能力がなくなっていたのではないかと思います。日本市場だけでなく中国市場でもほとんど新車がなく、一応途中で出した「シルフィ」は中国で大ヒットして年間販売台数でも首位に入ったこともありましたが、既にこのシルフィも旬が過ぎて売れなくなっています。それどころか現在の中国では日産に売れる車はほとんどなく、かろうじてエクストレイルがファンの間で売れてる程度です。
 それほど深刻なくらい新車が出せなくなっていた日産なのですが、2010年代においては人気の高かったキューブを廃番にしてしまっています。あれこそモデルチェンジすれば旧ユーザーは確実に買い替えたと思うし、その後のホンダ・Nボックスのヒットを見ると、あのクラスの需要は非常に高かったと思うだけに惜しいと感じるとともに、日産は何を考えているんだと今だけでなく当時も感じました。それ以降もキューブに限らず新車は出ないのに廃番にする車種は増え続け、そのラインナップは往時に比べると今は非常に貧相なものとなっています。

 ではそれ以降、日産は何を売っていたのかというと、アライアンスに加えた三菱に作らせたekシリーズこと日産・サクラでした。自分とこでは一切開発せず、三菱に開発させて量産させた軽自動車ばかり売るようになり、登録車はどんどんと先細っていったのがこの10年だとみています。とはいえ三菱をアライアンスに入れる前から日産はほとんどまともな新車を出さなくなっていたので、この傾向は三菱との提携による結果だとは思います。むしろ三菱がいなければ、日産の日本国内販売が今のように追いつめられた状況になるのはもっと早かった気すらします。

 そもそも何故日産はこれほど新車を開発できなくなったのか。確かに00年代と比べると10年代に入ってからはグローバル車戦略もあってどのメーカーも開発期間が延び、新車投入ペースは悪化していく傾向がありましたが、それを考慮しても日産の投入ペースほどには悪化していません。終いには過去に発売した車をガワだけ少し変えて「新発売しました!」と言い張る詐欺的な売り方までしてたし(フェアレディZ)。
 時期的に考えると、大体リーマンショックあたりの時点で日産の開発リソースがかなりおかしくなっていたような気がします。まだ当時はジュークなども開発してましたが、それ以降はどんどんと何も作らなくなり、現在に至ってはまともな新車を作れるのかすら怪しさを感じるほどになっています。資金力とかそういうものではなくやはり日産自体の開発リソースがなくなったという風に思えてきます。

 一部報道では、開発プランが下から挙げられてもあれこれリスクを挙げては上層部が握りつぶすことが続いていたと報じられていましたが、この10年の日産の新車投入状況を見る限りそんなレベルじゃないような気が私はします。どちらかというと、「作りたくとも作れない」ような状況であるように見え、三菱への開発丸投げを見てもそうした事情があるからのように感じます。
 見方を変えると、今の日産は三菱なしじゃ成り立たない気がします。そして、今日産が持つ財産の中で最も価値があるのは三菱に対する持分だと思え、ホンダも本音では軽自動車シェア、技術の拡大のため日産以上に三菱を欲しているように見えます。にも拘わらず資金調達手段として三菱株の売却を誰も口にせず、報道も出ないことに前から奇妙さを感じており、もうなんか裏で話ついてるんじゃないかとも穿っています。

 最後に、自分が日産が身売りを決断したなとはっきり感じたのは今年1月、社用車のADバンの廃止を発表した事典です。この手の社用車というのはフォークリフトなどと同様に、自社グループや下請けに無理やり買わせることができる車であり、赤字を出そうと思っても出せないような車種です。にもかかわらずマイナーチェンジしないのはともかく廃止を発表したということは、もう企業としての独立運営をあきらめたんだなと思いました。
 こちらも後出し孔明っぽいですが、当時はここまでブログに書いてなかったので批判されても仕方ないと考えています。

 以上をまとめると、ADバン廃止発表の時点でもう日産は破綻がほぼ決まっていましたが、自動車メーカーとして開発力的に詰んでいたのは三菱との提携前辺りじゃないかと考えます。当時に三菱を一部買収することで命脈を永らえさせましたが、実質的に10年前の時点でほぼ詰みに入っており、死んでいた命を10年永らえさせていたようなものです。
 既にホンダからも提携を拒否られているように、日産の価値はもはやほとんどなく、追浜工場を閉鎖して九州に生産能力を統合させると言っても、その九州の工場もいつまで持つかという話でしょう。まだここまで口にする人もいませんが、日産のブランド自体存続できるのかというような状態だと私には見えますが、そこまでの危機感もってる人はまだ多くない気がします。

 それはともかくアルピーヌ・A110は欲しい。円安のせいで日本国内の販売価格がモリモリ上がってるけど。